第2幕の白眉はオーロラ姫の登場シーン。
舞台に設けられた白い斜面を降りてくる透明な風船の中のオーロラ・・・
箱入り娘ならぬ、風船入りの姫。
白いレオタードに白いフワフワしたスカートを風船の中の2つの風船が更に浮遊させて動きにつれて幻想的に揺らします。
写真はスレンダーなベニエス・コピエテルスですが、この日のオーロラのノエラ二ー・パンタスティコはもうすこしふっくらとして、でも少女らしいイノセントな雰囲気を漂わせたダンサー。
彼女の浮世離れした美しさにどよめく求婚者たち。
その様子に満足してその場を辞す父王と王妃。
カラボスの監視のもと、若者たちは次第に暴走し、彼女を外界から隔てていた風船をボコボコにして割ってしまいます。
ローズ・アダージョの音楽に合わせて暴力的なリフトが続く場面はちょっとマクミランの「ユダの木」みたい。
外界の邪悪な空気に触れて息も絶え絶えのオーロラに対する多すぎる若者たちの暴走。
若者たちが美しくないだけに、このシーンは妙に生々しく怖ろしい。
スカートを剥ぎ取られてお腹の部分が開いた白いユニタード姿が繭を割られた蚕のように痛ましいオーロラ。
・・・王と王妃が戻ってみた光景はそんな場面でした。
カラボスに食って掛かるももう遅い。
傷つき疲れ果てたオーロラは100年の眠りにつきます。
何本ものロープに絡め取られ、その中で眠るオーロラは再び繭の中に入ろうとしているかのよう・・・。
第3幕は王子がその世界に入ってきて彼女にキスをする。
とても長いキスとダンス。
ここでの音楽は幻想序曲「ロミオとジュリエット」
カラボスが乱入して王を殺害。王子を王座に着けるが、そのカラボスの正体を見破ったオーロラは忌まわしい記憶に苛まれる。
王子の励ましにより、2人でカラボスに立ち向かい・・・愛の力で勝利を得ます。
最後、再び冒頭のシーンに。
ゆっくりと本のページをめくる映像に、今までのことは読書に耽溺する夢見がちな王子の妄想?
と思いきやラ・ベルが現れて二人してパネルの向こう側=本の、物語の世界に帰って行く・・・というラストでした。
「眠りの森の美女」のプロットを借りて、現代の専制と横暴、暴力とセックス、それに対する愛の勝利といったテーマを巧みに語り、特色のあるセンスの良い衣装・装置で見せるマイヨーの演出には才気を感じました。
ただ、クラシックを基礎にしてはいるものの、ダンサーの踊りそのものを堪能したいわたくしにはちょっと物足りなさが・・・。
あと抑圧と暴力のシーンの印象が強く、逆に愛の生まれる必然性と幸福感が希薄なところが今ひとつ好みに合わない部分もあり、1度観れば満足、という作品かもしれません。
とはいえ、カラボス役のモルロッティの徹底した役作りは見事。
オーロラ=ラ・ベルはやはりコピエテルスで1度観ておくべきかも・・・と未練が残ります。
舞台に設けられた白い斜面を降りてくる透明な風船の中のオーロラ・・・
箱入り娘ならぬ、風船入りの姫。
白いレオタードに白いフワフワしたスカートを風船の中の2つの風船が更に浮遊させて動きにつれて幻想的に揺らします。
写真はスレンダーなベニエス・コピエテルスですが、この日のオーロラのノエラ二ー・パンタスティコはもうすこしふっくらとして、でも少女らしいイノセントな雰囲気を漂わせたダンサー。
彼女の浮世離れした美しさにどよめく求婚者たち。
その様子に満足してその場を辞す父王と王妃。
カラボスの監視のもと、若者たちは次第に暴走し、彼女を外界から隔てていた風船をボコボコにして割ってしまいます。
ローズ・アダージョの音楽に合わせて暴力的なリフトが続く場面はちょっとマクミランの「ユダの木」みたい。
外界の邪悪な空気に触れて息も絶え絶えのオーロラに対する多すぎる若者たちの暴走。
若者たちが美しくないだけに、このシーンは妙に生々しく怖ろしい。
スカートを剥ぎ取られてお腹の部分が開いた白いユニタード姿が繭を割られた蚕のように痛ましいオーロラ。
・・・王と王妃が戻ってみた光景はそんな場面でした。
カラボスに食って掛かるももう遅い。
傷つき疲れ果てたオーロラは100年の眠りにつきます。
何本ものロープに絡め取られ、その中で眠るオーロラは再び繭の中に入ろうとしているかのよう・・・。
第3幕は王子がその世界に入ってきて彼女にキスをする。
とても長いキスとダンス。
ここでの音楽は幻想序曲「ロミオとジュリエット」
カラボスが乱入して王を殺害。王子を王座に着けるが、そのカラボスの正体を見破ったオーロラは忌まわしい記憶に苛まれる。
王子の励ましにより、2人でカラボスに立ち向かい・・・愛の力で勝利を得ます。
最後、再び冒頭のシーンに。
ゆっくりと本のページをめくる映像に、今までのことは読書に耽溺する夢見がちな王子の妄想?
と思いきやラ・ベルが現れて二人してパネルの向こう側=本の、物語の世界に帰って行く・・・というラストでした。
「眠りの森の美女」のプロットを借りて、現代の専制と横暴、暴力とセックス、それに対する愛の勝利といったテーマを巧みに語り、特色のあるセンスの良い衣装・装置で見せるマイヨーの演出には才気を感じました。
ただ、クラシックを基礎にしてはいるものの、ダンサーの踊りそのものを堪能したいわたくしにはちょっと物足りなさが・・・。
あと抑圧と暴力のシーンの印象が強く、逆に愛の生まれる必然性と幸福感が希薄なところが今ひとつ好みに合わない部分もあり、1度観れば満足、という作品かもしれません。
とはいえ、カラボス役のモルロッティの徹底した役作りは見事。
オーロラ=ラ・ベルはやはりコピエテルスで1度観ておくべきかも・・・と未練が残ります。