今回印象に残ったファイナリストは、嬉しいことに日本人、河野舞衣さん。
ミュンヘン・バレエ・アカデミー所属の17歳。
2年前にもローザンヌに挑戦されているとのことですが、今回の方が断然大人っぽくて踊りの質も内容も良く、表現力のあるきれいなダンサー。
クラシック・ヴァリエーション1ではグラン・パ・クラシックで絶妙のバランスを見せて、観客の拍手を受け、コンテンポラリーのキリアン作品では、他の参加者が選ばなかった「ワン・オブ・ア・カインド」を黒のホルターネックのレオタードと透けるスパッツでシックな雰囲気で踊り(大原さんは河野さんはクラシック向きでコンテンポラリーには向いていないとおっしゃっていましたが、わたくしはこの作品の河野さんも好きでした)。
この写真のクラシック・ヴァリ2の「ライモンダ」では緩急自在にアクセントと表情がつき、一つの作品として見せる力がある、と感じました。
彼女のとても好きなところは、手を遠くに伸ばすときにどこまでも果てしないところまで行ってしまいそうな表情とタメを一瞬つけるところ(しかも音に遅れない)。振付やポージングに心を砕く段階ではなく、明らかにそれらを租借して次の段階に行っている、ということですね。
観客賞を取ったのは嬉しい。スカラシップ賞2位でしたが、1位の韓国のパク・セウンさんよりも細部に心が行き届いていて良かったと思うのですけれども・・・。
まぁ、順位は視聴者が見ている決選だけでなく、前日の準決選の様子も含めての得点とのことなので、なんともいえませんが。
後は、同じく日本人(とフランス人のハーフ)でイングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクールの吉山シャール・ルイ・アンドレ君、17歳。
最初のグランパはちょっとキメがない演技で、最後のドンキも客席に対しての角度が甘いと指摘を受けていましたが、キリアン作品、「27分52秒」より、では踊りに緩急があり、スリリングな演技で別人!コンテンポラリーの身体の使い方を知っているな!と感心。彼はやはり、というか、スカラシップは逃したものの、コンテンポラリーダンス賞を受賞していましたね。
ほとんどの参加者が17歳の中、一人だけ15歳のポルトガル人縮れッ毛のテルモ・モレイラ君も、技術力はこれから、と言う感じも残しながら、短い(としか言いようがない)ボディに長~い脚、チャーミングな笑顔で、観客の眼を惹きつける存在感のあるダンサー。無事、スカラシップ5位。
好感が持てる踊りは、イギリス人2人。
女性のディーリア・マシューズは16歳ながら落ち着き払った物腰とかっちりまとめた夜会巻(お団子でなく・・・結構好きかも。大人っぽくてキリッと見える)が印象的。クラシックヴァリではどちらもバヤデールを選んでいましたが、バランスが得意で、振りを省略することなく、きっちり踊りこんでいるところに見ていて安心感が。
コンテの「27分52秒」もメリハリと、語るべきものを持って臨んでいる感じで振り付けに振り回されていない確実性を感じさせ、バランスのとれたダンサーと見ましたが。スカラシップ6位。
イギリスの教育方針なのか、彼の性格なのか。男性のジェームズ・ヘイはとてもきれいな楷書体の踊り。最初のグランパクラシックもきれいだったし、最後のドンキもピルエットの速度も充分できっちりとした踊り。コンテは「27分52秒」で、黒一色のレオタードでこれまた楷書体の踊りながら、それはそれでアリかと。顔立ちがキチッと濃くて整っていてヘアスタイルが7・3っぽいので、サンダーバードの人形のよう(誉めてます)。クラシックヴァリ2、では衣装は稽古着指定なのですが、白のTシャツに黒の8分丈パンツ白のタイツとシューズで足元が軽やかできれいなバランス。センスも悪くないと。濃い顔だけれどもラテン系ではないので、ドンキというよりダンスール・ノ-ブル系の踊りが似合いそう。スカラシップ4位。
韓国からの女性2人はともにプロポーション抜群で、長い手足をダイナミックに使って伸びやかに踊るタイプ。
スカラシップ3位のキム・チェリはアップになったときのゴールドラメのアイシャドウに一瞬引いたのですが16歳ということで伸び代も加算されたか?最後のライモンダのときの表情、ちょっと泣き顔で眉間に皺っぽくあまり好きではなかったのですが・・。
スカラシップ1位のパク・セウン17歳は、最初のジゼルで最後のキメのポーズで崩れるが、伸びやかな演技とキレイな姿、最後のバヤデールで長い脚をダイナミックに使う様は印象的なれど、2人とも選んだコンテの「ブラックバード」はあまり響くところのない演技だったかしら。
というより、わたくしが作品として「27分52秒」(好きなダンサーは皆これを踊っている!)が好きで「ブラックバード」が嫌い、ということなのでしょうか。
勝手なことを言っていますが、本当に楽しい番組!
