タカラヅカ宙組、東京公演、「美しき生涯」「ルナ・ロッサ」
結局12回通いました。・・・どれだけ好きなの~^^;
贔屓の宙組デビューということで、もとから前楽を含む6回分は押さえていたのデスが、初日をオクで落として観てから、これは通える!と確信。
次々に買い足し、千秋楽はまさかの当日GETという幸運もあり、このようなことになってしまいました^^;
お芝居も良かったのですが、なんといってもこの観劇に向かうモチベーションとなったのはショー。
全体の構成にはまだまだ手を加える余地があったのでは、と想わないでもないですが、ひとつひとつの場面が楽しくて、捨て場面なし!というクォリティの高さ。
前半、特にバザールの場面は、同時進行で色々なことが起きている・・・というのがバザールの混沌を表している、という意図はわかるし、何度も通うとそのディテールも味わえてどんどん楽しくなって来る・・のですが、一度の観劇で判断すると、整理されていないせいで色々と見逃した感が残り、結果、求心力に欠けるショーだった、という印象を与えかねない、というところ、若手演出家 稲葉大地先生の今後の課題だろうとは思います。
プロローグも古代の門が大きすぎてその上にいる遺跡から蘇るTOP3人の図、を観ると、扉前の大神官、舞う砂塵の人々の群舞は視界に入らない(特に1階席)というところなど惜しいなぁと・・・
と、前半はアイデアは良いけどもっと詰められたのでは?と想うところもありますが、後半はたたみ掛けるような華やかな変化に富んだ場面が次々に繰り出されて、本当に楽しいです
では各場面の感想を・・・
贔屓の組替え後、初の出演作、ということで、つい目線が偏り、保護者モードとなっておりますこと、お含みおきくださいませ。。。
■砂の城~プロローグ
遺跡の上に、黒ラメの布を纏った3人の男女が。
遺跡の前には黒づくめの大神官(北翔海莉)が。左右からダンサーが現れ、風に舞う砂のように踊る。
ここ、ハッキリ言って、遺跡の上しか観ていません^^
♪東の風が運ぶ 古の夢の跡 砂の中に今蘇る
紅い月に誘われて、古代の命が蘇り、朝が来るまで不思議な旅に誘う・・・というストーリーが歌いあげられつつ、
紫の衣装の大空祐飛さん、と野々すみ花嬢のTOPコンビ、ターコイズブルーが鮮やかな新加入の2番手凰稀かなめさんがパッと纏っていた布をかなぐり捨て、遺跡の上から舞台に降りる。
祐飛さんは銀橋に向かい、挑戦的な眼をしたすみ花嬢と嬉しそうにそんな彼女を見やる凰稀さんがちょっと絡み、左右に分かれて歌い継ながら群舞に加わるのですが、ここ、遺跡の階段を下りる前にちょっとヘッドセットマイクに手をやり、さぁ、歌だ、とばかりに気合を入れた表情に変わる凰稀さんがツボ。
群舞が金ラメとベージュの衣装で、キラキラ光る砂のよう。そこに3人が加わり、大神官のマントを取って金ベージュの衣装になったみっさま(北翔海莉)とかなめ姫が対になって踊ったり、5~6組のカップルになったり、TOPコンビをセンターに娘役だけが残って囲んだり、とフォーメーションを色々と替えながら踊り継いでいく場面も観ごたえがあります。
カップルで踊るところのお相手はれーれ(すみれ乃麗)。凰稀さんがれーれに向けるスウィートな表情はいつものごとく魅力的ですが、ここ、れーれもとても甘酸っぱい表情で応えてくれていて、イナバウアーのような反りもしっかり。
その後、娘役の群舞に切り替わるときにいきなりれーれが男前な表情にシフトするのも見どころです^^
■城の道~バザール
ベドウィンが出てきて、古代から現代への旅を告げます。
ここ、下級生で今公演で退団の天輝トニカちゃんが歌い出し。
エキゾチックなアラビア音階の難しい節回しをきれいに歌っていて、可愛らしい眼のくりっとした少年っぽい容姿とともに、惜しいなぁと。退団者にこういう見せ場を与えるのは座付演出家の宛書き作品ならでは、ですね^^
すぐに大神官(北翔海莉)が引き取って歌い継ぎます。
ここで遺跡が扉のように開いてバザールの入口に。
このあたりとか、バザールにやってくる旅行者の一団の隊列とか、1階席だとゴチャッと重なって観ずらいのですが、
2階席からだととてもキレイに見えました。
今回の公演は、1階席一列目、SS席、9列目センターなどの前方席、18列目近辺での上、下、センター、そして2階席A席サブセンター、B席センターなど色々な場所で観ましたが、今回のショーは2階席からが断然きれいでしたね!
