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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宙組中日劇場公演「仮面のロマネスク」前楽

2012-02-26 08:08:41 | TAKARAZUKA
2012年2月23日16:30公演

中日劇場にて

宝塚宙組公演ミュージカル「仮面のロマネスク」―ラクロ作「危険な関係」より―
ファナティック・ショー「Apasionado!!Ⅱ」を観て参りました。



CAPAが終わって落ち着いたら・・と思っていましたらこのようなタイミングに・・・^^;
はい、あと一日、千秋楽の一公演を残すのみ・・・の前楽でございます。

それにしても、わたくし、名古屋中日劇場があたかも神奈川県民ホールであるかのごとく、
休日に気軽に出かけるようになってしまって・・・
一年前の星組公演「愛するには短すぎる」「ル・ポァゾン」のために名古屋入りしたときには
なんと生涯初名古屋と興奮していたのが嘘のようでございます。
(夏の終わりには美弥るりかマールを観るために泊りがけで遠征しましたし^^;)

さて、作品自体、名作と名高く、再演の希望が多かったと聞き及びますし、
確か、宙の2番手凰稀かなめさんもパーソナル・ブックで将来的に演じてみたい役としてミ―マイとともに、
ヴァルモン子爵役の扮装を披露していらしたような・・・。(これはこれで観たかった気が致しますが^^;)

初演については高嶺ふぶきさん、花總まりさん、星奈優里さん、轟悠さんなどの名演について色々と聞こえて参りますが、実際に観たことがないため、今回の宙組版を初の観劇としての感想になります。


日本青年館宝塚宙組公演「ロバート・キャパ 魂の記録」 千秋楽

2012-02-21 06:41:43 | TAKARAZUKA
2012年2月20日(月)
日本青年館大ホール 前楽 11:00、 千秋楽 15:00

日曜日の15:00公演、主演の凰稀かなめさんお茶会、そして千秋楽を、続けて観て参りました。
16日の夜公演も観ていますので、バウと合わせて6回の観劇・・・・。
我ながら呆れますが、それだけリピートしても観飽きることのない、重いテーマを扱いながら、
残る感覚には広い意味での愛と救いがある、爽やかな作品だったと思います。

もとから、新公ヒロイン以外初の主演、研3の伶美うららさんを除くと若手中心ながら実力派揃い、
最初からあらかた完成された舞台ではありました、それでも舞台の気迫が千秋楽の日は一際強く、
拍手など客席からのリアクションも一際大きく感じられ、外もきれいな青空でしたが、ホールの中も
冴えわたっている、と感じた一日でした。

前楽では、この日が宙組生として最後の公演日にあたるみーちゃん(春風弥里)がとりわけ気合が入っていて、事務所に飛び込んでスペイン内戦の開幕をキャパたちに告げるシーンで、あまりに激しく飛び込んできたので、思わず客席から笑いが・・・(そこ、笑うところじゃないから!)^^; 後にも先にもここで笑いが起きたのは今回だけですが。
それだけ力が入っていた、ということで^^;

千秋楽で、ピカソの愛人、マリ―・テレ―ズ役のたらちゃん(愛花ちさき)がぶつぶつ文句を言いながら下手から上手にぬけて行くところで、最後に最後くらいちゃんと話をきいてよね!といったことをセリフに交えてました^^;

それぞれ芸を確立してる上級生・中堅に交じっての研3ヒロイン伶美うららちゃん、過去2回のレポでは、やや辛口の意見を書いてしまいましたが、彼女こそ、徐々に開花する蕾のように、楽に来て、感情の出し方、歌の発声、メイクなど、着実な成長を見せてくれたのが印象に残りました。


もう、公演は終わったのでネタバレ全開で、場面ごとの感想を、今夜以降UPするつもりです^^


日本青年館 宙組公演「ロバート・キャパ魂の記録」初日

2012-02-16 03:10:50 | TAKARAZUKA
オーシャンズ放置していますが^^;
2012年2月15日(水)15:00
日本青年館にて、バウ・ミュージカル「ロバート・キャパ 魂の記録」東京公演初日に
行って参りました。



