2014年7月23日(水)に初日を迎えた月組「THE KINGDOM」日本青年館公演。
24日(木)14:00と26日(土)11:00と15:00
そして28日(月)13:00の千秋楽に行って参りました。
今、月組は長く続いた龍・明日海体制から準TOPからTOP候補の2番手として明日海さんが花組に異動してから、星組から異動した3番手格の美弥るりかさんが暫定2番手、そして、宙組から同期の凪七瑠海さんが異動してきてW2番手状態に。
ただ下から、新公主演を繰り返し、バウ主演も果たした珠城りょうさんが勢いをつけて迫ってきているため、上級生2人の今後の扱いが気になるところ。。。
そのお2人がW主演という扱いで、今回、日本青年館、そして梅田芸術劇場シアタードラマシティで8月2日(土)から10日(日)までという公演を行うこととなり、もともと美弥さんのファンであり、宙組時代の凪七さんも素晴らしいダンサーとして昔から愛でてきたわたくしとしてはとても楽しみな公演で・・・。
今回、演出が正塚晴彦氏ということで、彼の得意なハードボイルド調のお芝居は少数の役者の濃い芝居になりがちで、結果、大劇場の空間を埋めきれなかったり、下級生が揃ってモブ扱いで気の毒だったり・・・という過去例に懸念を持つ方も多いのですが・・・
今回は「良いハリ―(正塚氏)」^^でした。
正塚演出にありがちなエレメンツ、
「国家機密」「情報部」「亡命ロシア人」「活動家」「地下組織」「早足の通行人たち」「タンゴ」「ダジャレ」「尋問シーン」「ロマノフ家」「ダイヤ」
はい、きれいに揃っていますが、ぴったり宛書きあり、意外性のある配役あり、下級生抜擢あるいは目立つ立ち位置を与える・・など、組子の活用法にも変化球が使われていて適材適所。
ちょっと冒頭から褒めすぎですが、各人の感想で、振り返ってみたいと思います。
■主演・・・凪七 瑠海、美弥 るりか
『THE KINGDOM』
作・演出/正塚 晴彦
[解 説]
2013年に月組宝塚大劇場公演として上演した『ルパン -ARSÈNE LUPIN-』(原作:モーリス・ルブラン作「ルパン、最後の恋」)に登場したドナルド・ドースンとヘアフォール伯爵の若かりし頃を描いたオリジナルミュージカルで、宝塚歌劇では珍しいスピンオフ作品です。二人が様々な出来事を経て大人へと成長していく過程の中で経験する男女の心の機微、男同士の友情などを描いた、ほろ苦いながらも切ない甘さのある青春群像劇です。
<主な配役と寸評>
■ドナルド・ドースン(情報部員) 凪七 瑠海
切れ者。情報部では新入りながらも成績が良くて抜擢されて活躍する役どころ。
歌声にハリがあり、輪郭の鮮明なダンスも魅力。
宙組時代の中日公演「仮面のロマネスク」でも思いましたが、こういうちょっと小生意気で頭のよい若者が似合いますね^^華奢で小顔なので大柄な男役の多い宙組では大人の男性に見えづらかった彼女ですが、男役らしいシャープで力強い魅力が出てきたと思います。
戴冠式出席のためのお着替えを海乃さんが手伝って、蝶タイを結ぶところ、ちょっとツボでした^^
■パーシバル・ヘアフォール伯爵(伯爵家次男) 美弥 るりか
貴族としての責務に深く理解と自覚を持ち若さに似合わぬ落ち着きがある青年貴族。見た目はエレガント。
とりわけ女性に対するジェントルな対応&優しい眼は必見。小柄ながら華やかな容姿で3つ揃え、礼装、軍服全てお似合い。
星組時代にもカップル設定だったことのあるわかばちゃんの月異動で、みやわかダンスシーン再び。眼福。
意外な低音の歌声も魅力。今回たくさんナンバーを歌っています。感情表現に深みが増してきたような・・・
■サーシャ(ロシア人留学生) 早乙女 わかば
ロマノフ家の血筋の令嬢。ロンドンに留学中の夏、2人に出会う。
見た目はまさにプリンセス。白い夏のドレスも、戴冠式出席のロイヤルブルーのレース地ドレスもお似合い。
元気な月娘の中にあって一際華やかな姫役者。
歌はもともと得意ではないけれど、自信たっぷりに歌って意外と無難に聴かせました。
(宙組のうららちゃんもこの押し出しがあれば・・なんてつい・・^^; )
ようこそ月組にそしてこれからも美弥ちゃんと組んで欲しいです!