そして、銀橋芝居が多いのでセンターブロックの方が表情を追いやすくて良かったと思いました。
さて、バザール^^
「バザール、ゴザール!」と歌い上げるように宣言?するまさこさん(十輝いりす)。水色とラベンダーの太いボーダーのパジャマっぽい衣装で、バザールの大商人?脇に新公主役・準主役の愛ちゃん(愛月ひかる)りくくん(蒼羽りく)が控えているのが豪華^^お茶を売っています^^
白ネコれーれがちょこまか動き回っていて可愛い。
オリエント急行でも到着したのか、セレブなレトロスタイルの旅行者の一団が男女腕をくんで隊列を組んで登場。早速物売りのセールストークを浴びていたり、可愛い地元の少年と踊ったり。いちくん(鳳樹いち)の白いロングジャケットスーツはシュッとしていてカッコいい。地元の少年もんち(星吹彩翔)が踊っているのを邪魔された時のふくれっ面可愛い。
と、忙しくしていると超絶スタイルの良いバックパッカ―の青年3人。
地味なカ―キのボクシ―ショートコートで頭にサングラス。ワクワクしながらバザールできょろきょろ。
一応、ルフ(凰稀かなめ)、ジブリ―ル(鳳翔大)、イスラフェル(蓮水ゆうや)、と役名あり。
ルフくんギターを売りつけられ、早速試し弾き・・・で、突然空気が変わる大人の男登場。
黒い透かしのハット、ライトグレーのインバネスコート、紅いストールを肩にしたエトランジェ(大空祐飛)。
白ネコれーれが変身した少女カマル(野々すみ花)と眼と眼があって2人以外は時が止まります。
活人画のような止まった人々をバックにひとしきり踊る2人。
カマルの白いエスニック調のベストとロングスカートの衣装も、猫耳をカチューシャ風の三つ編みで表現したナチュラルロングのヘアスタイルも可愛い。少女設定ですが、変に子供っぽく作らないで挑戦的な眼力の強い不思議な存在に徹したすみ花嬢GOODです。祐飛さん、さすがにこういう感じはお手の物。大神官からスーツケースを手渡されミステリアスな哀愁に満ちた視線を宙に飛ばし、下手に掃けていきます。
・・・と大量に情景描写をしましたが、一瞬の出来事で・・・^^;
これだけキャッチするのに10回はかかりました^^;
(初回なんてルフしか観ていなかったし^^;)
■ルフ
ここ、場面名がルフ、なんです。ありがたき幸せ。
エトランゼメインの場面では、何気に流しのギタリスト?として、舞台に残ってピンスポもない中つまびいていたルフくん、時が再び流れ出して、活気を取り戻したバザールで、お友達二人に「あ、リュックがない!」と指摘され、「あ~!!」
「ぼくのリュック、どこにやったの?」(こらこら、ヒトのせい?^^;)で、お友達のリュックをぽかぽかたたきながら「ちゃんと探してくれたの~?」(かなり姫はいってました・・S風味^^;・・・このあたり、素ですね。)
このあたりの絡みはアドリブパートとしているようで、毎回3人のやり取りが少しずつ違っていて楽しい。
そうこうするうち、女大商人が、大型新人発掘!と、ギターを肩に背負ったルフくんに目を付け、君こそスター!と持ちあげ、大人数で囲みます。あたふたしつつも面白い展開じゃないか、お前が乗るならおれも乗るよ^^と調子の良いお友達に、ルフくんも「流れに乗らずに呑まれるよりも乗って見るのもま、いいじゃないか♪」
ちーちゃん(蓮水ゆうや)、大ちゃん(鳳翔大)と絡みながら舞台センター後方に掃けて、バザール入口柱の陰で3人お召し変え。
2階席からだと2~3人の下級生にお手伝いしてもらってジャケットを整えてもらっている様子がほの見えたりします。
前方ではバザールの人々が固まって歌い盛り上げる中、曲想が変わり・・・
じゃ―ん!
