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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

「マラーホフの贈り物・FINAL」 Bプロ 千秋楽

2013-05-27 05:54:18 | BALLET
18年前に始められたウラジーミル・マラーホフの座長公演、NBSの名物企画「マラーホフの贈り物」が
最終回を迎えました。
思えば、パリ・オペラ座のエトワールとしてバレエ界に君臨したマニュエル・ルグリの「ルグリと輝ける仲間たち」と並ぶ双璧と言って良いGALA企画でしたね・・・。

ABTのスターダンサーとして、それからウィーンの、ベルリンの芸術監督として、広い視野でバレエと接し、自身も妖精のようだった金髪の貴公子から指導・企画を手掛けるようになってからはコミカルな才能や温かな人柄でも知られ、「世界バレエフェスティバル」の常連にして、ファニーガラの番長?として大いにバレエ界を盛り上げてくれた名ダンサー。
そんな彼が芸術監督となってからもプレイング・マネジャーとして、舞台にも主役級・準主役級で立ち続けてくれたのですが、ついに、この名物企画は最終回を迎えると言うことになり・・・。

わたくし自身のバレエ鑑賞歴と彼の活躍がほとんど重なるので、非常に感慨深いものがあります・・・。


2013年5月26日(日)15:00
東京文化会館


<マラーホフの贈り物 ファイナル!> Bプロ


■「シンデレラ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ、ウラジーミル・マラーホフ

Aプロでも踊りましたが、サレンコは本当にキレイになりましたね!
バレフェスに初登場したときの、この小娘ダレ?的な感じが一掃されて、華とチャーミングな表現力と確かな技術を感じさせる名バレリーナに成長されました。
そんな旬な彼女と、王子様・・・とはいっても往年の美青年の面影は記憶とMIXして・・のがっちり体型のマラーホフ。でも、王子様としてシンデレラにそっと手を差し伸べたり、サポートする姿の優しさ細やかさはこの人ならでは。
サレンコも麗しの王子様に向けるきれいな表情で、2人の間に心が見えました。
プロコフィエフのこの音楽が大好きなこともあり、初っ端から泣かされました;;

■「椿姫」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメーカー

社交界の華としてふるまうマルグリットに愛を告白する地方出身のおぼっちゃまアルマン・・・の場面ですね。
大きなフリルの襟をグッと落として肩を出した紫のタフタの衣装と胸元のバラがなんとも艶やかで美しいアイシュバルト様。
伸びやかな四肢の金髪の好青年ラドメーカーは、配役的にもぴったり。
いきなり、のドラマチックな場面(「椿姫」はいつもそう)ではありますが、もう、アイシュバルトの一挙手一投足が愛を受け入れるべきか悩む心の揺れを細やかに映し出していて、そのダイナミックなリフトからの流れの滑らかさも相まって素晴らしい舞台でした。
フェリとはまたちょっと違いますが、まぎれもない”女優バレリーナ”の系譜に位置する人ですね。

■「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オリガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

ゴージャス!なボリショイペア。
チュ―ジンのノーブルさが合っていて良かったです。
この作品は音楽も・・・ですが、至高の美しさにかすかな陰りのある抒情性が見え隠れするところが魅力なのですが、スミルノワは輝く鋭角なカットのダイヤモンドの美しさはありましたが、伝説のホープダイヤモンドのような数々の逸話を持つ石の神秘性・・・のようなものは感じさせてはくれませんでした。。。
衣装がとてもゴージャス。白のクラシックチュチュですが、胴着部分のラインストーンの装飾がとても華やか。
色々な意味で、”ボリショイの”ダイヤモンド、という感じでした。


■「レ・ブルジョワ」
振付:ヴェン・ファン・コーウェンベルク 音楽:ジャック・ブレル
ディヌ・タマズラカル

Aプロに引き続き2回目です。
Aプロでは、やっぱりこの演目はシュツットガルトのフィリップ・バランキエビッチのアウトサイダーで骨太な男くささが欲しいなぁ~とないものねだりをしてしまいましたが、2度目になると、ディヌの人の良さそうな酔っ払い風情とか しなやかでいていきなりダイナミックなFiveFortyを披露してしまうところとか、彼独特の持ち味が、これはこれでこの作品にハマっているのかも?と思えてきました^^
白シャツの袖をまくりあげて黒の細身のネクタイにパンツ、というサラリーマンルック?がとてもお似合いでした^^

■「ライト・レイン」
振付:ジェラルド・アルピノ 音楽:ダグ・アダムズ
ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

シャープで官能的なコンテンポラリー。
ダークブラウンのユニタードのディノとワインカラ―のラカッラ。
切れ味の鋭い長い脚の軌跡としなやかでダイナミックなリフトが印象的でした。


【 休 憩 】


■「バレエ・インペリアル」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ヤーナ・サレンコ、ウラジーミル・マラーホフ
東京バレエ団

