すでに星組初日も観劇済みですが、散々楽しんだ雪組公演の感想がまだ、でした!
宙で燃え尽きて雪はちょっと癒しの時間で軽く観るか・・・くらいの気分で赴いた劇場でグッと心を掴まれてしまい・・
花組の「エリザベート」以上のチケット難公演と言われて確かにお取次チケットで初の(!)お断りが出たり・・・紆余曲折はありましたが、手を尽くしてなんと新公入れて8回観ることが出来・・・。
「ルパン」は初見からメインメンバーのあまりにハマったキャラクター作りに感動し、ショーは事前に色々と聞いていたので心の準備はできていたので(笑)期待値下げて観たら、勿論ダメなところはあったのですけど、ツボな場面の濃さにヤラれてしまい・・・。「するめショー」と評する方々のお気持ちがわかりました^^;
もう・・ルパンファミリー、そして、タイムスリップした先のパリメンバーがそれぞれ素晴らしくて・・・。
勿論、演出の小柳先生のアイデア、宝塚の十八番であるフランス革命時の18世紀パリへのタイムスリップとそこに絡める錬金術師カリオストロ伯爵の魔術、という設定が秀逸であるのが前提ですが。
ネタばれありのあらすじを・・・
博物館で展示中のマリ―・アントワネット縁の「王妃の首飾り」を狙ってルパンファミリーが侵入。
銭形警部を始めとする厳重な警備をついて正に首飾りを手中に・・と思った瞬間、なぜか時空が歪み・・・・。
迷い込んだのは18世紀ロココ文化華やかかりし頃の宮中。ルイ16世謁見の場をかき乱し、なぜか王妃に気に入られる。元の時代に戻るべく、錬金術師と名高いカリオストロ伯爵のもとを訪れるが、彼は王妃の侍女で悪女ジャンヌと愛人である秘書レト―、そして巫女として恋人セラフィーヌを使ってもっともらしく宣託を唱える詐欺師だった。
彼が師匠から譲り受けた魔術書を見つけカリオストロの初心を思い起こさせるルパン。
もとの時代に戻る時空の魔術に必要なもう一つのネックレス「マリアの涙」を手に入れるべく王妃の寝室に現れたルパンをマリ―は歓迎。ローマの休日よろしく夜のパリに繰り出すが・・・。
そこで見たのは自身を痛烈に風刺する音楽劇。モノ知らずで愚かな自分を認める素直なマリ―にほだされたルパンはある計画を胸に抱く。
一方、カリオストロ伯爵は相談者の宝石商から聞いた買い手のつかないほど高額な「王妃の首飾り」をだまし取るべく財務大臣の座を狙うロアン大司教をだまして出資させることに成功。
「マリアの涙」「王妃の首飾り」そしてネズミと魔術書の呪文が揃い、ルパンの指示する行き先はなぜか8年後。
ルパンを追って18世紀に来てしまった銭形警部を残して、あることを含めるルパン。
カリオストロの魔法は成功。本物の錬金術師になった!と喜ぶも・・・
その後の8年、「銭形マーチ」の背景で、時代が革命に動く。逃げる王宮の人々、幽閉されるカリオストロが首飾りをセラフィーナに託し、王様一家を「マリアの涙」の売却資金でジャンヌとレト―が匿い、王妃は幽閉の身に。王妃を慕う衛兵隊士アンリとジョルジュは尊敬する警部がロベスピエールの片腕として成り上がることに違和感を隠せない。
そこに騎士姿のルパンが面会してある計画をマリ―に告げる。
処刑の当日、断頭台の仕掛けでルパンは王妃を人形にすり替える。検閲の場でそれを通す役割を果たす銭形に、彼の真意を知って涙するジョルジュとアンリ。
全員揃ったところで革命政府に見つかって、大取りもの劇が展開するが、最終的には計画通り、歴史を変えずに国王一家を救出したルパン。セラフィーナがカリオストロに託された首飾りをルパンに渡すと逃亡生活の糧にとそれをルパンがマリーにプレゼント。感激の涙・・「マリ―の涙」も揃って条件が整い、ルパンは呪文を唱えて今度こそ現代に!