金糸の刺繍の燕尾つき赤いタイトジャケットのロックスター。
お友達もゆるい薄手のプリントシャツにタイトな黒の革ジャン・パンツでカッコよく登場の3人UNIT!
ルフ・ガールズ、と名付けられたきれいどころ14名もアラビアン美少女仕様のダンサーズでバックについて盛り上げてくれます。衣装はピンク系の方が多い中、直接には絡まないのですが、1人ビスチェ部分がブルーの一際麗しい美少女が常にルフくんの後ろに・・・。
今、宙組一押しの若手娘役、ビジュアルNO.1の声の高い、怜美うららちゃん。
まだ新公の主役などの経験もなく、歌や芝居の実力のほどは未知数ですが、透明感のある美貌とすらりとした長身で目を惹きます。
この場面、凰稀さんとの並びを試されているんだな、と察知。
かなり良いと思います!
一曲歌って銀橋に乗り、そして掃けていくのですが、いや~キラキラスターで、さっきまでのへタレたバックパッカ―とのGAPが楽しいです。お顔がイケメンなちーちゃん、175cmの超絶スタイルで小刻みに腰を振っては小さなウインクを飛ばしまくるお色気担当(?)の大ちゃんも観たいのですが、ここ、贔屓の見せ場ゆえ、なかなか目が足りない・・・・。
■砂漠の豹
一転してそそりたつ壁?の上、椅子にかけて睨みを効かせる男一人・・・。
祐飛さんですね。壁が降りてきて左右からダンサーズが。上手から組長にして宙組のダンスリーダー、すっしーこと寿つかささん。下手からは新人公演でも主役を務め、若手で台頭著しい愛ちゃんこと愛月ひかる。
次にみー(春風弥里)かちゃ(凪七瑠海)りく(蒼羽りく)いち(鳳樹いち)といった宙組ダンサーズ。
そして男役がワラワラと登場しての男くさい総踊り。
砂漠の豹と呼ばれた男、そしてその率いる男たち、という設定で動物の豹ではない、とのことですが、ダークブラウンのサテンシャツに豹柄ベスト、黒革パンツにブーツ姿で豹っぽいです^^;
皆が踊っているところに現れた凰稀さん。よそ者だな、リーダーと対峙して踊ると、なかなかやるな、よし、合格!と仲間に入れてもらって一緒に総踊り。組替えで今回から参加の凰稀さんWELCOME仕様の場面を作っていただき、ここでもありがたさに胸がいっぱいに・・・^^;
とてもカッコいいシーンですが、特に、音楽が一瞬、上昇音のようになって踊りもそれに合わせてタメを作ってからはじけるようにするところ、力強くてとても良いです。
最初から男くさくドスの効いたムードでムンムンしている宙男たちに対し、凰稀さん、祐飛さんと踊るとき、嬉しくてたまらず笑みこぼれる様が、なんだか1人爽やかで浮いているんですけど^^;
でも、仲間、となって一緒に踊り始めてからは、キメポーズで低い体勢から祐飛さんを見上げるところなど、ちゃんとワルイ顔をしてキザっていました(笑)
■砂漠の恋歌
銀橋芝居。上の写真のラクダが活躍します^^
ラクダを引く男、そしてラクダの上にはお姫さま(野々すみ花)。
キャメルマン(というのが役名)のあもたま氏(天羽珠紀)、ラクダに声をかけてなだめたり、軽妙。
すみ花嬢、ローズピンクのアラビア衣装に金髪の三編みを何本も垂らして金の装飾を散りばめた鬘がとてもお似合い。
ラクダから降りて、王子様に会うために眠りにつきましょう・・・♪と歌うと・・・
■ブルー・アラベスク
舞台が明るくなり、そこはブルーモスクのようなタイルとステンドグラスの宮殿?
センター奥のポージングしているシルエットは・・・王子様!