とても華やかなクラシックチュチュの衣装での、様々なフォーメーションで音楽に合わせてクラシックバレエの持つ抽象的な美しさを表現する・・・といった演目。
上野水香さんがマラーホフとセンターを務めるはずでしたが、故障で降板 。
で、再びのサレンコでしたが、とても良かったです。
東バの群舞はここ最近でソリストクラスがごっそり退団してしまったせいで、男性は梅澤さん宮本さんくらいしかわからない・・・。女性のソリストで、センターを奈良さん、トロワのときには、そこに高木さん、乾さんがいらしたのでホッとした次第です^^;

【 休 憩 】


■「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメーカー

はぁ・・・・美しい。素晴らしい。もう、このレベルの高いGALAの中でも別格。
同じ演目をアイシュバルトで既に観ているので、その素晴らしさはわかっているはずだったのですが、やはり・・・素晴らしいの一言です。
生成色の絹にオレンジ系の細やかなボーダー刺繍の施された繊細な衣装と装飾的なヘッドドレスが、簡素な白のシフォンのドレスのイメージの強いジュリエットを異国情緒あふれる、ベネチアかどこか東方とつながりのある街の(ヴェローナですが^^まぁ当たらずとも遠からず)裕福な貴族の娘に見せています。この衣装が、小さなハッキリとした目鼻立ちのブルネットのアイシュバルトのエキゾチックな美貌に映えて、この異国の美しい小鳥に心奪われてしまった金髪の少年ロミオの気持ちがとても理解できる・・・そんな拵えです。
所謂「バルコニーのシーン」ですが、クランコ版は色々と違っていて面白い。バルコニーのジュリエットが降りてくるのを待ちきれないロミオはかなり一段が高い階段を一足飛びに一度踊り場まで飛んで(4~5段?)迎えに行き、ジュリエットが降りてくるそぶりを見せるとすぐに降りて、手を差し伸べてジュリエットが降りるのをエスコートするとか、動きの一つ一つにロミオのはやる心とジュリエットへの気遣いが観てとれて。
繊細なジュリエットで素敵なところの一つはロミオがキスをするとそのままつつつ・・・とパドブレで(とても細かくて早い!)彼から離れてそのまま後ろ向きに倒れる・・・を2回連続でするところ。勿論ロミオは彼女が倒れるところまですっとつき従って倒れたところをさっと支えるのですが・・・。
ジュリエットの恋に酩酊する様と初な感じがともに良く現れる振付だと。
難易度の高いリフトも体格差の大きい2人だと違和感なく流麗で、最後までウットリとさせてくれる異次元の舞台でした。
基本、カーテンコールの拍手は2回、でしたが、この演目だけ(あと、最後のマラーホフのソロも)3回の拍手が沸き起こりました。

■「タランテラ」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ルイス・モロー・ゴットシャルク
ヤーナ・サレンコ、ディヌ・タマズラカル

打って変って、クラシック・バレエの全幕物で、ディベルティスマンの各国のエキゾチックなフォークロアダンスご紹介コーナーに必ず出てくる「ナポリ民謡」コーナーの踊りをバランシンが味付けしてみましたよ、という演目。
赤と白と黒の簡素な衣装で、タンバリンを片手に、リズミカルに踊る・・・というものですが、これって片手にタンバリンを持っているだけでバランスが難しいし、音を立てるにも、キチンと踊りと強弱が合っていないと盛り下がるし、なかなかに難易度が高い演目ですが、さすがは技術力・演技力に秀いでたお二人、とても明るく楽しげにリズミカルに踊って良いアクセントをつけてくれました。
GALA演目は涙ボロボロの大感動演目ばかりでも疲れますしね

■「椿姫」より第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン
ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

で、こちらは大感動演目ですが・・・^^
第2幕の白いドレスのマルグリットが、パトロンを捨てて、アルマンとの恋に身を投じることを決意してから・・・の2人の愛のPDD.
ラカッラは長身で脚がとてもとても長いのですが、ディノは多分190超の偉丈夫ですので、リフトに安定感があり、高く掲げられたラカッラが更にその高さでポジションチェンジをするだけの余裕があるので、今までに椿姫で観たことがないほどの華麗なリフトとそこからの降りる過程が複雑に織り上げられたタペストリーのような振付であることがわかる踊り。
実生活でもパートナーである2人、交わす視線にも愛があり、これもまたウットリ・・・な作品でした。


■「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オリガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

これもAプロから引き続きで2度目の黒鳥。
長身ペアで華やかですし、スミルノワは自信に溢れた均整のとれた力強いプロポーションを持つダンサーですので、とてもこの演目にあっている・・と思いました。
ただ、王子を翻弄する悪女っぷり・・・というところはあまり策を弄せず(?)その堂々たる姿でちょっと気弱な上品な王子が自分にない強烈なエネルギーに磁場を感じて引き寄せられてしまった・・・という感じ。
でも、王子チュ―ジンはうつくしいグラン・ジュテで、180度以上の開脚を見せて、そのしなやかさもアピール。
これからが楽しみな2人です。

■「ヴォヤージュ」
振付::レナート・ツァネラ 音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ウラジーミル・マラーホフ

楽しく充実したGALAはあっと言う間・・・
今まで何度も観たことのある、お馴染みのオフ白のスーツをゆったりと着こなしたマラーホフが現れると万感胸にせまる思いが。
様々な舞踊作品で使われているモーツァルトのピアノ協奏曲23番イ長調K.488.
マラーホフのために1992年に振りつけられたこの作品、人生という旅を人はたった一人で様々な思いを感じ、受け止め、そしてまた旅立っていく・・・というテーマを表現しているこの作品。
18年間の間、そのキャリアの人脈・バレエへの見識など彼の持つもので最良のものを常に日本の観客に向けて見せてくれたまさに、タイトル通りの「マラーホフの贈り物」それを受け取れるのもこの日限りか・・・と思うと何とも言えない気持ちがしますね。
8回渡る公演を全て見ている・・・と思います。
プログラム巻末に今までの記録が乗っていて、あぁ、あの時はこう思った、そうそう、などと暫し思い出に浸ってしまいました。若々しい身体を白いショーツひとつで、照明を上手く使ってグランジュテの頂点の場所で平行に空間移動しているように見せた異色作「コ―ト」や、ABTの同僚ジュリー・ケントとの絶妙なコンビネーション、愛弟子ポリーナ・セミオノワとの男女を超えた美しいシンクロ加減など、様々な場面を思い出しました。



大きな拍手が続く中、感傷に浸る間もなく、グランフィナーレに。
サレンコとタマズラカル、スミルノワとチュ―ジン、アイシュバルトとラドメーカー、ラカッラとディノ・・・そしてマラーホフ!
ピアノの青柳さんも素晴らしかったですし、こうして並んだダンサーたちを観て、本当にバレエの本質をつかんでそれを表現してきたマラーホフの審美眼・見識の確かさを改めて感じ、彼の芸術監督としてのウィーン、ベルリンそれぞれの場所での活躍を思うにつけ、今の状態(ベルリンで政治的な意図?から彼を芸監からはずしてコンテンポラリー偏重のラインナップにかじ取りをしようとする動きがあるそう)が歯がゆくもあるのですが・・・。

千秋楽恒例の、NBSからの大きな垂れ幕とブルーと銀のキラキラのコンフェッティが・・・。
「18年間、ありがとうございました。またお会いしましょう。」という文面だったかと記憶しています。
座長公演としての「贈り物」はFINALでも、また、違った形で日本に来てくれるときを楽しみにしています。

わたくし自身はマラーホフのすごいファン、というわけではなかったのですが、大きな存在だったことには違いないですね。
やはり寂しい気持ちは・・・あります


ピアノ:青柳 晋(「椿姫」より第2幕のパ・ド・ドゥ)

※音楽は特別録音によるテープを使用します。(「椿姫」より第2幕のパ・ド・ドゥのみ、ピアノ伴奏)



◆上演時間

第1部 15:00 - 15:55 (休憩 15分)

第2部 16:10 - 16:50 (休憩 15分)

第3部 17:05 - 18:10



「マラーホフの贈り物・FINAL」2013 Aプロ

2013-05-27 05:44:08 | BALLET
日曜日に千秋楽を迎えた「マラーホフの贈り物」
A Gift From Malakhov

A,Bプロ一度ずつ観に行きました。
上野水香さんの怪我による降版で、若干プログラムに変更がありましたが、
久しぶりに観るルチア・ラカッラを始め、マラーホフGALAにふさわしい表現力と美しさを兼ね備えたダンサーが揃いい、とても心地よい、クラシックとコンテンポラリーのバランスの良くとれたGALA公演を堪能させていただきました。

まずはAプロから・・・

実は、時々”やらかしてしまう”のですが、間違えて、会社から五反田に急行してしまいました・・・
ルグリ先生がゆうぽうとだった、というのが刷り込まれていて・・・
五反田駅について、さぁ、これからダッシュだわ、とチケットを手にした瞬間飛び込んできた「東京文化会館」の文字・・・。
そのまま山手線逆方向に乗り、自分を責めるのみ
着いたら、ラカッラ・ディノの「TWO」の最中。
「ギルティ―」からは席で観られました^^;

2013年5月22日(水)18:30
東京文化会館

<マラーホフの贈り物 ファイナル!> Aプロ


「白鳥の湖」第2幕より
振付:レフ・イワーノフ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オリガ・スミルノワ、ウラジーミル・マラーホフ
東京バレエ団

「トゥー・タイムス・トゥー」
振付:ラッセル・マリファント 音楽:アンディ・カウトン
ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

「ギルティー」
振付:エドワード・クルグ 音楽:フレデリック・ショパン
マライン・ラドメーカー

先刻のショックからまだ立ち直ってはいませんでしたが、ラドメーカーの伸びやかなソロを堪能。

「ラ・ペリ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ 音楽:ヨハン・ブルグミュラー
吉岡美佳、ウラジーミル・マラーホフ

これはシルフィードなどのロマンティックバレエの系譜にある19世紀ロマン派の妖精譚をもとにマラ―ホフがウィーンで初演した、彼にとってはきっと思い入れの深い作品。
「砂糖菓子のように甘くて繊細」とお気に入りのパートナー、吉岡さんとの並び、感覚がきっと合うのだろうなぁとそのお似合いな感じ(と、同じくお気に入りのヴィシニョ―ワだと彼女を立てることに専念しすぎて彼自身がかすむ残念な感じが否めないのですが、吉岡さんとだとパワーバランスが良く思えるところがわたくしのポイント)を愛でてきて、吉岡さんは相変わらずほっそりと生活感のない妖精っぷりでしたが、ちょっとボリュームがウエストあたりに集まった膝丈のギャザースカート?に短いベスト?のようなお衣装が、逞しく変化してしまったマラーホフの体型には合わなくて・・・。
このGALAの企画の終演というだけでなく、ダンサーとしてのマラーホフも観納めか・・とちょっとタメ息をついて切なくなってしまいました


「海賊」より奴隷のパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ 音楽:コンスタンティン・フリードリヒ・ペーター
ヤーナ・サレンコ、ディヌ・タマズラカル


【 休 憩 】


「シンデレラ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ、ウラジーミル・マラーホフ

「フランク・ブリッジの主題による変奏曲」
振付:ハンス・ファン・マーネン 音楽:ベンジャミン・ブリテン
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメーカー

「レ・ブルジョワ」
振付:ヴェン・ファン・コーウェンベルク 音楽:ジャック・ブレル
ディヌ・タマズラカル

「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン
ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オリガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

「瀕死の白鳥」
振付:マウロ・デ・キャンディア 音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウラジーミル・マラーホフ


ピアノ:菊池洋子 (「ギルティー」、「椿姫」)

※音楽は特別録音によるテープを使用します。(「ギルティー」、「椿姫」のみピアノ伴奏)



◆上演時間

第1部 18:30 - 19:35 (休憩 35分) 第2部 20:00 - 21:00






「マイ・フェア・レディ」霧矢イライザ

2013-05-25 09:24:29 | Musical
前後しますが、2013年5月11日(土)17:00~
日生劇場にて。
G2さんの新演出で話題のMusical,「My Fair Lady」を観て参りました。

言わずと知れたオードリー・へプバ―ン主演の名作映画、そして舞台でもジュリー・アンドリュースをはじめとする名優が演じてきたイライザ役。
日本でも 長年、大地真央さん主演で親しまれてきたミュージカルの定番ですが、この度演出を一新するとともに、主演女優を宝塚を退団してまだ日の浅い男役TOPスター、元花組の真飛聖、元月組の霧矢大夢が役変わりで・・・という話題作。



踊りに歌に、舞台人として高いクォリティのパフォーマンスを見せてきた霧矢さんの舞台女優デビューを観てみたい、と霧矢さん主演の舞台を、前方席センターで、しかと見届けて参りました

とても良かったです!

霧矢さんは男役だった片鱗を欠片も見せず、とてもチャーミングな花売り娘として登場。
中高のお顔立ち、ごくわずか上を向いた高いお鼻とキラキラの瞳がチャーミングで、ロンドン下町訛り(江戸っ子っぽく、ひをしと言ってしまう設定に)でまくしたてるも、乱暴でガサツ・・・というよりは、赤毛のアンのような少女っぽさが際立つ容姿がなんとも可愛くていたずらっ子のよう。
お歌は、アルトはきれいで、初日、2日目辺りのレポでみるとちょっと伸びていない、とか、裏声になっていると評された高音域も、伸びやか・・・とまではいかないまでも、違和感のない仕上がりだったと思います。
ちなみに、熱烈な霧ヤンファンで、5月5日の開幕以来ほとんど毎回観ている・・・という方は、今夜がBESTパフォーマンスだったと^^
公演期間が東京では28日まで、大阪も含めると6月23日までありますから、まだまだ進化する彼女を観られるでしょうね。


お話は、言わずと知れた、菫の花束を街角で小商いしているコックニ―訛りのロンドンの花売り娘イライザの成長譚。
自分の言葉を研究材料として書き取っていた、出身地をピタリと当てて見せる言語学者のヒギンズ教授(寺脇康文)が漏らした言葉、どんな下町の娘でも、自分の教授法で、6か月以内に宮廷舞踏会で貴婦人として通用するまでにして見せる、というのに、かねてから憧れていた一流花屋の店員になる夢へのステップと見て、自分のなけなしの財産を手に、教授邸を訪問。
居合わせた教授の友人ピッカリング大佐(田山涼成)との賭けの対象となり、家政婦長のピアス夫人(寿ひずる)ら召使たちの見守る中、イライザと教授の特訓の日々が始まる・・・。
長く苦しい訓練の末、コツをつかんだイライザに、教授はお試しの場として、上流階級の社交場であるアスコット競馬場に連れて行き、母親(江波杏子)と引き合わせる。そこで、時折飛び出す下層階級ならではのスパイシーな話題と率直な活き活きとした魅力を放つ彼女に、居合わせた上流階級の若者フレディ(平方元基)が夢中になり・・・。

弁の立つ下町の呑んだくれイライザの父、アルフレッド・ドゥ―リトルに松尾貴史、彼を含めた教授、大佐のおじさま3人衆(?)がそれぞれ色濃くキャラクターを持って伸び伸びと演じていてじつに楽しい舞台。
松尾さんはセンターを取って歌い踊る場面なども、ミュージカルにおいて、キャラクター>歌唱力ってアリなんだわ・・・と思わせる説得力がある役作りでした^^;

教授の母親役の江波杏子。
息子の変人ぶりに辟易しつつ、個性的ながらまっすぐなイライザに共感し、ファンになったわ、と公言。
後半の成長後のイライザvsそれを認めない息子の対決部分では全面的にイライザをサポートしてちょっとした出番でも強い印象を残すところはさすが。優雅で遊び心もある器の大きさが良く出ていました。

寿さんのピアス夫人、情が細やかで品の良い役柄にぴったりでしたが、かつての男役?の面影はいずこ・・・の丸さ加減、100周年の宝塚スペシャルイベントとかで、呼ばれたりしたときにこれではマズイのでは?とつい余計な心配を^^;
召使たちのアンサンブルの息もぴったりでしたが、ここで惜しまれながら昨年退団した元宙組のエトワール要員、美声の娘役七瀬りりこ嬢を発見。ソロで歌ってほしい・・・勿体ないですね。相変わらずコロコロされていましたが^^;

フレディの平方さんは小池修一郎演出の東宝ミュージカル「ロミオとジュリエット」のティボルト役で観た時には凄い声量のワイルドな役者、というイメージでしたが、歌唱力も安定し、恋する若者フレディを軽快に演じていて、幅の広い役者さんだなと。再演の「ロミジュリ」では、今度はベンヴォーリオ役に配役されていますよね。楽しみな人です。

霧矢さんは、教授宅でのレッスン中の白いブラウス、ウエストに菫のコサージュを飾った地味なジャンパースカート、といった簡素で少女っぽい姿がとにかく魅力的!
もとから、あわよくば・・・ではなく、自分で貯めたお金を手に、レッスンを受けようという誇りと矜持と向上心。
レッスンを受けた後、もといた下町のコミュニティではすでに浮いた存在である自分が、上流階級の教授からは道具としてしか扱われていない・・・居場所をなくして心元ない時でも、結婚でもすればよいと軽く言うヒギンズ教授に、貧しい時でも花は売っても身体は売らなかった自分が、ここにきて自分しか売るものがないなんて!と啖呵を切る。
いや、イライザって深い役だったのですね。
霧ヤンのイライザはリアルに応援したくなる向上心ある自立した少女でした
勿論、アスコット競馬場でのあの有名な(上のポスターでも着ている)黒白の細身のドレス、そして、王女様と間違えられる王宮の舞踏会でのイブニングドレス姿もキレイではあるのですが、大地真央さんのイライザで、変身してご登場!の場面で思わず「おぉ・・・」と観客が仰ぎ見るようなオーラはあまり感じられなかったかも?
美人で似あってはいるのですが、そこがキャラクターなのでしょうね。
一方の真飛さんは、男役時代のちょっとやんちゃな雰囲気とは打って変わって女優さんとしてはおしとやかで艶やかなイライザで、このドレスに変身!シーンではタメ息がもれるインパクトと聞き及び、これはちょっと両方観て見比べてみたいなと。

ただ、今月、宙組東京公演が始まり、(実はこのMyFairLady観劇前日に宙組の初日を観ているのでした^^;)、マラーホフのGALAもあり、歌舞伎座のこけら落とし公演に玉三郎と仁左衛門さまがご出演、そしてミ―マイを大阪に・・・という詰まりに詰まった5月故、どうしても見ることが出来ず・・・。
残念です。

そう言えば、翌々日に観劇した「Me&My Girl」で、最後にすっかりレディになって登場したサリ―が、ジョン卿の計らいで、ヒギンズ教授のもとに送られてランべス訛りを矯正してくる、という設定があり、思いがけない2つのミュージカルのつながりに思わず運命を感じてしまった(!?)公演でした



宝塚月組「Me&My Girl」Bパターン

2013-05-18 06:15:46 | TAKARAZUKA
2013年5月13日(月)、月組の「ミ―&マイガール」を観るために大阪は梅田芸術劇場に日帰りで行って参りました



月組のTOPコンビ、キラキラと可愛らしい龍真咲くんと、スラリとしたオリーブみたいな体型のダンサーで、ファニーフェイスの親しみやすい可愛らしさが身上の愛希れいかちゃん。
この2人に、男性版マイフェアレディ、下町のカップルが伝統ある公爵家の跡取りとして認められるまでのひと騒動を明るく描いたMUSICAL、Me&MyGirlはぴったりでしょう!
なのと、なんといってもご贔屓の美弥るりかちゃんが、婚約者がいながら、跡取りのビルに迫るちゃっかりとした貴族の令嬢ジャクリーンことジャッキー役を役変わりで演じる・・・という企画にいてもたってもいられず・・・。
誰よりもリアル少女マンガのヒロイン顔なのにもかかわらず、普段はバリバリ男役として低い声を武器にキザっている彼女が、女役として、その美貌をどう見せるのか・・・これは見ないわけにはいきませんよね
この貴族の若者カップル、気が強くて積極的、ちゃっかりとした現代っ子レディーのジャッキーと、そんな彼女にぞっこんのおっとりしたおぼっちゃまジェラルドを、星から異動して今や3番手格?で活躍の美弥さんと、今回月組に初お目見え(いえ、新人時代になんと「エリザベート」のタイトルロールに大抜擢で特別出演したことアリ)の宙組の凪七瑠海さんが役変わりで演じる、という企画にまんまと乗せられて・・・^^;
TOP2人が揃って出演なのになんと東京では上演しないので、仕方なく・・・(いそいそ)。


月組
ミュージカル『ME AND MY GIRL』
公演期間:2013年5月4日(土)~5月20日(月)
Book and Lyrics by L.ARTHUR ROSE and DOUGLAS FURBER
Music by NOEL GAY
Book revised by STEPHEN FRY
Contributions to revisions by MIKE OCKRENT
作詞・脚本/L・アーサー・ローズ&ダグラス・ファーバー
作曲/ノエル・ゲイ   
改訂/スティーブン・フライ
改訂協力/マイク・オクレント
脚色/小原弘稔
脚色・演出/三木章雄

《主な配役》
ウィリアム・スナイブスン(ビル) 龍 真咲
サリー・スミス 愛希 れいか
*~*~*
ジョン・トレメイン卿      越乃 リュウ
ディーン・マリア公爵夫人  憧花 ゆりの
☆弁護士セドリック・パーチェスター/★執事チャールズ・ヘザーセット  星条 海斗
☆チャールズ・ヘザーセット/★セドリック・パーチェスター         沙央 くらま
☆ジャクリーン・カーストン(ジャッキー)/★ジェラルド・ボリングボーク 凪七 瑠海
☆ジェラルド・ボリングボーク/★ジャクリーン・カーストン(ジャッキー) 美弥 るりか
バターズビー夫人 萌花 ゆりあ
バターズビー卿 紫門 ゆりや
ジャスパー卿 綾月 せり

☆はAパターン、★はBパターン

1幕終わりのランベスタイム、客席降りでチャピちゃん、みやちゃん、萌花ゆりあちゃんが近くを・・・

まずはお目当てのみやちゃんジャッキー。
可愛過ぎです!女の子としてのスタイルも良いしコロコロ変わる表情も軽やかな身のこなしもチャーミング
声が誰よりも低くて驚きましたが・・・@@
でも、ジャッキーはもともと男役が演じる役設定なので、ちょっとアクの強さを出すためにもその声の存在感が、押し出しの強さを演出していて次第に気にならないどころか、効果的に思えてきました^^
衣装も、冒頭のピンクのシンプルワンピから、ビルを色仕掛けで誘惑する場面の水色のナイトガウン、2幕最初のグリーンのプリントの爽やかな白いひらひらワンピース、オレンジのイブニングドレス、花嫁衣装まで、どの衣装もバッチリお似合い。
誘惑場面、強引で積極的ながらも、軽やかでひらひらした蝶々のような存在感と、部屋に入ってきて唖然とするジェラルドとサリーを前にしても悪びれずシャラッとしているところも上品な貴族の娘の範疇を逸脱することなく、華やかで陽性な妖精さん
見た目はどの娘役よりも可愛くて美人さん。背の高さも、ちょうど、娘役の中ではスラリとしてスタイル良し、に見えて大きすぎず、良い感じでした。



大人枠はジョン卿の越乃組長、マリア役の憧花副組長、執事ヘザーセットのマギーさんこと星条さんが上手くて存在感もバッチリ!
特に星条さんは白髪がすっと入ったグレーヘア―が美しく、控えている執事役ながら、その場にいるだけで場面が華やぐ感じがなんともスターさんらしくて・・・。バーチェスター役では随分とはじけて思い切った演技だったらしく、そちらも観たかったなと思いました。
・・・というより、ジョン卿、今こそいかがでしょう?越乃組長の余裕の色気と安定感ももちろん良かったのですが、星条さんのジョン卿は更に現役感があって良いのでは・・と思いました。
マリア役の憧花さんは凛とした中に繊細な強さと正義感、高飛車な物言いの中に芽生えてきたビルへの肉親としての愛情など、役に必要なものがしっかりと表現できていて素晴らしい。
今回、女性の役どころ3役(サリ―、マリア、ジャッキー)が本当にハマり役だったことが作品としての完成度を上げていた・・・と思います。

狂言回しのような弁護士バーチェスターは組替えで雪組から来たコマ(沙央くらま)くん。彼女らしく緩急自在にチャーミングにソツなく演じていましたが、ちょっと線が細いかな…と。これから組に馴染んできたらまた違ってくるのかも?

カチャ(凪七)ジェラルドは歌えているけど存在感としては普通?と一幕では思いましたが、2幕最初、ジャッキー&ジェラルドがお芝居が始まる前に下手中央出入り口から登場、上手下手通路に分かれて缶バッジを配りながら舞台へ・・・というイベントがあり、ちょうど千秋楽を終えて揃って観劇していた上手サブセン10列目辺りバウ組の下級生たちをいじろうと、みやるりジャッキーが「ジェラルド~!」と声をかけるも、バッジ配りに集中して気付かぬジェラルド。照明が落ち、「もうっ、あなたが気付かないから暗くなっちゃったじゃない!」と気の強いジャッキーさながらにみやちゃんがプンスカすると、「君、可愛いんだからゆるしてよv」とまさかのチャラ男返し!
素で照れるみやるりちゃんが可愛かったのですけどそれ以上にそう言えば、凪七さんと言えば、「仮面のロマネスク」中日公演の従者アゾランのちゃっかりとしたプレイボーイっぷりがピッタリだったっけ・・・と思い起こさせるものがありました^^

バウ組の下級生、ちょうど入場時にバッチリ見える席だったのですが、星宙と違って誰もわからないのが残念><

まさきさん(龍)のビルはリアル子供で、悪ふざけや下品な行動も、下層階級だから・・・というよりも、まだ子供だから、というふうに見える新しい解釈。サリ―への一途さも、子供の純粋さを持つ魂だからこそ、という感じ。
だんだんと教育の成果が観られる流れも、子供が青年に・・・という感じで、リアル子育てを通してマリア叔母に愛情が芽生えるのもさもありなんと思わせる、これはこれで、なかなか説得力のある、彼女自身のキャラクターを活かしたビルの役作りだと思いました。

チャピちゃん(愛希)のサリーは当たり役
パブでしっとりと歌う歌、とても上手で驚きました。彼女がサリ―として歌う歌は心に響きますね。
明るくしっかりしているけれど、女の子だから男の子よりもかしこくて、周りや状況が良く見えている。
ヘンに被害者ぶらずに、でもビルのためを思って、自分のなすべきことをしようと、勇気を出している姿がなんとも健気。共感を誘う、ジョン卿が応援したくなるのも良く分かるサリ―です。

主だった役がこのくらいで、下級生たちには目立った役がないのですが、その分あちこちでバイト?している姿を見つけるのも組ファンの楽しみでしょうね。
宇月颯くんクラスでも、役名はランべスの街角のフルーツ売り・・・ですものね。
その分群舞ではやはり目立っていましたが^^
個人的には、月組でお気に入りの紫門ゆりやくん(「アリスの恋人」のキザな帽子屋さん以来気になっています^^)とお人形顔のダンサー萌花ゆりあちゃんが夫婦役でお屋敷メンバーに入っていること^^
お屋敷メンバーの並びが美しくて観ているだけで楽しいデス

ラスト、3組の結婚式で3人のウエディングドレス姿・・・というHAPPY END.
そこでも客席降りがあり、わたくし側はまさきちゃん先頭にチャピちゃん、みやちゃん、カチャ、ゆりあちゃん…と理想的な流れで…今回客席降りがあると聞いて、ねばって1階席でそこそこの場所を確保して正解でした!

フィナーレショーも華やかで、3人の若手男役のダンスでセンター宇月くん、サイド紫門ゆりやくん、煌月爽矢ちゃん。
本編では本当にしどころのないお役でしたので、こういう場面があるとホッとしますね。

デュエットダンスの前に、カチャ(凪七)るり(美弥)を含む3組のデュエットダンスもあり、ここでは、久しぶりにみるカチャのきれいなエスコートとみやちゃんのいい表情に集中…。
宙組の頃から、凪七瑠海さんのダンスが大好きなんですよね・・・。
小顔で手足が長くてすらりとしていて、動きが優美で感情表現も良くて、バレリ―ナとしても大成したのではないかと・・・宙組で群舞のシーンがあると、たいてい凪七さんか蒼羽りくちゃんかを観るようにしていたので(そうすると正確な振付がわかるという^^;)・・貴重なダンサーが1人いなくなって残念ですがこれからは月で!

主役二人のデュエットダンスは想像通り、愛希れいかちゃんが大活躍で、盛りあがりました。
エトワールは花陽みらちゃん。
本編で出番がなさすぎたので、こういう使われ方は嬉しいですね^^


さてさて、今回の遠征の目的のひとつでもあったトークショー

メンバーはお屋敷の3カップル(紫門ゆりや&萌花ゆりあ、凪七瑠海&美弥るりか、組長&副組長)プラス耳の遠い老人役の綾月せりさん。コマちゃん(沙央くらま)がかみまくりながら(笑)司会をしてました。
みやちゃんはどのドレスもお似合いでしたが、トークショーでは最後の場面のウェディングドレス^^
役作りについての質問で、声が低いのでニューハーフにならないように気をつけたと笑いをとっていましたが、マリア役の憧花さんが、三木先生がみやジャッキーをお気に入りで「小悪魔ちゃん、小悪魔ちゃん」って呼んでいらして…と脇から口添えされ、コマちゃんがおや、ジェラシーですか?とまぜっ返したり^^
色々可愛かったです。
カチャはジェラルドの役作りについて、トークショーでも、やり過ぎるとちょっと…な人になってしまうので周りをよく見てバランスを考えながら演じているそうです。

楽屋でもファンにもらった2人の写真がハートのフレームに入ったものを表札?にしていてラブラブだとか。
組長さんからも、2人でしゃべっているとほんわかとした雰囲気…などと補足して頂き。
もともと愛でていた2人が仲良く暮らしている?かと思うと月組もまた楽しいです

全体に、カップル主体のメンバーである、ということもあり、皆さんご自分の相手役について愛情表現たっぷりのゆるゆるトークで・・・。
聴いている方は楽しいのですが、さくさく進まないので進行役の沙央さんは大変だったご様子で、「お時間がおしてますので・・・」と何度か注意を喚起していらっしゃいました^^;
たっぷり30分、舞台の余韻を引きずる甘いト―クで楽しいひとときでした。

さて、明日20日はもう千秋楽なのですよね!
東京でも上演してくれれば、2パターン制覇はもちろん、通いましたのに・・・・と残念ですが、片方だけでも観られて良かったです



彩愛玲&クリストファー・ハーディ「古代の光が照らす夜」

2013-05-12 04:40:08 | MUSIC
2013年5月7日(火)19:00~
東京文化会館小ホールにて

ハ―ピスト彩愛玲とパーカッショニスト、クリストファー・ハーディのジョイントコンサートに行ってきました。

「古代の光が照らす夜」と題されたこのコンサート、
台湾人の声楽家の祖父と日本人のピアニストの祖母を持つ彩愛玲さんは、国立音大卒東京藝大別科修了後、ニ胡のチェン・ミン氏とのリサイタルで好評を得るなどジャンルを超えて、中東シリアの作品なども含む、ハープの源流を探究。

一方1989年より日本を拠点とするクリストファー・ハーディはアメリカ出身。
中近東・アフリカ・ラテン諸国の代表的打楽器であるハンドドラムのスペシャリスト。
これまでの共演者は
渡辺香津美、山下洋輔、観世英夫、尾上松禄、宮本文昭、谷川俊太郎、加藤和彦、本田美奈子など、
JAZZ,伝統芸能、詩、POPSなど実に幅広い。

東京文化会館は、大ホールには足しげく通っているものの^^;
小ホールでの催しは実は初めてで、そこも興味深いところだったのですが、すり鉢状にステージから広がる客席はどの席でも観やすく、天井の高いステージの上から5枚の細長い赤と黒を基調とした抽象画が垂れさがり、ステージ上に広がるエキゾチックな打楽器と相まってエスニックで幻想的な雰囲気を醸し出しており・・。
期待が高まります。

PROGRAMは・・・
1.カンティ―ガ・デ・サンタ・マリア(聖母マリア領歌集)より・賢王アルフォンソ10世
Cantigas de Santa Maria/Alfonso X el Sabio
・ Do Dem'A Perfia (No.285)
 ・ Quen Omagen (No.353)
 ・ Rotundellus (No.105)
 ・ Da Que Deus Mamou (No.77)
2. 古代の光/クリストファー・ハーディ
Light of Ancients/Sai Ailing & Cristopher Hardy
3.タクスィーム /マルセル・カ―リフ
Takassim/Marcel Khalife
4. ラガッシュ/クリストファー・ハーディ
Lagash/Christopher Hardy


5.グリーンスリ―ヴス/イギリス民謡
Greensleeves/English Traditional
6.ボートマン/スコットランド民謡
Boatman/Scottish Traditional
7.ハブキャップス&ポートフォールズ/レイチェル・ヘア&スコットランド民謡
Hubcaps&Potholes/Rachel Hair&Scottish Traditional
8.魂のゆくえ/彩愛玲
The Way of the Soul/ Sai Ailing
9.ギターブック/ル―・ハリソン
Guitar Book /Lou Harrison
・ Avalokiteshvara
・ Serenade
・ Jahla
・ Music for Bill and Me
・ Beverly's Troubadour Piece
・ Sonata in Ishtartum
・ Avalokiteshvara

~アンコール~
吉松隆:プレイアデス舞曲集IVより 静かなる雨の雅歌



休憩時間には、ステージに近寄って、舞台に置かれたハーディ氏の不思議な楽器を近くで眺めるヒトで賑わっていました^^
素焼きの壺、ウミヘビの皮が側に張られている陶製の太鼓、骨のカスタネット?小さな亀の形の金属性の銅鑼?、様々な太鼓や金属の棒などなど・・・

ちなみに、会場を彩る5枚の布のインスタレーションを手掛けたのは彩愛玲さんの兄、亮陰(Ryoan)氏だとか。

エキゾチックな癒しの音楽にたゆたう時間でした