もどった先は博物館。銭形警部がほぞをかむ中、マリ―の子孫が先祖の遺言とルパンに首飾りを譲渡。王妃の首飾りを今度こそ!と、その時 流れる旋律は・・・カリオストロのテーマ。
手間賃をもらっていなかったからなと時を超えるカリオストロ伯爵が登場。追いかける面々に魔法をかけて・・・ちゃっかりと首飾りを手中に。
伯爵を皆が追いかけて一人残された舞台でルパンはあのテーマ曲を歌い、軽やかに去ってゆく・・・。
オリジナルキャストとルパンファミリーの絡みも面白く、毎日日替わりでアドリブで繋いでいく諏向もあり、雪組メンバーの達者さと徐々にそのノリに慣れていく花組から異動したての望海風斗=カリオストロの成長ぶりも楽しめて色々とお得な舞台です
個々に感想を
■ルパン三世: 早霧 せいな
身長がもう少しあれば・・という文句も忘れてしまうくらいリアルにルパン!
ふくらはぎと太ももが同じ太さかと見まごう細さでシルエットがルパン!セリフの言い回しもあのアニメのルパンを研究したのだろうなと思える上手さ。でもって、宝塚的な2枚目FACEで風刺劇にショックを受けて泣きごとを言うマリ―に言うことが「被害者ぶるのはみっともないぜ。知ろうと思えばいくらでも知ることはできたはずだ」とハードボイルド。でも素直に「そうね」と涙ぐむマリ―に義侠心がムクムクと・・の流れが自然。
あと、ラスト、銀橋であのテーマソングを歌い切り(本当はだいもんで聴きたかったかも・・・^^;)舞台奥に背中を見せて去っていく途中、ちょっと横っ跳びで両足をパンと合わせる動きを入れるのがアニメそのもので!
早霧さんの身体能力と軽妙さと鋭さを持ち合わせた芝居の上手さが如何なく発揮されてとても魅力的でした。
■マリ―・アントワネット: 咲妃 みゆ
芝居功者で定評のある彼女。取り入ろうとするロアンを剣もほろろに追い返す声の権高さと好感を持つルパンの自己紹介を受けて「ルパンパカパンパン・・三世さん?」などと早霧ルパンのアドリブに忠実にボケる勘の良さのGAPをしっかり見せていました。
ローマの休日的 おしのびパリの夜の場面での、はしゃぎっぷりから次第に意気消沈する様の上手さ、そして何よりもルパンと観客の心をぐっと掴む、ルパンに諭されての「・・・そうね」と素直に自らの非を認めつつの涙声の健気さ!
決して美女ではないのですが、声が良くて芝居心があるから、高貴かつ愛らしいマリ―がしっかりと成り立っていました。
■カリオストロ伯爵: 望海 風斗
まがまがしく登場!の錬金術師。ですが、この人の内に秘める葛藤。
貧しかった少年時代から救ってくれた師匠の没落と失意を胸におさめて斜に構えて詐欺師として生きていた彼がルパンに焚きつけられて本物の錬金術師としてのプライドを取り戻す・・・。
という実にシリアスな物語のもう一つの屋台骨を背負っておきながら、恋人にジュゼッぺと本名で呼びかけられると切れ、ルパンには翻弄されまくるヘタレキャラ。
アドリブも初日近くでは上手く返せなかったのに、ある日は、レト―とジャンヌが登場時の雑談で、「カリオストロの髪って三つ編みで作ってるんですって」「へぇ~」から始まり登場!と後ろを向いたらセンターに太い三つ編み!で客席を沸かせ、更に、ラストの取りもので銀橋で魔法にかけてストップモーション状態のルパンファミリーをいじる場面、不二子ちゃんの髪を三つ編みにしようとしたり、最後まで細かい芸で客席を沸かせるように成長し。
すっかりこの公演で雪組の人、になりましたね。いえ、花男テイストを残したままで馴染んでいただけるのが最高なのですけれど^^ 5月の主演公演「アルカポネ」が楽しみです。
■銭形警部: 夢乃 聖夏
ともみん(夢乃)の退団公演でもあるこの公演。面白すぎる社交ダンスおたくドニ―・カーティスで大ブレイクした彼女、その後ベルばらのアンドレ役や「伯爵令嬢」でのクールな2枚目で 実は超絶スタイルの良い、星組TOP柚希礼音さん似の2枚目であることを改めて知らしめたにも関わらず、最後はまた3枚目・・・><とファンの心中は如何に!?と心配しましたが、いや、作り込んで極めてきました。
