2012年1月27日(金)
14:30~
行って参りました!
初めてのバウホールです。
バウ・ミュージカル
「ロバート・キャパ 魂の記録」
作・演出: 原田諒
振付: 羽山紀代美、麻咲梨乃
衣装: 有村淳
歌唱指導: 楊淑美
次の宙組公演で大劇場デビューする原田先生の書き下ろし。
「ニジンスキー」が良かったので期待していたのですが、奇をてらわず、レトロシックなセピアの色調で落ち着いた舞台装置、衣装。
写真家キャパの生きた時代を丁寧に追いながら、パートナーや仲間たちとの交流と、カメラマンとしての使命感を実際の写真作品も上手く取り入れて、わかりやすくその半生を追う芝居づくりで好感が持てました。
主演の凰稀かなめさんは熱演。
とりわけ、恋人ゲルダの死を知らされての慟哭のシーンは、気持ちが入っていて思わずもらい泣き。
わたくしの中のロバート・キャパ像(豪放磊落でユーモアがありちょっとミステリアス)とは少し異なってはいましたが、
繊細で心優しく、弱さも見せるけれども周りをよく見ていて人としっかり向き合える芯の強さを持った人物像を作りだしているように思い、それはそれで魅力的な主人公ではありました。
今、研3のヒロイン、ゲルダ役の伶美うららちゃんは、大人っぽい地声と落ち着いた風情が、一流ファッション誌の売れっ子ライターでありながら、社会情勢に高い関心を持つ行動的な女性像にしっくりハマって、これが初主役とは思えないほどの安定感。
ただ、歌も音域がまだ地声に近いのか、ソプラノは難しそう。
宝塚の娘役としてはある程度、高音域をカバーする必要があるので、ここを頑張って欲しいですね。
プログラムの稽古場写真が本当に美人なので、舞台メイクと鬘も、もっときれいに出来るはず・・・と、
つい高く目標設定をしてしまいますが(笑)きっと青年館までにはこなれてくるのでは、と楽しみにしています。
凰稀さんの隣にはスラリとした美女を、とのわたくしの希望にもっとも近いところにいる娘役さん。
並びはキレイで、凰稀さんがとても大切に扱うので、それだけでもうららちゃんのプレシャス感が増すような・・
急な抜擢で大変だと思いますが、伸び代もまだまだある方だと思いますので期待しています。
お話は・・・(ネタばれあり)
第一幕
ベルリンで活躍する才能ある新進フォトグラファー、アンドレ・フリードマンがトロッキーの演説写真で注目を集めつつある矢先、ユダヤ排斥運動を懸念した雇い主の口利きでパリの出版社を紹介されるも、そこでの仕事はゴシップやスタントまがいの2流記事絡み。
意欲を失いつつある彼だが、そこはパリ。
カフェで偶然パパラッチした痴話喧嘩のカップルがピカソだったり、そこで後に写真家集団「マグナム」を結成する仲間、アンリ・カルティエ=ブレッソンやデヴィット・シ―モアに出会い、また、セシル・ビ―トン卿お気に入りの一流ファッションライター ゲルダ・タローが彼の写真に感動して訪ねて来たりと様々な重要な出会いが描かれます。
無名ゆえに不当な扱いを受けるマスコミ対策で、ゲルダの発案により、架空の一流フォトグラファー ロバート・キャパを創出。以降キャパ名義で作品を発表するアンドレ。
第二幕
民主化したスペインに軍事政府のクーデターが。後押しするのはナチスなどのファシズム勢力。
烏合の衆の民衆が組織化された軍事政権に立ち向かう様はすなわち民主主義vsファシズムの攻防。
その対立を取材すべく、マグナムメンバーは揃ってスペインに。
戦闘で命を落とす市民に動揺し、写真を撮るよりともに闘うべきでないかと悩むアンドレ。
たまたま出会った兵士、ガルシアにこの現状を全世界に伝えてほしいと言われ、使命を自覚。
そのガルシアの最後を撮った代表作「崩折れる兵士」のやらせ疑惑などその後も道は平坦ではないけれど
ともに乗り越えてきた同志、恋人ゲルダにプロポーズ。
彼女には家庭よりも仕事が魅力だったのか・・・。
ライフ誌の取材で中国へ行くアンドレとスペイン内戦取材を続けるゲルダ。
愛し合いつつも別れ別れに。
そして2人にはそれぞれ、戦場に散る運命が・・・。
バウ公演ですので、フィナーレがつきます。
このフィナーレがいいですよ
もちろん芯は凰稀さんですが、下手からりく(蒼羽りく)ちー(蓮水ゆうや)みー(春風弥里)いち(鳳樹いち)の4人が
活躍します。この4人、ち-ちゃん以外はダンサーなので観ごたえあり。
あ、ちーちゃんも顔で踊ってますよ^^
白いドレスのうららちゃんが登場するのでデュエットダンスか!と心は盛り上がるのですが、さらりと流してすぐに男役のダンスになってしまうのが残念。
まぁ、いいですけどカッコイイから。(え?)
