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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宙組 「美しき生涯」東京公演 ①

2011-08-29 02:26:56 | TAKARAZUKA
思い切って書き始めることに致します!
宝塚宙組 東京公演宝塚グランドロマン「美しき生涯―石田三成 永遠(とわ)の愛と義―」

2011年7月8日(金)の初日から観劇し、8月7日(日)には前楽、千秋楽とW観劇。
TOTAL12回、という同じ演目をリピートした中では記録を打ち立ててしまったこの公演。
ちなみにBESTは8月4日(木)の夜公演。
芝居が深まり、客席の集中力も素晴らしく、盛り上げるべきところでは手拍子・拍手も的確に入り、空気が違いました^^



主人公は石田三成、ですが、生涯、ということでは実はお茶々さま(淀君)を追っているとも言えるかも。
叔父、信長の死を悼む少女時代に三成と出会い、母であるお市の方が嫁いだ柴田勝家が落城するとともに、母付の忍者である疾風と三成に導かれて、3姉妹揃って秀吉の保護下に。
その後も話し相手として訪れる三成に心惹かれるも、秀吉の命で、側室に。
世継ぎを生むが、正室おねの差し金で、幼いうちに子は毒殺される。
再び、男子を出産。

この2度の出産が実は茶々の心を知る疾風が暗躍し、三成と契りを交わした結果である、という驚きの設定が大石静がタカラヅカのために書き下ろした脚本の自由さ。
そして、主人公2人の運命に絡む忍者疾風と、正室おねの忍びである表向き侍女のさぎりは陰で暗躍。疾風がさぎりを色仕掛けで動きを封じたり、毒殺の犯人とみるや対決するも、万事休すを悟ったさぎりが自ら疾風の剣に身を投げる、など、架空の人物を配すことで物語を推し進める手法も彼女のオリジナル。

秀吉の死後、仏門に入ったおねは腹心の武将”七本槍”(福島和則、加藤清正ら武闘派の面々)を呼び寄せて、東軍に与するように命令。
茶々への対抗心ゆえの裏切りの勧めに糟屋武則以外は乗り、徳川側に着きます。
関ヶ原の戦いでは一時、三成の率いる西軍が有利となるも、味方の裏切りで戦局一転。
徳川側の勝利に終わり、三成は獄中に。

合戦前に、城を訪れた三成が、旗印として団結を固めるべく秀頼の参加を求めるも、母としての茶々のかたくなな拒否に合い、果たせなかったことが敗因と自らを責める茶々。
疾風の手引きで獄中の三成を訪ね、ひとときの逢瀬に愛を確かめ来世を誓う2人。

三成の処刑。
それから15年、六条河原で、風の頼りで 大阪城の落城と茶々・秀頼も運命をともにしたことを知る疾風。
托鉢僧の姿で2人の運命に想いを馳せる疾風を、さぎりの妹たつのが、姉のかたき討ちと切り捨てる。
三成のように生きてみたかった・・・とつぶやき果てる疾風。

場面替って天上界。
おしどりの姿の男女に囲まれ、再びあの世で出会う三成と茶々・・・。


本当に盛りだくさんなストーリーを、破綻なく織り込み、合戦場面も2回、主人公格3人の心情も丁寧に語られて、七本槍のコメディ場面も2度挿入。
路線スター7名をこの武将たちに入れ、その下の若手スター4名を対する勢力の武将役で配し・・と、流石は長年のタカラヅカファンの大石氏。
テンポよく展開することに長けてはいるが、スミレコード無視の下ネタ&おやじギャグに難色を示す向きも多い石田昌也演出が、大石静の良く練られた品のある台詞に封印されて、なかなか良くできた芝居となっていたと思います。
(その分、七本槍のコメディシーンで石田節が炸裂していましたので路線男役のファンの方は言いたいことがおありかも?^^;)




ブロードウェイ・ミュージカル「コーラスライン」

2011-08-28 11:42:34 | Musical
もうすぐ8月も終わりますね。
暑い夏でした・・・って、まだ、残暑がありそうですが^^;

前半宙組で飛ばしすぎ、中盤、「Valentino」「Phantom」、そして「A Chorus Line」と
へとへとになりながら劇場をまわっていたあの頃から比べるとちょっと落ち着きを取り戻しつつある今日この頃です。

その割に、ロクな記録も残さないまま、スル―してしまいそうな気配が・・・(いつものことですが!)

三成様の生涯、という大作(!)にかかる前に、気楽に書けそうなものを先にUPする作戦に出ることに致しました。時系列滅茶苦茶ですが、ご容赦を。



赤坂ACTシアターにて。
2011年8月17日(水)18:30~

1975年7月25日初演.