下睫毛バッチリですが、ルパンに暑苦しく取り着く反面、意図するところを汲んでの泣かせる活躍。
長い長い「銭形マーチ」を可愛く芸達者なアンリとジョルジュと言うチームを引き連れて緩急つけて大きなアクションと情熱をこめて歌い切った夢乃さんブラボーです。22日に楽を控えた17日の夜公演、銀橋センターで懐の拳銃を客席に落とすというアクシデントがありましたが、お客様から受け取ってカッコよくThankYou!と決めてまた歌いだしたときに客席から最後まで熱い手拍子が!という感動的なハプニングに遭遇した時のことは忘れません。
長い長い脚を大きく降りかぶっての行くぞ~!とのルパン追跡ポーズの迫力も夢乃さんならでは、でしたね。
■峰不二子 :大湖 せしる
登場シーンから魅力全開!なんといっても元男役。身体能力と身体のキレの良さが素晴らしく、ポーズとポーズの間の無駄のないシュッとした動きと色っぽくアッハンしてもイヤらしくならない硬質な魅力がタカラヅカの不二子ちゃんとしてはアリかなと。あまり生々しくならず、記号としての不二子ちゃんはきっちりとなぞりつつ(髪をかきあげてのセクシ―ポ―ズとか谷間をピンクシャドウで描きこんでいたりとか^^)キレ味の良いアクションで活劇ルパン三世を盛り立てましたv
「裏切りは女のアクセサリーよ」とか、ちゃっかりお金と宝石のあるほうになびく欲望に忠実なところとか、ガーターベルトに装着した銃をチャッと構えるとか。原作イメージ満載.
■石川五エ門 : 彩凪 翔
この配役、当たりましたね! 眼力がスゴイ翔君、で、スタイル的にはあまり恵まれていないのですが和服でNO問題。基本美形でクールな剣士なのですが、カリオストロの部屋で皆で並んで足上げするところ、日によって意外な笑顔を見せたり、ジャンヌたちの護衛としてロアン枢機卿にアントワネットとの密会を持ちかける場面、思いがけずロアンの愛人として登場した不二子に「なにやってんだ!」的にこっそりとモノ言いに行き、計画を明かして協力しろよと言い含めたあと、状況だけ観て想像したレト―がコレなの?と指ジェスチャーでニヤニヤといじるのをめんどくさそうにしてみたり調子をあわせてみたり・・・の小芝居もさることながら、カリオストロの部屋に出没し、センターでルパンとカリオストロの会話が繰り広げられている間、上手の椅子で坐って脚を縮めて浮かし、小さくなって気配を消している五衛門のシルエットに「漫画読んで研究したんだろうなぁ・・」と。マンマ、でした。あと殺陣の後、剣を鞘に納めるところも一発でピシッと。「シャキ―ン!」の効果音と気持ちよく合わせていました。
■次元大介 :彩風 咲奈
で、お対の次元ですが。正直、雪組の中堅路線スター彩彩コンビよりもその下のれいこひとこに目が行っているわたくしですが、今回、彩彩いいじゃない!!と大いに見直しましたよ~。
だって・・・次元カッコいい!文句なしです。
翔君と真逆で、お顔は八重歯のもんちっちにしか見えないxxことの多い咲奈ちゃん。でもスタイル抜群、脚長で実力にもアナがない。(なんといっても93期の首席)。そんな咲奈ちゃんが帽子にお髭、咥え煙草の次元演じると・・・。
誰よりも漫画の次元そのもののそのシルエット!だけでなく、小芝居が素晴らしい。
五衛門の待機のポーズの間、次元はシンメの下手でドッカと椅子に坐り、後ろのテーブルからワインを見つけ、勝手にグラスに注いでグッと飲んでペッと吐きだす・・・。なぁんてことをしているんですよ~。
ルパンに続いて逃げる時、帽子を頭上で片手で押さえてちょっとピョンっとジャンプして掃ける感じとか、乱闘場面でカッコよく相手をのした後、何気に手が痛テ~的に片手を振ったり・・・。
寡黙な男ゆえセリフはごくごく少ないのですが、居方そのものが雄弁で、原作次元ファンのわたくしはもう、オペラで咲奈ちゃんカッコいい!と食いつきましたよ!