振り向くと赤ターバンに黒燕尾の凰稀さんなのですが・・・。華がありますね。
駆け寄るお姫様、すみ花嬢と踊ります。
すみ花嬢をリフト、微笑み掛けながらリードする姿を観ていると、意外とこの2人も合うかも・・・と。
凰稀さんの相手役には長身美女でなくては・・と想ってきたのですが、芝居心溢れる、小柄なすみ花嬢との並びも悪くないなぁと前言撤回。
というか、凰稀さんって自らの美貌と甘い微笑みで相手役をとろかしては可愛くさせてしまうというマジックを持っているのではと今回発見致しました^^
お芝居のせーこちゃん(純矢ちとせ)ショーでのすみれ乃麗ちゃん、すみ花嬢、怜美うららちゃん・・それぞれ全く異なる個性の娘役さんでしたが、それぞれに似合う!というかとても可愛く見えましたもの。
金のビスチェとチョ―カ―、センターに羽をつけたターバン、アラビアンナイトそのものの娘役陣、黒燕尾に金のスカーフで頭を包んだスタイルの男役陣が群舞。
センターを取って歌い継ぐ歌手はそれぞれ色とりどりのターバンで・・・。
凰稀さんの次はオレンジターバンのまさこさん(十輝いりす)紫のともちん(悠未ひろ)黄色のかちゃ(凪七瑠海)、そしてオペラピンクのみっちゃん(北翔海莉)。フランク・シナトラをイメージして歌いました、という北翔さんの歌はさすがに圧巻。色々なシーンでソロを歌っていますが、この場面が一番、彼女の持つ、レトロでグラマラスなスター性が良い形で花開いているように感じました。
途中、七瀬りりこ嬢、あゆみ姉さんこと宙組のコーラス・リーダー、副組長の鈴奈沙也お姉さまという2大歌姫に挟まれて、「ダバダバダバ、ダ―ダ♪」と、舞台センター後方で、歌い出しを担当されてもらえる若手、鳳樹いちくんが、細身の濃いお顔に意気込みをたぎらせて登場するのもまた乙なところ。
この中詰の曲は「ペルシャの市場にて」というイギリスの作曲家アルバート・ケテルビ―の情景音楽をべ-スにジャズ風にアレンジしたもの。
実は「ペルシャの市場にて」って、プロコフィエフの「ピーターと狼」とともに、幼稚園時代のわたくしの2大愛聴LPで^^;
実に 懐かしくも嬉しい場面でございました。
朗々とした北翔さんの歌唱とともに、銀橋いっぱい舞台の隅々まで、アラビアンナイト仕様の美女と燕尾の紳士が羽根扇を持って広がる様は、圧巻。
ここ、前方席に座っていると、この世界に包みこまれるような陶酔感が・・・・
と、浸っていると、センター奥から全身金ラメ、ターバンも金ラメのまばゆいシャ―ハンシャ―=祐飛さん登場。
舞台上手で「シャバダドゥ―ビダ―♪」と歌姫は妃宮さくら嬢。お芝居の方ではキリリとしたお市様ですが、ここでは色っぽいオダリスク。
色とりどりのアラビアンナイト美女が次々とシャ―に絡みます。美女たちが1人ずつ、わたしと踊って!とくるくる舞いながら順にデュエットしていくのですが、ちょっと離れた隙にもう次の女と・・というときに、シャ―を取られた美女はそれぞれ、あらん・・と落胆したり、んまぁ・・・と肩をすくめたりして反応。バザールの場面では可憐な白ネコちゃんだったすみれ乃麗ちゃんが、チッと小さくShit!とつぶやく様がなんとも肉食女子で・・・毎回、オペラを上げてチェックしながら楽しませていただきました^^
殿さまお戯れ・・のさなか、舞台センター奥に煌めくイブニングドレス姿の小柄な美女が・・・本命登場。
「あらあら・・・」と余裕綽々で降りてくるのはすみ花嬢。大人の色香満点の表情で、ゴージャスなデュエットダンス。
先の星組公演「めぐり合いは再び」でドラント公爵レオンくんが、従者ブルギニオン紅くんに「顔で踊れ」といみじくも言っていましたが、
幼児少女体型をものともせずに、彼はわたくしのとりこ・・と大人の女オーラを発散し続けるすみ花嬢、まさに、顔で踊っていらっしゃいました!
ブルギニオンくんは「顔で踊るのが一番難しいんですよ~」と言ってましたが・・・すみ花嬢、あっぱれですわ。
ここで、折り返しとは・・・一体どこまで長文!
一度ここで切りますね