バウでの公演を経て、どう変化したか・・・を楽しみにしていましたが
驚くほど全体が引き締まり、非常に魅力的な舞台でした

印象に残ったシーンをランダムに・・・

■ パリでの労働者のデモの場面。

コーラスの厚みに力があり、少人数口のバウ公演とは信じがたい。
流石、コーラスに定評のある宙組。
ここ、群衆に対峙して撮る仲間のカメラマンたちと、デモ隊の中でともに歩みながらシャッターを押すキャパの撮影コンセプトの違いがわかりやすく提示されると共に、リアルな高揚感があり、名場面かと。

■ パリに向かう汽車の旅の場面

バウでは、いかにもミュージカル仕立て、ベルリンでのユダヤ人迫害の機運を予測した社長の温情で、
パリに向かうアンドレ=キャパ(凰稀かなめ)と親友チ―キ(春風弥里)。
乗客、車掌などが織りなす明るい鉄道旅行シ―ン。
コミカルな動きがわざとらしく古臭いと思えてしまったバウ初日とは打って変わって、
軽快で無駄のないリズム感が心地よい場面に

■「ロバート・キャパ」誕生の場面

アンドレの才能を買って売り出しを買って出た女性ジャーナリスト、ゲルダ(伶美うらら)の助言で報道カメラマンとして独立したアンドレ・フリードマン。
それを快く思わない旧・雇い主の差し金で写真のクレジットを改竄され、無名である自分の無力さを嘆くアンドレに、ゲルダがペンネームと同じように、経歴込みで架空の人格を作ればよいと提案。
大人っぽい知的さと柔らかなアルトの響きが心地よい声質と相まって伶美さんのセリフ回しが自然で上手く、2人の掛け合いが実にスムース。

■ パリのカフェ。マグナムメンバーの出会いの場面

カフェで偶然撮った痴話喧嘩が画家のピカソとその愛人とわかる。
教えてくれたのはその場に居合わせたアンリ・カルティエ=ブレッソン(蓮水ゆうや)とシムことデヴィット・シ―モア(星吹彩翔)。
この2人との友情が、その後の報道写真家集団マグナムの基礎となるのだが、アンリの一言の台詞に多くの意味と繊細な表情の変化をつける芝居巧者の蓮水ゆうやが上手い。
バウではシム役の下級生もんち(星吹)と並列の役どころか・・・と見えたのですが、ここにきて一日の長あり、と随所で上手さを魅せるのは流石。

■ スペイン内戦

兵士フェデリコ(鳳樹いち)が一貫して良いです。
戦場場面でもダンスリーダーで緊迫した場面の空気を作り出しています。
写真家3人が撮影しながら絡む振付もこなれてきて違和感がなくなり、パリのデモに続く緊迫感溢れる場面に。


逆にちょっと残念に思ったところは・・・


■ ゲルダのヘアメイク

本来美人なはずなのに??メイクダウンしている?
髪形ももっと似合うアレンジがありそう・・と思ったのは伶美うららちゃん。
ミディアムのボブスタイルのサイドにくるんと大きくカールした髪を並べる、という髪形が不自然?
で、お顔が長く大きく見えてしまう・・・
だったのですが、東京でそのカールを小さくして全体に髪が短めになって、よりコンパクトにはなっていたのですが、職業婦人らしい簡素さが前面に出て、ヒロインらしい華が減じているのが残念。
本来の可愛らしさもある正統派美人顔を、舞台メイクでも表現できるように要・研究ですね!

