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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宝塚星組公演「日のあたる方(ほう)へ -私という名の他者-」 日本青年館

2013-10-29 05:02:45 | TAKARAZUKA
2013年10月27日(日)15:00~
日本青年館にて(公演期間:10月25日~30日)
宝塚星組3番手、真風涼帆主演、

ミュージカル
『日のあたる方(ほう)へ ―私という名の他者―』
~スティーヴンソン作「ジキル博士とハイド氏の奇妙な事件」より~
脚本・演出/木村 信司

を観て参りました。

[解 説]
 ロバート・ルイス・スティーヴンソンが1886年に出版した小説「ジキル博士とハイド氏の奇妙な事件」は、善と悪、二つの人格を主題としており、「ジキルとハイド」という言葉は現代でも二重人格の代名詞として使われます。これまで数多くの映像化、舞台化がなされた題材ですが、原作において、人格の裏側に潜む極悪人であるハイド氏を、本公演では心の奥底に秘められたトラウマと捉え、精神に疾患を抱える女性マリアをヒロインに、彼女の病気を治すため自ら治療薬の被験者となるジキルと、その隠された過去を描き、宝塚歌劇ならではの深遠な愛を込めた現代的、かつ幻想的な「ジキルとハイド」の物語をお届けします。(公式HPより)

ジキルとハイド・・・と言えば、人間の善悪の2面性を見せる作品、ということ。
これは役者にとっては美味しい、挑戦しがいのある本格的なストレートプレイが要求される、ということ。
ミュージカル仕立て、ということで、ドラマチックな歌唱力も必要でしょうし・・・
新公主演ほぼ独占でバウ主演経験もすでに積み、他組ならば2番手格にいてもおかしくない経験値と風格ある下級生、真風氏。
とはいえ、圧倒的なベテランTOP柚希礼音、個性派の人気2番手紅ゆずるに続いているものの、実力派で人気面でも追い上げてきた礼真琴の存在もあり、おっとりとした性格ゆえ、どこか控え目な印象のあった彼女に奮起を促すための企画?

この時期、柚希氏センターに紅、礼をはじめとする男役陣を中心にした「REON2」
娘役TOP夢咲ねねちゃんと専科のお二人&2番手?娘役早乙女わかば嬢でのバウ公演「第2章」
そして、3番手男役真風涼帆主演の東上つきバウ「日のあたる方へ」

3分割された、このグループの配役をみてみますと・・・

ジキル/イデー(精神科医・教授27歳) : 真風 涼帆
マリア(患者、市長の長女29歳) :  妃海 風
*~*~*
市長 :  一樹 千尋
ソニア(ジキルの養母): 万里 柚美
エドアルド(ジキルの養父):  美稀 千種
エリス(ファビオの妻):  毬乃 ゆい
ジェラルド(12年前の事件を追う刑事): 美城 れん
サンドラ(精神科医):  白妙 なつ
ブルーノ(ジキルの親友、経済学者・コメンテーター):  天寿 光希
ジュリア(ジキルのGF、市長の次女):  音波 みのり
ファビオ(警察署長):  輝咲 玲央
ペドロ(警察部長、ジェラルドの上司):  瀬稀 ゆりと
ジョアン(ジキルの親友、精神科医):  十碧 れいや
ダニエル(ジキルの執事):  漣 レイラ

歌ウマ・演技に定評のある上級生で固めてきていますね。

売り出し中若手バウ公演では、このところ、ポスターのVISUAL演出が素晴らしく、観劇意欲をそそる力作が続いていますが、今回は敢えて?のこのやる気がないとまで思えてしまうそっけないポスター・・・^^;

そのバリエーションである画像も

このコストのかかってなさそう感(笑)に、真風氏へのハードルの高さ、そして獅子の我が子敢えて千尋の谷に突き落とす星組敏腕(と言われる)プロデューサーの意向を感じるのはうがち過ぎというものでしょうか?

いいよ、別に観に来なくても・・・と言わんばかりの画像ですし、演出が、出来不出来の波があると定評のある?キムシンこと木村信司センセイゆえ、ちょっとした賭けではあったのですが、作品のテーマと配役への興味があり、観ることに。

結果・・・
非常に「良いキムシン」でした!

市長一家とジキルの両親との隠された過去、警察長官のゆがんだ忠誠心、定年前の刑事の粘り強い探究心、ジキルの新薬完成と患者に対する思い入れ、ジキルとマリア過去の出会いなどが織りなすタぺストリ―。
色々と突っ込みどころはなくはありませんでしたが、登場人物の過去と謎が次第に明かされていくプロットとジキルが新薬を自らに投与することで生まれる別人格との演じ分け、マリアとの運命の出会いと2人の距離感の変化など、興味を惹きつけつつ、時折挿入されるシュールな場面(サンバ幻想)などが良いアクセントとなって、息をも継がせぬ展開と、暗いテーマを明るいエンディングに持ち込んだ力技に、感動しました。