原案・振付・演出: マイケル・ベネット
音楽:マーヴィン・ハムリッシュ

普通にe-plusの先行で取ったのですが、4列目通路際サブセンという良席で驚きました。
この日はチケット完売。男性客が多い客席が新鮮(笑)

この作品は今やMusicalの古典、といった趣がありますね。
四季などで繰り替えし上演されていますし、曲も有名なので、つい観たような気になっていましたが、実は生の舞台で観るのは初見。
好きな曲が多い作品なので、歌の上手い人がソロを取るキャスティングが嬉しかったです。

30年以上昔なんだ・・・と改めて思いました。
見どころは、チャンスに賭けるショービズ界のピラミッドの底辺(いや、モブでもブロードウェイだからそれなりにアッパーなんですよね。そのあたりの微妙感もきちんと表現されていました)から、様々な背景を持つ応募者たちの心の叫びとそれを華やかな舞台で昇華させて見せる・・・という、構成の妙。

ずらりと並んだ応募者17名。
その中から8人のコーラスライン(バックダンサー兼コーラス)を選ぶ過程を観客も体験。
新進の演出家ザックが、それぞれの個性を見極める、という前提で、ひとりずつに自己紹介をさせる・・・。

何人選ぶつもりなのかしら?自己紹介?何を話そうか・・・あまりに暗い話題じゃマズイし・・などとあたふたする心の声も台詞に歌に散りばめられて実にリアル。

温かいファミリーに囲まれたイタリア移民の息子、新婚カップル、整形手術で人生好転の実力派ダンサー、下積みの苦労と家族との軋轢を語る同性愛者。
一度はスターダムに上り詰めたもののスランプに悩み、再起を賭ける演出家の元妻。
家庭の問題からの逃避場所としてバレエ教室で夢見ていた少女たち、演劇学校のメソッドを皮肉るナンバーを歌う聡明な若い女性など。
思春期の若者の気持ちなどは時代が変わっても同じなのかもしれませんが、同性愛者の生きづらさはどうでしょう。今も変わらないのかしら?
若い、とはいっても、ダンサーの旬は短い。それがわかっていて、自分の進む道を信じ、でもその後の人生の準備も視野に入れなくてはならない・・・という微妙な年代であることも滲ませて、最後の頃は、応募者全員が友達のように身近に思え、それゆえ、それぞれの実力・人間力もなんとなく伝わり、最後の8名は納得の人選・・・という辺りも上手い。

ブロードウェイのCASTがそのままツアーに参加してるらしく、それぞれ役に合ったCASTINGだと思いました。
特に印象に残ったのは、女優らしさ満点のCassie役のCarleighBettiol、黒人ではじけるパワフルなダンスが目立ったRichie役のKurt A.Douglas、演劇学校メソッドを皮肉るDiana役のAlexandraFasslerの歌唱、ザックの助手で振付師のLarry役ChristpherHowardのダンスのキレの良さ。

改めて、良くできた作品だなぁと。

舞台と近く、親密な空間、という感じがするACTシアターも、作品に合ったハコでした。









宙組「ルナ・ロッサ」東京公演 感想②

2011-08-24 22:13:32 | TAKARAZUKA
「LUNA ROSSA」の感想、続きです。

■ 月下美人

待ってました!
パンフによると
>月の夜を旅するキャラバン隊の男たちが、一夜の休息を取ろうとオアシスに荷を降ろす。
すると、男たちを誘うように、月下美人が姿を現す。
月夜にたった一晩だけ華麗な花を咲かせる月下美人―男たちは月下美人に誘われるまま踊り出す・・・。

楽しみにしていた凰稀かなめさん女役。しかも相手役は公称179cmの悠未ひろさん。
裸足に近い足元とはいえ、173cmの姫に対して少なくとも10cmはあるきれいな身長差。
あぁ、大型男役の並びを誇る宙組への異動のご褒美のようなこの場面。
そしてキャラバン隊は寿つかさ組長を始め、みー(春風弥里)、ダイ(鳳翔大)、かちゃ(凪七瑠海)、りく(蒼羽りく)という豪華メンバー。
・・・なのですが、この豪華なキャラバン隊を観られるようになったのはようやく4~5回目くらいから、だったでしょうか^^;

とにかく、まずはセンターに釘付け。
舞台中央奥にセリ上がってくると後ろ姿にピンクのピンスポット
大変スレンダーな方なので、どう女らしさを表現してくるかな?とお衣装を楽しみにしていたのですが様々なリフトの連続に対応できる、白と黄色のアラビア衣装
ハーレムパンツとトップスのお袖部分はスリットが入っていてそこに白い薄布が肩・肘・手首で止められていて、フワフワしているので、細さが目立たなく、ビスチェ部分のメリハリはしっかりと補正が入っていてリアル美女。
ヘアスタイルは、ショートの地毛のままだとオ○マのようだったので・・・(お茶会にてご本人談^^)と、用意した鬘がなんと8種類!
東京公演で2種類追加されたそうで、かなり気合が入っています^^

