maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

葡萄帯でワイン・ランチ②

2006-11-25 23:32:14 | きもの
ランチの後は、お2人と、お着物師匠でもある横森美奈子さんがアドバイザーを務めていらっしゃる、池袋西武のSmartPinkのイベントへ・・・。



左から、早速この日のコーディネートにぴったりのマフラーを購入、ちょっと猫ちゃんのような風情のmiwaさん、赤と焦げ茶の色合わせがお洒落な横森さん、ほっそり女らしいしずかさん、わたくし。

横森さんには襟元を、わたくしは胸元に沿わせるように最後を広げ切っていたのですが、そこは少し折った状態を保ったほうが立体的で襟元がきれいに見えること、上前を腰紐でとめるときに留め位置の端を少し斜め上に引き上げて足元に向けて斜めに線が走るくらいにすると粋である、といったちょっとした着付けのコツをご伝授くださいました。
お洋服はファッションプロとして新聞TVなどで様々な視点からアドバイスをされてているYOKOMORIさん、お着物も独自のセンスで着付けは正当派の魅力的な着こなしを見せてくださり、いつも参考にさせていただいております



今日の着物は、しずかさんがこういうお洋服で行きます、とご自分のブログでお知らせくださったのにヒントを得て、黒白の唐花ボーダーの小紋、葵の文様の総絞りの赤紫の帯。帯締めは黒に銀ラメの紐にベージュピンクのラメにピンクラインストーンの葉っぱモチーフのヴィンテージブローチを帯止めに。
帯揚げは葡萄酒色。半衿とDESMOのトートバッグは江戸紫。羽織かコートを着ても良い季節ではあったのですが、レストランとデパートが行き先のお昼の外出でしたので、すみれ色のストールで防寒は軽めに。

後ろ姿です。え?葡萄帯をDebutさせてあげなくては・・・という、親心(?)はどうなったのか、ですって?
実は、先日打ち眺めて、何とか着用機会を作らなくては、とため息をついたのは覚えているのですが、どこにしまいこんだのか、行方がしれなくなっており・・・えぇ、わたくしの引き出しのどこかにあることは確かなのですが・・・・

ユキさんshowさん、miwaさんとゆっくりお茶とおしゃべりとで楽しいお時間を過ごして参りました。皆様、お付き合いいただきましてありがとうございます




葡萄帯でワイン・ランチ

2006-11-25 23:19:06 | きもの
25日の土曜日は、miwaさん、しずかさんと3人で、広尾のイタリアンでランチ
ドレス・コードは葡萄酒な装い



実は、昨年購入したものの未着用のmiwaさんの葡萄の帯と、10月歌舞伎で着用したのとはまた別のわたくしの葡萄帯に、Debutの場を!という、またしても安易な企画「葡萄帯でワイン会」(^^;)

miwaちゃん、毎度、ご賛同いただき、ありがとうございます
そしてしずかさんはお洒落なバルーンスカートに、靴・バッグ・フリルブラウスを葡萄色で揃えた装いでご参加くださり、すっかり葡萄色に染まったわたくしたちのテーブルでした・・・。



とはいえ、今日のワインはバーガンディ色の赤葡萄酒ではなく、ランチなのと、軽いワインの気分でしたので、微発泡性のフリッザンテ。
3種の前菜と3種のパスタはいずれも美味。特に栗のリゾットは絶品でした

ワインにお店のせいではないちょっとしたアクシデントがあったのですが、最後に小さなデザートと、薫り高いデザートワインがサービスで・・・。
広尾駅から西麻布方向に10分ほどの場所にあるこのイタリアンレストラン、Goutte d’or Achiano,
酒屋さんの経営だけあって、ワインリストは目移りするほど。
実はグラッパも豊富で夜にはお奨めだったりします



「ドナウの娘」②

2006-11-19 02:12:50 | BALLET
恋人役ルドルフは、後藤晴雄。
ブルノンヴィルスタイルの足技に凝った振りも伸びやかに踊り、恋人としての情感溢れる部分もそつなくきれいにこなしていました。

彼女は実は自分の恋人なのです、と打ち明けたことで反逆罪を男爵に問われ、切羽詰った恋人は投身自殺。。。錯乱状態に陥るルドルフ。男爵の制止を振り切り、フルール・デ・シャンの後を追うようにドナウ川に身を投げます。

