maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

イレール・アデュー公演@ParisOpera座③

2007-02-25 23:29:53 | BALLET
後半です。

同輩・後輩エトワールの視線が客席から見守る中、MIXプロの3作品目は、ウィリアム・フォーサイスの「精密の不安定なスリル」(The Vertiginous Thrill of Exactitude).


マリインスキーのGalleryから画像を拝借。イメージは伝わりますでしょうか。

シューベルト交響曲9番、アレグロヴィヴァーチェ。
テンポの速い、耳につくと中々忘れられないとてもキャッチーなメロディーにのせて、女性はライムグリーンに円盤系のチュチュの裏とショーツ部分が黒、男性は紫の短パンに上半身は前だけで後は肌色の面白いモダンな衣装。
エレオノーラ・アッバニャート、エミリー・コゼット、メラニー・ユレルの3人の女性陣に、男性は二コラ・ポールとアレッシオ・カルボネ。アレッシオの弾むような生命力のある踊りにはどうしても目が行きます。
12分と短いながらも休憩後に再度舞台に集中するきっかけとしては良い演目。

フォーサイス、といえば「イン・ザ・ミドル」のような鮮烈な爆音Musicに身体をぎりぎり限界まで使ったウルトラモダンな振付、というイメージですが、この作品は(バウハウス風ではありますが、一応チュチュですし^^;)どことなく、バランシン、と言われてもそうかそうかと思ってしまいそうな、過剰さの少ない心地よさがあります。
というかOpera座ダンサーのクラシック規範の基礎がそう思わせるのか・・・。


画像は本家、NYCBの「Agon」

次はバランシンの「Agon」
ストラヴィンスキーの音楽に乗って、2組のパ・ド・トロワ、そしてパ・ド・ドゥ、4人の群舞が入れ替わり舞台に現れるのですが、なかなか、それぞれに面白い配役。
最初のトロワはバンジャマン・ペッシュ、ナタリー・リケ、アリス・ルナヴァン。
昨年の北京公演でもうないと思われていたエトワール昇進を果たしたペッシュ。
彼はリフトがあまり得意でないので女性と組む古典の主役はなかなか安心してみていられないのですが、モダンな作品では独自の解釈で彼なりの世界観を示すことが出来るタイプ。
昔、ルグリと男性2人の踊りを踊った時などは中々の存在感を示していましたがそのうちに若手が台頭してきて埋没してしまったかに見えたのですが・・・。
こういう作品は似合いますね
リケはテクニックがしっかりしていて安心してみていられるダンサーですが、今回驚いたのはアリス!
こんなコいたっけ?と思ってしまいましたが、ここ数年でダイエットして痩せたところ一気にブレイク。
調べてみたら、ここ2~3年、「若手ダンサーの夕べ」といった有望な若手にチャンスを与える類の公演の常連的存在であることが判明。小顔で長い手足、ベトナムかどこか東南アジアの血を引く黒髪黒い目のキュートな容姿。一気に長身・小顔のバランシン・バレリーナの資格を手に入れ、踊りにもキレがあり今後も要注目かも。

次のトロワはレティシア・ピュジョル、ヤン・ブリダール、カール・パケット。
テクニックの強い庶民的な可愛さのあるレティシアと金髪のパケット、黒髪のヤンともに踊れる3人。
パケットとヤンの対照的な持ち味が利いていて楽しい。
ヴィジュアル的なバランスも良かったです。

パ・ド・ドゥは、お待ちかねの大柄な美貌のダンサー、マリ・アニエス・ジローとベテランエトワール、カデ・ベラルビ。日本公演の「白鳥の湖」彼女のオデット・オディールを楽しみにしていたら怪我で降板。(優等生エミリー・コゼットが落ち着いた主役デビューで窮地を救ったのですが、残念でした・・・)その後、名古屋万博で「シーニュ」を踊り伝説的な名演と言われているのは見逃したのですから、かなりの期待値
そのジロさん、舞台で一際目立つ長身ゆえ、映画俳優のようだと昔から称えられていた美貌は衰えないながらも平均的な身長のベラルビさんが相手って??と配役を見てちょっと疑問に思ったのですが、存在感の濃い者同士で、意外と釣り合いのとれたオトナのカップル。
素敵でした。
欲をいえば、もっと身長のあるパートナーとならもっとジロさんが(伸びやかに)踊れたのに・・・と思わないではありませんでしたが。

脇を固めるダンサーも、マリー・ソレーヌ・ブーレ、サラ・コラ・ダヤノヴァ、ローレンス・ラフォン、サブリナ・マレムと堅調。

心地よい28分を過ごして・・・さぁ、本日の特別プログラムです!







