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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

ベルリン国立バレエ団「チャイコフスキー」ゲネプロ

2011-01-20 13:44:52 | BALLET
昨夜、2011年1月19日(水)19:00~
東京文化会館にて、ベルリン国立バレエ団、「チャイコフスキー」のゲネプロ見学会に行って参りました。

ボリス・エイフマンの作品、で日本初公開。
期待が高まりますね~!
エイフマン、といえば、マリア・アレクサンドロワとセルゲイ・フィーリンのボリショイ至高のペアが、ガラで踊った「マクベス」の鬼気迫る迫力が忘れられません・・・。

終演22:00.
いや~濃いゲネでした!!
翌日(って今日ですが)の初日に観る予定が、もう、期待度MAX.
正直、シンデレラしかチケット取っていない方は今すぐNBSに電話して、ご覧になるようスケジュール調整されたほうが良いかもしれません。
わたくし自身、20日の初日だけ、の予定でしたが、会場でチケット買い足すかも?
日曜日まで連日公演はあるはずです。

衣装をつけての通し稽古でしたが、マラーホフが一幕での分身との絡みのPDDで途中でテンポが速すぎて踊れない、とオケを止めたり、逆に、指揮者のヴェロ・パ―ンが続けて演奏しないと意味ない、と中断リクエストを断ったり、白鳥の衣装での女性群舞で立ち位置を間違えたコールドに、仲間が手真似で場所を指示したり、出のタイミングを間違えた群舞が出かけて下がったり、色々と真剣勝負な調整っぷりも観ていて面白かったです。
最後、どこをさらう?といって、あのテーブルのシーンをやろう、と見ていてとても面白かった賭け事のテーブル~の一連のシーンを2度見られたのも美味しかった!

内容については、今夜の本公演レポで触れますが、天上の人、夢見るダンサー、でなければ飄々としたコメディ役者のイメージの強いマラーホフのガッチリと取り組んだ芸術家の人生、芸術と人生に引き裂かれつつ生きる、濃い人間としての演技が観られて、周りの妖しくも華やかな人間模様ともども、目が離せない舞台になること必須!

密かにワクワクしています


ベルリン国立バレエ団 「シンデレラ」

2011-01-19 04:25:09 | BALLET
今年のバレエ観賞始めは、
マラーホフ芸術監督率いる、ベルリン国立バレエ団
2011年日本公演の「シンデレラ」全2幕 から

実は、舞台鑑賞始めは、宝塚大劇場の雪組公演「ロミオとジュリエット」、
そして、東京宝塚劇場の宙組公演「誰がために鐘は鳴る」で、スタートしたのですが(また後日語ります^^)

東京文化会館の深紅のベルベットの幕が織りなすドレープの陰影を眺めながら、生オーケストラの演奏で、
プロコフィエフの「シンデレラ」のあの美しい前奏曲を聴いていると、
やはりこの劇場空間こそがホームグラウンドだわ、という気分に満たされます・・・


振付・演出: ウラジーミル・マラーホフ
音楽: セルゲイ・プロコフィエフ
装置・衣裳: ヨルディ・ロイク

シンデレラ: ポリーナ・セミオノワ
ゲスト・ダンサー/王子: ミハイル・カニスキン
甘いモノ好きのバレリーナ: ウラジーミル・マラーホフ
アル中のバレリーナ: フェデリコ・スパリッタ
元プリマ/仙女: ベアトリス・クノップ 
芸術監督: バーバラ・シュローダー 
バレエ・マスター: トマス・カールボルグ
衣裳デザイナー: エルフィ・グンプレヒト
そのアシスタント: マルツェナ・ソバンスカ

春の妖精: マリア・ジャンボナ
お付きの騎士: アレクサンドル・コルン
夏の妖精: エリサ・カリッロ・カブレラ 
お付きの騎士: アルシャク・ガルミヤン 
秋の妖精: ステファニー・グリーンワルド
お付きの騎士: ウラジスラフ・マリノフ
冬の妖精: セブネム・ギュルゼッカー
お付きの騎士: アルトゥール・リル

舞踏会の人々: ヤーナ・バローヴァ、マリア・ボムポウリ、アニッサ・ブリュレ、ソラヤ・ブルノ、エロディー・エステーヴ、ヴェロニカ・フロディマ、針山愛美、ヨアンナ・ヤブロンスカ、エリナー・ヤゴドニク、アナスタシア・クルコワ、ワレリア・マナコワ、ニコレッタ・マンニ、ナターリア・ミュノス、クリスティアーネ・ペガド、巣山 葵、ヴェレーナ・サーム、クセニア・ウィースト

マルチン・アロヨス、ゲヴォルク・アソヤン、タラス・ビレンコ、ミハエル・ファトゥラ、クリスティアン・クレール、マリアン・ラザール、エイメリック・モッセルマンズ、アレクセイ・オルレンコ、ハビエ・ペーニャ・バスケス、アレクサンドル・シュパク、デイヴィッド・シミック、ウリアン・タポル、メフメト・ユマク 

