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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宝塚花組公演「Mr.Swing!」

2013-12-09 04:15:45 | TAKARAZUKA
この公演、役変わりで、蘭寿さんとの濃厚なダンスシーンで相手役を3人の男役スターが務める・・・という集客企画が仕込まれており・・・。
・・それにまんまとハマって、芹香斗亜、柚香光、瀬戸かずや、と3人3様の”女性”を観るため、贔屓組でもないのに^^;計4回も観てしまった作品です。

男役にやたらとターバンを巻きたがるクセがきになりますが(笑)、基本的に稲葉先生のショーは好みみたいで、今回も大いに楽しみました

ショー・オルケスタ
『Mr. Swing!』
作・演出/稲葉 太地

[解 説]
 Mr. Swing! ――それは最高にクールで最高に情熱的、躍動感に溢れリズムを生み出し舞台を燃え上がらせる人。今ノリに乗っている蘭寿とむを中心に、花組の個性が弾け絡み合う熱狂的なオルケスタ(オーケストラ)!



もう、どの場面を切り取ってもワクワクする、The Revue!
幕開きからSwing! なスタイリッシュな総踊り。
エキゾチックで神秘的な場面、コメディ要素のある楽しい場面、 総踊りでゴージャスな中詰め、大人っぽいロケット、大階段を埋め尽くす、娘役の羽扇がゆらめく美しさ、そこから続く男役の正統派・端正な黒燕尾、安定のデュエットダンス、そして華やかなパレード・・・。
これぞ宝塚のショー!という基本要素を外さずに、新味のある場面をも織り込んで・・・。
しかも、退団者であるスター春風弥里さんに対する、配慮のある洒落た場面までしっかりと作り込まれていて・・・。
いや~、これを観たら、贔屓の退団作品は稲葉先生のショーがいいなぁと皆さん思われるのではないかしら?
そのエキゾチックな作風から、よく、荻田先生の後継者、とか荻田作品の大衆版(?)などと評される稲葉先生の作品ですが、生徒をしっかりと見て、宛書きをしたり、退団者への配慮があったり・・・というところも荻田センセイ譲りな感じがなんとも好感が持てます。
贔屓の凰稀さんが星から宙組に異動した第一作が稲葉先生の「ルナロッサ」で、あれも好きだったなぁ・・・と思わず振り返ってしまいました^^

オリジナリティを感じた場面をいくつか・・・。

■男女の双子に翻弄されるアラビアの王子

明日海りおさんがターバン(笑)にアラビア衣装で銀橋を渡り、本舞台に降り立つと、背後からシンプルな生成のシャツとパンツの双子が・・・。ストレートロングの蘭乃さんと、若手一押しの美形男役柚香光くんがシンメトリ―に絡みながらのご登場。
柚香さんは下級生(花の95期)なのですが、TOP娘役と一緒に2番手男役を誘惑する・・・という大役をケレン味たっぷりに余裕を持って演じているのが凄いですね。
彼女はスキルがないうちに露出しすぎて叩かれて萎縮してしまう・・・というようなことのないように、という配慮からか、美しさを客席にアピールできる通し役やアクセントになるダンサーとして使われることが多く、段階を追いつつもしっかりとファンの期待にこたえるだけの活躍の場を与えられていますが、御本人も臆せずにどんどん自分を前面に出していこうとする意志が感じられ、頼もしい限りです。
双子が交互に王子を誘惑・・・するのですが、蘭ハナちゃんにはとろけるような笑顔を見せる明日海さん、それがいつのまにか柚香くんに変っていると気づくや否やすごい拒否反応(笑)
それにしても、 明日海さんX柚香くんってなんとも麗しい並び。
蘭寿さんは勿論素敵なTOPスターさんですが、退団されて明日海さん体制になったとしても、歌に望海さん、ダンサー部門に柚香くん・・・って^^悪くないじゃないかしら?などとしばし妄想・・・花組の明日は明るいですよね^^

もちろん、フルで大人系・若者系男役スターズ目白押しの本作品が悪かろうはずはなく・・・。
この公演で退団の春風弥里さんも、彼女を送りだすための銀橋での場面ももちろん感動的なのですが、群舞でも一際目立つ気持の入ったパフォーマンスで。
あの、「躍動する前髪」を堪能させていただきました^^

■「フラワーズvsフェアリーズ」蘭寿さんの野球の場面。

男役チームをお色気作戦で籠落する娘役チーム。
バント、盗塁、牽制、ホームラン、全てをダンスで表現しつつストーリ―仕立てになっていて楽しい!
蘭寿さんのおおらかさが活きる場面。

■男役役変わり、蘭寿さんとのデュエットダンス

ここの観どころその1、は踊る2人。その2、は歌うだいもん(望海風斗)の表情と歌。

望海さんの迫力あるアダルトな歌声に乗せて、妖しく攻めぎあう男と女・・・というダンス。
ロングドレスの女を演じる男役スターの味わいが3者3様。
濃いピンクのドレスにショートの金髪の芹香斗亜ちゃんは初々しく、割合淡泊な表現ゆえ、ここではだいもんのスバラしく豊かな表情に注目!
緑のドレスに、栗毛のロングヘア―の柚香光ちゃんは、蘭寿さんをとらえる視線も鋭く、ビシバシ攻めてくる感じ。
小気味良い小悪魔的美女。
そして・・・意外にも、一番色っぽくて、観ごたえがあったのが、あきらくん(瀬戸かずや)
172cmの長身で肩幅広く手足長く、所謂オトコっぽい男役さん、なのですが、ダンサーで表現力のある人なので、その長い腕の差し伸べ方一つ、反らせる背中のタイミング一つに溢れる色香と絶妙な相手を感じて駆け引き出来る感性がなんともスリリング。お衣装が紫、というのもアダルトな魅力を引き立てて・・・。
蘭寿さんもノリのりな感じで、3組観て初めて、のぞみさんの顔芸に眼を奪われることなく(笑)ダンスの2人に集中してしまいました^^;

ところで、今回、男役瀬戸かずやの魅力がわかりました。
と言うと、もとからファンの方には何を今更!と言われてしまいそうですが・・・。
花男ならではの濃い男役。男くさくて、華もあり、アグレッシブで。そして、ダンサー。よっちセンセイ(月央和沙)がダンサーという認識はあったのですが、あきらくんも、見事な女役の造型に感心して、改めて男役ダンスを観るとオヤッと思うほど魅力的で。
・・・まぁ要は、釣られたのですけれどもね^^;(←はけ際にウインク頂いた人)

■大階段の羽扇の淑女たち。

大きな、カーブを描いた羽扇の淑女たちが、その羽扇を階段一面に波打たせつつ、その中から蘭寿さんが登場!という演出が、照明の効果もあって、とても幻想的で美しい。

そこから黒燕尾、という流れがもう・・・!

4回で、もう十分、堪能した!と思える、充実のお芝居&ショーでした