主な役と寸評です^^
■チ―キ・ヴェイス: 春風弥里(みー)
アンドレの親友?活動家。ベルリンからパリまでつるんで、出版社では便利屋、キャパ事務所設立後はマネジメントでなんだかんだ一緒にいますが、オフィシャルでは写真家仲間、プライベートではゲルダがいるのでチ―キの存在感は薄いです。2番手格を期待していらしたファンの方にはちょっと物足りない役どころかも。
お調子者で世馴れていて明るくて人情家・・・な王道のみーちゃんキャラ。
はい、「ヴァレンチノ」「クラシコ・イタリア―ノ」そして今作品、一貫して同じ役です(え?)^^;
■アンリ・カルティエ=ブレッソン: 蓮水ゆうや(ちー)
デビット・シ―モア: 星吹彩翔(もんち)
ともに写真家仲間です。パリからずっと一緒。2人とも芝居巧者で安定感あり。
立ち位置としてはもんち上げが著しいですね。だってクラシコでは蓮水さんの役を新公でやったもんちが
完全に肩を並べて仲間、ですから・・・。
ちーちゃんは金髪のクシャっとしたヘアがお似合い。黒髪のちぢれっ毛のときは如何にも”ペッピーノさん”という感じでしたが。この方も、ヘアメイクでの役作りのセンスがありますね。
もんちはメガネで個性を演出。ゲルダとアンドレを気遣って2人きりにさせてあげようとするところなど、この人ならではの人の良さが滲みます。
■フェデリコ・ボレル・ガルシア、セシル・ビートン: 鳳樹いち(いち)
実質、第2幕の2番手はこの人です。
いい役。キャパを励まし、自らの使命を語り、身重の妻(綾瀬はるか似と話題の宙組かわい子ちゃん枠NO2の花乃まりあ)を気遣い、そして華々しく戦場で活躍。
最後はあの、キャパの代表作のポーズそのままで散るという・・・。
戦場の場面はダンスで表現されているのですが、バウだけあって人海戦術ともいかず・・・
でも、しっかりと緊張感と臨場感を踊りで表現できているのはいちくんの功積かと。
最後のポージングも完璧でした。
一幕のセシル・ビートン卿は、ちょっとしたスノッブな気どりや。
うーん、彼の著作「ファッションの鏡」を熟読したわたくしとしては、もっとただの気どり屋ではない上流ならではの浮世離れ感が欲しかったのに・・・ちょっと俗物でした^^;
これからの進化に期待。
歌もダンスも出来て華もあるのになぜか新公主演のチャンスに恵まれなかったいちくんですが、
この作品に出会えてよかったですね!
■ヴァンサン・モンフォール: 蒼羽りく(りく)
一方、空組の誇る若手スター、愛月ひかるくんと新公主演を分け合ってきたりくくんの役付きが微妙でxxx
パリの出版社で、アンドレの写真のクレジットを差し替えて嫌がらせをするオヤジ・・・ですよ!
若手スターが!!
他にモブシーンでいっぱいアルバイトしています。
りくちゃん、好きなのであちこちで観られて嬉しい・・・という話ではありませんね。
先日発表された学年内の成績も2番から急に落ちましたし、心配になります。
写真家たちがスペイン行きを決めたところでちょっとしたフラメンコショーの場面がありますが、そこで芯をおどっているのが・・・りくくん。
お衣装もゴージャススパニッシュでかっこいい。
ダンサーなのでステキ!
というところでようやく溜飲を下げました。
他にも、専科の汝鳥さんがアンドレの恩人、ベルリン時代の出版社社長で滋味溢れる演技で締めてくれたり、ピカソ役の風莉じんさんがゲルニカの場面でしっかりとした歌を聞かせてくれたり・・・
あ、アンドレの弟役の桜木みなとくんってあんなにお顔が丸かったでしたっけ^^;
ざっとのまとまりのない印象メモですが、また思いだしたら追加致しますね
14:30~
行って参りました!