わたくしが観たのは初回は金髪前髪パッツンサイドレイヤーロングストレート。
12回観た中での内訳をご報告すると、この鬘はアレンジを変えて計4回観ています。
千秋楽は同じスタイルのアッシュブラウンバ―ジョンに白い髪飾りをTOPにあしらったスタイル。
他には、金髪ショートボブが2回、黒髪ボブに緑のラメ?の髪飾りをあしらったもの、を1回。
アッシュブラウン(暗めの金髪?)のストレート。細い三つ編み2本を頭の形をなぞるように絡めてあしらい、額は出して、2連のゴールドネックレス?が飾りにつけられている凝ったスタイルが1回。前髪パッツン栗色のロングウェーブにブルーのメッシュが入ったのが2回。
あら?2回足りませんね^^;
絵でも描いて記録しておけばよかった(笑)
お茶会で聞いていた一番のお気に入りは、東京で追加した赤毛に金メッシュのボブ、ということでしたが、残念ながら観るチャンスなし。毎日、祐飛さんがなるべくかぶらないようと考えつつ選んでいらっしゃるそうですので、あまりお好みではなかったのでしょうかしら?
とにかく、毎回変えて、お客様にも相手役にも楽しんで新鮮な眼で見てもらおう!という気持ちが伝わってきました。
どれもお似合いでした。ロングの髪が顔にかかったりするのもまた動きがあってキレイですし、女らしさを後押ししてくれている感じ。ショートボブも毛先に動きがあり、ボディラインがクリアに見えました。
初めの頃は男役らしさが表情にも出ていて、まわりを睥睨するような上から目線の美女でしたが、最後の方は、同じ攻めでも、上目遣いで1人ずつ視線を合わせて、キッチリと落としていこうとする蟲惑的な女らしさが出てきて、男役の片手間にやっています感が抜けてきました。
みー、かちゃが、それに応えて、酔いしれたようなとても良いリアクションをしてくれているのも確認。

リフトが多用された振付。
すっしー組長が1人でリフトするのが流石。
そして、腕を広げて水平になった状態でのリフトでは片脚を垂直に屹立させて。
つま先までキレイでした。

オリーブカーキの詰襟の軍服風衣装のキャラバン隊の中1人、ブルーの将校風の悠未さんに狙いをさだめ、皆は選ばれなかったことに傷心しつつ去り・・・

その後、2人で踊りますが、片脚を折って、もう片脚を水平に流した状態で腕を3時の位置に上げたポーズでのジャンプ、一瞬、ギエムのボレロを思い出してドキッとします。

ラスト、悠未さんに口づけるように近づいて一撃を与え、瞬間、命を落として横たわる獲物にしなやかに覆いかぶさって・・・2人でセリ下がっていきます・・・・。


■ 祈り

深いVの襟元にオレンジのスカーフ?を添わせた大きなフリルの白いブラウススーツ姿の祐飛さんをセンターに、ベージュに金糸刺繍の衣装の組子=砂塵が舞う。
先の月下美人ペア以外の全員参加。銀橋も含めて舞台をフルに使って砂たちが走り抜けます。
運動量は半端ない振りですが、どこか引きで観ていると自然の中にいるような癒し感を覚えます。
わたしもまた砂・・・風に乗ってどこにでも行ける・・・。
月下美人で緊張して集中した後だからこその、法悦。
ラスト、祐飛さんの”心からの笑顔”に浄化されます。
七瀬りりこ嬢の影ソロの響きが美しい。

■ エピローグⅠ―旅の終わりに

冒頭の神官たち=歌手ポジの上級生&りりこ嬢が、旅の終わりを告げる歌を歌います。
もうすぐ朝日が昇り眠りにつくでしょう。次に紅い月が昇るまでしばしの休息を・・・
あぁ、楽しい時間は過ぎゆくのね・・と寂しくなったところで、曲想が変わり、ロケットガールズ登場!
あたふたと驚く神官たち。りりこは小さくガッツポーズで「頑張ってね!」とロケット娘たちにエールを送るジェスチャーを^^

ここで、恒例のラインダンス。94~96期の若手。衣装は空色と黄色のシンプルなデザインで髪も空色のピッタリした帽子で覆われている、とりたてて可愛いデザインではありませんでしたが、活き活きとした若さがはじけていつ見てもタカラヅカのラインダンスはイイですね^^
まだ、洗練されていない卵ちゃんたちなので、昔はそのもっさり感が物足りなく思えたのですが、今は、これから・・・という勢いを愛でて活力を分けていただく時間となっています
この公演を通して、95期の美少女、怜美うらら嬢を気にして観ておりましたが、このロケットでも下手端で発見。かわいいですv

■ エピロ―グⅡ―神殿~Ⅲデュエットダンス

大階段での男役の総踊り。
通常は黒燕尾の場面ですが、今回はクールビズ仕様?
柱が2本、そのセンターに真っ赤なスーツに帽子、上着のボタンは開けて、白い開襟シャツの襟元がシャープに開いたスタイルの祐飛さん。
中近東メロディーに乗せたテクノ?な不思議な音楽に合わせて、ちょっとカクカクっとしたカッコいいんだか微妙なんだかわからない、でもなぜか惹かれる動きを(笑)ひとくさり。
シャっと帽子を下手に飛ばすと、それを合図に柱に隠れていた男たちがサッと姿を現して。
黒スーツのジャケットを開けて白シャツはボタンを3つ開けて襟を立てたり寝かせた状態で開いたり・・・。ポケットチーフは赤。
いや~カッコイイです。
ほとんど凰稀さんしか観ていませんが、回を重ねるごとに、だんだん周辺にいる方々も確認できるように(笑)。
斜め後ろのすっしーさん(寿つかさ)のシャープなダンスはさすが。
組長ポジで、普通に路線に交じって踊れる、というのが素晴らしいなぁと。
そして、凰稀さんを起点に上手側に視線を移すと・・・みーちゃん(春風弥里)が大変なことに!
登場時にはきれいに撫でつけていた髪が、踊るうちに乱れて額に降り、スーツも程よく乱れて色っぽい。
狙っているんでしょうね^^
みー、ちー、大、と87期同期3人セットで語られることが多い中、静止画では ん?そんなにカッコいい?と疑問に思うこともある彼女ですが、芝居心と自己演出力が優れているんでしょう。あとタカラヅカの男役ダンスが踊れる。ですので動いていると華がある人だな、と再認識。
ちらほら浮気をしながら、基本に戻ると・・・。
うーん、やっぱり、我が贔屓のスーツの着こなしは抜群だなぁと惚れ直しました(←ファン目線)
階段を降りながら、ちょっとジャケットに手をやって、視線を斜めに飛ばすだけでどうしてあんなにカッコいいのかしら・・・。
みーちゃんとは対照的に、どんなに踊っても着崩れないクールな端正さが・・・とこれまた魅力を再認識。