ガルニエ宮で薔薇の訪問着

2007-02-22 05:10:48 | きもの
ここで20分の休憩です。

ガルニエ宮と言えば、シャガールの天井画。

今回、イレールのアデュー公演を鑑賞することになり、当然イブニングかな~、どのフォーマルドレスにしましょうかしらん、と思っていたのですが、今回ご一緒させていただいたNaokoS様のご提案により、よりフォーマルな訪問着での鑑賞を(しかもガルニエ宮の空間にあいそうな薔薇の紫の訪問着)決めました。

一度誕生日の訪問着オフ(どなさんたちとご一緒)で着用していましたので、基本はそのときと同じ組み合わせにし、防寒はファーのトリミング付きのグレーのマント、足元は冬のお気に入り、ぜんやさんのアザラシの鼻緒の草履に。スマピで去年色違いで2色購入のお着物のときに便利な革のロング手袋も持参しましたが、東京と変わらぬ気候でしたので使わずに済みました。



海外で着物を着るのが初めてだったものですから、忘れ物がないように気をつけたつもりが、やっぱり慌てたのか、着物のときのBAGを忘れたことに機内で思い出しxxx
到着翌日の朝、現地で調達致しましたが、やっぱり忘れ物ってあるのですね!



髪型も、いつもよりフォーマル感を出すために結髪風に・・・。
ちょっと銀座のママ入っていますでしょうか

この休憩のとき、撮影をしたのは席近くの中央通路なのですが、このあと、後方 ロビーに通じるちょっとした階段のところにエトワールのウィルフリード・ロモリさんが。インクブルーの濃淡のシャツをお召しで、相変わらずコワモテかつクールなご様子(笑)。
上の写真、補助席が見えると思いますが、後半が始まる寸前、この補助席にロモリさん、その後に、さっき「オ・ズロズニー」で舞台に立っていた二コラが!未確認ですが、その後には、NHKのルグリ先生のレッスンで「ロミオとジュリエット」の模範演技を踊ったエルヴェ・モローくんも いたらしく・・・。

皆さんイレールの最後の演目を見るために駆けつけたのね~



イレール・アデュー公演@ParisOpera座②

2007-02-20 23:30:14 | BALLET
2作品目はトリシャ・ブラウンの「オ・ズロゾニー/オ・コンポジテ」
満天の星空かプラネタリウムか・・・というバックに、つぶやくように読み上げる詩のような文句、時折「prrrrrr」いった擬音を挿入。舞台の中央では男性2人女性一人のダンサーが複雑な動きを見せている・・・。全体でモダン・アートとして見せるのが意図なのでしょう。いかにも、なモダン作品です。音楽はローリー・アンダーソン。



イレールの「アポロ」に感涙のわたくし、最後のクライマックス「さすらう若者の歌」に向けて、暫し休憩だわ~と思ってぼんやり眺めていたら、ん?ダンサーが単調な動きながらそれぞれに素晴らしい。
それもそのはず、オレリー・デュポンを中心に、スーパー・バレエ・レッスンで名教師振りを発揮しているマニュエル・ルグリ、そして永遠の若者、お正月映画「オーロラ」の主演でもおなじみの二コラ・ル・リッシュという人気実力ともにTOPクラスのエトワール3人組の競演ですから、休憩時間になりようがありませぬ。

イングリット・バーグマンを思わせるクラシカルな美貌ながらも モダン作品に独特の鋭い感覚を見せるオレリー。
15の力を10にコントロールして抑制された力の美を見せ付ける、端正でありながら王者のパワーのあるルグリ。
ルグリとある意味反対で、その恵まれた肢体を投げ出すようにギリギリまで大きく、破綻しそうなスレスレのところで伸びやかに踊る二コラ。

取り立てて振付そのものが面白かったり、舞踊作品としてすぐれているとは思わないのですが(失礼)、ダンサーの力で見せてしまった、と言う感じでしょうか。
わたくし自身も軽い興奮を覚えて、惜しまず拍手を送りましたが、Opera座の観客は大喜び。
ン?今日はイレールのためのソワレなんだから、ちょっとちょっとそのくらいにしておいていただけないかしら?!、と複雑な気分になるほど・・・。





イレール・アデュー公演@ParisOpera座

2007-02-18 22:47:46 | BALLET
2月14日、バレンタインデーのソワレ。
バレエ界に革命を起こした天才ルドルフ・ヌレエフの秘蔵っ子であり、現オペラ座のメートル・ド・バレエとしてもご活躍のParisオペラ座の名エトワール、ローラン・イレールをガル二エにてお見送りする日。
そうなのです。来てしまいました、Parisに。恐るべし、イレールの吸引力。



当日は朝から雨・・・。訪問着での観劇を考えていましたのでいささか不安もありましたが、夕方、ホテルからガルニエ宮に向かう7時頃には雨も上がり、流石イレ-ルの為に天も味方をしているのだわ、と一人ゴチながらイソイソと。

今回はLondon在住のバレエ友達Naoko様のお力でチケットを入手。オーケストラ席前から10列目の良いお席でしっかと我が殿の最後の公演を見届けて参りました!

