いつからか、
私は雨が嫌いになった。
おはようございます。
激しい雨の日は、野良猫には会えない。
食いっぱぐれないように、車庫で雨宿りしていればいいものを、
野良猫は、人の匂いのする場所では休んだりしない。
腹を満たすことより、もっと大事なことがあるのだろう。
「なぁに、心配することはない。濡れてでもおいで。
ちゃんと拭いてあげるんだから。」
そう言ったって、野良猫は人に体を拭かせたりはしない。
助けてだなんて、言わない。
野良猫にとって、雨は苦手であり恵みだ。
すっかり私の飼い猫気取りだった野良猫でさえ、
器に水を用意してやっても、それを飲んだ試しはなかった。
「雨上がりの水溜りは、そんなに美味いのかい?」
チャー坊も、助けてと言ったことは無い。
「僕は、君と居たいのさ。」
そう言ったんだ。
マアコは、そんなこと言わないなぁ。
言ってくれるようになるのだろうか。
最近のマアコは、すっかりケージに慣れた。
ついに、扉も取り付け、あとはその扉を閉めるのみだ。
マアコに餌付けを始めて3か月。
苦節3か月で、マアコの捕獲の目途は立った。
とはいえ、今は子育てをしているから、この間に更に慣らす。
そのおかげで、食べている間だけだが、
撫ぜさせてくれる範囲が広がり、
尻尾の付け根を撫ぜると、尻をあげるようになった。
私は、その柔らかな被毛に、
「この手を忘れるな。忘れないで。」
と祈るように、5本の指の爪を立てる。
優しくなぞるのではなく、爪痕を残すように撫ぜる。
爪痕が消えるまでは、まるで時が止まったようで、
私は、過ぎ行く時を追うように、また爪痕を残した。
今日は、昨日に引き続き、予報は雨だ。
私は、いつからか、雨が嫌いになった。
あやさんは、なんか浮かない顔してる?
あや「あたし、おばちゃんに撫ぜて欲しい訳!」
でも、おじさんが撫ぜてくれるから、いいんじゃない?
ほらほら、おじさんが・・・
あや「違うのぉ!」
いや、気持ちよさそうじゃないの?!
あや「不満だわ。どうしても反応する猫のサガが悲しいわ。」
あや「あたしは、おじさん嫌いなのに・・・」
ほい、また来たよ
あや「だから、嫌なのぉ。そこ、気持ちいいけど、嫌なのぉ」
良い顔してるじゃん?
あや「ちょっと笑ってないで、なんとかしてくれる?」
あっ、また来た!
あや「あぁぁ、さいあく~~~」
実に、複雑な心境ですな!