階段を降りたところでひとしきり踊ると、いつしか、すみ花嬢が真っ赤なドレスに身を包んで降りてきます。

デュエットダンスタイム。
ここはクールビズ群舞でMAXになったテンションをクールダウンするお時間。
まったりとうち眺めることにしているのですが、一度、すみ花嬢がドレスのすそにヒールが引っかかったのか、ステンと尻もちをついてしまわれた場面に遭遇した回が@@
そういう振りではないでしょう?というところでスッと体制が低くなって驚きましたが、すぐにご本人立て直され、祐飛さんも何事もなかったかのように対応されていて^^;
ナマの舞台ですから、色々とありますよね^^;

■ パレード

エトワールはりりこ嬢。
今回で卒業・・・あぁ、惜しい。
声質が、鐘の音のような心地よさで、開かれた音色をきれいに響かせるテクニックも抜群。声量もたっぷりなのに、押しつけがましさがないという・・・。
卒業後も、この恵まれた声を活かしていただきたいと思います。

TOPコンビは金色で、3番手の北翔さんはロイヤルブルーのスパンコール燕尾。
2番手の凰稀さんはラベンダー色の燕尾がとてもお似合いですが、更に、細くストライプの入った白地のベストを組み合わせているところが可愛いです。
学年順、番手順に降りて、銀橋に並び、また舞台に戻る・・・の流れの中で、銀橋から舞台に戻って自分のポジにつくところ、すみ花嬢と2人、祐飛さんを迎えるためにちょっと小走りに舞台奥に向かい、左右に分かれるところでお互い目を合わせてにこっと笑ってから左右に分かれるのを確認して、その愛らしさに悶絶しました^^;

宙組に異動して、受け入れてもらえているのかしら、とか、馴染めているのかしら?とか、心配しながら観ているファンとしては、たくさん見せ場をいただき、色々な宙組のスターさんたちとも絡んで作り上げる場面もあり、最後にこういう笑顔を観られると本当にホッとします。

・・・で、8月25日は集合日。
次の公演、「クラシコ・イタリア―ノ」「NICE GUY」のお稽古が始まります。
楽しみですね

宙組「ルナ・ロッサ」東京公演 感想①

2011-08-16 04:50:06 | TAKARAZUKA
タカラヅカ宙組、東京公演、「美しき生涯」「ルナ・ロッサ」
結局12回通いました。・・・どれだけ好きなの~^^;
贔屓の宙組デビューということで、もとから前楽を含む6回分は押さえていたのデスが、初日をオクで落として観てから、これは通える!と確信。
次々に買い足し、千秋楽はまさかの当日GETという幸運もあり、このようなことになってしまいました^^;



お芝居も良かったのですが、なんといってもこの観劇に向かうモチベーションとなったのはショー。
全体の構成にはまだまだ手を加える余地があったのでは、と想わないでもないですが、ひとつひとつの場面が楽しくて、捨て場面なし!というクォリティの高さ。

前半、特にバザールの場面は、同時進行で色々なことが起きている・・・というのがバザールの混沌を表している、という意図はわかるし、何度も通うとそのディテールも味わえてどんどん楽しくなって来る・・のですが、一度の観劇で判断すると、整理されていないせいで色々と見逃した感が残り、結果、求心力に欠けるショーだった、という印象を与えかねない、というところ、若手演出家 稲葉大地先生の今後の課題だろうとは思います。
プロローグも古代の門が大きすぎてその上にいる遺跡から蘇るTOP3人の図、を観ると、扉前の大神官、舞う砂塵の人々の群舞は視界に入らない(特に1階席)というところなど惜しいなぁと・・・
と、前半はアイデアは良いけどもっと詰められたのでは?と想うところもありますが、後半はたたみ掛けるような華やかな変化に富んだ場面が次々に繰り出されて、本当に楽しいです