あと、裏切った不二子ちゃんが現代に戻ろうとするとちゃっかり仲間入りして、ルパンがしょうがないな~と受け入れると彩彩が2人して声を合わせて低く「やれやれ」というところもツボでした^^
■レト―・ド・ラ・ヴィレット(ジャンヌの愛人) :月城 かなと
金髪縦ロール、金色の宮廷服あるいはグレーの街着、で登場の舞台を彩るイケメン枠、時にテキパキ、時にボケて美味しく存在するレト―役。初見では、宙組のスマートな長身宮廷服の並びが残っていたので若干もったりとしてみえないでもなく・・・ですが、見慣れてくるとやっぱりキレイ。
アドリブ女王透水さらさ嬢の愛人として彼女に対しては頭が上がらない感、五衛門にはなぜか上から目線なのに追手に向けたつもりの銃がなくて焦るなどのヘタレキャラ設定もあり、という作り込み甲斐のある役どころ。・・・で、まじめなイメージのれいこちゃん(月城)ですが、この公演を通じてリラックスして芝居を楽しむことを会得したのでは?舞台にいる時間が長い設定がありがたかったです。(ファン)
■ロアン枢機卿(ストラスブールの大司教):蓮城 まこと
その世俗的すぎる性格と派手な女性関係でアントワネットにうとまれているも、本人は財務長官の座を狙ってなんとか王妃に取り入ろうと懸命・・・な国民には圧倒的な人気を誇る親しみやすいキャラクターの枢機卿。だまされて首飾りの代金(国家予算並み)を用立てるだけの財力もある割にとてもとても親しみやすい、というか全くのお色気お笑いキャラとして作り込んできました。
悪くて色っぽい役どころはキング(蓮城)の得意とするところですが、かなりノリノリでお笑いに特化しているところに好き嫌いが分かれるかも。わたくしは彼女の軽妙さと憎めない魅力を楽しみました^^
不二子ちゃんを壁ドンするところで、セットの書割がリアルに揺れていたのがMyツボです^^;
■マリー・ルゲイ(一座の主演女優):舞咲 りん
そのロアン様を陥れるカリオストロのたくらみに加担するのが 女優マリ―。ルパンと王妃マリ―の夜のお散歩で出会う大道芸での特設劇場で、マリ―・アントワネット風刺劇を毒々しく歌い踊る看板スター。この舞台での顔と夜の庭園で暗闇にまぎれてロアン枢機卿を罠にはめる偽りの王妃の顔、いずれも色濃く毒々しくコミカルでドスが効いていて、これぞヒメ(舞咲)という感じ。彼女は圧倒的な力量でやややりすぎに陥るきらいがあるスターですけど、キングともども、今回はアニメの世界ということで、そのカリカチュアライズされた持ち味が効果的に見えていたと思いますv
■ポリニャック公爵夫人(マリー・アントワネットの取り巻き) :早花 まこ
オレンジ色の艶やかなドレスでマリ―・ルイ―ズ星乃あんりちゃんとお対で登場・・なれど、あまりこの2人は仲が良くないみたい・・というのが史実に即したネタで、王妃の寝室を去るときに2人で陰険漫才?をするのが小さなツボ。
ポ「おいしいお菓子があるのよ、いただきましょう^^」マ「あら、まだ召しあがるんですか」とか「ほどほどになさったら」とか「太りますわよ」とか^^;
王妃に対してはため口でちょっとソプラノで作った声、が一見優しげで野心を秘めたポリニャック夫人らしく・・・。
早花嬢については月刊誌「歌劇」で彼女担当のコラムでの絶妙な筆のキレ味から文豪イメージが強く、何をしてもその一癖ある切れ者の素顔が見え隠れしてしまう気がしてしまうのがヅカファンあるある かも。
■マリー・ルイーズ(ランバル公妃): 星乃 あんり