■ 母と弟の訪問シーン

パリに行ってから、2度、キャパの母ユリアが訪ねてくるのですが、
初回、CAPAとアンドレが別人設定なのを写真から見抜いて、危険な仕事を我が子にさせたくないと主張する母との対立。
2度目で、彼の仕事ぶりを認めて、誇りに思うという母との間に、母の心情が変化した理由の説明が
省かれているので、唐突感が否めない。
専科の光あけみさんの演技はもとより、それを受けての凰稀さんのリアクションが細やかで素晴らしいためにその場ではそうかそうかと納得するのですが、ちょっと疑問が残るのは脚本の問題かと。
東京で修正してくるに違いないと思ったのに変更がなかったのが意外ですxxx


とはいえ、特筆すべきは・・・
キャパがカッコイイ・・・!!
の一言でしょうか。

バウでは、初見ゆえに、色々と脇を確認する必要があったために敢えてセンターをはずして観る場面も多かったのですが、流れがわかった今回は、安心してその場面で一番輝きを放っている人物に視線を定めていられる・・・という2度目ならではのゆとりもありますし、席も、今回は舞台に近いセンターブロックゆえによりオーラを受け止めやすかった、ということもあるのかもしれませんが、それを差し引いても

全ての場面のどの瞬間を切り取ってもブロマイドに出来る!(←ファン目線ですね^^;

というほど、動きも表情も無駄な甘さが排除され精錬された芯のしっかりとした演技に驚かされました。

20日月曜日の千秋楽まで、あと4回観る予定ですので、高めスタートの更なる進化を楽しみにしています



宝塚星組 「オーシャンズ11」

2012-02-13 04:41:09 | TAKARAZUKA
千秋楽から一週間たち、すでに次の花組公演が始まっているこのタイミングで何ですが、
今更のように「オーシャンズ11」語りです



制作発表の頃には、え、2番手は涼サン?紅くん?
ともみんがハッキリ抜かされたってこと?真風は?と
路線男役の番手と役付に話題が集中。

ハリウッド映画原作なれど、宝塚仕様にするための変更点多数を小池先生が盛り込み、
またその承諾がすぐには出ず・・ということで、かなりぎりぎりな状況で大劇場の幕が上がったらしいのですが、
東京でも初日近くで観たMy初日から、前楽までの4回の観劇で、回を重ねるごとに進化する舞台が実に楽しかった!です。


ダニー・オーシャンと10人の仲間たち・・・
ということで、元妻(離婚は成立していない)テスの婚約者として名乗りを上げているラスベガスのホテル王、テリー・ベネディクトの金庫から一晩のカジノの売り上げをくすねることでひと泡吹かせ、あわよくばテスの心も脱会しようというスケールが大きいのだか小さいのだかわからない(笑)大作戦。

詐欺師のダニーは刑務所から出所して、親友ラスティーと再会。
一石二鳥のたくらみを果たすべく、必要な人材=仲間を手分けして探しだし、チームを作る、というところまでが
第一幕。

映画では、ジョージ・クルーニーがブラッド・ピットと組んで、アンディ・ガルシアにひと泡吹かせて美術館長である知的なジュリア・ロバーツとよりを戻す・・・という、シンプルなコン・ゲームを楽しむ風情でしたが、この宝塚版、小池修一郎演出バージョンでは、設定がいくつかプラスされ、舞台映えする作りに変更されています。

1) テスの職業は歌手

ダニ―と知り合ったときにはクラブ歌手のバイト中のエコロジーに関心を持つ女子大生。
今は、彼女の歓心を惹くために、新規OPENのホテル「エデン」のコンセプトを環境に優しいホテルと設定し、そのプロモーションで彼女をメジャーデビューさせるという御膳立てで彼女の心をつかもうとするテリー。

また、彼女の”エコ・プリンセス”としてのお披露目=新ホテルのプレゼンテーション・ショーで、脇を務めさせられるこのホテルのショー・スター”クイーン・ダイアナ”がライバルとして鼻息荒く絡みます。
このレトロなマジックショーのクイーン、ダイアナを娘役2番手、変幻自在の演技派女優、テス役のねねちゃんとは同期にあたる白華れみちゃんがケレン味たっぷりに演じます。

