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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

勝沼でワイナリー巡り♪

2006-10-29 04:22:54 | 
27日の金曜日、某大手食品メーカーの広報キャリアSさんのお誘いで、勝沼の厳選3ワイナリーを新酒の季節に巡って参りました。

勝沼地方のワインの新酒は、甘口のものは9月頃から、辛口で発酵に時間を要するものは12月頃に市場にお目見えするものですが、そろそろ中辛口あたりが出揃った今頃、名醸造所の誉れ高い勝沼醸造さんが、付属のレストラン「風」で、本格フレンチとヌーボーワインのマリアージュを楽しむ会を主催しています。
土日は日程がHPにUPされたその日に完売。なんとか、顧客でメールのお知らせが来ていたSさんのご手配で、2ヶ月近く前に金曜日のランチを予約すること出来たのですが、平日昼間なのに満席!
でも、土日は3回転する、ということなので、ゆっくり出来る平日にして正解だったかも・・・。

ご一緒したのは、ルエノ・スガワラでもご紹介した友人Hさん、Sさんの会社の研究員を取材したご縁で、今回も取材の下調べがてら参加されたA新聞の記者Mさんと4人。
8:30新宿発の「あずさ7号」で塩山へ(平日は勝沼に止まらないため隣駅に)
そこからTAXIで勝沼醸造へ・・・。
晴れ女が集合したせいかお天気も良くぶどう棚にたわわに実るブドウ畑を見ながらのドライブは快適



勝沼醸造さんでは試飲場所はとても素敵なカウンターと小川の向こうのブドウ畑を臨むテラスのある素敵なスペース。
12種類の試飲ワインが用意されており、どれも個性豊かなものばかり。
すっきりとした飲み心地の甲州白ワインのバリエ、日本で育てるのは難しいとされるシャルドネもバランスよい仕上がり。シュールリー仕立てのもの、ブランデーと併せたマデイラ酒のような酒精強化ワイン、珍しいドイツタイプのアイスワインなど、ラベルのデザインも美しく、勝沼醸造さんが勝沼地区の中でも抜きん出た存在といわれる理由が良くわかるラインナップ。



こちらで、アペリティフとしてはちょっと多いかな?という総量を試飲。
でも、食事会では新酒を赤・白一種類ずつ、のみなので、勝沼醸造さんの実力を総合的に味わえるこちらに伺ったのは正解でした

こちらで購入したのは「アルガ・ブランカ・エンヴェリエシーダ」1990年の酒精強化ワイン、マディラ風味です。 本当はもっと色々興味があったのですが、3軒回るので手持ちは各1本が限度かと・・・。こちらは375mlなので細身のお洒落なボトルです


お着物で歌舞伎座に♪

2006-10-22 10:58:50 | きもの
この日はお天気も良く(ちょっと暑いくらい・・・)、
袷の季節到来、ということで、友人と小紋で来ましょうねと打ち合わせ。



着物は 先日、Kさんで見つけた 柔らかな手触りで確りとした一越生地で、アイボリーの地染めに角柄を縦横に使ったグラデーションにして朱赤で染めた小紋。八掛は朱赤の暈しです。
帯は落ち着いた紫に、金と白でささっと筆描きしたような葡萄文の名古屋。
帯揚げは帯よりやや赤みの強い葡萄色の縮緬。
帯締めは夏の浴衣にあわせたシューレースの色違いで黒地に白のステッチのもの。
ブローチをそのまま惜しげなく刺せるので重宝しています。
帯止めはわたくしのアンティークブローチコレクションの中から、今日は紫のラインストーンがひらりと翻った葉っぱの内側にパヴェ状に入った白っぽいゴールドのものを、葡萄の葉のイメージで。
半衿はシャーベットオレンジです。


帯について・・・。開演10分前に着いたものの、入り口で案内の女性に、お客様、ちょっと帯をお直ししましょうか?と声をかけられてしまいました(^^;)「お願い致します~」とモノ影で背中をゆだねるわたくし。そこにスッと他のお客様(ご年配の女性)の手が。「ここを押さえていてくださいね」「はい」と手際よくお2人で直してくださり、見直すと、わたくしが作ったのとは似ても似つかぬコンパクトなお太鼓が!
お二方ありがとうございました!
席に着いたら丁度始まって。間一髪でございましたけど

最後は帝国ホテルでクリームソーダタイム
着物にピッタリの色ではありませんこと?
ちなみに2ついただいてはいませんよ





十月大歌舞伎・夜の部③

2006-10-22 09:54:01 | 伝統芸能
髪結新三は・・・幸四郎さんがあまり得意でないので(ファンの方、ごめんなさい!)正直あまり期待していなかったのですが、思いのほか、楽しめる芝居でした。