では各場面の感想を・・・

贔屓の組替え後、初の出演作、ということで、つい目線が偏り、保護者モードとなっておりますこと、お含みおきくださいませ。。。

■砂の城~プロローグ

遺跡の上に、黒ラメの布を纏った3人の男女が。
遺跡の前には黒づくめの大神官(北翔海莉)が。左右からダンサーが現れ、風に舞う砂のように踊る。
ここ、ハッキリ言って、遺跡の上しか観ていません^^
♪東の風が運ぶ 古の夢の跡 砂の中に今蘇る
紅い月に誘われて、古代の命が蘇り、朝が来るまで不思議な旅に誘う・・・というストーリーが歌いあげられつつ、
紫の衣装の大空祐飛さん、と野々すみ花嬢のTOPコンビ、ターコイズブルーが鮮やかな新加入の2番手凰稀かなめさんがパッと纏っていた布をかなぐり捨て、遺跡の上から舞台に降りる。
祐飛さんは銀橋に向かい、挑戦的な眼をしたすみ花嬢と嬉しそうにそんな彼女を見やる凰稀さんがちょっと絡み、左右に分かれて歌い継ながら群舞に加わるのですが、ここ、遺跡の階段を下りる前にちょっとヘッドセットマイクに手をやり、さぁ、歌だ、とばかりに気合を入れた表情に変わる凰稀さんがツボ。
群舞が金ラメとベージュの衣装で、キラキラ光る砂のよう。そこに3人が加わり、大神官のマントを取って金ベージュの衣装になったみっさま(北翔海莉)とかなめ姫が対になって踊ったり、5~6組のカップルになったり、TOPコンビをセンターに娘役だけが残って囲んだり、とフォーメーションを色々と替えながら踊り継いでいく場面も観ごたえがあります。
カップルで踊るところのお相手はれーれ(すみれ乃麗)。凰稀さんがれーれに向けるスウィートな表情はいつものごとく魅力的ですが、ここ、れーれもとても甘酸っぱい表情で応えてくれていて、イナバウアーのような反りもしっかり。
その後、娘役の群舞に切り替わるときにいきなりれーれが男前な表情にシフトするのも見どころです^^


■城の道~バザール

ベドウィンが出てきて、古代から現代への旅を告げます。
ここ、下級生で今公演で退団の天輝トニカちゃんが歌い出し。
エキゾチックなアラビア音階の難しい節回しをきれいに歌っていて、可愛らしい眼のくりっとした少年っぽい容姿とともに、惜しいなぁと。退団者にこういう見せ場を与えるのは座付演出家の宛書き作品ならでは、ですね^^
すぐに大神官(北翔海莉)が引き取って歌い継ぎます。
ここで遺跡が扉のように開いてバザールの入口に。
このあたりとか、バザールにやってくる旅行者の一団の隊列とか、1階席だとゴチャッと重なって観ずらいのですが、
2階席からだととてもキレイに見えました。
今回の公演は、1階席一列目、SS席、9列目センターなどの前方席、18列目近辺での上、下、センター、そして2階席A席サブセンター、B席センターなど色々な場所で観ましたが、今回のショーは2階席からが断然きれいでしたね!
そして、銀橋芝居が多いのでセンターブロックの方が表情を追いやすくて良かったと思いました。

さて、バザール^^
「バザール、ゴザール!」と歌い上げるように宣言?するまさこさん(十輝いりす)。水色とラベンダーの太いボーダーのパジャマっぽい衣装で、バザールの大商人?脇に新公主役・準主役の愛ちゃん(愛月ひかる)りくくん(蒼羽りく)が控えているのが豪華^^お茶を売っています^^
白ネコれーれがちょこまか動き回っていて可愛い。
オリエント急行でも到着したのか、セレブなレトロスタイルの旅行者の一団が男女腕をくんで隊列を組んで登場。早速物売りのセールストークを浴びていたり、可愛い地元の少年と踊ったり。いちくん(鳳樹いち)の白いロングジャケットスーツはシュッとしていてカッコいい。地元の少年もんち(星吹彩翔)が踊っているのを邪魔された時のふくれっ面可愛い。
と、忙しくしていると超絶スタイルの良いバックパッカ―の青年3人。
地味なカ―キのボクシ―ショートコートで頭にサングラス。ワクワクしながらバザールできょろきょろ。
一応、ルフ(凰稀かなめ)、ジブリ―ル(鳳翔大)、イスラフェル(蓮水ゆうや)、と役名あり。
ルフくんギターを売りつけられ、早速試し弾き・・・で、突然空気が変わる大人の男登場。
黒い透かしのハット、ライトグレーのインバネスコート、紅いストールを肩にしたエトランジェ(大空祐飛)。
白ネコれーれが変身した少女カマル(野々すみ花)と眼と眼があって2人以外は時が止まります。
活人画のような止まった人々をバックにひとしきり踊る2人。
カマルの白いエスニック調のベストとロングスカートの衣装も、猫耳をカチューシャ風の三つ編みで表現したナチュラルロングのヘアスタイルも可愛い。少女設定ですが、変に子供っぽく作らないで挑戦的な眼力の強い不思議な存在に徹したすみ花嬢GOODです。祐飛さん、さすがにこういう感じはお手の物。大神官からスーツケースを手渡されミステリアスな哀愁に満ちた視線を宙に飛ばし、下手に掃けていきます。
・・・と大量に情景描写をしましたが、一瞬の出来事で・・・^^;
これだけキャッチするのに10回はかかりました^^;
(初回なんてルフしか観ていなかったし^^;)