■ジェニファー(情報部員) 海乃 美月
ドナルドの職場の先輩。気が強く仕事上のパートナーへのダメだしが半端ない。
独自のペースを持っていて、乱されることを嫌う。気が強くて男勝り、でもイイ女扱い。
スラリとして、小顔なので、相手を選ぶ超・小顔の凪七さんとの並びが不自然でないのは素晴らしい。
お歌は普通かな?演技は良いですね。ドナルドとだんだん認めあって距離が近付く過程を自然に観る側が受け入れることができました。
■ヴィクトワール(謎の女) 憧花 ゆりの
実はルパンの乳母。某私立探偵からの使い、ということで、ダイヤの盗難阻止を目的とした使者としてミステリアスに登場。
年配の落ち着いた聡明な女性、という設定での丁々発止のやり取りでくすりと笑わせる。台詞回しの緩急の付け方が実に上手い。
憧花さん、おばさんにならず、ウィットの効いた上品な大人の女性としてコメディ・シリアス両刀使い。貴重な個性ある役者さんです。
■ラトヴィッジ(情報部 部長) 鳳月 杏
凪七さんの上司。ブロンドオールバック、口髭、フロックコート。
かっこよすぎるダンディすぎる。
威圧感半端なく威厳たっぷりでありながら、分が悪いと見るや、慌てだす様子のチャーミングなこと
意外と部下思いです^^
フィナーレ・ショーではおひげを取って路線若手スター鳳月杏としてバリバリ踊ります。
今回美弥さんの次にオペラ泥棒・・・と思わせてくれたヒトです。
次回大劇場公演「パック」を最後に花組に異動が決まっていますが・・・ついていきますよ!ちなつ部長!
■ハワード(情報部員) 貴澄 隼人
凪七さんの同僚。海乃さんに見限られ、凪七さんがそこで、彼女とペアを組む、という設定。
コメディ担当。上手いです。
■イワノフ(亡命ロシア人) 紫門 ゆりや
情報部のスターが鳳月さんなら、地下組織のスターはゆりやくん。
通常なら、金髪の爽やか王子が持ち味の彼女、新境地開拓命令ハリ―から発令?
今回髪を赤茶に染めて、同色の革ジャケット腕まくりで 狙った女は必ず落とす、セクシーなボスキャラです。
え、あのゆりや王子が!!と思わず2度見する、スパイとして活動家の中に混じったイイ女 海乃さんに目をつけて皆が革命前夜の歌で盛り上がっているところ違う方向に盛りあがっているゆりや王子・・^^;
持ち味ノーブルで悪役もイケるなんて・・・確実にステップUPしましたね。
■ サイラス・ヘアフォール(パーシバルの兄) 貴千 碧
通常なら、紫門さんと配役逆だと思うのですよね・・・。敢えての配役、成功。
一幕では、アレクサンドル皇帝とジョージ5世の橋渡し役を務める中で毒を盛られて瀕死・・ お亡くなりに・の貴族兄。温かいかなり年上イメージの兄上でした。
それが!2幕ではあらぬるダンスシーンでセンターを務めていらっしゃるご様子に慌てます。
いや、小箱公演ではかけ持ちアルバイト当たり前ですが・^^;大活躍です!ダンサーさんなのですね^^
■キャサリン(サイラスの婚約者) 叶羽 時
美味しい役の下級生その1。
パ―シバルとはお互い幼い頃から恋心を抱いてきたのですが、両家の意向でお兄さんと縁組。
パ―シバルに気持ちを伝えるも、彼は伯爵夫人として幸せになってくれ、と。
秘めた心の2重唱、きれいな歌声と押さえたセリフ回しが上手くて、情感溢れる場面を盛り上げてくれました。
ちょっとお目めが小さくて中高なお顔立ちではないので、 オンザ眉毛の前髪を相まってお顔が地味に見えるのが唯一の難点。地味に見えるのは 並ぶのが美弥ちゃんで対抗馬がわかばちゃんという並びのせい?確かに不利ですよね。^^; 実力派で可憐 上品なしっとり系娘役さんです。若手でこの持ち味は貴重。お化粧と髪形は研究の余地ありかも?