大手の材木問屋である白木屋は主人の没後斜陽気味。
美人で評判の娘お熊に持参金つきの婿を取る算段。実は手代の忠七と良い仲のお熊はなかなかうんと言わない。相談された当の忠七はお店のためとお熊をさとすも、様子を見ていた髪結いの新三(幸四郎)に髪を当たってもらいながら、駆け落ちをそそのかされ、その気になる。

お熊の高麗蔵は黄色に黒の大格子の着物に赤の帯を背に大きく垂らして、いかにも派手やかな商家のお嬢さん。中高で硬質な顔立ちも敷居が高そうで役にあっています。忠七は優しい色男なれど、腕っ節はからきし。これも、門之助が品良くこなしています。この人、確か、7月の「天守物語」では侍の首をおいしそうにベロベロ舐める妖怪おばあさんを演じていたのですよね・・。基本は桜姫の忠義の侍のような役がお似合いだと思うのですが、幅の広い方です(^^;)
幸四郎さんの新三は・・・。この後急転直下悪の権化に激変するのですが、この段からすでになにやら顎辺りも薄黒く、大柄で、目元険しく、どう見ても客商売の髪結いには見えないんですけどxxx

というわけで、雨の中、深川富吉町の新三宅にお熊を駕籠で先にやり、男2人の相合傘
鼻緒の切れた忠七を散々に打ち据えて置いてきぼりにした新三。
もとよりたばかってお熊一人を人質に、白木屋から100両はせしめようという魂胆。
そのたくらみにハタと気づいた忠七。身投げ寸前を乗物町の大親分源七(段四郎)に救われる。

翌朝、朝湯帰りの新三、儲けを見込んで初鰹一本を張り込む。
このあたり、鰹売りの呼び声、手際よく魚をその場でさばく様、初夏のお江戸の風俗を見せて楽しい場面。

お熊の縁談を橋渡しした車力の善八に伴われて、弥太五郎源七がやってくる。
10両で自分の顔を立ててお熊を返すように、と諭す源七を、大親分の訪問に恐縮してみせた新三が掌を返すように愚弄して追い返す。
その様子を伺っていた家主の女房おかくの声かけに、善八が家主長兵衛に仔細を話し、改めて家主の威光で新三の説得をと軍資金30両を申し出る。

新三の家を訪ねた家主長兵衛、大親分を翻弄したキップの良さを褒め称えおだて上げたところで、お熊を返すよう持ちかける。このくえない家主を演じるのが坂東弥十郎。愛嬌があって台詞回しが絶妙。30両で了見しな、と説得するに、100両はふんだくろうとしていた新三はなかなか合点しない。
刺青を自慢した新三に、刺青者(前科者)は普通の家に住めないという法を目こぼししておいている家主の威光で諌め、そして突き出すと脅し、さぁさぁさぁ、オレは気がみじけぇんだ!早く決めろい!と迫る様子のテンポの良さ。
しぶしぶ承諾したと見るや、手回し良く手配していた駕籠に、納戸の鍵を開けて解放させたお熊をそそくさと乗せて善八にまかせ、一段落。

30両を催促する新三に、15両を耳をそろえて並べ数え、鰹は半分もらった、ととぼける長兵衛。
このあたりのやり取りが絶妙で、思わず噴出す観客多数
舎弟の勝奴にもしや、半分せしめるつもりではと耳打ちされ流石の新三もあきれるが、再びすごまれ、ついに15両で納得させられ、なおかつ店賃2両も差っぴかれ・・・と、家主の家に空き巣の知らせ。
慌てて戻る長兵衛。溜飲を下げる新三。

収まらないのは大親分弥五郎源七。意趣返しをしようと深川閻魔道橋のたもと、新三の行きつけの賭場近くで待ち伏せる小雨の降る夕刻。新三が勝奴に用を言いつけ一人になったところで切りつける源七。降りしきる雨の中、切り結ぶ2人・・・で幕。

江戸の明と暗のコントラストが鮮やかで趣深い一幕でした。

終演後楽屋口方向にツツツと向かってみましたら・・・
家主さんが!


