コメントには、
書かせていただきましたが、
カズコさん、とっくに退院しております・・・
おはようございます。
退院予定は、28日の土曜日だったが、
2日半で、病院からSOSが届いた。
「カズコさんの帰りたいというお気持ちが、強すぎて・・・」
手術当日から、すでに、こうなるだろうことは予想していた。
手術を終えた主治医には、
「最悪、明日、お迎えに来てもらうかもしれない。」
と言われていたからだ。
「術後しばらく、暴れないよう拘束したり鎮静をかける方法もありますが、
やっぱり、それはしたくないな~。
そんなことをするより、自宅療養の方が、カズコさんにとって
いい気がするんですよね~。
でも、できれば入院していた方がいいから、
とにかく今は、スタッフ一同で頑張ってみます!」
ただでさえ、手術に3時間もロスした上、
牙をむき出すカズコに手こずっているのに、
主治医や看護師さんは、嫌味など一言もなく、
ひたすら真摯に、カズコさんのことを考えて下さっていた。
私と父は、これ以上ご面倒は掛けられないと思い、
日曜日の昼下がり、急いで迎えに行った。
待ち合い室に通され、待っていると、
病棟の奥の方から、カズコらしい声が聞こえてきた。
荷造りを手伝う看護師を罵倒しているのだろう、声だ。
私は震えた。怒りに震えた。
(認知症なんだもん、仕方ない。悪気はないんだ。)
そう心で唱えていても、顔がますます熱くなってくる。
そして、ついに、カズコの姿が現れた。
「ほい、ジジも来たんか?!」
完璧だ。
お洒落ウィッグもきちんと被り、薄化粧も施した顔は極めて穏やかだ。
旅行バッグを優美に腕に掛け、しゃなりしゃなりと向かってくる。
なんて、完璧なお出かけスタイルだろうか!
まるで、これから鎌倉あたりへ一泊2日で旅行へいくみたいだ。
私は声を潜めて、父に言った。
「さぞや乱れた状態で来るかと思ったんだけど・・・ねえ。」
父も
「うん。しゃんとしとるな。」と呟いた。
そして、不謹慎にも、笑ってしまった。
その笑いをかみ殺し、私と父は、
誰彼構わず、腰を90度はるかに超えた角度で謝り倒した。
そんなわけで、カズコさんは自宅療養と相成りました。
今後の処置は、通院で。
あぁ、疲れた。
たれ蔵?
安らかな眠っているな。
さて、次は『カズコ、抜糸は大人しく出来るのか』だな。
ほんと、きくという猫みたいな、人だ。