■エセル(看護師)/メアリー(女官) 花陽 みら
一時は路線娘役としてヒロイン的なお役も務めていたみらちゃん。
白衣、そして地味な黒のドレスで、今回は2役ともヘアフォール家に仕えるヒトに。
温かく落ち着いた声、しっかりとしたセリフまわしに安心感が漂います。
正面顔は可愛らしいのですが、横顔が、アゴの下ラインがすっきりしていないので貫録が出てしまいます。結果、今回の役のイメージとヴィジュアルはぴったりでした・・・。演技も良かったのでなおさら。
■アドリアナ(ダンスホールの婦人) 咲希 あかね
とても美人さんで、海乃さんとシルエットはうり二つ。更にお顔が派手やかなタイプの咲希さん。
冒頭、凪七さんをダンスに誘うも冷たくあしらわれる華やかな女性、という設定で登場。
そう言えば月バウNEW WAVEでもちなつちゃん(鳳月)にすがるも彼は海乃さんの方に・・設定のナンバーが。
なぜかふられる美人という設定が続きますね。ちゅーちゃん(咲希)、頑張って!
■アレクセイ(サーシャの付き人) 暁 千星
美味しい役の下級生その2
わかばちゃんの護衛役にして、彼女に秘めた恋心を打ち明ける見せ場あり。
・・・とても美味しい場面だと思うのですが、わかばちゃんもさほどお芝居の人ではなくアリちゃん(暁)も 静の役ですと、まだ下級生なので、お顔が丸くて中高なお顔ではないので長身なれど特に横顔では遠目での華がなく、せっかくの良い場面を活かしきれなかったかな・・と。
一転、ダンスナンバー(尋問の前場面)やショーでは、水を得た魚!とびきりぴちぴちした・・・。
切れの良い安定した踊りっぷり。耳の横を超えて真上の天空に突き刺さるような瞬時の足上げにハッとさせられます。彼女のための場面と言えば・・の フェッテからのジャンプも毎回決まっていました。回しとけ!って演出の総意ですかしらね^^; 若き日の柚希さんってこんな感じかな・・・と思わせる勢いと雰囲気を感じました。
■レノックス(市長の息子)/アッシャー(アッシャー社 社長) 輝城 みつる
一幕冒頭では、わかばちゃんを無理やり連れ出そうとしてみやかちゃに撃退され、3人の友情のきっかけづくりに貢献。
2幕最終章で、ルパンによって救われたカリナンダイヤを一日早く届けられたロマンスグレーの宝石商に。
王冠と王杓にセッティングする作業の前夜に届けられたダイヤを前に、自分がカットした偉大なるダイヤを前に一夜を過ごせると喜ぶゴ―ジャスなガウンが似合う悠揚たる紳士。届けたヴィクトワ―ルにおやすみと挨拶した後、嬉しそうにしみじみとダイヤをみつめながらの「眠れそうにないけどね」にはロマンを感じます。
味わい深い好きな場面です^^
■亡命ロシア人トリオ
ツェーザリー(亡命ロシア人) 星輝 つばさ
エフゲニー(亡命ロシア人) 朝霧 真
紫門さんとトリオで常に目立つ位置にポ―ジング。特に朝霧くんは長身(175cm)金髪で目立ちますね。星組で言うと汐月しゅうくん的なポジ?
