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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

世界バレエ・フェスティバル全幕特別プロ 「ドン・キホーテ」 ①

2009-07-29 17:47:37 | BALLET
ついに熱いバレエの夏の開幕です!
これから上野の東京文化会館に行って参ります。

第12回世界バレエフェスティバル 全幕特別プロ
「ドン・キホーテ」


◆主な配役◆

キトリ/ドゥルシネア姫:マリア・コチェトコワ
バジル:ダニール・シムキン
ドン・キホーテ:野辺誠治
サンチョ・パンサ:高橋竜太
ガマーシュ:平野玲
メルセデス:奈良春夏
エスパーダ:後藤晴雄
ロレンツォ:横内国弘


【第1幕】

2人のキトリの友人:乾友子‐佐伯知香
闘牛士:松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、梅澤紘貴、安田峻介、柄本弾、柄本武尊、森川茉央
若いジプシーの娘:吉岡美佳
ドリアードの女王:田中結子
3人のドリアード:吉川留衣、渡辺理恵、川島麻実子
4人のドリアード:森志織、福田ゆかり、村上美香、阪井麻美
キューピッド:高村順子


【第2幕】

ヴァリエーション1:佐伯知香
ヴァリエーション2:乾友子

協力:東京バレエ学校

指揮:デヴィッド・ガーフォース
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


◆タイムテーブル◆

第1幕 18:30 - 19:45
休憩 25分
第2幕 20:10 - 21:00


歌舞伎座で夏着物

2009-07-26 00:46:58 | きもの
7月歌舞伎、「夏祭浪花鑑」だと浴衣か黒っぽい絽で粋に、
というのもひとつの選択肢だったのですが、
今回は「天守物語」の気分で、
アンティーク風のはんなりキモノを着ていくことに致しました。



歌舞伎座の中、入り口からちょうど入ったところです。
こんな光景も、来年には見られないのですよね・・・。

ご一緒した友人はいつもですととても可愛らしいお嬢様らしい着物姿で楽しませてくれる方なのですが、
今回は予定があって、お着物だと間に合わない、ということでお洋服です。

わたくしは撫松庵の夏着物。
こちらはデザイナー横森美奈子さんをはじめ、ファッションプロの方々が出品者、という青山
DEE'sHALLでのフリマで、帽子デザイナー川崎ちずよさんから買わせていただいたもの。
アンティークの夏着物には憧れるもののなかなかサイズの関係でちょうど良いものに
出会うのは難しい長身のわたくしにとって、現代サイズでアンティーク着物のエッセンスを
表現している撫松庵ブランドは強い味方。ポリ素材なのも、この季節にはありがたいですね。



歌舞伎座正面入り口右に、こんなカウントダウンの表示が・・・!
ちなみに半襟はクリーム~ロイヤルブルーの珍しい暈し。
こちらは目白のアンティークキモノやさん、LUNCOさんで購入しました。
帯締めは夏物の、くすんだ薄紫にピンクのラインが入ったものを。
帯揚げは見えていませんが、キモノの花柄に合わせて、サーモンベージュ~薄グリーンの暈しです。



帯は、宮本さん、どなさんと3人で表参道の大山きものさんに行きましたときに
ケロヨン帯(笑)と一緒に購入した水色に紫の紫陽花の夏の名古屋帯。
キモノのお花とは種類は違いますが、まぁ季節なのでよいかしら、と(笑)。
きものと帯が今回初おろしのものでした。
それぞれまた違った着方もできそうですし、夏の間にまた着用できれば良いのですが



7月大歌舞伎・夜の部 「天守物語」

2009-07-24 22:18:11 | 伝統芸能
この日のメインイベントは「天守物語」



「天守物語(てんしゅものがたり)」
作:泉鏡花 演出:戌井市郎[文学座]、坂東玉三郎
美術:小川冨美夫
照明:池田智哉
19:15~21:00

 天守夫人富姫:  玉三郎
 姫川図書之助:  海老蔵
 亀姫:        勘太郎
 薄:          吉弥
 小田原修理:    猿弥
 舌長姥:      門之助 
 朱の盤坊:     獅童
 近江之丞桃六:  我當

舞台中央に獅子頭。
背景は暗く雲がたなびく空。
童女の歌声「とおりゃんせ、とおりゃんせ」
秋草を棹につけた露を餌に釣り上げる5人の侍女たち・・・

そこは白鷺城の天守閣。
幕開きからスッと泉鏡花の美の世界に心は遊ぶ。
夜叉ヶ池から戻った女主人富姫。
(この設定だけで、午前の部から続けてご覧になる方は一日が鏡花ワールドに染まるでしょう)
淡い水色の帯に薄紅色のきものがろうたけた美しさを輝かせる。
雨よけに案山子から借りたという蓑を羽織っているのが
その美しさを少しも減じてはいない。
この後の、客人を迎えるために髪を結い上げ豪奢な打掛を羽織る富姫、
風格と威厳と優美。
今回の公演のために新調されたという黒地の縞に豪華な刺繍の打掛がこの上なく良く似合う。
この世のものならぬ美女。浮世離れした完全なファンタジーに身をおいて
その世界の中心として君臨できる役者は彼以外に思いつかない。
それだけこの「天守物語」の富姫と玉三郎はもう分かちがたいものとして脳内にインプットされてしまいました。
もし、彼のあとにだれかがこの役を引き継ぐとしたら、相当の努力が必要となるでしょう。


妹分の亀姫の訪問。
前回の菊之助のいかにも赤姫の似合う妹らしい愛らしさと少女の残酷さを懐かしく思わないではありませんが、勘太郎の亀姫も、蝶の舞うような玉三郎との軽妙な言葉のやり取りを心地よいリズムの中に味合わせてくれました。
上品な中に毒のあるこの亀姫の手土産は、彼女の住む城の城主の首。
妖怪役がピタリと嵌まる門之助、滑稽味とおおらかさのある獅童の従者も達者です。

亀姫への返礼に城主の自慢の白鷲を奪い、渡したことで
窮地に立たされた鷹匠の図書之助。
前回ハッとさせられた若さゆえの清廉な美しさに加え、作品理解を深めた海老蔵。
富姫とのやり取りの中、迷いのない台詞の冴えが際立ちます。
全てを凌駕し睥睨する富姫が、
ふと人間くさい弱さ、惑い、執着を秘めた恋する女の表情に変わり運命が変わります。
彼を帰した後、再会。下界からの攻撃を許すことになり、ともに視覚を失い絶望の縁に立たされますが・・・
最後、我當の老人の出現で、また運命の歯車に変化が生じて・・・

正しさと高貴さと諧謔に満ちた言葉、言葉、言葉の力。
紡ぎだされる夢幻の境地。

これは本当に完成された舞台ですね。
ホゥ・・・と幸せなタメ息をつきました。

歌舞伎には珍しく、拍手が鳴り止まず、異例のカーテンコール。
それを受けるに相応しい御両人、そして存在感を示して舞台を締めた我當でした。