*出演者個々への感想です。*盛大にネタばれしています

■ジキル/イデー(精神科医・教授27歳) : 真風 涼帆

基本穏やかな、人々に慕われるエリート医師。
優しい養父母の愛を受けてすくすくと成長。2人の親友は彼に夢中。患者の美人な妹も彼に夢中。
そんな人々の期待と愛情を裏切らない、謙虚で思いやり深い青年。
それが、患者を救うために考案した新薬を自らに投与することで、自ら封印した過去と憎悪に満ちた別人格を呼び出してしまう・・・。
という設定で、呼び出された別人格と平素の彼が見え隠れし、その感覚が錯綜する様を演じると言う難易度の高い役を演じきったこと。しかもそのそれぞれの人格が非常に魅力的に表現されたこと・・・が全てです。
往年のスター春野寿美礼さんを彷彿とさせる長身面長のクラシカルな「タカラヅカスター男役」そのものの容姿と175cmの長身でありながら、普段は下級生然としたおっとりさ加減で、今一つ前に出ようとする欲が観えなかった彼女、「イデ―」という、ロミジュリの「死」に匹敵する全くの別次元に存在する悪の象徴のような役を得て、現実から解き放たれた、大きな異界じみた存在感を発揮。
表情だけでなく、公開実験で、自ら準備した拘束具を引きちぎって、周囲の警備員?4~5人をなぎ倒して客席に降り、駆け抜けていく、一連の動作の迫力は、「タカラヅカ・アクション・スター史」(というものがあるとすれば)に残る出来栄え。
常夏?の南米ブラジルを舞台にしながら、なぜかイデ―は冬のNYで買ったというクローゼット奥深くにしまいこまれた黒い毛皮のコートを着用。ソフト帽を目深にかぶってコートを羽織ったその姿が、「不滅の棘」で白いコートで見せた春野寿美礼さんの姿をフラッシュバックさせていやがうえにも大物スター感を盛り立てていました^^
2幕で人格が入れ換わる期間が短くなり、ジキルでいながらイデ―の行動を傍らで観察する状態に変化していく・・といった複雑なプロットを演技(と照明)で細かに表現するあたりはもう、マカゼワールドに巻き込まれ息をひそめて見守るばかり・・・といった感じ。
課題だった歌も本人比とはいえ、上達。
フィナーレのデュエットダンスも、クラシカルな正統派2枚目の黒と金の衣装でこれまた堂々とした出来映えでした。

■マリア(患者、市長の長女29歳) :  妃海 風

轟理事の相手役として堂々バウヒロイン、と言いますか、ミュージカル女優としての実力を発揮した初ヒロイン作から2作目。
所謂、ヒロイン役としては異色な、精神を病んだ患者役。
抽象的な歌詞の歌を歌う異次元の世界に住む浮遊感、白いドレスで17歳の夏の浜辺での出会いと初恋の思い出フラッシュバックシーン、薬で5歳の自分に戻った幼子としての場面、そして、27歳の若い女性として社会性のある行動を取るに至るまで、様々な顔を演じ分ける必要がある難役。
実力派娘役の抜擢に応えた前作同様、透明感ある歌声、しっかりとした演技力。可愛らしく庇護欲を誘う5歳の演技を白眉とし、全ての場面を的確に演じていました。
可愛らしい丸顔と大きな瞳、朗らかで健康的な個性が 暗くなりがちなストーリーに明るさをもたらしているのも彼女の功積。
ただ、フィナーレのデュエットダンスが、真風氏の個性に合わせたアダルトなものであったため、黒に金のゴージャスな大人びたドレスを着た風ちゃんはちょっと良さを発揮できず、お似合いとは行かなかったのがなんとも残念。
CUTEでかわいらしい雰囲気はお手の物なのですが、お顔もお鼻も丸くて、うっとりとした耽美的な表情が決まらないお顔立ちなのですよね・・・^^;
月や雪のようにファニーでCUTEな持ち味でTOPを努めている娘役さんもいることですし、彼女に合った相手役に望まれると今後ヒロインとして路線に乗る可能性はゼロではないと思います。

■ジュリア(ジキルのGF、市長の次女):  音波 みのり

一方、年下の下級生ヒロインを支える妹役の上級生はるこちゃん(音波)。夢乃さん、紅さん、涼さんなどの2番手3番手のバウ作品でのヒロイン役の経験も積んできた、すでにベテランの域に達し、ますます美しく華やかな娘役さん。
ちょっと白羽ゆりさんのような華があり、演技も良く、きれいなまろやかな発声で安心して観ていられる娘役さんですが、お歌が得意でないせいで、近年海外ミュ―ジカルなどの上演が増えて歌の比重が強まっている風潮に乗れずにいるのかしら、と歯がゆく思えて・・・。
ジュリアは本当にジキルに惹かれていて、それをまっすぐに表に出している素直な娘。
最後全てを知って、姉のために身を引く形になりましたが、プッチ柄の華やいだドレス姿で登場する冒頭から、つねに巻髪をふりながら、南米の美女、というムードで場を盛り立て、演ずれば心のある良い女。
娘役として本当に良い仕事をしてくれました。
小柄ながら、立体的なBODYラインのトランジスターグラマーで、舞台姿もきれい。
目を引く美女で、このままチャンスがないと勿体ないなと思います。

■ブルーノ(ジキルの親友、経済学者・コメンテーター):  天寿 光希

真風さんよりも一つ上の学年の実力派スターのみっきー(天寿)。
3人の親友の中で、どこかおっとりとした精神科医役の2人に対して、滑舌も良く、世間に期待される風にふるまう賢い男。そんな自分を客観視する複眼的な思考も持てる頭の良さ、そしてジキルに対しては献身的な友情を捧げ、頼まれたことは素早く完璧にこなしてくれる、良き友。
大柄な2人が、真風氏はグレーや黒、十碧れいやくんは落ち着いたベージュや温かみのある茶系のスーツを着用しているそばで、チェックのシャツにグリーンのスーツで、如何にも派手なTV業界に身を置いている、という記号を演じて。
最後、マリアとジキルを残して皆で袖に掃けていくところ、さりげなくジュリアの手をとるブルーノに、予感と展開をほのめかす、みっきーの(演出かもしれませんが)芝居心と同期愛を感じました^^