■ヴィクター(活動家リーダー) 蓮 つかさ
ロシア人たちを除くと、もともとのイギリス人の反王制派のリーダー格。
尋問の場面ではセンターで縛られてはいるものの、轟さんを彷彿とさせる繊細な美貌はしっかりとアピールできているかと。インテリの活動家らしさでピッタリ。歌も良く通る声で聴かせました。
■シャーロック・ホームズ(私立探偵) 佳城 葵
凪七さんが私立探偵バーネットからの謎の手紙に手を焼いているところに登場。
2人で謎の解明に挑む会話がコミカル。下級生でまだ声も高いけれども芝居心と間の良さで、客席の笑いをしっかりとっていました。月組下級生、皆しっかりとされていますね!
娘役さんで、パメラ(活動家)役、の 清華 蘭さんをチェック。冒頭や戴冠式で、スーツや礼服の男性と、パステルカラーのロングドレスの女性が踊る場面、そこでレモンイエローのドレスで佳城くんと組んで踊っていたのが清華さんだと思うのですが、いつも笑顔を絶やさず、ちょっと愛加あゆちゃんっぽい丸顔で可愛らしい娘役さんで、ちょっと気になる存在でした^^
フィナーレは、皆での大合唱で荘厳な雰囲気で芝居が終ったあと、戴冠式出席仕様の諸々の装飾を後ろを向いた隙に外して、シンプルな黒タキ姿になったみやかちゃの2人がセンターで踊っている間に皆が着替えを済ませ・・・というのがプロローグ。
美弥ちゃんの体重を感じさせない軽やかな動きとちょっと手先足先視線の先に余韻を残すウットリ系の踊りと、長い手足をスピーディに操り、軸のしっかりとしたシャープな踊りのかちゃ(凪七)、2人ともダンサーではあるのですが、持ち味が対照的で観ていて楽しい。
そこから、カチャ中心に男役のカッコいい総踊り(おひげ無しのちなつ部長に注目!)、
次は白いドレスの娘役に囲まれての美弥ちゃんがセンターで歌います。
最後娘役、男役、バラバラに出てきたり組んで踊ったり様々なフォーメーションで見せたあと、美弥ちゃんとわかばちゃん、カチャと海乃さん、の2カップルでのWデュエットダンス。
フィナーレショーもどこまでもカッコ良くて本当に楽しい。
最後の御挨拶、最初見た時はふたりが掛け合いのようになって、漫才?風味でかわいらしかったのですが、次に見たときには事前に打ち合わせたのか、スムースに分担していました。
千秋楽はまず凪七さんが自己紹介から御挨拶まできちんと内容も吟味されたであろう感じでフルに御挨拶。
隣の美弥さんがうん、うん、と合いの手のように頷くのがカワイくて^^
次は美弥さんが同様に・・・なのですが 締めで、いきなり忘れちゃった何だっけ?モードに陥り、おとぼけ&グダグダに^^;
かちゃ一人ならさぞしっかりとまとまったでしょうに・・でも仲良く、助けあう2人が可愛らしくてなんとも微笑ましい同期主演作品ご挨拶、でした。
脚本が上がったのが本当に直前だったみたいで・・・。
今回装置が左右に動いて流れて掃けていく、という演出が多用されていたのですが、My初日、お兄さんのベッド脇に立つ美弥ちゃんが動き出しのタイミングに慣れていなかったのか揺れて思わずベッドの柱につかまる、という場面も。
それだけに日々のタイミングセリフ回しの向上でアンサンブルがどんどん良くなっていくのもわかり・・。
これは最終形のドラマシティの千秋楽がどうなるのか観たい!と思ってしまうほど。
土曜日、演出家の小柳センセイが客席にいらしたそうですが、千秋楽の月曜日、前日に千秋楽を終えた宙組生、これから、で東京入りした雪組生多数ご観劇。
新公1・2の月城かなとちゃん、永久輝せあちゃんが並んで上手に。
下手前方に卒業したばかりの愛花ちさきちゃん、宙組生では七海さん、純矢ちとせちゃん、雪組生では彩凪翔くんを確認。鳳翔大ちゃんもいらしていたそう。舞台上も客席も華やかな 東京楽でした
24日(木)14:00と26日(土)11:00と15:00
そして28日(月)13:00の千秋楽に行って参りました。