■ルフ

ここ、場面名がルフ、なんです。ありがたき幸せ。
エトランゼメインの場面では、何気に流しのギタリスト?として、舞台に残ってピンスポもない中つまびいていたルフくん、時が再び流れ出して、活気を取り戻したバザールで、お友達二人に「あ、リュックがない!」と指摘され、「あ~!!」
「ぼくのリュック、どこにやったの?」(こらこら、ヒトのせい?^^;)で、お友達のリュックをぽかぽかたたきながら「ちゃんと探してくれたの~?」(かなり姫はいってました・・S風味^^;・・・このあたり、素ですね。)
このあたりの絡みはアドリブパートとしているようで、毎回3人のやり取りが少しずつ違っていて楽しい。

そうこうするうち、女大商人が、大型新人発掘!と、ギターを肩に背負ったルフくんに目を付け、君こそスター!と持ちあげ、大人数で囲みます。あたふたしつつも面白い展開じゃないか、お前が乗るならおれも乗るよ^^と調子の良いお友達に、ルフくんも「流れに乗らずに呑まれるよりも乗って見るのもま、いいじゃないか♪」
ちーちゃん(蓮水ゆうや)、大ちゃん(鳳翔大)と絡みながら舞台センター後方に掃けて、バザール入口柱の陰で3人お召し変え。
2階席からだと2~3人の下級生にお手伝いしてもらってジャケットを整えてもらっている様子がほの見えたりします。
前方ではバザールの人々が固まって歌い盛り上げる中、曲想が変わり・・・

じゃ―ん!
金糸の刺繍の燕尾つき赤いタイトジャケットのロックスター。
お友達もゆるい薄手のプリントシャツにタイトな黒の革ジャン・パンツでカッコよく登場の3人UNIT!
ルフ・ガールズ、と名付けられたきれいどころ14名もアラビアン美少女仕様のダンサーズでバックについて盛り上げてくれます。衣装はピンク系の方が多い中、直接には絡まないのですが、1人ビスチェ部分がブルーの一際麗しい美少女が常にルフくんの後ろに・・・。
今、宙組一押しの若手娘役、ビジュアルNO.1の声の高い、怜美うららちゃん。
まだ新公の主役などの経験もなく、歌や芝居の実力のほどは未知数ですが、透明感のある美貌とすらりとした長身で目を惹きます。
この場面、凰稀さんとの並びを試されているんだな、と察知。
かなり良いと思います!
一曲歌って銀橋に乗り、そして掃けていくのですが、いや~キラキラスターで、さっきまでのへタレたバックパッカ―とのGAPが楽しいです。お顔がイケメンなちーちゃん、175cmの超絶スタイルで小刻みに腰を振っては小さなウインクを飛ばしまくるお色気担当(?)の大ちゃんも観たいのですが、ここ、贔屓の見せ場ゆえ、なかなか目が足りない・・・・。

■砂漠の豹

一転してそそりたつ壁?の上、椅子にかけて睨みを効かせる男一人・・・。
祐飛さんですね。壁が降りてきて左右からダンサーズが。上手から組長にして宙組のダンスリーダー、すっしーこと寿つかささん。下手からは新人公演でも主役を務め、若手で台頭著しい愛ちゃんこと愛月ひかる。
次にみー(春風弥里)かちゃ(凪七瑠海)りく(蒼羽りく)いち(鳳樹いち)といった宙組ダンサーズ。
そして男役がワラワラと登場しての男くさい総踊り。
砂漠の豹と呼ばれた男、そしてその率いる男たち、という設定で動物の豹ではない、とのことですが、ダークブラウンのサテンシャツに豹柄ベスト、黒革パンツにブーツ姿で豹っぽいです^^;
皆が踊っているところに現れた凰稀さん。よそ者だな、リーダーと対峙して踊ると、なかなかやるな、よし、合格!と仲間に入れてもらって一緒に総踊り。組替えで今回から参加の凰稀さんWELCOME仕様の場面を作っていただき、ここでもありがたさに胸がいっぱいに・・・^^;
とてもカッコいいシーンですが、特に、音楽が一瞬、上昇音のようになって踊りもそれに合わせてタメを作ってからはじけるようにするところ、力強くてとても良いです。
最初から男くさくドスの効いたムードでムンムンしている宙男たちに対し、凰稀さん、祐飛さんと踊るとき、嬉しくてたまらず笑みこぼれる様が、なんだか1人爽やかで浮いているんですけど^^;
でも、仲間、となって一緒に踊り始めてからは、キメポーズで低い体勢から祐飛さんを見上げるところなど、ちゃんとワルイ顔をしてキザっていました(笑)

■砂漠の恋歌

銀橋芝居。上の写真のラクダが活躍します^^
ラクダを引く男、そしてラクダの上にはお姫さま(野々すみ花)。
キャメルマン(というのが役名)のあもたま氏(天羽珠紀)、ラクダに声をかけてなだめたり、軽妙。
すみ花嬢、ローズピンクのアラビア衣装に金髪の三編みを何本も垂らして金の装飾を散りばめた鬘がとてもお似合い。
ラクダから降りて、王子様に会うために眠りにつきましょう・・・♪と歌うと・・・