できればフランス版の解説付きバージョンを地上波でなくても良いので復活してもらいたいものです
ミュンヘン・バレエ・アカデミー所属の17歳。
2年前にもローザンヌに挑戦されているとのことですが、今回の方が断然大人っぽくて踊りの質も内容も良く、表現力のあるきれいなダンサー。
クラシック・ヴァリエーション1ではグラン・パ・クラシックで絶妙のバランスを見せて、観客の拍手を受け、コンテンポラリーのキリアン作品では、他の参加者が選ばなかった「ワン・オブ・ア・カインド」を黒のホルターネックのレオタードと透けるスパッツでシックな雰囲気で踊り(大原さんは河野さんはクラシック向きでコンテンポラリーには向いていないとおっしゃっていましたが、わたくしはこの作品の河野さんも好きでした)。
この写真のクラシック・ヴァリ2の「ライモンダ」では緩急自在にアクセントと表情がつき、一つの作品として見せる力がある、と感じました。
彼女のとても好きなところは、手を遠くに伸ばすときにどこまでも果てしないところまで行ってしまいそうな表情とタメを一瞬つけるところ(しかも音に遅れない)。振付やポージングに心を砕く段階ではなく、明らかにそれらを租借して次の段階に行っている、ということですね。
観客賞を取ったのは嬉しい。スカラシップ賞2位でしたが、1位の韓国のパク・セウンさんよりも細部に心が行き届いていて良かったと思うのですけれども・・・。
まぁ、順位は視聴者が見ている決選だけでなく、前日の準決選の様子も含めての得点とのことなので、なんともいえませんが。
後は、同じく日本人(とフランス人のハーフ)でイングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクールの吉山シャール・ルイ・アンドレ君、17歳。
最初のグランパはちょっとキメがない演技で、最後のドンキも客席に対しての角度が甘いと指摘を受けていましたが、キリアン作品、「27分52秒」より、では踊りに緩急があり、スリリングな演技で別人!コンテンポラリーの身体の使い方を知っているな!と感心。彼はやはり、というか、スカラシップは逃したものの、コンテンポラリーダンス賞を受賞していましたね。
ほとんどの参加者が17歳の中、一人だけ15歳のポルトガル人縮れッ毛のテルモ・モレイラ君も、技術力はこれから、と言う感じも残しながら、短い(としか言いようがない)ボディに長~い脚、チャーミングな笑顔で、観客の眼を惹きつける存在感のあるダンサー。無事、スカラシップ5位。
好感が持てる踊りは、イギリス人2人。
女性のディーリア・マシューズは16歳ながら落ち着き払った物腰とかっちりまとめた夜会巻(お団子でなく・・・結構好きかも。大人っぽくてキリッと見える)が印象的。クラシックヴァリではどちらもバヤデールを選んでいましたが、バランスが得意で、振りを省略することなく、きっちり踊りこんでいるところに見ていて安心感が。
コンテの「27分52秒」もメリハリと、語るべきものを持って臨んでいる感じで振り付けに振り回されていない確実性を感じさせ、バランスのとれたダンサーと見ましたが。スカラシップ6位。
イギリスの教育方針なのか、彼の性格なのか。男性のジェームズ・ヘイはとてもきれいな楷書体の踊り。最初のグランパクラシックもきれいだったし、最後のドンキもピルエットの速度も充分できっちりとした踊り。コンテは「27分52秒」で、黒一色のレオタードでこれまた楷書体の踊りながら、それはそれでアリかと。顔立ちがキチッと濃くて整っていてヘアスタイルが7・3っぽいので、サンダーバードの人形のよう(誉めてます)。クラシックヴァリ2、では衣装は稽古着指定なのですが、白のTシャツに黒の8分丈パンツ白のタイツとシューズで足元が軽やかできれいなバランス。センスも悪くないと。濃い顔だけれどもラテン系ではないので、ドンキというよりダンスール・ノ-ブル系の踊りが似合いそう。スカラシップ4位。
韓国からの女性2人はともにプロポーション抜群で、長い手足をダイナミックに使って伸びやかに踊るタイプ。
スカラシップ3位のキム・チェリはアップになったときのゴールドラメのアイシャドウに一瞬引いたのですが16歳ということで伸び代も加算されたか?最後のライモンダのときの表情、ちょっと泣き顔で眉間に皺っぽくあまり好きではなかったのですが・・。
スカラシップ1位のパク・セウン17歳は、最初のジゼルで最後のキメのポーズで崩れるが、伸びやかな演技とキレイな姿、最後のバヤデールで長い脚をダイナミックに使う様は印象的なれど、2人とも選んだコンテの「ブラックバード」はあまり響くところのない演技だったかしら。
というより、わたくしが作品として「27分52秒」(好きなダンサーは皆これを踊っている!)が好きで「ブラックバード」が嫌い、ということなのでしょうか。
勝手なことを言っていますが、本当に楽しい番組!
できればフランス版の解説付きバージョンを地上波でなくても良いので復活してもらいたいものです