ようやく、空の模様が見えてきて、
今日は晴れるだろうと知り、
ベランダに洗濯物を持って出ると、
東の空は赤く染まっていた。
赤から青へ、ずっとつたっていくと、
遠くの空に、ぽつんと月が浮かんでいた。
この月は、昨夜二人で見た月。
もうすぐ消えてしまう月だ。
そう思えば名残惜しく、縋るように見上げていた。
おはようございます。
しばらく見ていたら、
月の横に飛行機が飛んできた。
なんか、美しくないです?って、
早く洗濯物干せや!って話ですよね。
しかも、この昨夜の月は二人ではなく
3匹だったというね。
あやが、割り込んできたもんだから
三角関係の様相になってしまった。
複雑なのは、人間関係に留まらない。
猫も数匹集まれば、そこそこ複雑な関係性が生じる。
あやは、たれ蔵には厳しい。
しかし、のん太には甘い。
このオッドアイの悪ガキに、なぜか猫達は優しい。
幼いからという理由は、生後半年には通用しない。
少なくとも我が家の経験では、
先住猫が子猫に寛容なのは、生後3か月までだ。
観察をしていても、その訳が分からないのだ。
たれ蔵は、ヤンチャ盛りとはいえ、
他猫に無謀なちょっかいを掛けたりは決してしない。
半面、のん太は、
空気というものは読むものだと思っていない。
空気は吸うもの、それだけを信じて我が道を突き進む。
そんな、のん太に、なぜか、みんな優しいんだよね。
なんだろう?
ドン引いてるのかな?
オッドアイの猫は、幸運を引き寄せると言われている。
だから私は、宝くじをいつもより多めに買ったりしているんだ。
でも当たらない。
当たる気もしない。
のん太が持っている幸運の意味は、きっとこうだ。
自分が生きやすくなるための幸運を持って生まれてきた。
そういう事なのではないだろうか。
だって、のん太って、ラッキー!って事多いもんね。
その礎のために、たれ蔵が犠牲になってる部分も多い気がするぞ。
ねえ、のん太?
こんな状態だけどさ
聞いて?
お前のその幸運で、たれ蔵も守ってくれよ。
宝くじは、かかぁが自力で当てるから!