■ブルー・アラベスク

舞台が明るくなり、そこはブルーモスクのようなタイルとステンドグラスの宮殿?
センター奥のポージングしているシルエットは・・・王子様!
振り向くと赤ターバンに黒燕尾の凰稀さんなのですが・・・。華がありますね。
駆け寄るお姫様、すみ花嬢と踊ります。
すみ花嬢をリフト、微笑み掛けながらリードする姿を観ていると、意外とこの2人も合うかも・・・と。
凰稀さんの相手役には長身美女でなくては・・と想ってきたのですが、芝居心溢れる、小柄なすみ花嬢との並びも悪くないなぁと前言撤回。
というか、凰稀さんって自らの美貌と甘い微笑みで相手役をとろかしては可愛くさせてしまうというマジックを持っているのではと今回発見致しました^^
お芝居のせーこちゃん(純矢ちとせ)ショーでのすみれ乃麗ちゃん、すみ花嬢、怜美うららちゃん・・それぞれ全く異なる個性の娘役さんでしたが、それぞれに似合う!というかとても可愛く見えましたもの。

金のビスチェとチョ―カ―、センターに羽をつけたターバン、アラビアンナイトそのものの娘役陣、黒燕尾に金のスカーフで頭を包んだスタイルの男役陣が群舞。
センターを取って歌い継ぐ歌手はそれぞれ色とりどりのターバンで・・・。
凰稀さんの次はオレンジターバンのまさこさん(十輝いりす)紫のともちん(悠未ひろ)黄色のかちゃ(凪七瑠海)、そしてオペラピンクのみっちゃん(北翔海莉)。フランク・シナトラをイメージして歌いました、という北翔さんの歌はさすがに圧巻。色々なシーンでソロを歌っていますが、この場面が一番、彼女の持つ、レトロでグラマラスなスター性が良い形で花開いているように感じました。
途中、七瀬りりこ嬢、あゆみ姉さんこと宙組のコーラス・リーダー、副組長の鈴奈沙也お姉さまという2大歌姫に挟まれて、「ダバダバダバ、ダ―ダ♪」と、舞台センター後方で、歌い出しを担当されてもらえる若手、鳳樹いちくんが、細身の濃いお顔に意気込みをたぎらせて登場するのもまた乙なところ。
この中詰の曲は「ペルシャの市場にて」というイギリスの作曲家アルバート・ケテルビ―の情景音楽をべ-スにジャズ風にアレンジしたもの。
実は「ペルシャの市場にて」って、プロコフィエフの「ピーターと狼」とともに、幼稚園時代のわたくしの2大愛聴LPで^^;
実に 懐かしくも嬉しい場面でございました。
朗々とした北翔さんの歌唱とともに、銀橋いっぱい舞台の隅々まで、アラビアンナイト仕様の美女と燕尾の紳士が羽根扇を持って広がる様は、圧巻。
ここ、前方席に座っていると、この世界に包みこまれるような陶酔感が・・・・

と、浸っていると、センター奥から全身金ラメ、ターバンも金ラメのまばゆいシャ―ハンシャ―=祐飛さん登場。
舞台上手で「シャバダドゥ―ビダ―♪」と歌姫は妃宮さくら嬢。お芝居の方ではキリリとしたお市様ですが、ここでは色っぽいオダリスク。
色とりどりのアラビアンナイト美女が次々とシャ―に絡みます。美女たちが1人ずつ、わたしと踊って!とくるくる舞いながら順にデュエットしていくのですが、ちょっと離れた隙にもう次の女と・・というときに、シャ―を取られた美女はそれぞれ、あらん・・と落胆したり、んまぁ・・・と肩をすくめたりして反応。バザールの場面では可憐な白ネコちゃんだったすみれ乃麗ちゃんが、チッと小さくShit!とつぶやく様がなんとも肉食女子で・・・毎回、オペラを上げてチェックしながら楽しませていただきました^^
殿さまお戯れ・・のさなか、舞台センター奥に煌めくイブニングドレス姿の小柄な美女が・・・本命登場。
「あらあら・・・」と余裕綽々で降りてくるのはすみ花嬢。大人の色香満点の表情で、ゴージャスなデュエットダンス。
先の星組公演「めぐり合いは再び」でドラント公爵レオンくんが、従者ブルギニオン紅くんに「顔で踊れ」といみじくも言っていましたが、幼児少女体型をものともせずに、彼はわたくしのとりこ・・と大人の女オーラを発散し続けるすみ花嬢、まさに、顔で踊っていらっしゃいました!
ブルギニオンくんは「顔で踊るのが一番難しいんですよ~」と言ってましたが・・・すみ花嬢、あっぱれですわ。

ここで、折り返しとは・・・一体どこまで長文!
一度ここで切りますね


宝塚宙組東京公演・前楽・千秋楽

2011-08-08 07:10:17 | TAKARAZUKA
8月7日(日)
11:00公演(前楽)と15:30公演(千秋楽)を観て参りました。

本当に楽しい公演で・・・。
感想もまだUP出来ていない状態で、中途半端なことこの上なし、ですが、取りあえずの記録として、お芝居の千秋楽と前楽のスペシャル仕様についてメモ書きを