バランシン、ブラウン、フォーサイスという3人のクラシックを基礎としつつモダンな作品を展開する振付家による作品のミックス・プログラム。
このうち、最初の演目、ジョージ・バランシンの「アポロ(Apollon Musagate)」、そして最後にこの夜の特別プログラムとして、マニュエル・ルグリとイレールの2人のために振付けられた、長く封印されていたのをモーリス・ベジャールがルグリとイレールならばと踊ることを許可した作品、「さすらう若者の歌(Le Chant du compagnon errant)」

そのイレール出演の2作品の間には、ルグリ、二コラ・ル・リッシュ、オレリー・デュポンという豪華エトワール3人組によるトリシャ・ブラウンの「O zrozony/O composite」と、アレッシオ・カルボネ、二コラス・ポール、エレオノーラ・アッバニャート、エミリー・コゼット、メラニー・ユレルによるウィリアム・フォーサイスの「精神の不安定なスリル(The VertiginousThrill of Exactitude)」。
そしてバランシンの「Agon」。

バランシンか~と、ちょっと意外に思っていた「アポロ」。
他のダンサーで観ていた印象では、美しく若い男性ダンサーがその太陽のようなアポロニックな魅力をふりまきながら3人の女神たちと戯れる・・・といった展開。ストラヴィンスキーの音楽に合わせてギリシャ風にドレープの施された白い衣装でシンプルな舞台ゆえ、ダンサー個人の魅力なくしては退屈にも思われる作品。
というわけで作品としてあまり印象深いものではなかったので、これをイレールの引退公演に選ぶの?という疑問があったのですが。

いや、裏切られました!ポジティブな方向で。

舞台に出たイレールの美しさたるや。黒髪、美しく弧を描いた眉のりりしさに加え、引き締まった体躯とその一つ一つのポージングのエレガントな美しさ・・・。
43才のはずなのですが、完全に年齢を超越しています。

彼の前に現れる3人の女神=エレガントでちょっとコケティッシュなアニエス・ルテステュのテレプシコーラ、子供のように無邪気なエレオノーラ・アッバニャートのポリニュミネ、お澄まししたおとなしめ美人のエミリー・コゼットのカリオペ。
彼女たちを眺め、リフトし、腕につかまらせて彼を中心に様々な絡みを見せながら、この3人の女神たちを統べるものとしての圧倒的な存在を見せるイレール。
勿論、長身のアニエスを幾度もリフトし続けるシークエンス、2人の女神をそれぞれ片腕に捕まらせた状態で回転する振りなどの直後にはオペラグラスで認められるほどの発汗はありましたが、その後のソロでは、嘘のように涼しげな様子で限界ギリギリのところまで大きな表現を見せ・・・。それなのに反す掌の表情は指先一本に至るまで、完璧なフォルム。
・・・ギリシア神話のアポロ神が、そこには確かに息づいていました。
魅力的なテレプシコーラを見つめる眼光、端正な姿、3人の女神を思いのままに操りながらもふと見せるどこか未知のものへの憧れのような表情・・・。

しょっぱなから魂を抜かれました。
バランシンの「アポロ」に新しい光を当ててみせるダンサー。
これが引退公演だなんて信じられない。あんまりです。


イレールではありませんが、(ジャン・ギーかしら?)「アポロ」の舞台写真を一葉。



MINX新年会

2007-02-11 19:43:42 | きもの
11日、日曜日の今日、MINXのお着物仲間と遅ればせの新年会を致しました。
会場は、青学前のビル地下の和食、「雅灯」。



miwaさんが予約してくださいました。
個室でゆっくりとお話が出来、スペースもゆったりしていましたので、この日着物だったmiwaさん、いそじんさん、kinakoさん、宮本さん、わたくしは、空きスペースで一人ずつその日の着物コーディネートのプレゼン?
いそじんさんの着付けによるお似合いの赤の小紋に芥子の花の帯のmiwaさん、池田でお求めの白地に紫の小花刺繍が素敵な帯を、お母様の思い出の品、紬の付け下げ(室内では淡いゴールド、屋外ではモスグリーンに見えました)にあわせたいそじんさん、人気ヴィンテージ着物ショップAGARUのNETでGETされた紫地にPOPな松竹梅が新年会らしい帯を「ぎゃらりい朱」さんでであった縞の白大島にあわせていらした宮本さん、落ち着いた紺地の飛び小紋がシック、着付けも上達されたkinakoさん
2年前に購入したブルー系の小紋を最近NETで購入の鳳凰柄の名古屋に合わせたわたくしを加えて、5名が着物での参加。
いつもはんなり着物のりっちーさんは華やかなスカートで。スマートピンクで購入のアイボリーの革トレンチがお似合いのほのかさんはこれから派。水色のニットにクリアストーンのブローチの重ね使いが爽やかなユキさんは先日お嬢さんの成人式の振袖以来、ちょっと気になっていらっしゃるご様子。
この日、ユキさんはお嫁入りのときにお持ちになったまだお召しになっていないお着物の端切れをお持ちになりましたがそれぞれバラエティに富んだお品ぞろえ。
早速、お食事の後に立ち寄った「ぎゃらりい朱」さん、「くるり」さんでそのお着物にあう帯をご覧になっていました

後も皆様、「くるり」の隣の「AGARU」でお品をご覧になっていらっしゃいましたが、明日からPARISのわたくしはここで失礼させていただきました。
皆様、今年もどうぞ宜しくお願い致します。
楽しく「部活」致しましょうね