■ジョアン(ジキルの親友、精神科医):  十碧 れいや

花組に異動してから新公主演独占&バウ主演と飛ぶ鳥を落とす勢いの芹香斗亜さんとは同期で長く二個イチで使われてきた十碧れいやくん。真風氏と星組で新公主役を分け合ってきた劇団押しの麻央祐希ちゃんの一つ上の学年で、スターに挟まれて、今一つ目立ちませんが、175cmのスラリとした容姿で実はスター性のあるヒトだと思います。
ロミジュリの新公の「死」で個性あふれる役作りにもチャレンジ精神を見せ、これからもしかすると化けるかも?というポテンシャルと魅力を秘めた十碧れいやくん。
今回のバウ作品での主要な役づきは大いなるチャンスですが、普段の良いヒトキャラが前面に出てしまい、いえ、それが演出指示なのかもしれませんが、彼女自身のアピールとしては少し弱かったかな?と。
ただ、同じ身長で一つ学年が上の真風氏をセンターに、お顔立ちの傾向が似ている天寿さんとの3人で並んだバランスは絶妙。
精神科医仲間で、若くして教授に上り詰めた真風氏を羨みねたむそぶりも見せず、盲目的に協力していますが、特定の患者に個人的な思い入れから力を入れたり、自らを新薬実験の被験者としたりする真風氏ジキルの暴走を諌める見識が欲しい・・・というのは望みすぎかしら?(これは十碧さんに、というより木村センセイへの注文ですね^^;)

■ジェラルド(12年前の事件を追う刑事): 美城 れん

前から上手いヒトだとは認識されていましたが、「ジャン・ルイ・ファージョン」での、冷静に時代を客観視できる知性と常識力を持った見識ある市井の弁護士役で注目され、「ロミオとジュリエット」では情溢れる理想の乳母としてブレイク。
専科入り間近?と思われる星の名物役者 美城れんさん。
今回は日系人?な名字(タナカ)を与えられ、定年間近で過去の迷宮入り殺人事件を洗い直そうという決意を持った骨太なヒラ刑事を。年の功で上司も転がす、社会人キャリアを発揮するあたりや、しつこすぎる探究心が「この男うざい!」と観客に思わせてしまうピーター・フォーク オマージュ?も含め、遊び心も余裕もある、名脇役。

■市長: 一樹 千尋

「ロミジュリ」ではキャピュレット父。
権力ある年配男性の役がピッタリの頼りになる専科さん。
今回も、娘に泣かれ、部下は暴走と悩みが尽きず、目の下のクマが一層お似合いな役どころ。
首を絞められる場面があり、その体制で、なぞ解きの会話がなされる、という謎演出のせいで、苦しみ続けながらも断末魔に至ることを許されず、セリフを邪魔するうめき声も上げられない、という窮地に。
そんな無茶ぶりに応えて苦悶の表情バリエーションを繰り出して場を繋ぐ力量にさすが、専科さんと感心しました^^;


■ファビオ(警察署長):  輝咲 玲央
ペドロ(警察部長、ジェラルドの上司):  瀬稀 ゆりと

真風君の同期お二人。
自分のストーリーに恩人を巻き込んで暴走するファビオ、美味しい役どころ。
ペドロは長いものに巻かれる男。
お2人とも好演でしたが、おひげの位置が違えどもちょっと見た目が似ていて、1幕では混乱してしまいました^^;

■ダニエル(ジキルの執事):  漣 レイラ

漣さんの「執事」といえば、「メイちゃんの執事」でのダダ洩れる色気であのヒトそんな下級生なの??と星ファンの話題を誘ったヤサぐれ無精ひげの’根津ちん’を思い出しますが、今回は超の付く出来たヒト。
パジャマ姿で狸寝入りのつもりが知らず知らずにうちにうたたね・・・のジキルにそっと毛布をかける優しさに癒されます^^

■~サンバ幻想~

もはや、役ではありませんが、リオのカーニバル観光に出かけた先で、本作の構想を練った木村センセイのインスピレーションにより、舞台はブラジルに・・・。よって、親友どおしの真剣な会話のバックに、ダルマ(レオタード)に羽のヘッドドレスのカーニバル仕様の若手男役が背後で踊る・・・というシュールな図が幻想的な作品を印象付けています。
なんともいえない謎設定ですが、同じく若手男役のパステルスーツの群舞シーンで、黒塗りのおかげでイケ面度が2割増しになっていることに気づいたので良しとしました(え?)