今、月組は長く続いた龍・明日海体制から準TOPからTOP候補の2番手として明日海さんが花組に異動してから、星組から異動した3番手格の美弥るりかさんが暫定2番手、そして、宙組から同期の凪七瑠海さんが異動してきてW2番手状態に。
ただ下から、新公主演を繰り返し、バウ主演も果たした珠城りょうさんが勢いをつけて迫ってきているため、上級生2人の今後の扱いが気になるところ。。。
そのお2人がW主演という扱いで、今回、日本青年館、そして梅田芸術劇場シアタードラマシティで8月2日(土)から10日(日)までという公演を行うこととなり、もともと美弥さんのファンであり、宙組時代の凪七さんも素晴らしいダンサーとして昔から愛でてきたわたくしとしてはとても楽しみな公演で・・・。
今回、演出が正塚晴彦氏ということで、彼の得意なハードボイルド調のお芝居は少数の役者の濃い芝居になりがちで、結果、大劇場の空間を埋めきれなかったり、下級生が揃ってモブ扱いで気の毒だったり・・・という過去例に懸念を持つ方も多いのですが・・・
今回は「良いハリ―(正塚氏)」^^でした。
正塚演出にありがちなエレメンツ、
「国家機密」「情報部」「亡命ロシア人」「活動家」「地下組織」「早足の通行人たち」「タンゴ」「ダジャレ」「尋問シーン」「ロマノフ家」「ダイヤ」
はい、きれいに揃っていますが、ぴったり宛書きあり、意外性のある配役あり、下級生抜擢あるいは目立つ立ち位置を与える・・など、組子の活用法にも変化球が使われていて適材適所。
ちょっと冒頭から褒めすぎですが、各人の感想で、振り返ってみたいと思います。
■主演・・・凪七 瑠海、美弥 るりか
『THE KINGDOM』
作・演出/正塚 晴彦
[解 説]
2013年に月組宝塚大劇場公演として上演した『ルパン -ARSÈNE LUPIN-』(原作:モーリス・ルブラン作「ルパン、最後の恋」)に登場したドナルド・ドースンとヘアフォール伯爵の若かりし頃を描いたオリジナルミュージカルで、宝塚歌劇では珍しいスピンオフ作品です。二人が様々な出来事を経て大人へと成長していく過程の中で経験する男女の心の機微、男同士の友情などを描いた、ほろ苦いながらも切ない甘さのある青春群像劇です。
<主な配役と寸評>
■ドナルド・ドースン(情報部員) 凪七 瑠海
切れ者。情報部では新入りながらも成績が良くて抜擢されて活躍する役どころ。
歌声にハリがあり、輪郭の鮮明なダンスも魅力。
宙組時代の中日公演「仮面のロマネスク」でも思いましたが、こういうちょっと小生意気で頭のよい若者が似合いますね^^華奢で小顔なので大柄な男役の多い宙組では大人の男性に見えづらかった彼女ですが、男役らしいシャープで力強い魅力が出てきたと思います。
戴冠式出席のためのお着替えを海乃さんが手伝って、蝶タイを結ぶところ、ちょっとツボでした^^
■パーシバル・ヘアフォール伯爵(伯爵家次男) 美弥 るりか
貴族としての責務に深く理解と自覚を持ち若さに似合わぬ落ち着きがある青年貴族。見た目はエレガント。
とりわけ女性に対するジェントルな対応&優しい眼は必見。小柄ながら華やかな容姿で3つ揃え、礼装、軍服全てお似合い。
星組時代にもカップル設定だったことのあるわかばちゃんの月異動で、みやわかダンスシーン再び。眼福。
意外な低音の歌声も魅力。今回たくさんナンバーを歌っています。感情表現に深みが増してきたような・・・
■サーシャ(ロシア人留学生) 早乙女 わかば
ロマノフ家の血筋の令嬢。ロンドンに留学中の夏、2人に出会う。
見た目はまさにプリンセス。白い夏のドレスも、戴冠式出席のロイヤルブルーのレース地ドレスもお似合い。
元気な月娘の中にあって一際華やかな姫役者。
歌はもともと得意ではないけれど、自信たっぷりに歌って意外と無難に聴かせました。
(宙組のうららちゃんもこの押し出しがあれば・・なんてつい・・^^; )
ようこそ月組にそしてこれからも美弥ちゃんと組んで欲しいです!