指揮: ヴェロ・ペーン
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

◆上演時間◆ 第1幕 13:30 - 14:15 休憩 25分 第2幕 14:40 - 15:35



ボリショイバレエ学校時代にマラーホフに見いだされ、その後スター街道まっしぐらのポリーナ・セミオノワがイメージソース。
主演も彼女です。

バレエ団のレッスン風景からスタート。
皆、素?と思うほど自然なレッスン風景。その中にポリーナも溶け込んでいます。
モノトーンメインのお稽古着の中に二人、やたらとデコラティブなダンサーが二人・・・
甘いもの好きのバレリーナ(=マラーホフ)とアル中のバレリーナ(=フェデリコ・スパリッタ)
淡いピンクとラベンダーのまさに夢見る女の子っぽいマラーホフ、お菓子の詰まったバスケットを持ちこんで、お稽古中に自由にチョコレートをつまんだり、くまのぬいぐるみに話しかけたり・・・華のある人の小芝居にはついつい眼を奪われますが、大したことをしているわけではないので、そんなところばかり見ていると、だんだんつまらなくなってしまいます(笑)
お話としては、オリジナルのシンデレラとほぼ同じ。
意地悪な姉ポジに先輩バレリーナ二人。女性のスーツ姿の芸術監督が出てきますが、それが二人をエコひいきするという継母設定。
シンデレラの見方は中年のバレエマスターと、お稽古場に現れるかつてのプリマバレリーナ。
このプリマがシンデレラをスターに導く仙女の役割。
お約束の四季のダンサーも現れて、カブレラなど、ソリストクラスの実力派が配されていますが、今一つ、華やかな見せ場のない一幕でした。
いえ、ポリーナの踊りそのものは素晴らしいのです。
簡素なお稽古着でも可愛らしい顔キラキラした大きな瞳、小さな頭と伸びやかな四肢にバランスの良いボディ。
でもそんなポリーナの素晴らしい素質は充分わかっているわけで。

シンデレラ・・・というと、ロイヤルなどの童話に沿った芝居心、パリオペの華やか極まるハリウッド読み変え舞台などがついつい脳裏に過り・・・。世界のバレエの一流どころが年中来日公演を行っているバレエ都市=東京のバレエファンならではの贅沢な気持ちですよね^^;

そういえば、姉二人の踊りも、ドロテとエミリー・コゼットは素晴らしかったなぁ。。。
別に男性が踊る、というところで、そこまで崩さなくても、もう少し、テクニックのあるところを残して見せてほしかったかも。
マラーホフはひたすら下手くそであるとみせつける演技。特上のテクニックを持つ人に少しだけ下手に・・・というコントロールは却って難しいのかも?
まだ、スパリッタのほうが、男が演じる女性ならではのダイナミズムが見せ場に通じていて楽しかった。
赤と紫の配色のアメリカンスリーブのホルターネックの衣装もお似合い。でも、このヒト、せっかくゴージャスなのだから、胸の詰め物、ここまで下につけなくても良かったかも(笑)
笑いはいいから(かといってホントに笑えるほどでもない)、もうすこし、キレイなものをキレイなものとして観たかった・・・という一幕でした。



第2幕。
先程、レッスン中に現れたスターダンサーを囲んでの舞踏会。
ここで、相手役を抜擢する・・・という趣向らしく、芸監お気に入りの二人が張りきります・・・が自滅。

そこに登場するシンプルな美しいドレス姿のシンデレラ。
スターダンサーは彼女に釘付け。
二人のPDDは美しく、ミハイル・カニスキンの踊りもノーブルで好感が持てるのですが、身長バランスは悪くはないものの、顔の大きさが違いすぎてちょっと違和感。
まぁ、ポリーナの小顔っぷりがちょっとありえないほどのバランスなので、難しいとは思うのですが・・・。

周りの招待客たち(=ダンサー仲間)もオレンジをポリーナから手渡されて彼女を祝福します。
招待客の服装が、アイボリーからサテンのベージュ、オレンジ、イエローオ―カ―に至るグラデで一人ひとり、少しずつ異なるデザインでとてもステキ。男性はなぜかフォーマルなのにノースリーブなのが、不思議。
女性は皆、プラチナブロンドのボリュームのあるショートのグラデーションボブのウィッグをつけていてとても可愛らしく見えました。
セットの中央に時計と思しき数字の9から始まり、折に触れて刻まれていくのですが、それが12に変わった瞬間、シンデレラは慌ててその場を立ち去ります。
セットは、階段があるものの、簡素で、そこに3方向から壁が迫ってきてお稽古場になる、という趣向。
ちなみにお稽古場の時計は、劇場のリアルタイムにセットされているので、ちょっと不思議な感じ。
いつものように、意地悪な2人のダンサーが現れ、他の団員も揃い、シンデレラがいるのに気がつきますが、いつもどおりの日常がまた始まろうとします。
そこにスターダンサー登場。芸監お気に入りの二人と組まされて悲惨なデュエットダンスに辟易したスターのもとにポリーナが進み出て踊ります。君はあの!
というわけで、芸監と二人の先輩は退場、バレエマスターと元プリマと皆の祝福。
壁が後退してあの舞踏会の場面を背景に踊るスターとシンデレラ。

