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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

モナコ公国モンテカルロ・バレエ 「La Belle」 ③

2009-02-22 08:14:31 | BALLET
第2幕の白眉はオーロラ姫の登場シーン。
舞台に設けられた白い斜面を降りてくる透明な風船の中のオーロラ・・・


箱入り娘ならぬ、風船入りの姫。
白いレオタードに白いフワフワしたスカートを風船の中の2つの風船が更に浮遊させて動きにつれて幻想的に揺らします。
写真はスレンダーなベニエス・コピエテルスですが、この日のオーロラのノエラ二ー・パンタスティコはもうすこしふっくらとして、でも少女らしいイノセントな雰囲気を漂わせたダンサー。
彼女の浮世離れした美しさにどよめく求婚者たち。
その様子に満足してその場を辞す父王と王妃。
カラボスの監視のもと、若者たちは次第に暴走し、彼女を外界から隔てていた風船をボコボコにして割ってしまいます。
ローズ・アダージョの音楽に合わせて暴力的なリフトが続く場面はちょっとマクミランの「ユダの木」みたい。
外界の邪悪な空気に触れて息も絶え絶えのオーロラに対する多すぎる若者たちの暴走。
若者たちが美しくないだけに、このシーンは妙に生々しく怖ろしい。
スカートを剥ぎ取られてお腹の部分が開いた白いユニタード姿が繭を割られた蚕のように痛ましいオーロラ。
・・・王と王妃が戻ってみた光景はそんな場面でした。
カラボスに食って掛かるももう遅い。
傷つき疲れ果てたオーロラは100年の眠りにつきます。


何本ものロープに絡め取られ、その中で眠るオーロラは再び繭の中に入ろうとしているかのよう・・・。
第3幕は王子がその世界に入ってきて彼女にキスをする。
とても長いキスとダンス。
ここでの音楽は幻想序曲「ロミオとジュリエット」
カラボスが乱入して王を殺害。王子を王座に着けるが、そのカラボスの正体を見破ったオーロラは忌まわしい記憶に苛まれる。
王子の励ましにより、2人でカラボスに立ち向かい・・・愛の力で勝利を得ます。


最後、再び冒頭のシーンに。
ゆっくりと本のページをめくる映像に、今までのことは読書に耽溺する夢見がちな王子の妄想?
と思いきやラ・ベルが現れて二人してパネルの向こう側=本の、物語の世界に帰って行く・・・というラストでした。

「眠りの森の美女」のプロットを借りて、現代の専制と横暴、暴力とセックス、それに対する愛の勝利といったテーマを巧みに語り、特色のあるセンスの良い衣装・装置で見せるマイヨーの演出には才気を感じました。
ただ、クラシックを基礎にしてはいるものの、ダンサーの踊りそのものを堪能したいわたくしにはちょっと物足りなさが・・・。
あと抑圧と暴力のシーンの印象が強く、逆に愛の生まれる必然性と幸福感が希薄なところが今ひとつ好みに合わない部分もあり、1度観れば満足、という作品かもしれません。

とはいえ、カラボス役のモルロッティの徹底した役作りは見事。
オーロラ=ラ・ベルはやはりコピエテルスで1度観ておくべきかも・・・と未練が残ります。



モナコ公国モンテカルロバレエ 「La Belle」 ②

2009-02-22 07:21:03 | BALLET
プロローグでは舞台の3分の1くらいをしめるパネルに映像が映し出されます。
この作品が夢のような御伽噺の「眠れる森の美女」ではなく、
原典であるペローの”本当は怖い”(王子の母は人食い鬼)オハナシなのだということを想起させるためか
古い本を紐解くところが白黒映像で流れます。