IBC 「ドン・キホーテ」

2013-10-28 03:34:11 | BALLET
2013年10月13日(日)15:00~
IBC(IWAKI BALLET COMPANY)のバレエ公演、「ドン・キホーテ」2日目、
IBC代表で元・東京バレエ団プリンシパル・ダンサーの井脇幸江さんがキトリ役を務める日を観て参りました。


10月13日(日)15:00開演

キトリ・・・・・井脇 幸江
バジル・・・・・菅野 英男

ドン・キホーテ・・・・・芝岡 紀斗
サンチョ・パンサ・・・・・小笠原 亮
ガマーシュ・・・・・吉田 和人
ロレンツォ(キトリの父)・・・・・淡田 和仁
ロレンツォの妻(キトリの母)・・・・・宮下 今日子
キトリの友人
ピッキリア・・・・・高橋 奈津子
ファニータ・・・・・南 亜紗子

【バルセロナの街】第1場
街の踊り子・・・・・佐伯 由加
エスパーダ・・・・・田中 俊太朗

【野営地】第2場
ジプシーの総領・・・・・宮本 祐宜

【夢の場】第3場
ドルシネア姫・・・・・井脇 幸江
森の女王・・・・・工藤 加奈子
キューピット・・・・・桜庭 絵利子、中野裟弓

【酒場】第4場
メルセデス・・・・・阿部 美絵

【結婚式】第5場
ボレロ・・・・・柴田有紀・正木亮
バリエーション1・・・・・高橋 奈津子
バリエーション2・・・・・南 亜紗子

ちなみに、公演は2回で、12日(土)にはキエフバレエからのゲストダンサーを主演に迎えての開幕、キトリをエカテリーナ・ハニュコワ、 バジルをコンスタンチン・ポジャルニツキーが務めて、こちらをご覧になった方からも、好意的なご感想をいただいています^^

わたくしは、東京バレエ団在団時より、個性的で気持ちの入った役作りとOPENで温かいお人柄の井脇さんが、バレエスタジオを経営されるようになり、発表会だけでなく、プロの舞台としてのカンパニー公演も企画されるという試みを続けていらっしゃる気概に感銘を受け、毎回楽しみに観賞しています。
今回も、井脇さんが主役の日を・・・と関西からとんぼ帰りの新幹線直行で、五反田のゆうぽうとホールへ・・・。

まず、配役表を観て。
東バのソリスト宮本さん、小笠原さん、芝岡さんが。
ボレロに牧の柴田さん、正木さんが。
この辺りは楽しみですね。

あと、ソリストでは、友人の一押し、柔らかくて丁寧な踊りが魅力的な松村みのりさんに注目かな、と。

演出面でも、井脇さんのこだわりや物語を丁寧に追うための、新解釈・新演出があるところが、IBCの面白いところ。
今回は冒頭にペン画のような白黒アニメーションの動画があり、ドン・キホーテ、サンチョ・パンサ主従が旅に出る導入部を説明?しています。
なかなかこだわりの演出ではありますが、客電が落ちて、さぁ、始まるぞとわくわくしてから結構長く感じる時間、上演が続くので、ちょっとじらされている感がありますね。観客は幕明けとともに、ダンサーの登場を期待しているわけですから。
全体には東バのワシーリエフ版をベースにし、一幕はそれとほぼ同じで、野営のジプシー場面では、人形劇のくだりを省略。
2幕の酒場の狂言自殺では、サンチョが耳打ちで、キトリに狂言を伝える、結婚が認められると即、その場で披露宴に突入、というのが流れとしての違い。
場面の拵えとしては、風車にドン・キホーテが突進するのではなく、風車小屋から羽がたくさん出てきて老騎士がこん睡し、夢の場面につなげます。この場面、オ―ガンジー?の白い布をドレープ状に天蓋のようにあしらって、夢々しい雰囲気を出している舞台がキレイです。

ダンサーとしては、やはり主役カップルがダントツの存在感。

井脇さんは・・・もちろんのこと、かなりのベテランではいらっしゃるのですが、独自の健康法?もあってか、容姿を全盛期の状態に保ち続けているのが驚異的。
東バで、白いバレエの主役に配役されることがなく、常にキャラクテール的な色濃い強さのある役どころを得意とされている印象がありましたが、今回のキトリは、思いきりお転婆、というのではなく、ちょっと大人っぽく、そして古典の名作に対する敬意を感じる、丁寧な踊りでした。

キトリ同様、大人っぽさが身上のバジル、菅野さんは、小芝居に頼らないどっしりと男らしい風格が。持ち前の落ち着いた雰囲気や技術力もさることながら、ちょっとした眼の使い方や一呼吸置いての笑顔に色気があり、あれ、こんなに素敵なダンサーだったかしら?と思う瞬間が何度か^^
見せ場のソロもアクセントを効かせて、さすがの安定感。

東バで期待していた宮本さんは平均点?ちょっとしたミスが惜しい!という感じでした。
小笠原さんは独特のメイクが絵本に出てくる小鬼のようで、リアル・ドン・キホーテな芝岡さんともども、ファンタジー的な物語の隠し味として、存在そのものが効いていました。
もちろん、キレの良い踊りの見せ場も終盤 用意されており、ホッと。

牧の柴田さん・正木さんペアは安定のクォリティ。

街の踊り子、佐伯さんが密度の高い表現力で眼を惹きました。
お衣装もダークな色目がお似合い。

注目の松村さんは、東バ時代の荒井祐子さん(現・Kバレエプリンシパル)や、先日東バを退団された小出領子さんを彷彿とさせる、引き締まった中に柔らかなおおらかさと丁寧さを感じさせるキレイな踊りで、これからも楽しみなダンサーですね。

ロビーに、Kバレエや今までの公演に携わってきたたくさんのバレエ団やお教室絡みの御花がたくさん飾られていて華やか。勿論、客席にも小さなバレリーナさんたちがたくさんで、お教室の発表会に近い雰囲気がありながらも、カンパニー公演として、作品をとらえたいと言う意識の高さを感じること出来た公演でした