今回、東京バレエ団はかなり若返り(?)を図り、新しい世代のソリストに重要な役を任せています。

わたくしが嬉しく思ったキャスティングは男爵役の中島周。

長身でこそありませんが、手の表情や足先の裁き方がきれいなエレガントな踊りが目を惹き、容貌にも甘さのあるチャーミングなダンサーです。今回は、フルール・デ・シャンが身を投げるとすぐに舞台の端から身を投げたバルコニーまで目にもとまらぬ素早さで駆け寄り、家臣に制されて戻るもその心に受けた衝撃を真摯に感じさせ、説得力のある演技でした。
この役、1stキャストでは大嶋正樹が踊っているのですが、彼も鍛えぬいた肉体と彫りの深い端正な風貌で、(彼もまた身長がないのが惜しまれますが)群舞の中でもひときわ目を惹くダンサーで、どう演じたか興味あるところです。(伝え聞くところによると粘着質な個性的な演技でとても良かったらしい・・・)


と、一幕は、まずフルール・デ・シャンの住む村での恋人2人の語らいのシーン。
続いて男爵の花嫁探しの舞踏会のシーン。これは丁度「ジゼル」の第一幕と「白鳥の湖」の1~2幕をMIXしたような印象。
続いての第2幕は川底に落ちたルドルフが水の精になったフルール・デ・シャンと再会するも、ドナウの女王に制され、白いヴェールを纏った多くの水の精たちの中から彼女を見分けられるか、という課題を出されます。
ふうわりと揺れるロマンティックチュチュの群舞とそれを仕切る女王、さしずめリラの精のように優しいミルタ、といったところでしょうか。
優しい役ながら、物語の方向付けをする役どころなので、群舞のダンサーとは一線を画する、並外れて美しい、とか包容力が感じられる、といったそのダンサーならではのオーラを要求される役なので、今回の田中結子さんは今後に期待、といったところでしょうか(^^;)
この役ばかりは、1stキャストのベテランにして強力な美女、井脇幸江さんで見たかったなと

水の精の動きは流れるようで、空気の精のシルフィードを彷彿とさせます。斯様にこのバレエ、一応新作と銘打ってはいますが、「ジゼル」+「白鳥の湖」→「ジゼル」+「ラ・シルフィード」といった感じで、どこかで見たあの・・・という印象が付きまといます。
まぁ、実は「ドナウの娘」に影響された後世の作品の方が有名になっている、というのが事実ゆえ、こちらの方がオリジナルだそうなのですが。
もちろんルドルフは彼女を正しく見つけ出し、愛の強さを確認した女王の祝福を得て頭上高く水面を目指して上っていく2人・・・というラスト。

恋の障害、敵役の強さなどにおいて、後世の他の作品に比べて全体的にソフトな感じ。
盛り上がりに欠ける・・・という見方もできますが、ロシアの名門メーカー、グリシュコに特注してラコットさん自らチェックを繰り返した衣装も美しく、全体に現代の作品には観られない幻想的でロマンティックな雰囲気を楽しむ演目なのでしょう。
舞踊史的には瞠目すべき偉業なのでしょうが、また再演を見たいかと問われればちょっと微妙なところです。




La Fille du Danube

2006-11-18 23:04:58 | BALLET
17日の金曜日、東京バレエ団の新作「ドナウの娘」を観に、東京文化会館へ。

正確には、純粋な新作、というよりも、19世紀のバレエ研究家であり、振付家でもある、ピエール・ラコット氏の長年の研究の賜物としてのリバイバル上演。
ラコットさんと言えば、空気の精「ラ・シルフィード」をオペラ座で復活させ、エキゾチックな「ファラオの娘」をボリショイ劇場のレパートリーに加えた、19世紀バレエを現代に蘇らせるスペシャリスト。

この「ドナウの娘」は年代的には、その「シルフィード」と、同じくロマンチックバレエの代表格とされる「ジゼル」のちょうど中間に位置する作品。1836年の初演以来、世紀の舞姫、ロマンチックチュチュとポアントでこの世のものならぬ妖精のような舞台姿で一世を風靡したマリ・タリオーニの後継者がなかったために途絶えていたのだそう・・・。