ヒロイン候補として路線バリバリで使われたいた頃は見た目の可憐さに対して演技歌などのスキルの弱さが残念がられていた彼女。TOP娘役候補としての目が次世代に映った頃から色々と自由になって特に演技面でこんな一面が?!と面白いところがみえてきたあんりちゃん。姉さんキャラが良かった前回に続き、アントワネットの終生変らぬ忠実な侍女として、お仕事は粛々と(牢獄でも・・)こなしつつ、心底から忠実とは言えない仲間にピシャリと返す芯の強さも見せて、脇には勿体ない可愛らしさなれど、演技功者として味が出てきました。
■オランド長官(フランス国家警察本部の長官): 朝風 れい
冒頭で機動隊員を並べて銭形警部と対話するスーツ姿がカッコ良く、その後時代が変ってお出ましにならないのが残念・・と思っていたら、アントワネット処刑の場面の群衆に紛れていらしたりとか・・・
ついお姿を追ってしまう朝風先輩。元月組の越リュウ組長ポジ、色気のあるカッコ良い別格男役上級生、ですね。
こういう方が脇に配されているのが舞台を豊かにしてくれると実感します。
■ジョルジュ(近衛兵) : 真那 春人
むちゃくちゃ可愛い二個イチの2人、ジョルジュとアンリ。金髪のジョルジュはこちらです。
ふたり揃って銭形警部と出会ってから警部の片腕?部下?のように常につき従い、猪突猛進の警部に必死でついていこうとする姿がいじらしくも愛らしい・・・というところ、銭形夢乃さんのアドリブ?にいちいち豊かな表情で反応。
銭形マーチの冒頭、銀橋に向かう警部を見ながら本舞台下手で2人で行きつ戻りつする振りが抜群。
■アンリ(近衛兵) :帆風 成海
可愛い2人組その2。本当に、夢乃さんの一言一言に対応する表情と仕草を見ているだけで、本当にコノ人、芝居心があるなぁと実感できる、「出来る下級生」ポジでずっと期待されてきたホタテくんこと帆風さん。
この公演が退団公演と思うと一層惜しまれます。
それにしても、チーム銭形、3人中2人が退団公演って::
を受けてか、芝居・ショーともに残されるまなはるくんの決意と言いますか全身全霊こめてます感が素晴らしいと思った今公演、でした。
■マクシミリアン・ロベスピエール(フランス革命の指導者):香綾 しずる
「前田慶次」でのくぐつの長、「パルムの僧院」では大人の恋を演じる貴族と大人の男役としてその演技力で芝居を締めるがおりさん(香稜)。今回は生真面目なロベスピエールですが、最後、ルパンに追い詰められて、撃たれたか!と思わせて銃口からは花が・・というシーンで必ず一言アドリブで落ちをつける担当として、当意即妙の才を発揮されていました。
■ミラボー(革命家) :煌羽 レオ
しどころのない、といえばない役ですが、頭の形が良く、中高の舞台映えする容姿で、ロベスピエール付きの2個イチの一角を。王妃処刑のときの判決を読み上げるセリフ声がしっかりしてきたなと。
■バルナーヴ(政治家):永久輝 せあ
ひとこちゃん(永久輝)は新公初主演を控えて、本公演ではさりげなく舞台にいて早霧さんを観られるポジにいましたね。牢獄の王妃を変装したルパンが訪ねる場面の警備兵にもなっていて、配慮されているなと思いました。
革命軍3人組の中ではシルバーの宮廷服を着ての登場場面が綺麗でしたね。彼女は高身長ではありませんが、頭身バランスが良くてスラリとしているのでコスチュームも着映えします。
■ セラフィーナ(カリオストロ伯爵の助手):有沙 瞳
「前田慶次」の新公で正統派ヒロインを演じた後、「伯爵令嬢」で路線娘役がこの役って?!と心配された悪役アンナを母を慕う一面を前面に出して観客の共感を誘う巧みな役作りで、演技派としての評価も確立した観のある有紗瞳ちゃん。今回はカリオストロの恋人で、えせ巫女を表情豊かにチャーミングに演じていますね。中高で作りの大きなお顔ですが、ちょっと瞼が重いかな?でも表情が豊かでそれを感じさせない舞台姿で、お歌も上手なのでこれからも期待したい娘役さんです。
■ジャンヌ・ド・ラ・モット伯爵夫人(首飾り事件の首謀者) :透水 さらさ