宝塚宙組大劇場公演「風と共に去りぬ」Bパターン

2013-10-22 10:38:30 | TAKARAZUKA
2013年10月12日(土)15:00公演
宝塚大劇場にて

宙組公演「風と共に去りぬ」役変わりBパターンの初日、2回目の公演を観ての感想です。



東京公演一般発売後 即、完売に近い人気だそうで・・。
そう、「風と共に去りぬ」、大作ではありますが、大時代的な演出、主要な役が少ないなど、あまり観劇意欲をそそられない演目かも・・・と思っていましたが、実際観ると見どころいっぱいで・・・。
特に出番が少なくモブの「南部の青年たち」「南部の夫人・令嬢たち」枠におしこめられた中堅・若手スターのメンツがやたらと豪華で、つまらないはずの場面を盛り上げてくれているのも大きいかなと思いました。
勿論、主要CASTが役変わりの興味だけでなく役を掘り下げてドラマをしっかりと見せてくれている、ということがあっての話ですが。

というわけで、大劇場での評判も押し並べて良く、乗せられていると思いつつもABパターンそれぞれにチケットを増やしてしまう・・・というのがファンの性。

予想として、実力派・ベテランを揃えたAパターンは「安定のA」
抜擢組、勢いのあるキレイな若手で並べたBパターンは「VISUALのB」としてとらえておりましたが、
さて・・・。

まずは七海スカーレット

御覧の通りの美貌です。
Aの朝夏まなとスカーレット同様、バトラーとほぼ同じ173cm?Upの高身長ですが、2人とも首が長くて、肩に筋肉が乗っているように見えないのでドレス姿のデコルテがキレイ。
登場シーンの華やかさに対して、歌声が意外と低いので一瞬驚きますが、台詞まわしなどもさほど男役の臭みは感じませんでした。
・・・が、Aの朝夏スカとの違いは歴然。
やはりセンターを務めたことのあるキャリアの差、ですね。
きれいなはずなのにそう見えない場面が多い・・・と思ったのは、正面を向かずに相手を観て芝居をすることが多いからかも。結果、正面のキメ顔を見せることが少なく、ちょっとしゃくれたアゴと(男役のときはそれが魅力)重めの瞼で表情の分かりにくい眼(ミステリアスでそれも魅力のひとつ)が、パッチリ眼で型芝居を明朗にメリハリつけて演じる朝夏スカと比べて、んんん??となってしまったのですが。
ただ、わたくしが観たのはAパターンは前半戦の最終日で、ある程度手ごたえを感じるまでに出来あがった状態のはず。
そして、Bパターンは明けての当日、まだ2回目、しかもセンター経験は先日のW主演バウがほぼお初の七海氏にとって、花組の御曹司として新公、バウ主演と真ん中経験豊富な朝夏氏との比較をいきなりされても迷惑でしょう。
凰稀バトラーはそれぞれのスカーレットを味わいつつ包み込むように演じていて・・・。
スカーレットへの思いが深く、とても甘やかしている(笑)バトラーなので、これからの七海スカーレットの変化・成長が楽しみでもあります。

上の画像はレットとスカーレットの結婚式の場面ですが、ここ、ラメを散りばめた純白ドレスの七海スカーレットが本当にきれいでした。
そして、南部の古い上流階級の人々が、恩義があるから出席したけれども、北部の人々との懇親会に参加はできないから・・と中座する場面、礼儀正しく挨拶をして出て行くミード博士らを 落ち着いた風情で見送るバトラーの瞳に宿る哀しみと、場を沈ませない大人の対応の見事さに惚れ惚れしました。スカーレットに対する感情を爆発させるところは勿論 見どころですが、わたくしは、こういうさりげない日常での立ち居振る舞いにグッと来てしまうのですよね・・・(ファン語り)

、とやや上から?、一応合格だけど頑張れ目線でゆるりと眺めていたBパターンですが・・・。
フィナーレの「ナイト&デイ」で評価が一新。

「ヴァレンチノ」のナターシャの時も素敵だった彼女が自分に似合う鉄板の鬘をつけてのご登場。
はい、横分けボブで、長いほうの前髪にウェーブを入れた金髪で、大人っぽいリアル美女!
もう・・・予想外の展開!嬉しすぎます!!
ここで、2番手時代から叶わぬ夢と知りながら密かに熱望していた「凰稀かなめ&スラリとカッコよく妖艶な美女の相手役との並び」をデュエットダンスで観られるなんて!!!

・・・もう、ステキすぎ、幸せすぎました。
カイちゃん(七海)ありがとう。
スカーレットは、もう、好きに演じてくれて構わないから・・・(いきなり大甘)

あ、パレードの最後、凰稀さんの前に登場するスカーレット衣装の七海さん、なんだか・・・あなた、ドレス着ているって自覚はおあり?輪っかのドレスの輪っかがグワングワンはねるがごとく、ガシガシ、という効果音つきで前に進んでいらっしゃいました!終わってホッとしたのかしら・・・男役全開な歩き方・・・でした^^;

