8月22日の日曜日、五反田のゆうぽうとホールにて、
前回のバレフェスで台風の目となった、ダニール・シムキンくんをゲストに迎えた、東京バレエ団の
「ドン・キホーテ」を観て参りました。
「ドン・キホーテ」
◆主な配役◆
キトリ/ドゥルシネア姫:小出領子
バジル:ダニール・シムキン
ドン・キホーテ:森川茉央
サンチョ・パンサ:高橋竜太
ガマーシュ:平野玲
メルセデス:井脇幸江
エスパーダ:後藤晴雄
ロレンツォ:永田雄大
【第1幕】
2人のキトリの友人:西村真由美‐佐伯知香
闘牛士:松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、梅澤紘貴、 柄本弾、安田峻介、柄本武尊、岡崎隼也
若いジプシーの娘:高木綾
ドリアードの女王:奈良春夏
3人のドリアード:吉川留衣、渡辺理恵、川島麻実子
4人のドリアード:森志織、村上美香、岸本夏未、阪井麻美
キューピッド:河合眞里
【第2幕】
ヴァリエーション1:佐伯知香
ヴァリエーション2:乾友子
協力:東京バレエ学校
指揮:ヴァレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
◆タイムテーブル◆
第1幕 15:00 - 16:15
休憩 25分
第2幕 16:40 - 17:30
昨年、夏以来、バレエ・ファンの記憶にしっかと刻まれたCUTEな超絶技巧ダンサー、ダニール・シムキンくんを迎えての全幕。
シムキンくんの超絶技巧をナチュラルに見せるキレイに伸びたつま先と優雅な動きにただの技巧派ではないクラシックの確かな基礎と芝居心を感じ、小出さんの落ち着いた、でもかわいらしいキトリとともに見応えのあるセンターでした。
・・・が、なんといってもそこは東バ。
主役を囲む方たちが濃くて、充実していて・・・^^
メルセデスの井脇さん、出、からしてパッと華があって美しい~
気合の入った後藤さんともども、大人の魅力満載で、小柄な主役ペアと好対照、4人の並びがとてもバランス良くてキレイでした。
酒場のシーンでのメルセデスの存在感いかんで、この場面の厚みが変わってくるのですが、きれいに沿ったお背中と余裕の微笑み、エスカミリオとのちょっとした視線の絡ませ方などにも観客の眼を惹きつける魅力がいっぱいでした。
贅沢を言えば、エスカミリオはゆったりとした後藤さんよりもキレキレにポーズを決めてくれそうな木村さんとの並びのほうが、井脇さんのカッコよい姐御感が増したのでは・・・とも思うのですが。
でも、ジプシーの野営地で実は奥さまである小出さんとシムキンくんを前に、色々な意味で負けられない!!と渾身のソロを踊り切る後藤さんのお姿には手に汗を握りました^^;
視線、と言えば、シムキンくんと小出さんも恋人どうしらしく、常に相手に視線を絡めていてお芝居的にも良い感じ。
他に目立っていたのは小芝居を超えて濃芝居ムンムンの平野さんのガマーシュ。
常に挙動不審な態度で動いているし、やたらとセンターに絡んでくる存在感MAXのガマーシュですが、最後、酒場のシーンでバジルに挑戦して一踊りした後、シムキンくんの超絶技巧に・・・参った、と負けを認めるところがツボ。
キトリの友人、佐伯さん、西村さんはともにお気に入りのダンサーで嬉しかったのですが、後半のヴァリで西村さんの代わりに乾さん・・になっていたのでびっくり。
当日会場で渡された配役表には組み合わせは日替わりなれど、2人のセットは変わらないはずだったので・・・。
乾さん自体は、芯の通った端正さとスマートな雰囲気が好みのダンサーでヴァリも良かったのですが、西村さんがどこか不調なのではなければよいのですが。
群舞の方に入られてその場にいらしたので、大きなけがとかではなさそうなのでひとまず安心。
若いジプシーの娘、この役は吉岡さんと井脇さんの専門、だったのですが、高木さんが入ってきましたか!
高木さんはおっとりとした雰囲気の美人さんでロシアバレエ系のしっかりとしたテクニックと優雅な雰囲気が売り、だと思っていたのですが、意外とこういうスパニッシュでエキセントリックな感じが合いますね。
吉岡さんや井脇さんにはない、ちょっと土臭いジプシー女っぽさすらも漂わせてくれたのは思いがけない味でした。
あ、なぜかわかりました。お顔立ちがちょっとフラメンコダンサーの小松原庸子さんに似ていらっしゃるのだわ!