◆前楽スペシャル

7本槍とおねさま(美穂圭子)のおにぎり場面で、こんなところに飯粒が、とみっさま(北翔海莉)のお顔から米粒を取られるところで頭かどこかについていたことにしたんでしょうか、笑い声がおきました。(その瞬間たぶん大ちゃんを見ていて・・・みっさまスミマセン)

◆千秋楽スペシャル

盛りだくさんですよ^^

おにぎりシーン、いつもはぽろぽろこぼすでない!としかられるともちん(悠未ひろ)、人の分まで取るでない!
え?あら、大ちゃん(鳳翔大)の分まで3つ持ち(笑)でした!
ともちんったら~^^

大阪城ロック、前楽も楽も盛大な手拍子で盛り上がりましたv
最初からそうすればよかったのに~
まぁ、だんだん盛り上がってきた、ということで^^
ここで、清正妻じんちゃん(風莉じん)が大きなお身体のわりに、と嘆くところ、おお~~~~~きな、と長~く伸ばして強調してましたv

あと疾風が三成を諭すところ、7本槍を味方に・・のくだりで下手で2回くしゃみをするともちんとみっちゃん、楽では2回目はくしゃみをせず、顔を見合わせてデへデへ・・・^^;

れーれ(すみれ乃麗)が2度目、わこさまご誕生~と銀橋を駆ける後を追って感想を述べ合う4人の場面、側室100名がいて今までお子がなかったのに、というところ、100人・・・と揃ってつぶやいてそれぞれが妄想にふける間があり・・・笑いを取っておりました^^

あと、わたくし的に千秋楽スペシャルだったのは、疾風のこときれるシーンで、今までで一番お膝が見えていたこと!
サービスだったのかしら・・・(違)
立て膝にしているほうのお膝は細い太腿まで少し見えていたような・・・←(そこ?!)

それにしても、この作品、お茶々様の真っすぐな恋心とあっぱれな潔さ、三成の葛藤、疾風の能力も容姿も全てを持っているのにそれを活かした実人生を生きることのできない影の存在であることの辛さ、さぎりの切なさ、おね様の人生、福島正則の逡巡、と実によく書きこまれた脚本で、もちろんそれを演じる役者の力量も、ですが大石先生さすが、と思ったことでした。

ルナロッサ、は特に仕様変更はなし。

御挨拶、組長のすっしーさん(寿つかさ)から、まず、義捐金について。
花組から始まって宙組東京公演でひとまず区切りを。劇場で寄せられた9000万なにがしに、公演利益、劇団内部からの義捐金を合わせて総額にすると約1億3000万。詳細は年末に劇団公式HPでもUPします、とのこと。
あの花組生がロビーで粛々と集めていた義捐金の行方が明らかになってスッキリ^^
そして、退団者3名のプロフィールを丁寧にご紹介。

退団者3名は七瀬りりこ、天輝トニカ、妃宮さくら。
ショーでは、それぞれの場面の衣装に合った色のお花を胸につけていらしたので、あぁ、退団してしまうんだなぁ、見おさめなのね・・・と、都度思いつつ。
皆さん、歌手枠の方たちだからか、とにかく通るお声でしっかりとした御挨拶に感心。

劇場全体を満たす声の響きの美しさに、恵まれた声質そのものを味わう楽しみと、ちょっぴりフト目ながらもチャーミングな舞台姿を毎公演魅せてくれたりりこ嬢、
キュートなお顔立ちで、でも、ショーのプロローグでひとくさり、美声を披露する場面を与えられていた才能あるトニカちゃん、
凛としたお市の方、そしてショーでも祐飛さんとすみ花嬢の大人の色香漂う場面でカッコよく濃い歌声を披露してくれたさくらちゃん。彼女は、VALNTINOの青年館に出演のため、異例の退団日変更がありましたが、美人で鉄火で素敵な娘役さん。

この公演で初めて宙担となったわたくしがこんなに惜しく思うのですから、もとからの宙組ファンの方の喪失感はいかばかりかと・・・;;

TOPさんの御挨拶、大空祐飛さんはスピーチ上手で定評があるだけあって、開口一番、
「本公演で目標としていた電力15%節減、体力120%使用を達成できました!」で笑いと拍手を取っていました。
震災後、ではありますが、毎公演、お客様の笑顔を客席に観て、エンターテインメントの役割ということを実感したとか。

そして1週間後の「VALENTINO」青年館公演、そしてこの後、東京宝塚劇場公演である、花組の蘭寿とむさんお披露目主演公演である「ファントム」のPRも^^

3回の(後半2回はスタンディング!)カーテンコールそれぞれで、退団者の方の一言を祐飛さんが促したところ、りりこ嬢が「最高のお誕生日になりました」と。
それを受けて、お二人も「お誕生日おめでとう!」
「え、それだけでいいの?」と祐飛さんから突っ込まれていましたが^^;

次の幕が開いたときには組子全員が「りりこ、お誕生日おめでとう!」
「こんな宙組ですが宜しくお願い致します」と祐飛さん^^

素敵な千秋楽でした