Bパターンを「VISUALのB」と定義づけた理由のほとんどが、裏スカ、スカーレットⅡの配役。
実力派ベテラン娘役で歌姫ポジのせーこちゃん(純矢ちとせ)に対する池田泉州銀行イメージガールを務める美少女伶美うららちゃん。
凰稀さん2番手としての最後の主演作、「ロバート・キャパ」でヒロイン役を演じるも、TOP娘役としてはまだまだ色々と足りないxxxと判断されたか、同期の実力派娘役、実咲凛音ちゃんが花組から御嫁入り・・・という顛末を残念に思うものとしては、ここでうららちゃんの奮起を期待したいところ。
登場から安定の輪っかのドレスの似合いっぷり。
そして・・・お芝居が良いではありませんか!
お芝居の声はもとより落ち着いたきれいなメゾソプラノで、耳に心地よいのですけど、感情表現もバッチリで、七海スカとの丁々発止、良い感じ
で、「あなたとわたしは裏表」ソングで・・・
・・・あらあらあら・・・(苦笑)
Aパターンとの違いが歴然、といいますか、2人ともここ、頑張りどころだから公演中も歌のレッスンだけは頑張って!!(ほとんど懇願)

アシュレ―がAでスカーレットだった朝夏まなとくん。
もともと2枚目役が多かった彼女、スラリとした容姿で、スカーレットが憧れる白馬の王子様をすんなりと演じて何の違和感もなく。
休暇が終わって再び出征していくアシュレ―にスカーレットが黄色いサッシュを締めてあげる場面、あれ、その左右の分量だとキレイに収まらないのでは・・^^;と焦って観ていると、案の定、片リボン結びのバランスもきれいじゃないし、ほどけそうだし・・。でも、さすがまなとアシュレ―、さりげなくコートを持つ手でサッシュの結び目部分を押さえながら演じて目立たないようにフォローしていました。
繊細な青年で自制心もあり、聡明なメラニーを深く愛し、没落した古き良き南部の幻を捨て去ることが出来ず現実逃避する・・・薪割りは苦手だが(笑)スカーレットに依存しなくては生きていけない自分のふがいなさを恥じており、でもどうすることもできない迷いと悩みを抱えている・・・というアシュレ―の姿を正しく体現していた朝夏氏。
好き嫌いはあるかとは思いますが、スカーレットの造型もしっかりとしていたしデキル子だと改めて認識。
2月のバウのブラームスも楽しみになってきました。

そして、アシュレ―役だった悠未ひろさん、スカーレットⅡ役だった純矢ちとせちゃんが、スカーレットⅠ・Ⅱの七海ひろき&伶美うららカップルのルネとメイベルに収まりますが・・・
幸せいっぱいの若いカップル、戦後は失明したルネに寄りそうメイベル・・・の図は、断然Aパターンの方が納得の並びで良かったかと。
悠未さん純矢さんといえば、「モンテ・クリスト伯」の時の酒場での妖艶なたくらみの場の絡み・・・アダルトカップルで勿論歌を聴かせる場面がついてくるでしょう、と思わせるこのお二人が並び立ちながら、若者たち代表!みたいにしていらっしゃると、やや違和感と大変な勿体ない感で座りが悪く感じてしまいますね・・・。

ところで、大劇場と言えば、幕間のお楽しみ、公演デザート


Aパターンの日は、ライムゼリーが爽やかなアシュレ―(左)を友人が、ラズベリームースが甘く華やか?な「スカーレット」(右)をわたくしがいただき、

Bパターンの日はチョコレートムースが苦み走った?「バトラー」をいただきました

さて、後は東京公演を待つばかり・・・。
ABともに通いますから(笑)


宝塚専科公演 バウ・コメディ「第二章」

2013-10-17 05:32:57 | TAKARAZUKA
先日千秋楽を迎えられたようで・・・
豪華な配役のコンパクトなお芝居、

宝塚バウ・ホール公演 ニール・サイモン原作の「第二章」を
2013年10月12日(土)11:00公演で観て参りました。



■出演者・・・(専科)轟 悠、英真 なおき
         (星組)夢咲 ねね、早乙女 わかば

バウ・コメディ
『第二章』-CHAPTER TWO by Neil Simon-

原作/ニール・サイモン
脚色・演出/石田 昌也
翻訳/福田 陽一郎、青井 陽治
参考文献 『第二章』(早川書房刊「ニール・サイモン戯曲集II」所収)

[解 説]
 ブロードウェイの喜劇王ニール・サイモンの傑作戯曲「第二章」は、サイモンの自伝劇ではないかとも言われる秀逸なコメディの戯曲です。最愛の妻に先立たれたショックから立ち直ろうとするジョージが、バツイチの女優ジェニファーと、ひょんなことで出会い、恋に落ちて結婚。新しい未来が待ち受けているかと思いきや、新婚旅行先でふいに先妻のことを思い出し、また落ち込んでしまう。果たして二人は、人生の第二章を無事スタートできるのか。
 ユーモアとウィットに富んだ会話に、それぞれに人間味のある4人の登場人物が絡み、サイモンならではの温かいコメディを堪能できる作品です。
 2011年、2012年と上演し好評を博した「おかしな二人」に続く、専科公演コメディシリーズの第二弾として、主演に轟悠、ヒロインに星組トップ娘役夢咲ねねを配し、上質の舞台をお届けいたします。 (以上、公式HPより)


妻に先立たれた傷心の作家ジョージ(轟悠)が演劇担当記者の弟(英真なおき)のおせっかいで、弟の不倫相手の既婚の女優フェイ(早乙女わかば)の親友で離婚したてでこれまた傷心の女優ジェニファー(夢咲ねね)と出会ってお互い一目ぼれ。
スピード結婚に至るも、なかなか亡き妻の面影が心から消えず新妻ともぎくしゃくして・・・。
大人の恋は簡単にHappyEndに至らない、というニール・サイモンらしいストレートプレイと専科の芸達者お二人と星組の美女2人の化学反応を楽しみに行って参りました^^