■ジェニファー(情報部員) 海乃 美月
ドナルドの職場の先輩。気が強く仕事上のパートナーへのダメだしが半端ない。
独自のペースを持っていて、乱されることを嫌う。気が強くて男勝り、でもイイ女扱い。
スラリとして、小顔なので、相手を選ぶ超・小顔の凪七さんとの並びが不自然でないのは素晴らしい。
お歌は普通かな?演技は良いですね。ドナルドとだんだん認めあって距離が近付く過程を自然に観る側が受け入れることができました。
■ヴィクトワール(謎の女) 憧花 ゆりの
実はルパンの乳母。某私立探偵からの使い、ということで、ダイヤの盗難阻止を目的とした使者としてミステリアスに登場。
年配の落ち着いた聡明な女性、という設定での丁々発止のやり取りでくすりと笑わせる。台詞回しの緩急の付け方が実に上手い。
憧花さん、おばさんにならず、ウィットの効いた上品な大人の女性としてコメディ・シリアス両刀使い。貴重な個性ある役者さんです。
■ラトヴィッジ(情報部 部長) 鳳月 杏
凪七さんの上司。ブロンドオールバック、口髭、フロックコート。
かっこよすぎるダンディすぎる。
威圧感半端なく威厳たっぷりでありながら、分が悪いと見るや、慌てだす様子のチャーミングなこと
意外と部下思いです^^
フィナーレ・ショーではおひげを取って路線若手スター鳳月杏としてバリバリ踊ります。
今回美弥さんの次にオペラ泥棒・・・と思わせてくれたヒトです。
次回大劇場公演「パック」を最後に花組に異動が決まっていますが・・・ついていきますよ!ちなつ部長!
■ハワード(情報部員) 貴澄 隼人
凪七さんの同僚。海乃さんに見限られ、凪七さんがそこで、彼女とペアを組む、という設定。
コメディ担当。上手いです。
■イワノフ(亡命ロシア人) 紫門 ゆりや
情報部のスターが鳳月さんなら、地下組織のスターはゆりやくん。
通常なら、金髪の爽やか王子が持ち味の彼女、新境地開拓命令ハリ―から発令?
今回髪を赤茶に染めて、同色の革ジャケット腕まくりで 狙った女は必ず落とす、セクシーなボスキャラです。
え、あのゆりや王子が!!と思わず2度見する、スパイとして活動家の中に混じったイイ女 海乃さんに目をつけて皆が革命前夜の歌で盛り上がっているところ違う方向に盛りあがっているゆりや王子・・^^;
持ち味ノーブルで悪役もイケるなんて・・・確実にステップUPしましたね。
■ サイラス・ヘアフォール(パーシバルの兄) 貴千 碧
通常なら、紫門さんと配役逆だと思うのですよね・・・。敢えての配役、成功。
一幕では、アレクサンドル皇帝とジョージ5世の橋渡し役を務める中で毒を盛られて瀕死・・ お亡くなりに・の貴族兄。温かいかなり年上イメージの兄上でした。
それが!2幕ではあらぬるダンスシーンでセンターを務めていらっしゃるご様子に慌てます。
いや、小箱公演ではかけ持ちアルバイト当たり前ですが・^^;大活躍です!ダンサーさんなのですね^^
■キャサリン(サイラスの婚約者) 叶羽 時
美味しい役の下級生その1。
パ―シバルとはお互い幼い頃から恋心を抱いてきたのですが、両家の意向でお兄さんと縁組。
パ―シバルに気持ちを伝えるも、彼は伯爵夫人として幸せになってくれ、と。
秘めた心の2重唱、きれいな歌声と押さえたセリフ回しが上手くて、情感溢れる場面を盛り上げてくれました。
ちょっとお目めが小さくて中高なお顔立ちではないので、 オンザ眉毛の前髪を相まってお顔が地味に見えるのが唯一の難点。地味に見えるのは 並ぶのが美弥ちゃんで対抗馬がわかばちゃんという並びのせい?確かに不利ですよね。^^; 実力派で可憐 上品なしっとり系娘役さんです。若手でこの持ち味は貴重。お化粧と髪形は研究の余地ありかも?