初めてのバウホールです。
バウ・ミュージカル
「ロバート・キャパ 魂の記録」
作・演出: 原田諒
振付: 羽山紀代美、麻咲梨乃
衣装: 有村淳
歌唱指導: 楊淑美
次の宙組公演で大劇場デビューする原田先生の書き下ろし。
「ニジンスキー」が良かったので期待していたのですが、奇をてらわず、レトロシックなセピアの色調で落ち着いた舞台装置、衣装。
写真家キャパの生きた時代を丁寧に追いながら、パートナーや仲間たちとの交流と、カメラマンとしての使命感を実際の写真作品も上手く取り入れて、わかりやすくその半生を追う芝居づくりで好感が持てました。
主演の凰稀かなめさんは熱演。
とりわけ、恋人ゲルダの死を知らされての慟哭のシーンは、気持ちが入っていて思わずもらい泣き。
わたくしの中のロバート・キャパ像(豪放磊落でユーモアがありちょっとミステリアス)とは少し異なってはいましたが、
繊細で心優しく、弱さも見せるけれども周りをよく見ていて人としっかり向き合える芯の強さを持った人物像を作りだしているように思い、それはそれで魅力的な主人公ではありました。
今、研3のヒロイン、ゲルダ役の伶美うららちゃんは、大人っぽい地声と落ち着いた風情が、一流ファッション誌の売れっ子ライターでありながら、社会情勢に高い関心を持つ行動的な女性像にしっくりハマって、これが初主役とは思えないほどの安定感。
ただ、歌も音域がまだ地声に近いのか、ソプラノは難しそう。
宝塚の娘役としてはある程度、高音域をカバーする必要があるので、ここを頑張って欲しいですね。
プログラムの稽古場写真が本当に美人なので、舞台メイクと鬘も、もっときれいに出来るはず・・・と、
つい高く目標設定をしてしまいますが(笑)きっと青年館までにはこなれてくるのでは、と楽しみにしています。
凰稀さんの隣にはスラリとした美女を、とのわたくしの希望にもっとも近いところにいる娘役さん。
並びはキレイで、凰稀さんがとても大切に扱うので、それだけでもうららちゃんのプレシャス感が増すような・・
急な抜擢で大変だと思いますが、伸び代もまだまだある方だと思いますので期待しています。
お話は・・・(ネタばれあり)
第一幕
ベルリンで活躍する才能ある新進フォトグラファー、アンドレ・フリードマンがトロッキーの演説写真で注目を集めつつある矢先、ユダヤ排斥運動を懸念した雇い主の口利きでパリの出版社を紹介されるも、そこでの仕事はゴシップやスタントまがいの2流記事絡み。
意欲を失いつつある彼だが、そこはパリ。
カフェで偶然パパラッチした痴話喧嘩のカップルがピカソだったり、そこで後に写真家集団「マグナム」を結成する仲間、アンリ・カルティエ=ブレッソンやデヴィット・シ―モアに出会い、また、セシル・ビ―トン卿お気に入りの一流ファッションライター ゲルダ・タローが彼の写真に感動して訪ねて来たりと様々な重要な出会いが描かれます。
無名ゆえに不当な扱いを受けるマスコミ対策で、ゲルダの発案により、架空の一流フォトグラファー ロバート・キャパを創出。以降キャパ名義で作品を発表するアンドレ。
第二幕
民主化したスペインに軍事政府のクーデターが。後押しするのはナチスなどのファシズム勢力。
烏合の衆の民衆が組織化された軍事政権に立ち向かう様はすなわち民主主義vsファシズムの攻防。
その対立を取材すべく、マグナムメンバーは揃ってスペインに。
戦闘で命を落とす市民に動揺し、写真を撮るよりともに闘うべきでないかと悩むアンドレ。
たまたま出会った兵士、ガルシアにこの現状を全世界に伝えてほしいと言われ、使命を自覚。
そのガルシアの最後を撮った代表作「崩折れる兵士」のやらせ疑惑などその後も道は平坦ではないけれど
ともに乗り越えてきた同志、恋人ゲルダにプロポーズ。
彼女には家庭よりも仕事が魅力だったのか・・・。
ライフ誌の取材で中国へ行くアンドレとスペイン内戦取材を続けるゲルダ。
愛し合いつつも別れ別れに。
そして2人にはそれぞれ、戦場に散る運命が・・・。
バウ公演ですので、フィナーレがつきます。
このフィナーレがいいですよ
もちろん芯は凰稀さんですが、下手からりく(蒼羽りく)ちー(蓮水ゆうや)みー(春風弥里)いち(鳳樹いち)の4人が
活躍します。この4人、ち-ちゃん以外はダンサーなので観ごたえあり。
あ、ちーちゃんも顔で踊ってますよ^^
白いドレスのうららちゃんが登場するのでデュエットダンスか!と心は盛り上がるのですが、さらりと流してすぐに男役のダンスになってしまうのが残念。
まぁ、いいですけどカッコイイから。(え?)