快く、お写真を撮らせて下さいました。とてもダンディでジェントルな方。
一緒に行った友人によると、俳優祭ではレット・バトラーの役をなさったとか・・・。納得でございます



十月大歌舞伎・夜の部②

2006-10-22 09:13:13 | 伝統芸能
六段目。

お軽の実家。あばら家です。残りの半金を持ってお軽を連れに来た一文字屋の女将お才(魁春)と女衒の源六。母おかや(家橘)とお軽(菊之助)の元に帰った勘平、金子が手に入ったからと機嫌よく浅葱の紋服に着替え、お軽の奉公の必要はないと言い出す。お才が与市兵衛との約束を説明するに見せた残りの50両が入った縞の財布を見て顔色を変える勘平。
与市兵衛には、帰り道に会っている、と証言して、一転、お軽を祇園に送り出す。
ここまでジッと静かに控えていたお軽、別れの段で勘平に「お軽、待ちゃ」と言われてきびすを返し、勘平の足にすがりつき しっかと抱きあう。”お軽勘平”とセットで言われながらも絡みの少ないこの演目で随一心の通う一幕。この一連の流れるような動き、型の美しさは菊之助ならでは。美しい浅葱の紋服で優男の色香を濃く漂わせる仁左衛門の勘平と押さえた紫の女房姿の菊之助、もっと見ていたい2人なれども、ここで駕籠に乗せられて祇園に売られていくお軽・・・。舅を殺してしまったとの暗黒の思いの中、恋女房を祇園に売る別れ・・・。真実は惨すぎ年老いた両親をくれぐれもと勘平に託すお軽が哀れを誘う。

入れ違えに猟師仲間に運ばれて来る仏となった与市兵衛。
嘆くおかやが勘平のふところに血染めの縞財布を見つけ、狂乱。そこに訪ね来た不破数右衛門(弥十郎)と弥五郎。裃姿の侍2人。
姑に打擲されて乱れた髪や襟元を正しつつ、逃がさぬと腰に張り付く姑を押しのけるでもなくなだめながら引きずり、玄関に向かう勘平はすでに千々に乱れ狂乱一歩手前の中、只一つの侍としての使命を果たすべく二人を迎える。
「いかなればこそ勘平は、‥色にふけったばっかりに、」から「御推量下され」までの台詞が和事味溢れる仁左衛門の勘平の口から発せられると重みが違う。さもあらん・・とその恋女房を売って作った金の行方のめまぐるしさよ。運命の流転が心に沁みる。
大事のときに不忠を働いた者の金子は受け取れない、という由良之助の考えを告げ金子を返す数右衛門。その様子を伺ったおかやが舅殺しを訴え出る。2人からも非難された勘平が切腹。虫の息での申し開きに死体を改め、刀傷を見て、道中聞きかじった斧定九郎の事件と合わせ、勘平の無実を証明する数右衛門。、「母人お疑いは晴れましたか。御両所ともご疑念は晴れましたか」せめてもの冥土の土産に、連判状が開かれる。臓腑をつかんで血判を押した勘平が、最後、洗われたような救われた表情になり、息を引き取る。

圧巻。

救いのない話ながら、華のある役者の魅力が漲る舞台に満足・・・。






芸術祭十月大歌舞伎・夜の部♪

2006-10-22 08:37:36 | 伝統芸能
20日の金曜日、会社の友人とお休みを合わせて、歌舞伎座夜の部、行って参りました!
演目はお目当て仁左衛門さんが勘平の「仮名手本忠臣蔵」の五段目、六段目。
そして幸四郎の新三の「梅雨小袖昔八丈」髪結新三。



まずは忠臣蔵。
訪問先の腰元お軽と逢引していた間に主君の塩冶判官に運命の急転があり、今はお軽の実家に身を寄せ猟師として生計を立てている勘平の出。蓑をまとう猟師姿ながら、笠をかざす姿のよさは、仁左衛門ならでは。今回、前から4列目、花道から3つ目の席でしたので、ちょうど役者が型を決めるその延長線上に位置している場所で、花道芝居を堪能出来、ラッキーでした

雨の山崎街道で、塩冶家に仕えていた千崎弥五郎に出会い、暗に仇討ちの計画があるを知り、主君の大事にいあわせなかった汚名を晴らすためにも金子を用意して連判参加頼む勘平。
その後、同じ街道沿いに姿を現す、舅の与市兵衛。婿を侍に復帰させるため、娘のお軽を祇園の一文字屋に売る約束の半金50両を手に、雨宿りの稲村の前で感謝の言葉とともに高々と差し出すその財布を背後からヌッと伸びる白い腕。ここは文楽とは違う、歌舞伎ならではの演出です。
海老蔵の美しすぎる斧定九郎。与市兵衛を切って捨て、雨に濡れた鬢の髪をスッスッとなでつけるその仕草がナルシスティック。乱暴な山賊、という設定ながら、怜悧な美しさを見せる、美味しい役どころ。花道でカッと眼を見開く見栄も決まって、海老蔵に良く似合います。
後は猪が走り抜け、誤って斧定九郎を撃った勘平、闇の中で人を撃ったことを手探りで知るも、偶然手に当たった縞の財布の50両を見つけ、これ幸いと持ち帰ります。