この作品を、衣装、振付など、心血注いで再現したラコット氏の労作を具現化する場とダンサーを兼ね備えた、とされる東京バレエ団が、3日に渡って上演。

わたくしが観たのは、2日目の2ndキャストの日。
1stキャストの主役、斉藤友佳理さんの芸風があくまで情感たっぷりでむしろ濃厚であるのに対し、今回2ndの主役フル-ル・デ・シャン役、吉岡美佳さんは妖精のような儚げな透明感が身上。繊細な砂糖菓子のような美少女(実はベテランさんなのですが・・・)振りが役にぴったりで・・・。
恋人がいるのに、男爵の花嫁探しの舞踏会に養母の希望で出席せざるを得ない。
美しい白い舞踏会ドレスに不似合いな灰色のショールを被り、男爵の前では足を引きずり気のふれた振りまでして自らの美しさを隠そうとするのですが、花嫁に選ばれてしまい、絶望してドナウ川に身を投げる娘。隠そうとしても隠せない、貴族や村娘がこぞって着飾り男爵の気を引こうとする中、際立つ美しさで目にとまってしまう、という設定がすんなり呑み込める華あるプリマです




ローラン・プティの世界

2006-11-12 23:04:49 | BALLET
急に木枯らしが吹いてぐっと冷えこんでまいりました。
風邪をひいたわたくし、今日はすべての予定をCancelして家にこもります。

シアターTVで、振付家ローラン・プティの代表作を午後一杯放映していたので、以前から見てみたかった、プティのミューズ、ジジ・ジャンメールのレビューを見たところすっかり嵌って、「ブルーエンジェル」「プティ版:眠れる森の美女」「アルルの女」と続けて観てしまいました。



「ジジ・ジャンメール・アット・ゼニット」

このとき(1995年)すでに70歳を超えていたといわれるジジは、伝説の美脚を見せ付ける黒のミニワンピに黒ストッキング。プティ配下のマルセイユ国立バレエ団の10人のイケメンダンサーを従えて、歌に踊りでパリの観客を魅了します。
それにしても、自分の魅力を熟知していること!
何度も御召替えをするのですが、いずれも膝下の美しさを強調する5部丈パンツにピッタリしたセンターに銀ラメのすっと入った黒のノースリーブだったり、黒の超ミニワンピもVネックあり、背中の開いたボートネックありですが、いずれもやりすぎず、手首や肩甲骨の美しいパーツ、そして彼女の青く光るベリーショートの黒髪と黒い睫に縁取られた表情豊かな眼、を強調するもの。
演目に応じて、4メートルはあろうかと思われるシルバーフォックスのストール、ピンクのダチョウの羽飾りなどの小物を駆使して華やかに舞台を盛り上げる手法は、日常のファッションにも使えるヒントが満載!
セルジュ・ゲーンズブールのナンバーも粋な彼女に似合っていました。

他に印象的だったのは「嘆きの天使」のタイトルでマレーネ・ディートリッヒ主演の映画にもなった「ブルー・エンジェル」。1985年の収録。


お堅い教授がレビューの踊り子に恋心を抱いたことから破滅に向かう・・・。
原作はトーマス・マンの兄ハインリヒ・マンの小説「ウンラート教授」。
踊り子は当時プティのミューズだったドミニク・カルフー二。頬骨に挿す影、彫りの深い蟲惑的な目元、シャープな輪郭。ほっそりとした姿態にデカダンスを漂わせてはまり役。
ちなみに彼女のご子息は今、パリ・OPERA座で人気の若手エトワール、マチュー・ガニオ。恋人は年上のダンサー、透き通るように色白で妖艶なイザベラ・シアラヴォラ。この母上の息子ならではの女性の好みであることよ、と納得。
教授役は、振付のプティ自らが演じてこれまた見事でした。

最後にParisOpera座バレエ団による
「アルルの女」


主役を演じるのは、今やOPERA座バレエ団の帝王、オシも押されぬマニュエル・ルグリ先生の若さ溢れる絶頂期(彼の場合、それはこの1997年かもしれないし、今かもしれない)、そして今はOPERA座の定年のため引退してしまったのが惜しまれる、シルヴィ・ギエムの同期、ヌレエフ世代を代表するダンサーの一人、イザベル・ゲラン。
アルフォンス・ドーデの「風車小屋だより」にビゼーが曲をつけたもので、アルルの女を知った若者が死を選ぶ、というテーマ。
抽象的な作品に血肉を通わせる稀有の才能を持ったゲランが素晴らしい。
母性を感じさせる慈愛と、漂う一抹の悲しみ。。。
男女10人ずつのコール・ド・バレエのシンメトリカルな動きがギリシャ悲劇を思わせるとともにフォークロア色もだしていて効果的。コールドの一人に今、準主役級で活躍のカール・パケット君を発見したのも個人的には小さな喜び