こういう舞台での映像使いはOPERAのモダン系やコンテンポラリーダンスの演出でも良く観られるので、
あまり新鮮味は感じませんでしたが・・・。
このパネルは続いての暗い王子の住む高圧的な女王の国を表すのに効果的に使われていました。
プリーツや透ける生地を上手に組み合わせたグレーの階層がエレガントな衣装のクロシュ(女王の支配する国の住民)たち。
トランプを思わせる装置としてのマントと天井から吊り下げられた王冠がいかにも形だけの王であることを伝える衣装が秀逸な王様、シュツットガルトでも男性が演じていたのですが男性がダークサイドの女王を演ずるのが流行なのかしらとも思いましたが・・・。カラボス=女王の横暴。
母の、そして妻のサディスティックな振る舞いに怯える父と子。


一方こちらの世界では・・・と
一転してカラフルな衣装に身を包んではしゃぎまわるペチュラン(オーロラのいる世界に属する幸福な人々)。
えーっと、”幸福な”人々がはしゃいでいると女性は妊娠し(おなかと乳房に透明な風船をつけています)、不妊に悩む王妃もまた子宝に(頭の上に風船)恵まれます。
この演出上、ここは幸福な人々のシーンのはずですが、がにまたでせわしなく歩き回ったりリフトされて脚をバタバタさせる振りと言い、なんだかグロテスク。
妊娠にこだわるあたりもちょっとエキセントリックであまり幸福感は感じません。
ロマンチックチュチュのリラの精と、アイシーなパステル調のまともな(笑)衣装の3人の妖精がオーロラの誕生を祝いにくるあたりでようやくホッとしますが。


なぜかカラボスは両方の世界を行き来して暗躍。

第2幕、オーロラ姫の16歳の誕生日を祝うParty。
嬉しそうな王と王妃、カラボスが求婚者の王子?(白いスーツの男性たち)を多数引き連れて登場します。
このバレエ団は平素コンテンポラリー中心なのでしょうから構わないのかもしれませんが、スキンヘッド率高し。
ややいかつい普通の若者系の風貌のダンサーが多く、王子度は低いのですが、その後の展開を見るとそのまんま・・・でした(笑)。



モナコ公国モンテカルロ・バレエ 「La Belle」 ①

2009-02-22 04:31:42 | BALLET
2月8日(日)15:00開演
オーチャード・ホールにて。

モナコ公国モンテカルロ・バレエのアイコニックなバレエ、
現代版(あるいはマイヨー版)「眠れる森の美女」、「ラ・ベル」を観ました。

モンテカルロバレエ団はこの作品とともに何度か来日しており、
マイヨーのミューズ、完璧なプロポーションにショートヘアが印象的なコピエテルスの姫が
透明な風船の中を歩むファンタジックな画像は何度か目にしていたのですが、
前回の来日時、普段はバレエよりもOPERAを好む友人が
珍しくとても良かったと教えてくれたのが記憶にあって、
まだチケットがあるということで急遽、観に行くことに決めたのでした。

・・・が。
日曜日の公演似はありがちなことですが、ほぼ全員セカンドキャスト。
そうですよね・・・小さなカンパニ-かと甘く見ていましたが(コラ)当然日替わりですよね。
コピエテルスが観たかった・・・。
と地団太ふんでも始まりませんので、噂の衣装と装置だけでも要チェックと心を入れ替えて。

あともうひとつコンディション的なことを言えば、
遅くにS席を取ったわたくしが悪いのですが、1階といえども斜め後方の席でしたので
大きく張り出したサイドの2階席のシルエットが常に視界に入ってしまう・・・
オーチャードの前方の舞台近くの席は足元が見切れてしまうし、センターの席だと基本的に席が互い違いに配置されていないので(文化会館やゆうぽうとだと一列ごとに少しずらしている)前に座高の高い人やボリュームのあるヘアスタイルの人が来るとかなり視界がさえぎられる・・・
というわけで(笑)オーチャードは鬼門なのですが、今回もやはり!でしたね。

原作:シャルル・ペロー
音楽:P.I.チャイコフスキー
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー
美術:エルネスト・ピニョン=エルネスト