れみちゃんと言えば・・・
2年前には、「リラの壁の囚人たち」で当時の星組2番手スター、凰稀かなめさんの相手役として、花組から異動してきた当初は薄幸の美女がハマる楚々とした路線娘役だったのですが・・・。
今は、金庫まで押しかけて、テスのプロモ―ション用セットが豪華なのに嫉妬して、自分のショーのバ-ジョンアップのための予算をテリーに直訴して現金で希望額を出させる押しの強い女に・・・^^;
わたしの出番、これっぽっちなんですか?!とのれみちゃんのプレッシャーに負けてセッセとダイアナ登場シーンを書き足す小池先生の姿がダブります・・・(妄想)


2) エル・チョクロ

この作品の2番手はだれなんでしょう?
凰稀さんが宙の2番手になって後、「ノバ・ボサノバ」では夢乃聖夏、紅ゆずる、真風涼帆の3人のスターが役替りでそのポジを分け合っていましたが、長かったノバボサ公演を経て、初めてのお芝居。

夢乃聖夏ちゃんは紅ゆずるくんに抜かれましたね。
ダニーに敵対するテリーが役どころとしては2番手。
このベネディクト役は紅くんがク―ルに熱く、悪い男として、用心棒2人プラス1.そして事務方3人のチームを率いて、しっかりと作ってきました。
ク-ルな黒スーツ系用心棒は麻央侑希くんと芹香斗亜ちゃんの長身新公主演ペア。プラス1の肉体系用心棒は、一部に熱心なファンを持つ(?)汐月しゅうくん。しゅうくんは結構大事な役どころで美味しいところを担当していて、嬉しかったです。きれいどころではないのですが、味のある悪役顔で、ロミジュリのモンタギュー・BOYSの中で、ロン毛の金髪をポニーテールにして目立っていたのと、「メイちゃんの執事」での神崎役があまりにマンガの原作そのままのVISUALで皆を驚かせたのが記憶に新しいところ。長身のダンサーです。
事務方はカワイイお顔立ちながら味のある演技派の碧海りまちゃんと大輝真琴ちゃん。そして優香りこちゃん。

テスへの絡み方が、ちょっとガツガツしていて、悪い男はエレガントであってほしいというわたくしの好みからは外れていましたが、のし上がってきた彼のバックグラウンドを考えると役作りとしては正しいのですよね。

2番手としての歌を担当するシーンが多く、あまり歌手と言う印象のない人だったのでどうかしら?と思っていましたが、豊かな声量で堂々と歌い上げられ、急速なポジションUPに応えてしっかりと準備をしている人なのだなと頼もしく思いました。


で、エル・チョクロ。
ラスティー・ライアン=主人公の親友。ブラピがやった役。これまた2番手どころ???なラスティー(涼紫央)には恋人がいる設定で、その彼女の実家が母と祖父が仕切る小さなショー・バ―。赤毛、という意味らしく、ショーでは赤毛ボブの女の子たちが色っぽく踊って歌います。
場末のバーで経営難、銀行からの取り立てに苦しむ(テリ―の地上げ戦略のせい)割にたくさんの女の子を雇ってますが(星組の若手カワイ子ちゃんはここに集合)^^;
その赤毛ちゃんの中で一番可愛いのがラスティーの彼女、ポーラ(音波みのり)。
ラブラブ設定で、「浮気しないでね」とか^^;。
別格スターでありながら御本人は路線スターの自覚を持つ、タカラヅカ愛に溢れた方。主役の近くで親友役をしたいと熱烈に公言される、貸切公演のスポンサーでもある涼さんに対する配慮の象徴といえる設定ですね。
フィナーレの階段降りの順番も、優劣をぼかすために(?)、涼さんがエトワールで先に降りてくる・・・という苦肉の策も含めて、色々と困難を乗り越えた小池先生の今回の御苦労が忍ばれます。