美声で演技もアドリブも安定感漂うさらさちゃん。ブルボン家に反感を持つ敵役的な悪女ジャンヌ役ですが、美形でちょっとおとぼけなレト―を従えてご機嫌麗しくゆったりと年上美女を演じています^^。革命がはじまると早々に王様一家の救出を申し出るなど良いヒトなジャンヌでした。
■シャルル・ベーマー(宝石商) :透真 かずき
運動会で俊足ぶりを披露したできる子りーしゃ(透真)。今回はデキル子ペア?で、おかまさんな宝石商をあすくんとユーモアたっぷりに演じています。 ね~え、というオネエっぽい言い方が叶姉妹のお姉さま的で、研究したのかしら?。この人たちも毎回アドリブで登場。ある回ではセーヌ川に身投げするしか・・のくだりで人魚姫のように・・と笑いを取り、なおかつ床の上でのたうちまわって陸に揚げられた魚のジェスチャーも・・・@@
さすが身体能力の高いジェンヌ・・と変なところで感心させられました^^;
■ポール・パッサンジュ(宝石商): 久城 あす
デキル子ペアその2。
2人ともフリフリの宮廷服に鬘にたくさん小さなリボンをつけたり、お化粧もピンク多目でラブリーなおかまちゃん仕様。脚をちょっと内またにしてモジモジさせたり、芸が細かいところが流石あすくん。美声なので、歌の場面が欲しかった・・・。
カリオストロ伯爵のもとに集う人々が相談者(久城)も協力者(透水、月城、有紗)もそして伯爵本人(望海)も歌ウマ美声揃いなのに、なぜか歌うのはルパンファミリー・・・というのがなんとも勿体ない!
とはいえ、雪組の実力・演技力・アドリブ力が実感でき、なおかつ楽しい良作でした!ルパン万歳
宙で燃え尽きて雪はちょっと癒しの時間で軽く観るか・・・くらいの気分で赴いた劇場でグッと心を掴まれてしまい・・
花組の「エリザベート」以上のチケット難公演と言われて確かにお取次チケットで初の(!)お断りが出たり・・・紆余曲折はありましたが、手を尽くしてなんと新公入れて8回観ることが出来・・・。
「ルパン」は初見からメインメンバーのあまりにハマったキャラクター作りに感動し、ショーは事前に色々と聞いていたので心の準備はできていたので(笑)期待値下げて観たら、勿論ダメなところはあったのですけど、ツボな場面の濃さにヤラれてしまい・・・。「するめショー」と評する方々のお気持ちがわかりました^^;
もう・・ルパンファミリー、そして、タイムスリップした先のパリメンバーがそれぞれ素晴らしくて・・・。
勿論、演出の小柳先生のアイデア、宝塚の十八番であるフランス革命時の18世紀パリへのタイムスリップとそこに絡める錬金術師カリオストロ伯爵の魔術、という設定が秀逸であるのが前提ですが。
ネタばれありのあらすじを・・・
博物館で展示中のマリ―・アントワネット縁の「王妃の首飾り」を狙ってルパンファミリーが侵入。
銭形警部を始めとする厳重な警備をついて正に首飾りを手中に・・と思った瞬間、なぜか時空が歪み・・・・。
迷い込んだのは18世紀ロココ文化華やかかりし頃の宮中。ルイ16世謁見の場をかき乱し、なぜか王妃に気に入られる。元の時代に戻るべく、錬金術師と名高いカリオストロ伯爵のもとを訪れるが、彼は王妃の侍女で悪女ジャンヌと愛人である秘書レト―、そして巫女として恋人セラフィーヌを使ってもっともらしく宣託を唱える詐欺師だった。
彼が師匠から譲り受けた魔術書を見つけカリオストロの初心を思い起こさせるルパン。
もとの時代に戻る時空の魔術に必要なもう一つのネックレス「マリアの涙」を手に入れるべく王妃の寝室に現れたルパンをマリ―は歓迎。ローマの休日よろしく夜のパリに繰り出すが・・・。
そこで見たのは自身を痛烈に風刺する音楽劇。モノ知らずで愚かな自分を認める素直なマリ―にほだされたルパンはある計画を胸に抱く。