ラ・ベル(オーロラ姫) ノエラニー・パンタスティコ
若者/王子 アシエ・ウリアゼレカ
リラの精 エイプリル・バール
女王(王子の母)/カラボス ガエタン・モルロッティ

父王(王子の父) ジュリアン・バンシヨン
王(姫の父) ロドルフ・ルカス
王妃(姫の母) ロドルフ・ルカス

3人の妖精 キャロライン・ローズ、エロディ・プーナ、サラ・ジェーン・メドレー
3人の護衛 ステファン・ブルゴン、ピョートル・ツボヴィクス、ジョアキム・スティヴンソン

王子たち
クロシュ(女王の支配する世界に住む人々)
ペチュラン(ベル=オーロラ姫の幸福に満ちた世界にいる人々)

タイム・スケジュール: 第一幕40分 休憩20分 第2幕&第3幕 65分





第2回東京コスメティックコレクション 2009SS

2009-02-21 07:42:06 | Beauty
10月にレポートをご紹介しました第1回東京コスメティックコレクションの事務局から
第2回開催のお知らせをいただきました(お知らせいただいたのは1週間前ですが)。



4月12日(日)
恵比寿ガーデンホール(恵比寿ガーデンプレイス内)にて

http://www.cosmetic-collection.jp/  

スケジュールとしては

2月下旬・・・出展ブランド・アワード募集など発表
3月月初・・・展示製品発表(製品PR動画も公開)/ゲスト発表
3月上旬・・・ご招待者決定メール通知 / セミナー受付開始
3月下旬・・・招待状郵送

という流れを予定されているようです。


MACで新色を使ったアイメイクをしていただくの図、です
maria-ponでの2008AW第1回のレポは左のカテゴリ「Beauty」からご覧いただけます

こちらでのご紹介後、何名かの方から、
参加したいけれどもどうしたら?というお問い合わせをいただきました。

ご興味のあるかた、チャンスですよ~
是非リンク先をご覧になってご都合があうようならば
応募なさってみてはいかがでしょうか?





銀座でキモノ 旧正月会 ③

2009-02-13 03:53:17 | きもの

いつもお美しい宮本さんと恒例の(笑)2ショットです。
絞りの小紋に行きつけの目黒の「池田」さんでお求めの帯がぴったり。
写真ではわかりにくいのですが、半襟も「池田」さんのもので、金銀がさりげなくはいった帯とリンクしたものでシックな中に華やかさがあってステキでした


ちなみに左の帯が宮本さんのもの。
右はいそじんさんです。
全体の色調が、この日のお二方はちょっと似ていらしたのですがテイストの違いが面白く・・・。
いそじんさんの帯はペールブルーでクラシカルな唐華文ながら、シンプルなスッキリ感のあるもの。
お母様のお気に入りで大変ご愛用なさっていたものをプレスに出してしゃっきりさせて今いそじんさんがご活用・・・と着物ならではのお話も伺えて



実は今回、帯も着物も帯揚げも帯締めもすべて初卸・・・だったのですが、どなさんもご同様。
お仕立てなさったばかりの小紋に初あわせの帯は吉田美保子さんのもの。
帯締めもきっちりと帯色にリンクさせたベージュとこげ茶の縞で、あくまで小紋を主役にたてながらどのアイテムにも気を抜かない完成されたコーディネートと柔らかさのある着付けと雰囲気はどなさんならでは。



左がどなさん、そして右がmiwaさんです。
miwaさんはまどかさんの帯。
フランスのファブリックを使った付け帯・・・ということですが、色々なきものに似合いそうなポテンシャルとお洒落感がありますね。前帯の画像のUPがなくて残念ですが、「くるり」さんでお求めと言う大き目のお花の帯留めがこの帯にピッタリで、ちょうど斜め上からセンターに向かっている蝶が、このお花に向かって飛んできているような配置になっていて楽しい演出・・・と思ったことでした