主な役と寸評です^^
■チ―キ・ヴェイス: 春風弥里(みー)
アンドレの親友?活動家。ベルリンからパリまでつるんで、出版社では便利屋、キャパ事務所設立後はマネジメントでなんだかんだ一緒にいますが、オフィシャルでは写真家仲間、プライベートではゲルダがいるのでチ―キの存在感は薄いです。2番手格を期待していらしたファンの方にはちょっと物足りない役どころかも。
お調子者で世馴れていて明るくて人情家・・・な王道のみーちゃんキャラ。
はい、「ヴァレンチノ」「クラシコ・イタリア―ノ」そして今作品、一貫して同じ役です(え?)^^;
■アンリ・カルティエ=ブレッソン: 蓮水ゆうや(ちー)
デビット・シ―モア: 星吹彩翔(もんち)
ともに写真家仲間です。パリからずっと一緒。2人とも芝居巧者で安定感あり。
立ち位置としてはもんち上げが著しいですね。だってクラシコでは蓮水さんの役を新公でやったもんちが
完全に肩を並べて仲間、ですから・・・。
ちーちゃんは金髪のクシャっとしたヘアがお似合い。黒髪のちぢれっ毛のときは如何にも”ペッピーノさん”という感じでしたが。この方も、ヘアメイクでの役作りのセンスがありますね。
もんちはメガネで個性を演出。ゲルダとアンドレを気遣って2人きりにさせてあげようとするところなど、この人ならではの人の良さが滲みます。
■フェデリコ・ボレル・ガルシア、セシル・ビートン: 鳳樹いち(いち)
実質、第2幕の2番手はこの人です。
いい役。キャパを励まし、自らの使命を語り、身重の妻(綾瀬はるか似と話題の宙組かわい子ちゃん枠NO2の花乃まりあ)を気遣い、そして華々しく戦場で活躍。
最後はあの、キャパの代表作のポーズそのままで散るという・・・。
戦場の場面はダンスで表現されているのですが、バウだけあって人海戦術ともいかず・・・
でも、しっかりと緊張感と臨場感を踊りで表現できているのはいちくんの功積かと。
最後のポージングも完璧でした。
一幕のセシル・ビートン卿は、ちょっとしたスノッブな気どりや。
うーん、彼の著作「ファッションの鏡」を熟読したわたくしとしては、もっとただの気どり屋ではない上流ならではの浮世離れ感が欲しかったのに・・・ちょっと俗物でした^^;
これからの進化に期待。
歌もダンスも出来て華もあるのになぜか新公主演のチャンスに恵まれなかったいちくんですが、
この作品に出会えてよかったですね!
■ヴァンサン・モンフォール: 蒼羽りく(りく)
一方、空組の誇る若手スター、愛月ひかるくんと新公主演を分け合ってきたりくくんの役付きが微妙でxxx
パリの出版社で、アンドレの写真のクレジットを差し替えて嫌がらせをするオヤジ・・・ですよ!
若手スターが!!
他にモブシーンでいっぱいアルバイトしています。
りくちゃん、好きなのであちこちで観られて嬉しい・・・という話ではありませんね。
先日発表された学年内の成績も2番から急に落ちましたし、心配になります。
写真家たちがスペイン行きを決めたところでちょっとしたフラメンコショーの場面がありますが、そこで芯をおどっているのが・・・りくくん。
お衣装もゴージャススパニッシュでかっこいい。
ダンサーなのでステキ!
というところでようやく溜飲を下げました。
他にも、専科の汝鳥さんがアンドレの恩人、ベルリン時代の出版社社長で滋味溢れる演技で締めてくれたり、ピカソ役の風莉じんさんがゲルニカの場面でしっかりとした歌を聞かせてくれたり・・・
あ、アンドレの弟役の桜木みなとくんってあんなにお顔が丸かったでしたっけ^^;
ざっとのまとまりのない印象メモですが、また思いだしたら追加致しますね