まず、幕が開く前に・・(って今回そればっかり!)
柚希さん筆頭に、REON2メンバーの半分?がご登場。
小さなバウ・ホールゆえ、ひとりひとり心の中で点呼(笑)
十輝いりすさん、柚希礼音さん、音花ゆりちゃん、鶴美舞夕さん、如月蓮くんまでが6列目センターブロック。
通路置いて下手にちょっと分散して、礼真琴ちゃん、マイケル、しゅうくん、綺崎愛理ちゃんら下級生たち。
昨日に続いてのレオンくんとの観劇!
東京公演と博多座の間に、ムラでもしっかりと活動されて、本当にジェンヌさんはタフですね。
ちなみに午後公演ではドラマシティの真風くんのジキルとハイドをご覧になっていたとか・・・^^

幕が開くと、2階への階段がある図書館と見まごうばかりの書斎、作家ジョージの自宅です。
飾られている数枚の絵は轟画伯の手になるものとか。
舞台下手にはちょっと高い位置に、夜景のきれいなモダンなインテリアの女優ジェニファーのコンシェルジュもいる高級マンションの居間。
シンプルですが、効果的なセット。
お衣装も落ち着いた茶系のツイードのジャケットのジョージ、ワインの革ジャケットに黒タートルのレオ、紺にウエストの細い赤リボンベルトにお袖の白が清潔感のあるトリコロールで知的で清楚なジェニファー、プッチ柄のカシュクールワンピにお揃いのヘアバンドが華やかなフェイ、とキャラクターにあったもの。

あとはもう、丁々発止、「台詞のボクシング」とでもいうべき、会話の応酬でつづられる大人の恋の一進一退。
轟さんが、完璧な2枚目ではなく、亡き妻を思ってめそめそしていたり、新しい恋に舞い上がったかと思うと落ちこんでどんよりしたり・・・の人間臭い役どころを伸び伸びと演じて、味がありました。

弟役の英真さんも、おせっかいであたたかくて社交的な弟を地のまま?いつもの英真さん節満載で。
フィナーレではお得意の歌も。

ねねちゃん(夢咲)はわかばちゃん(早乙女)ともどもリアル・バービーでしたね!
この2人が本当に華やかな美女なので、ストレートプレイなのですが、宝塚らしい華やかさもある良い舞台バランスになっていたかと^^
自分が素直でいられる場所を求め、幸せになりたい、そのためには努力を惜しまないというまじめさと心身の健やかさを持った若い女性を等身大で魅力的に演じていました。
TOP娘役としては役に合わせてぶりっこ的な発声や台詞回しのイメージも強い彼女ですが、ここでは離婚も経験したそれなりの人生経験を積んだ大人の女性として存在し、落ち着いた発声と素直な演技に改めて魅力ある女優だなと。フィナーレでの華やかさは言うまでもなく^^

専科とTOP娘役という3人に囲まれて大健闘していた若手娘役のわかばちゃん。
派手さのある華やかな美貌で、「ジャン・ルイ・ファージョン」のマリー・アントワネット役のような姫役者かと思いきや、「ダンサ・セレナ―タ」でのちゃっかりとしたちょっと駄目な子キャラの親友役、台湾公演の楚留香の手下3人娘の中で一番笑いをとっていたことなどを考えると、ちょっとクセのある声の個性も含めて、コメディエンヌ的な要素のある役が意外とハマるのかなと、今回もまた確認してしまいました。
親友のアパートの鍵を借りて、不倫の恋の舞台にしてしまおうとするちゃっかりさ加減も、天真爛漫な明るさと可愛さでなんとなく憎めない、そんなフェイ役がぴったりでした。

もともと、やもめの中年男と離婚したての女性との恋模様ですから、恋にももちろん大人な展開の様相もあり、勿論ニール・サイモンなのでそこは洒脱に表現されているわけですが、石田センセイなだけに(笑)どうかしら・・と思っていましたが、問題ありませんでした。
びっくりしたときに「じぇじぇ」というくらいは許容範囲で・・^^;
あと、英真さんレオのこどもの話で、学芸会の主役の転校を、ではさよなら公演だなと、BGMに「すみれの花咲く頃」を流したり・・・^^

というわけで、しっとりとストレートプレイを楽しんだ後にタカラヅカならではの美味しいオマケが

はい、フィナーレは、まず、客席後方から上手英真さん下手わかばちゃんのワインカラ―のフォーマルカップルが降りてきて・・・
「忘れていいの」(小川知子&谷村新司)
英真さんメインで(ホッ)歌い上げていらっしゃいました。
そしてねねちゃん、ロミジュリの「バル」の場面のような黒アクセントの白ミニドレスに盛り髪ロングのポニーテール、足元はソロなので安心してハイヒールの黒エナメルロングブーツで、ロック調の曲を。
前から少し上手、下手両方の通路にも降りて。「失格」(橘いずみ)
下手の通路では6列目の星メンバーのところまで行ってちょっと歌いながらレンタくんをいじったり・・でまさこさんちえちゃん大ウケでした^^
続いて轟さんが白スパンのスーツに黒アクセント、黒白ボールドストライプに赤を効かせたスタイルでご登場。
「ずっと一緒さ」(山下達郎)
今回、2列目の通路際のお席でしたので、わかばちゃん以外お三方を間近で・・・という恩恵にも預かり
最後、ヘアスタイルをショ―トのカールを効かせた金髪ボブに髪飾りを付け、足元は白黒のストラッピーなフラットサンダルに変え、お衣装もミニスカートの後ろだけトレ―ンをつけるというお色直し?後のねねちゃんと轟さんの華やかなデュエットダンスもあり・・・。
休憩を除いて2時間弱、楽しめる舞台でした
東京でも観られると良いのに・・・