■エセル(看護師)/メアリー(女官) 花陽 みら
一時は路線娘役としてヒロイン的なお役も務めていたみらちゃん。
白衣、そして地味な黒のドレスで、今回は2役ともヘアフォール家に仕えるヒトに。
温かく落ち着いた声、しっかりとしたセリフまわしに安心感が漂います。
正面顔は可愛らしいのですが、横顔が、アゴの下ラインがすっきりしていないので貫録が出てしまいます。結果、今回の役のイメージとヴィジュアルはぴったりでした・・・。演技も良かったのでなおさら。
■アドリアナ(ダンスホールの婦人) 咲希 あかね
とても美人さんで、海乃さんとシルエットはうり二つ。更にお顔が派手やかなタイプの咲希さん。
冒頭、凪七さんをダンスに誘うも冷たくあしらわれる華やかな女性、という設定で登場。
そう言えば月バウNEW WAVEでもちなつちゃん(鳳月)にすがるも彼は海乃さんの方に・・設定のナンバーが。
なぜかふられる美人という設定が続きますね。ちゅーちゃん(咲希)、頑張って!
■アレクセイ(サーシャの付き人) 暁 千星
美味しい役の下級生その2
わかばちゃんの護衛役にして、彼女に秘めた恋心を打ち明ける見せ場あり。
・・・とても美味しい場面だと思うのですが、わかばちゃんもさほどお芝居の人ではなくアリちゃん(暁)も 静の役ですと、まだ下級生なので、お顔が丸くて中高なお顔ではないので長身なれど特に横顔では遠目での華がなく、せっかくの良い場面を活かしきれなかったかな・・と。
一転、ダンスナンバー(尋問の前場面)やショーでは、水を得た魚!とびきりぴちぴちした・・・。
切れの良い安定した踊りっぷり。耳の横を超えて真上の天空に突き刺さるような瞬時の足上げにハッとさせられます。彼女のための場面と言えば・・の フェッテからのジャンプも毎回決まっていました。回しとけ!って演出の総意ですかしらね^^; 若き日の柚希さんってこんな感じかな・・・と思わせる勢いと雰囲気を感じました。
■レノックス(市長の息子)/アッシャー(アッシャー社 社長) 輝城 みつる
一幕冒頭では、わかばちゃんを無理やり連れ出そうとしてみやかちゃに撃退され、3人の友情のきっかけづくりに貢献。
2幕最終章で、ルパンによって救われたカリナンダイヤを一日早く届けられたロマンスグレーの宝石商に。
王冠と王杓にセッティングする作業の前夜に届けられたダイヤを前に、自分がカットした偉大なるダイヤを前に一夜を過ごせると喜ぶゴ―ジャスなガウンが似合う悠揚たる紳士。届けたヴィクトワ―ルにおやすみと挨拶した後、嬉しそうにしみじみとダイヤをみつめながらの「眠れそうにないけどね」にはロマンを感じます。
味わい深い好きな場面です^^
■亡命ロシア人トリオ
ツェーザリー(亡命ロシア人) 星輝 つばさ
エフゲニー(亡命ロシア人) 朝霧 真
紫門さんとトリオで常に目立つ位置にポ―ジング。特に朝霧くんは長身(175cm)金髪で目立ちますね。星組で言うと汐月しゅうくん的なポジ?
■ヴィクター(活動家リーダー) 蓮 つかさ
ロシア人たちを除くと、もともとのイギリス人の反王制派のリーダー格。
尋問の場面ではセンターで縛られてはいるものの、轟さんを彷彿とさせる繊細な美貌はしっかりとアピールできているかと。インテリの活動家らしさでピッタリ。歌も良く通る声で聴かせました。
■シャーロック・ホームズ(私立探偵) 佳城 葵
凪七さんが私立探偵バーネットからの謎の手紙に手を焼いているところに登場。
2人で謎の解明に挑む会話がコミカル。下級生でまだ声も高いけれども芝居心と間の良さで、客席の笑いをしっかりとっていました。月組下級生、皆しっかりとされていますね!
娘役さんで、パメラ(活動家)役、の 清華 蘭さんをチェック。冒頭や戴冠式で、スーツや礼服の男性と、パステルカラーのロングドレスの女性が踊る場面、そこでレモンイエローのドレスで佳城くんと組んで踊っていたのが清華さんだと思うのですが、いつも笑顔を絶やさず、ちょっと愛加あゆちゃんっぽい丸顔で可愛らしい娘役さんで、ちょっと気になる存在でした^^
フィナーレは、皆での大合唱で荘厳な雰囲気で芝居が終ったあと、戴冠式出席仕様の諸々の装飾を後ろを向いた隙に外して、シンプルな黒タキ姿になったみやかちゃの2人がセンターで踊っている間に皆が着替えを済ませ・・・というのがプロローグ。
美弥ちゃんの体重を感じさせない軽やかな動きとちょっと手先足先視線の先に余韻を残すウットリ系の踊りと、長い手足をスピーディに操り、軸のしっかりとしたシャープな踊りのかちゃ(凪七)、2人ともダンサーではあるのですが、持ち味が対照的で観ていて楽しい。
そこから、カチャ中心に男役のカッコいい総踊り(おひげ無しのちなつ部長に注目!)、
次は白いドレスの娘役に囲まれての美弥ちゃんがセンターで歌います。
最後娘役、男役、バラバラに出てきたり組んで踊ったり様々なフォーメーションで見せたあと、美弥ちゃんとわかばちゃん、カチャと海乃さん、の2カップルでのWデュエットダンス。
フィナーレショーもどこまでもカッコ良くて本当に楽しい。
最後の御挨拶、最初見た時はふたりが掛け合いのようになって、漫才?風味でかわいらしかったのですが、次に見たときには事前に打ち合わせたのか、スムースに分担していました。
千秋楽はまず凪七さんが自己紹介から御挨拶まできちんと内容も吟味されたであろう感じでフルに御挨拶。
隣の美弥さんがうん、うん、と合いの手のように頷くのがカワイくて^^
次は美弥さんが同様に・・・なのですが 締めで、いきなり忘れちゃった何だっけ?モードに陥り、おとぼけ&グダグダに^^;
かちゃ一人ならさぞしっかりとまとまったでしょうに・・でも仲良く、助けあう2人が可愛らしくてなんとも微笑ましい同期主演作品ご挨拶、でした。
脚本が上がったのが本当に直前だったみたいで・・・。
今回装置が左右に動いて流れて掃けていく、という演出が多用されていたのですが、My初日、お兄さんのベッド脇に立つ美弥ちゃんが動き出しのタイミングに慣れていなかったのか揺れて思わずベッドの柱につかまる、という場面も。
それだけに日々のタイミングセリフ回しの向上でアンサンブルがどんどん良くなっていくのもわかり・・。
これは最終形のドラマシティの千秋楽がどうなるのか観たい!と思ってしまうほど。
土曜日、演出家の小柳センセイが客席にいらしたそうですが、千秋楽の月曜日、前日に千秋楽を終えた宙組生、これから、で東京入りした雪組生多数ご観劇。
新公1・2の月城かなとちゃん、永久輝せあちゃんが並んで上手に。
下手前方に卒業したばかりの愛花ちさきちゃん、宙組生では七海さん、純矢ちとせちゃん、雪組生では彩凪翔くんを確認。鳳翔大ちゃんもいらしていたそう。舞台上も客席も華やかな 東京楽でした