キューピッドの河合さんは、シルヴィアのときの全身小花模様の山羊さんが可愛かったのですが、キューピッドとしてはやっぱり唯一無二の高村順子さんの域にたどりつくのは難しそう・・・。
いや、河合さんが悪いのではなく、高村さんのキューピッドが特別なのですが・・・
ドンキはクラシックの全幕の中でも、技巧と元気な溌剌感で見せる部分が多いので比較的小柄なダンサーでも主役を張れるのですが、やっぱりちょっとジャンプしただけでも場をさらえる長身ダンサーのダイナミック感はないので、やたらと回転技が多くなり、それ単体では素晴らしいのですが全幕それで押し切られるとなんというかちょこまかとして・・・ウヴァーロフとか高岸さんとかの大きな演技やホセ・カレーニョのエレガントな味のあるフェッテとか色々と思いだしてしまいました。
あと、自殺したふりをして結婚の許可を得て、ちゃっかり蘇る・・・の流れが、周りの小芝居が過ぎたのか本人の表現がちょっと走ってはしょった感じになったせいか、若干分かりづらかったのが気にかかりました。
天才とはいえ、まだまだ少年(?)これからの課題もあり・・・頑張って欲しいです
前回のバレフェスで台風の目となった、ダニール・シムキンくんをゲストに迎えた、東京バレエ団の
「ドン・キホーテ」を観て参りました。
「ドン・キホーテ」
◆主な配役◆
キトリ/ドゥルシネア姫:小出領子
バジル:ダニール・シムキン
ドン・キホーテ:森川茉央
サンチョ・パンサ:高橋竜太
ガマーシュ:平野玲
メルセデス:井脇幸江
エスパーダ:後藤晴雄
ロレンツォ:永田雄大
【第1幕】
2人のキトリの友人:西村真由美‐佐伯知香
闘牛士:松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、梅澤紘貴、 柄本弾、安田峻介、柄本武尊、岡崎隼也
若いジプシーの娘:高木綾
ドリアードの女王:奈良春夏
3人のドリアード:吉川留衣、渡辺理恵、川島麻実子
4人のドリアード:森志織、村上美香、岸本夏未、阪井麻美
キューピッド:河合眞里
【第2幕】
ヴァリエーション1:佐伯知香
ヴァリエーション2:乾友子
協力:東京バレエ学校
指揮:ヴァレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
◆タイムテーブル◆
第1幕 15:00 - 16:15
休憩 25分
第2幕 16:40 - 17:30
昨年、夏以来、バレエ・ファンの記憶にしっかと刻まれたCUTEな超絶技巧ダンサー、ダニール・シムキンくんを迎えての全幕。
シムキンくんの超絶技巧をナチュラルに見せるキレイに伸びたつま先と優雅な動きにただの技巧派ではないクラシックの確かな基礎と芝居心を感じ、小出さんの落ち着いた、でもかわいらしいキトリとともに見応えのあるセンターでした。
・・・が、なんといってもそこは東バ。
主役を囲む方たちが濃くて、充実していて・・・^^
メルセデスの井脇さん、出、からしてパッと華があって美しい~
気合の入った後藤さんともども、大人の魅力満載で、小柄な主役ペアと好対照、4人の並びがとてもバランス良くてキレイでした。
酒場のシーンでのメルセデスの存在感いかんで、この場面の厚みが変わってくるのですが、きれいに沿ったお背中と余裕の微笑み、エスカミリオとのちょっとした視線の絡ませ方などにも観客の眼を惹きつける魅力がいっぱいでした。
贅沢を言えば、エスカミリオはゆったりとした後藤さんよりもキレキレにポーズを決めてくれそうな木村さんとの並びのほうが、井脇さんのカッコよい姐御感が増したのでは・・・とも思うのですが。
でも、ジプシーの野営地で実は奥さまである小出さんとシムキンくんを前に、色々な意味で負けられない!!と渾身のソロを踊り切る後藤さんのお姿には手に汗を握りました^^;
視線、と言えば、シムキンくんと小出さんも恋人どうしらしく、常に相手に視線を絡めていてお芝居的にも良い感じ。
他に目立っていたのは小芝居を超えて濃芝居ムンムンの平野さんのガマーシュ。
常に挙動不審な態度で動いているし、やたらとセンターに絡んでくる存在感MAXのガマーシュですが、最後、酒場のシーンでバジルに挑戦して一踊りした後、シムキンくんの超絶技巧に・・・参った、と負けを認めるところがツボ。
キトリの友人、佐伯さん、西村さんはともにお気に入りのダンサーで嬉しかったのですが、後半のヴァリで西村さんの代わりに乾さん・・になっていたのでびっくり。
当日会場で渡された配役表には組み合わせは日替わりなれど、2人のセットは変わらないはずだったので・・・。
乾さん自体は、芯の通った端正さとスマートな雰囲気が好みのダンサーでヴァリも良かったのですが、西村さんがどこか不調なのではなければよいのですが。
群舞の方に入られてその場にいらしたので、大きなけがとかではなさそうなのでひとまず安心。
若いジプシーの娘、この役は吉岡さんと井脇さんの専門、だったのですが、高木さんが入ってきましたか!
高木さんはおっとりとした雰囲気の美人さんでロシアバレエ系のしっかりとしたテクニックと優雅な雰囲気が売り、だと思っていたのですが、意外とこういうスパニッシュでエキセントリックな感じが合いますね。
吉岡さんや井脇さんにはない、ちょっと土臭いジプシー女っぽさすらも漂わせてくれたのは思いがけない味でした。
あ、なぜかわかりました。お顔立ちがちょっとフラメンコダンサーの小松原庸子さんに似ていらっしゃるのだわ!
キューピッドの河合さんは、シルヴィアのときの全身小花模様の山羊さんが可愛かったのですが、キューピッドとしてはやっぱり唯一無二の高村順子さんの域にたどりつくのは難しそう・・・。
いや、河合さんが悪いのではなく、高村さんのキューピッドが特別なのですが・・・
ドンキはクラシックの全幕の中でも、技巧と元気な溌剌感で見せる部分が多いので比較的小柄なダンサーでも主役を張れるのですが、やっぱりちょっとジャンプしただけでも場をさらえる長身ダンサーのダイナミック感はないので、やたらと回転技が多くなり、それ単体では素晴らしいのですが全幕それで押し切られるとなんというかちょこまかとして・・・ウヴァーロフとか高岸さんとかの大きな演技やホセ・カレーニョのエレガントな味のあるフェッテとか色々と思いだしてしまいました。
あと、自殺したふりをして結婚の許可を得て、ちゃっかり蘇る・・・の流れが、周りの小芝居が過ぎたのか本人の表現がちょっと走ってはしょった感じになったせいか、若干分かりづらかったのが気にかかりました。
天才とはいえ、まだまだ少年(?)これからの課題もあり・・・頑張って欲しいです