『えたいの知れない不吉な塊が
私の心を終始圧えつけていた。』(檸檬から引用)
おはようございます。
これ、読みました。
買ったおまけに、うちわ型の栞をもらった。
見て、すごく大きいでしょう?これ、栞なんだぜ。
檸檬の他、短編小説が20編収録されています。
どの短編にも、決まってと言っていいほど
出てくるワードは「憂鬱」であること。
自分の生きている場所は、季節が移ろい、美しく輝く。
それなのに、自分は憂鬱の最中にいる。
作者の短い人生の多くの憂鬱や心の機微を、
注意深く掘り下げ、文字として浮かび上がらせる作業は、
命を削るほど壮絶だろう。
憂鬱や陰鬱という文字をたくさん読んだはずだが、
読後、私の心は憂鬱にも陰鬱にもならないから不思議だ。
むしろ、自分の憂鬱とも徹底的に向き合ってみたくなってくる。
しかし、その時忘れてはいけないのは、
枯れかけた小さな花や、やかましい蝿や蚊も、
輝く命であることを歓迎しながら行わなければ、
自分の憂鬱に絶望するだろうことだ。
そんな、本でした。
そして、何よりも良かったのが、
漢字のフリガナが、とても多くて、読みやすかったことです。
ありがとう、新潮文庫さん!
さて、我が家のおたまは、
いつも陰鬱な顔をしているが、そういう時は案外ご機嫌なんだぜ。
そして・・・
大好きなあや姉ちゃんが側に来ると、
嬉しいのに、緊張した顔になるんだぜ。
あや「変なことしたら、ぶっ飛ばすわよ!」
おたまは、嬉しいのだ。
嬉しいのだが・・・
あや「変なことしたら、容赦しないんだからね!」
おたま「おら、緊張する~」
複雑な心境だな。