最後、舞台に一人残ったシンデレラ。
夢じゃないかしら?
でもピアノの上には契約書(?)と花束が。契約書(配役表?)を確かめて、花束を抱きしめて、これからのバレエ人生に希望に輝く瞳を向けるポリーナに、現実がかぶります。

これは、マラーホフがポリーナに贈った物語、だったのですね。
そう思えば、レッスン場の時計が会場の時計と同じ=リアルタイムであることにも納得です。



ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート2011

2011-01-10 09:57:53 | MUSIC
明けましておめでとうございます

今年のブログ記事もこのTOPICから始めたいと思います
ウィーンフィルのニューイヤーコンサート。ウィーン楽友協会大ホールから、今年も1月1日にNHK教育で生中継がありました。



注目の指揮者はフランツ・ウェルザー=メスト。
ロンドンフィル、チューリッヒ歌劇場などで振ってきた、カラヤン以来の(ニューイヤーコンサートでは)オーストリア出身の実力派の若手。50才。
ウィーン国立歌劇場の芸術総監督に就任したこともあり、地元の期待も高かったのではないでしょうか。
”ウィーン訛り”には通じているということで、ヨハン・シュトラウスのワルツは、お手のもの、といったところ?だったのか、安定した指揮ぶりでした。

逆に、ここしばらくは巨匠の個性豊かな演奏が続いていたので、”普通の”シュトラウスは、大変心地良くはあるものの、流麗すぎて引っかかりがなく・・・。
唯一、生誕200年ということでプログラムに加えられたリストのメフィスト・ワルツはさすがに楽曲自体が凝った造りゆえ・・・という理由で印象に残りました^^;

ラインナップは以下の通り。

指揮:フランツ・ウェルザー・メスト
演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

《プログラム》

-1部-

騎兵行進曲 作品428(ヨハン・シュトラウス)

ワルツ「ドナウ川の乙女」作品427(ヨハン・シュトラウス)

アマゾン・ポルカ 作品9(ヨハン・シュトラウス)

デビュー・カドリーユ 作品2(ヨハン・シュトラウス)

ワルツ「シェーンブルンの人々」作品200(ヨーゼフ・ランナー)

ポルカ「勇敢に進め!」作品432(ヨハン・シュトラウス)


-2部-

喜歌劇「騎士パスマン」からチャールダーシュ(ヨハン・シュトラウス)

ワルツ「別れの叫び」作品179(ヨハン・シュトラウス)

リストの主題による「狂乱のギャロップ」作品114(ヨハン・シュトラウス父)

メフィスト・ワルツ 第1番(フランツ・リスト)

ポルカ・マズルカ「遠方から」作品270(ヨーゼフ・シュトラウス)

スペイン行進曲 作品433(ヨハン・シュトラウス)

バレエ音楽「イベリアの真珠」から ロマの踊り(ヨーゼフ・ヘルメスベルガー)

カチューチャ・ギャロップ 作品97(ヨハン・シュトラウス父)

ワルツ「わが人生は愛と喜び」作品263(ヨーゼフ・シュトラウス)

―アンコール―

ポルカ 急行列車 作品112 (エドゥアルト・シュトラウス)
ワルツ 「美しく青きドナウ」 作品314 (ヨハン・シュトラウスⅡ)
「ラデツキー行進曲」 作品228 (ヨハン・シュトラウスⅠ)

毎年テーマを変えて、豪華に飾りつけられている様が楽しみな、会場のお花ですが、
今回はピンク系がテーマカラーということで白~ピンク中心に、ところどころに配されたグリーンがフレッシュな春らしいアレンジメントでした。

あと、楽しみ、といえば、なんといってもウィーン国立バレエ団による、ワルツ!!
しばらく、マラーホフが芸術監督を務めていた頃は、彼自身が出演したり、ABTのスターダンサーがゲストで出たり・・・というサプライズがあったので、今回、パリ・オペラ座出身のマニュエル・ルグリ(先生)がどう演出してくるか・・・とわくわくしていたのですが。
事前の情報では、現役エトワールダンサーにして振付家としての活躍も目立つ、ジョゼ・マルティネスが振付をおこなう、と聞いていたのですが、始まって見ると、クレジットに、振付・ジャン・ギョーム・バール、と。
きゃー、ジャン・ギ―(と、なぜかコーフン^^;)
端正でクラシカルな彼の振付で踊る、ウィーンの美形揃いのバレエ・ダンサーたち・・・



これはこれで、大変に眼福なシークエンス。
初春から良いものを観られて幸せです。
最後の美しき青きドナウでは、バレエ学校の生徒たちが初々しい姿で出演。
男の子の一人が、女の子たちに囲まれて、クラッと倒れる真似をしたり、可愛い演出も
最後、会場入りもしていました^^



最後になりましたが、今年も、ジャンルを超えて自由に語って参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます