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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

2018 世界バレエフェスティバル FUNNY GALA

2018-08-19 20:07:35 | BALLET
世界最高のバレエフェスティバルの最期を飾るのはいつもこれ。
バレエフェスティバル千秋楽の第5部。

通称「FUNNY GALA」

かつては構成力のあるジョゼ・マルティネスやアイデア豊富でサービス精神旺盛なウラジーミル・マラーホフが牽引して驚くべき祝祭空間を作り上げていたのですが、今回はプロデューサー役を買って出るような人材はいたかしら?と
若干不安を持っていたのですが・・・・。

さすがのパフォーマーぞろいのメンバー。
バラバラな個性を無理やり(笑)つなぎ合わせる力業も楽しい、スペシャルナイト、でした。

一応、配役表は以下の通り。

『眠れる森の美女』より「ポロネーズ」

入場する王(笑顔の可愛いシルヴィア・アッツォー二)と王妃(お澄ましした頬紅がフェミニンなマチュー・ガニオ)。
ゲストの入場時に杖を突く式典長はなんと指揮者のオブジャニコフさん。
基本、オーロラ姫の婚礼の場に集ったゲストのパフォーマンスをお楽しみください、なのですが・・・。

『フォー・ミー・フォーミダブル』

マチアス・エイマン、ダニール・シムキン、デビッド・ホールバーグ

1階を前後に分ける通路から登場のピンク尽くしのドラッグクイーン、歌ってます。
ノリノリで、後方の演説壇?のような手すりに寝そべります(近くてあせりました^^;)
ひきつれているのはツインテールに赤リボンの二人のセーラームーン?
日本アニメ通のシムキンくんの発案かと思われます・・。
デビッドはお付き合い。

「佐々木さんのために」
マリア・アレクサンドローワ、ウラディスラフ・ラントラートフ

ステージ上で、初めのゲストのパフォーマンスが。
次からは結構コメディ色が強まるのですが、このペアは、一つの作品をしっかりと踊り上げる感じに。
レモンイエローのチュチュに小さな黒リボンをアクセントにしたマーシャと同じ配色で蝶タイのラントラートフさんの並びはちょっとファニーな可愛らしい雰囲気。
フェリーニ映画やフィギュアスケートのイタリアペアのイメージ。
音楽がジブリの「ハウルの動く城」だったと後で友人に教えてもらいました。
タイトルと言い、この日のために準備してくれたのだなと胸が熱くなりました。

「ジゼル」
マリア・アイシュバルト
レオニード・サラファーノフ

アイシュバルトは本当にイケメン。
繊細な目鼻立ちで、ボロ家の扉をノックするところから、完璧マイム。でもちっこいのです。
大きなジゼル、サラファーノフもブルーと白のジゼルの清楚なお衣装がとてもお似合い。
二人で花占いまで忠実に、大真面目に男女逆転を演じるのがおかしくて。
時々サラファーノフジゼルが男らしくふるまう塩梅が絶妙。
でも、わたくしはアイシュバルトアルブレヒトが優しくジゼルをエスコートしたり、誓いのポーズをとったりするその一つ一つの仕草の美しさにキュンキュンきておりました。
コメディなので、帽子をとったら波平さん、というベタなギャグも仕込まれていましたが、アイシュバルトのあまりのイケメンぶりに笑うのを忘れて見とれてしまいました^^
サラファーノフも見た目だけでなく、しっかりとポアントでジゼルを踊りこなしていてさすが!

「カルメンズ」

イサック・エルナンデス、ジェルマン・ルーヴェ

えーと、ふたりのカルメンなのですが、お化粧が濃くてどちらがどちらだか・・。
ショートボブでアイシャドウ濃い目のカルメンが震い付きたくなるような洗練された美女で・・・。
シャープな面立ちからわたくしはエルナンデスかと思ってみていたのですが、感想がUPされているのを見ると皆さんルーヴェがきれいだったとおっしゃるので、そうなのかも・・。
明らかにギャグを狙っているにも関わらず美しさに驚くカルメンでした。

「ホセ」
ヴェイングセイ・ヴァルデス

誰だろう、とずっと思いながら見ていたのですが・・・
女性の男装は、おひげをつけたりするのでちょっとわかりづらい上に、
結構筋肉質なしっかり目の体形のダンサーでも、男装するととても華奢にみえるんですよね。
皆、とても小さくとても美形な男性っぷりでした^^

『眠れる森の美女』より「猫」

レオノール・ポラック、フリーデマン・フォーゲル

あのコケティッシュな白猫ちゃんと長靴をはいた猫がじゃれ合うシーン。
白猫フォーゲルくんの扮装が抱腹絶倒。1メートル四方ではきかない巨大なキティちゃんの被り物に全身白タイツ姿なのですから・・・@@
登場時の衝撃はアレですが、音楽もチャイコフスキーでフルに踊り、あの白猫ちゃんの脚を愛でる長靴をはいた猫の手をぴしゃりとたしなめるところとか、二人で揃ってのパ・ド・シャとか、振り付けは原典に忠実でそれがまたおかしい。ポラックのネコちゃんも可愛かったです。

『ドン・キホーテ』より「パ・ド・トロワ」

タマラ・ロホ、ダニール・シムキン、デヴィッド・ホールバーグ

おじさんっぽいタマラはその場では判別不可能。あとで配役表をみてあれタマラだったのねと。
シムキンくんとホールバーグはセーラー服のまま軽快に踊っていました。というか、ここはほぼお笑い場面。
とはいえ、何気にレベル高いのはこのメンバーならでは。

『眠れる森の美女』より「青い鳥」

マリア・コチェトコワ、エドウィン・レヴァツォフ

コチェトコワが青い鳥のお衣装でふわりとジャンプすると・・・背後から大きな黒子がお手伝い!
すごいアイデア!黒子の助けで空中にとどまったままあの青い鳥の振り付けを忠実にコチェトコワは実に綺麗に踊っていましたが・・・^^;
レヴァツォフはフロリナ王女のコスチュームを付けていたので、踊るのかなと思ったらまさかの黒子。
お似合いだったので、次回は是非。

「スパルタクス」

エリサ・パデネス、ダニエル・カマルゴ

フリーギアをカマルゴが、パデネスはスパルタクス。あの雄大な音楽にのせて・・・の愛のPDD.
ま、まさかあのフリーギアが倒立したような体制でのリフトをするんじゃ・・と思いきや、この胸に飛び込んでおいで!の体制のパデネスに向かって猛ダッシュのカマルゴ、ギリギリのところでかわされてズゴーと倒れこむなど、
ギャグ要素多め。
カマルゴは黒髪ロン毛のウィッグを撫でつけたりフェミニンな仕草など、なりきり度高し。脇の付け毛にドッキリ。
そこまでしていただかなくても・・・でも、そんなところにもサービス精神を感じます。
A.Bプロ、SASAKI GALAでまったくちがった役柄をそれぞれはまり役と思わせた彼はなかなかの演技派なのかもしれません。

『白鳥の湖』より「三羽の白鳥」

ロベルト・ボッレ、フェデリコ・ボネッリ、ウラディスラフ・ラントラートフ

なんとも・・大きな白鳥ですが、結構本気のポアントでの踊りで。ボッレは白鳥としての役作り?も。
ラントラートフさんはダイナミックで軽快な持ち味をここでも発揮!マーシャの特訓があったに違いなし、の完成度。
ボネッリは本気の二人に挟まれてちょっとはにかみながらも嬉しそうでした^^

『白鳥の湖』より「黒鳥」

ドロテ・ジルベール、マルセロ・ゴメス

ドロテの王子もまたイケメン。男装すると女性はより華奢に、女装した男性はより大きく見えるので時空がゆがんでいるのですが(笑)女性ダンサーの王子っぷりはなかなかのもの。
王子のマネージュもダイナミックで素敵!
でも、そんなドロテもゴメスが踊り始めると一気にかすんでしまいます・・・。
もう、ポアントテク完璧!いつこんなに踊りこんだの?!と驚愕の黒鳥っぷり。
ガチな黒鳥(でも筋肉質で巨大)に息をのんでいると最後はなんとグランフェッテまで!しかもダブルも入れての大健闘です!
ヒュー!
今年のファニーガラ大賞はゴメス様。
銀賞サラファーノフ。

名前がない?とお思いになりましか?
サーシャ(アレクサンドル・リアブコ)は救急班の扮装で倒れたダンサーの介護で活躍されていました^^
気づいたときに観たら結構細かく演技していましたが、なにせ舞台のセンターがすごかったので・・・。
脇に退いたダンサーたちが色々とリアクションしているのも面白く、まったくもって目が足りない濃厚で楽しすぎる時間でした。

最後はなぜかリンボーダンス。
巨大な頭のKITTYフォーゲルくんの番では固唾をのみましたが、成功!さすがはダンサーの腹筋。

グランフィナーレでは、FUNNY GALAのお衣装のダンサーとちゃっかり着替えてくるダンサーの比重が、前者が少ないとなんとなくお気の毒な感じになるのですが、今回はFUNNYのままでカーテンコールを迎えるダンサーが多くて和みました。

3年後の開催に向けて、今回COSME DECORTEの試供品を会場で配布されていた大口パトロン小林コーセーさんに高橋氏がアピールされていましたが(笑)オリンピックと重なるのですよね。
ホテルの確保など、いつも以上にハードルが上がりそうですので、一年ずれても構いませんが・・・
とにかく、世界バレエフェスティバルという素晴らしい文化遺産がずっと続きますようお祈りしています。
もちろん、次回も客席参加いたします!





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