初めて走った真夜中の縦貫道から見えたのは、きれいな街の灯とお月さま。
この先に待っている現実を思うと、涙が止まりませんでした。
9か月の間、言葉に尽くせない壮絶な闘いを見てきました。
胸の動きが無くなってきた時、悲しいけれどこれで苦しみから解放されるんだと心から思いました。
いつも一緒にいて支えてきた奥様が、ずっと頭をなで胸をさすり「お父さん、お父さん」と声をかけ続ける姿に、
「まあちゃん、最後の最後は幸せだね。よかったね。」と心の言葉を送りました。4時37分、お別れでした。
明るくなって病室のカーテンを開けると、真っ白な富士山に朝日が当たっていました。
MAMMAからの景色とは違い、愛鷹山の上に頂上がそびえています。
父が76歳で亡くなったのが平成15年、病室から見えた大きなエノキが写真のように心に残っています。
兄弟でも一番父にそっくりだったまあちゃんは、まだ68歳、MAMMAのリフォームを一生懸命やってくれました。
この景色が、最後の思い出となりました。ほんとにありがとう。感謝しています。