宝塚宙組大劇場公演「風と共に去りぬ」 Aパターン フィナーレナンバー

2013-10-16 02:40:38 | TAKARAZUKA
劇場公演の一本物の大作には、最後に宝塚らしいショーが短時間ですが付くの御約束。
雪組の「ロミオとジュリエット」のように、作品世界とあまりリンクしない謎演出のショーもありましたが^^;
「風と共に去りぬ」と言えば、
「ナイト&デイ」は「タキシード・ジャンクション」は「セントルイス・ブルース」は、と皆、前のめりで語り出す名場面揃い。
プログラムには 振付・若央りさとありますが、元の振付は故・喜多弘先生のものらしく。

喜多弘先生の振付と言えば、ちえてる解体、星組2番手最後の公演で通い詰めた中日劇場公演「ル・ポワゾン」の粋でエネルギッシュで男役臭さ満点のあの場面を思い出しますが・・・

高まる期待。

まずは緒月さんと七海さんのお二人登場。
白に紫のアクセントのタキシードで、お対になって歌いますが、緒月さん顔が・・・白い!
ベルの御化粧に多分眉を描き足した程度ではないかと推測。

続いてロケット。センターの華雪りらちゃんがカワイイ。久しぶりに登場したリアルにカワイイ宙娘。
実力のほどはまだわかりませんが・・・。お歌やダンスが上手だといいなぁと将来に夢を見たくなるタイプの小柄で小顔で可愛らしくてきれいな宝塚の娘役王道を行きそうな容姿は正直宙組には珍しく・・・。
タイプとしては元・花組の月野姫花ちゃんのような感じ?
上級生では七生真希ちゃんがきれいで眼が行きます。

続いて指パッチンで降りてくる凰稀かなめさん。カッコいいから!
ちなみにこの指を鳴らす音はカゲソロならぬカゲ・指パッチン?で、ちゃんとオーディションがあったとか^^
金をゴージャスにあしらった白タキシードに黒アクセント。
なんだか黒塗りだといつものタキシードも違って見えて新鮮ですね^^
娘役、男役の群舞に囲まれ、フォーメーションを変えて・・・
メラニーだった実咲凛音ちゃんが白ドレスのショーの女仕様で登場して、唯一、ここで、TOPコンビらしいデュエットダンスをご披露。

・・と「タキシード・ジャンクション」の余韻に浸る間もなく、金管が響いて、「セントルイス・ブルース」
トリコロ―ルストライプジャケットに白パンツ、蝶タイ、カンカン帽。
の、アメリカーンな場面^^
2番手男役ポジであるアシュレ―役を芯にした場面なので、ここは悠未さんがセンター。
・・・・なんだかすごぉくともちん(悠未)らしいともちんだった。
帽子の陰でニヤリと粋に笑い、熱くクサくキザるいつものともちんを発見してホッとするシーンです、ここ。
アシュレ―のときには、白昼夢に生きる知らない人だったから・・・(笑)
あ、ここ、若手男役の宝庫で、お気に入りのダンサーりくちゃんが脇で伸びやかなダンスを見せてくれています。
彼女の踊りのどこが好きって、身体の前面だけでなく、背面側の動きも伸びやかで立体的なフォルムで踊ってくれるところ。勿論、それをするために必要な筋力が出来ている、ダンサーと言うこと。踊りで生まれる輪郭が他のスピード=ダンスの技量と思っている子たちとは踊りから生まれる景色が違うので・・・。
ただ、この踊りの場合、帽子を身体に回したり投げ上げたり。。のトリッキーな扱い方を心得ていないと惨事が起きるので(笑)伸び伸びとばかりもしていられないかもしれませんが・・・^^

あっという間に終わって、まだ観たい・・と掃けていく宙男たちを眼で追って行くと・・・太鼓の音?が
はい、大階段から降りてくる緑の人影は・・・。
「ナイト&デイ」
待ってました!的なコールが入るのはオケの人が担当されているらしい。
凰稀さんによる英語の歌詞の歌から始まる大階段でのバトラー&スカーレット、大きな2人の迫力のデュエットダンス!



艶やかな黒髪ショートボブの朝夏さん、長い手脚が映えますね。
ちょっと猫娘っぽくなくはないけど・・・カワイイです。

その後、ゴージャスなドレスで、実咲さんのエトワール。
パレードが繰り広げられて、最後の銀橋での御挨拶のとき・・・朝夏さんスカーレットが膝を折って、沈み込み、凰稀かなめさんの御挨拶を観上げて受けられる時に・・・パチパチっと睫毛をきらめかせて、何とも言えないコケティッシュな表情をした瞬間を見逃しませんでした!
大きいけれど(何度も言ってスミマセン^^;)コケティッシュな朝夏まなとスカーレットは最後まで・・・。
って、文字通り、これが役替り第一部最後の朝夏スカーレットで、明日からあなたはアシュレ―なのね、と思うと感慨深いです。
と、、感慨に浸ろうとすると一瞬、とても軽く・・・凰稀さんのウインク?

というわけで、最後すっかり魂を持って行かれたAパターン最終日、でした