*ここまでを3月5日に更新・続きます*







ボリショイ・バレエ2012「ライモンダ」

2012-02-08 04:00:01 | BALLET
2012年2月8日(火)18:30~
東京文化会館にて

ボリショイ・バレエ団 2012年日本公演
「ライモンダ」に行って参りました。



The Bolshoi Ballet & The Bolshoi Orchestra
初演:2003年5月10日
2012年2月7日(火) 18:30~21:30
「ライモンダ」 全3幕
台本:ユーリー・グリゴローヴィチ(中世騎士道物語にちなんだリディヤ・パシュコーワのシナリオに基づく)

音楽: アレクサンドル・グラズノフ
改訂振付: ユーリー・グリゴローヴィチ
原振付: マリウス・プティパ,アレクサンドル・ゴールスキー
美術: シモン・ヴィルサラーゼ
音楽監督・共同制作: パーヴェル・ソローキン
照明: ミハイル・ソコロフ
振付アシスタント、指導: ナターリヤ・ベスメルトノワ

指揮: パーヴェル・ソローキン
管弦楽: ボリショイ劇場管弦楽団

ドリス伯爵夫人シビル: エカテリーナ・バリキナ
ライモンダ(その姪) : マリーヤ・アレクサンドロワ
アンドラーシュ2世(ハンガリー国王) : アレクセイ・ロパレーヴィチ
ジャン・ド・ブリエンヌ(ライモンダの婚約者の騎士) : ルスラン・スクヴォルツォフ
アブデラフマン(サラセンの騎士) : ミハイル・ロブーヒン

クレマンス(ライモンダの友人) : エカテリーナ・シプーリナ
アンリエット(ライモンダの友人) : アンナ・ニクーリナ
ベルナール(吟遊詩人) : ウラディスラフ・ラントラートフ
ベランジェ(吟遊詩人) : デニス・ロヂキン
執事: アレクサンドル・ファジェーチェフ
ふたりの騎士: エフゲニー・ゴロヴィン、カリム・アブドゥーリン
第1ヴァリエーション( ライモンダの夢の場面) : チナーラ・アリザーデ
第2ヴァリエーション( ライモンダの夢の場面) : ダリーヤ・コフロワ
6人の踊り手: マリーヤ・ヴィノグラードワ、マリーヤ・ジャルコワ、
 アンナ・オークネワ、オルガ・マルチェンコワ
 ユリア・グレベンシコーワ、アンジェリーナ・ヴラシネツ
サラセン人の踊り: ユリア・ルンキナ、デニス・メドヴェージェフ
スペインの踊り: クリスティーナ・カラショーワ、マリーヤ・ジャルコワ
マズルカ: クリスティーナ・カラショーワ、アントン・サーヴィチェフ
ハンガリーの踊り: アンナ・レベツカヤ、アレクサンドル・ヴォドペトフ
グラン・パ: マリーヤ・ヴィノグラードワ、ユリア・グレベンシコーワ、
 オルガ・マルチェンコワ、アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ
 アンナ・オークネワ、アンジェリーナ・ヴラシネツ
 ヤニーナ・パリエンコ、スヴェトラーナ・パヴロワ
 カリム・アブドゥーリン、アルテミー・ベリャコフ、
 デニス・ロヂキン、ミハイル・クリュチコフ、
 バティール・アナドゥルディーエフ、ミハイル・コーチャン
 マクシム・スーロフ、エフゲニー・ゴロヴィン
4人の踊り手のヴァリエーション: アルテミー・ベリャコフ、デニス・ロヂキン、
 カリム・アブドゥーリン、ミハイル・クリュチコフ
ヴァリエーション: ダリーヤ・コフロワ