一方、カリオストロ伯爵は相談者の宝石商から聞いた買い手のつかないほど高額な「王妃の首飾り」をだまし取るべく財務大臣の座を狙うロアン大司教をだまして出資させることに成功。
「マリアの涙」「王妃の首飾り」そしてネズミと魔術書の呪文が揃い、ルパンの指示する行き先はなぜか8年後。
ルパンを追って18世紀に来てしまった銭形警部を残して、あることを含めるルパン。
カリオストロの魔法は成功。本物の錬金術師になった!と喜ぶも・・・
その後の8年、「銭形マーチ」の背景で、時代が革命に動く。逃げる王宮の人々、幽閉されるカリオストロが首飾りをセラフィーナに託し、王様一家を「マリアの涙」の売却資金でジャンヌとレト―が匿い、王妃は幽閉の身に。王妃を慕う衛兵隊士アンリとジョルジュは尊敬する警部がロベスピエールの片腕として成り上がることに違和感を隠せない。
そこに騎士姿のルパンが面会してある計画をマリ―に告げる。
処刑の当日、断頭台の仕掛けでルパンは王妃を人形にすり替える。検閲の場でそれを通す役割を果たす銭形に、彼の真意を知って涙するジョルジュとアンリ。
全員揃ったところで革命政府に見つかって、大取りもの劇が展開するが、最終的には計画通り、歴史を変えずに国王一家を救出したルパン。セラフィーナがカリオストロに託された首飾りをルパンに渡すと逃亡生活の糧にとそれをルパンがマリーにプレゼント。感激の涙・・「マリ―の涙」も揃って条件が整い、ルパンは呪文を唱えて今度こそ現代に!
もどった先は博物館。銭形警部がほぞをかむ中、マリ―の子孫が先祖の遺言とルパンに首飾りを譲渡。王妃の首飾りを今度こそ!と、その時 流れる旋律は・・・カリオストロのテーマ。
手間賃をもらっていなかったからなと時を超えるカリオストロ伯爵が登場。追いかける面々に魔法をかけて・・・ちゃっかりと首飾りを手中に。
伯爵を皆が追いかけて一人残された舞台でルパンはあのテーマ曲を歌い、軽やかに去ってゆく・・・。
オリジナルキャストとルパンファミリーの絡みも面白く、毎日日替わりでアドリブで繋いでいく諏向もあり、雪組メンバーの達者さと徐々にそのノリに慣れていく花組から異動したての望海風斗=カリオストロの成長ぶりも楽しめて色々とお得な舞台です
個々に感想を
■ルパン三世: 早霧 せいな
身長がもう少しあれば・・という文句も忘れてしまうくらいリアルにルパン!
ふくらはぎと太ももが同じ太さかと見まごう細さでシルエットがルパン!セリフの言い回しもあのアニメのルパンを研究したのだろうなと思える上手さ。でもって、宝塚的な2枚目FACEで風刺劇にショックを受けて泣きごとを言うマリ―に言うことが「被害者ぶるのはみっともないぜ。知ろうと思えばいくらでも知ることはできたはずだ」とハードボイルド。でも素直に「そうね」と涙ぐむマリ―に義侠心がムクムクと・・の流れが自然。
あと、ラスト、銀橋であのテーマソングを歌い切り(本当はだいもんで聴きたかったかも・・・^^;)舞台奥に背中を見せて去っていく途中、ちょっと横っ跳びで両足をパンと合わせる動きを入れるのがアニメそのもので!
早霧さんの身体能力と軽妙さと鋭さを持ち合わせた芝居の上手さが如何なく発揮されてとても魅力的でした。
■マリ―・アントワネット: 咲妃 みゆ
芝居功者で定評のある彼女。取り入ろうとするロアンを剣もほろろに追い返す声の権高さと好感を持つルパンの自己紹介を受けて「ルパンパカパンパン・・三世さん?」などと早霧ルパンのアドリブに忠実にボケる勘の良さのGAPをしっかり見せていました。
ローマの休日的 おしのびパリの夜の場面での、はしゃぎっぷりから次第に意気消沈する様の上手さ、そして何よりもルパンと観客の心をぐっと掴む、ルパンに諭されての「・・・そうね」と素直に自らの非を認めつつの涙声の健気さ!