【上演時間】 約3時間   【終演予定】21:30
第1幕 50分 - 休憩 25分 - 第2幕 40分 - 休憩 25分 - 第3幕 35分




繊細でエキゾチックなグラズノフの音楽、
ブルーグレーと金を基調とした幾重にも重ねられたドレープの奥行きが重厚な美術、
肩を出したボートネックのような襟元、袖に長い布を垂らした中世風の宮廷服に身を包んだコールド。

お話は単純明快。
一幕で、伯爵夫人の姪、ライモンダが、婚約者の騎士ジャン・ド・ブリエンヌの十字軍の出征を見送り、
その夜、サラセンの騎士からの求愛を受ける夢を観る。
2幕で、それが正夢とわかり、富と地位を約束するサラセンの騎士アブデラフマンの情熱に押されつつも
拒絶するライモンダが拉致されそうになったところでたまたま帰郷ジャンが登場。
ハンガリー王が間に入って決闘となり、ジャンが勝利を収める。
3幕では、祝福する王に敬意を表したマズルカやハンガリアンダンスが祝宴披露され、ライモンダとジャンの結婚式が華やかに繰り広げられる。

とにかく全編が踊りの見どころ満載。

主役のアレクサンドロワには圧倒的な華があり、白い騎士スクヴォルツォフはダイナミックで柔らかな跳躍が
美しい。

怪我から復帰し急遽参加のロブ―ヒンはこの人ならではの力強いサラセンの騎士を見せ、
ライモンダの友人2人には、なんとプリンシパルのシプ―リナとファースト・ソリストのニク―リナを配するという贅沢な舞台。
シプ―リナもエレガントですが、ニク―リナの手首から先のラインの繊細さ、美しさに改めて感心。

この2人に付く吟遊詩人ウラディスラフ・ラントラートフとデニス・ロヂキンはキレイで、テクニックも確かな魅力的なダンサー。
ラントラートフは「白鳥」ではロットバルトを踊っていたときも身体のラインと踊りがキレイで注目していたのですが、根が良い人すぎるのか(笑)ロットバルトのすごみはなく・・・。
ニク―リナとの並びは2人とも黒髪で柔らかな雰囲気が良く似合っていて素敵なカップルでした。
コールドの男性で、ワシリーエフをスラリとさせてスッキリとしたハンサムにしたような、ちょっと目立つダンサーがいたのですが、2人の騎士の片割れエフゲニ―・ゴロヴィンではないかと・・・。
プログラムに顔写真が載っているスターではないので、自信がありませんが^^;
今後にちょっと注目かしら、と

最後の方でソロを踊るダリーヤ・コフロワが、上手から登場してすぐに、セットにぶつかっていたのが珍しいハプニング。気を取り直して落ち着いて踊っていたのはさすが。
でも、大役で大きなチャンスだったでしょうに、きっと動揺したでしょうね、可哀そうに。
多分、劇場のサイズが違いすぎて間合いを取りづらいのでは・・・と思いました。

終演後のサイン会、時間差で、最初にジャン・ド・ブリエンヌのスクヴォルツォフ、
後でタイトルロールのマーシャで開催していただけました。
白鳥のときと同じパートナーリングのお二人で、サイン会参加は2度目なのですが、
なんとスクヴォルツォフさんに「・・・白鳥のときもいらっしゃいましたね」と言われて動揺しまくりのわたくしでした^^;
マーシャはあの堂々とした舞台姿とまた違った優しくて可愛らしい方で、心から「スパシ―バ」と感謝の言葉を本当に心をこめて言ってくださって・・・。
芸術監督となられたフィーリンは日本公演開幕後2~3日で帰国されたそうで、お姿をお見掛け出来なかったのが残念ですが、新しい若い芸術監督のもと、新装なった本拠地で、勢いのあるボリショイ・バレエ団のエッセンスを堪能できた公演でした。

今回で日本でのお目見えは最後となる、ボリショイにおける日本人ダンサーの草分け、岩田守弘さんの
出演日を観られなかったのは心残りですが、また、次回の公演も楽しみにしています