決して美女ではないのですが、声が良くて芝居心があるから、高貴かつ愛らしいマリ―がしっかりと成り立っていました。
■カリオストロ伯爵: 望海 風斗
まがまがしく登場!の錬金術師。ですが、この人の内に秘める葛藤。
貧しかった少年時代から救ってくれた師匠の没落と失意を胸におさめて斜に構えて詐欺師として生きていた彼がルパンに焚きつけられて本物の錬金術師としてのプライドを取り戻す・・・。
という実にシリアスな物語のもう一つの屋台骨を背負っておきながら、恋人にジュゼッぺと本名で呼びかけられると切れ、ルパンには翻弄されまくるヘタレキャラ。
アドリブも初日近くでは上手く返せなかったのに、ある日は、レト―とジャンヌが登場時の雑談で、「カリオストロの髪って三つ編みで作ってるんですって」「へぇ~」から始まり登場!と後ろを向いたらセンターに太い三つ編み!で客席を沸かせ、更に、ラストの取りもので銀橋で魔法にかけてストップモーション状態のルパンファミリーをいじる場面、不二子ちゃんの髪を三つ編みにしようとしたり、最後まで細かい芸で客席を沸かせるように成長し。
すっかりこの公演で雪組の人、になりましたね。いえ、花男テイストを残したままで馴染んでいただけるのが最高なのですけれど^^ 5月の主演公演「アルカポネ」が楽しみです。
■銭形警部: 夢乃 聖夏
ともみん(夢乃)の退団公演でもあるこの公演。面白すぎる社交ダンスおたくドニ―・カーティスで大ブレイクした彼女、その後ベルばらのアンドレ役や「伯爵令嬢」でのクールな2枚目で 実は超絶スタイルの良い、星組TOP柚希礼音さん似の2枚目であることを改めて知らしめたにも関わらず、最後はまた3枚目・・・><とファンの心中は如何に!?と心配しましたが、いや、作り込んで極めてきました。
下睫毛バッチリですが、ルパンに暑苦しく取り着く反面、意図するところを汲んでの泣かせる活躍。
長い長い「銭形マーチ」を可愛く芸達者なアンリとジョルジュと言うチームを引き連れて緩急つけて大きなアクションと情熱をこめて歌い切った夢乃さんブラボーです。22日に楽を控えた17日の夜公演、銀橋センターで懐の拳銃を客席に落とすというアクシデントがありましたが、お客様から受け取ってカッコよくThankYou!と決めてまた歌いだしたときに客席から最後まで熱い手拍子が!という感動的なハプニングに遭遇した時のことは忘れません。
長い長い脚を大きく降りかぶっての行くぞ~!とのルパン追跡ポーズの迫力も夢乃さんならでは、でしたね。
■峰不二子 :大湖 せしる
登場シーンから魅力全開!なんといっても元男役。身体能力と身体のキレの良さが素晴らしく、ポーズとポーズの間の無駄のないシュッとした動きと色っぽくアッハンしてもイヤらしくならない硬質な魅力がタカラヅカの不二子ちゃんとしてはアリかなと。あまり生々しくならず、記号としての不二子ちゃんはきっちりとなぞりつつ(髪をかきあげてのセクシ―ポ―ズとか谷間をピンクシャドウで描きこんでいたりとか^^)キレ味の良いアクションで活劇ルパン三世を盛り立てましたv
「裏切りは女のアクセサリーよ」とか、ちゃっかりお金と宝石のあるほうになびく欲望に忠実なところとか、ガーターベルトに装着した銃をチャッと構えるとか。原作イメージ満載.
■石川五エ門 : 彩凪 翔
この配役、当たりましたね! 眼力がスゴイ翔君、で、スタイル的にはあまり恵まれていないのですが和服でNO問題。基本美形でクールな剣士なのですが、カリオストロの部屋で皆で並んで足上げするところ、日によって意外な笑顔を見せたり、ジャンヌたちの護衛としてロアン枢機卿にアントワネットとの密会を持ちかける場面、思いがけずロアンの愛人として登場した不二子に「なにやってんだ!」的にこっそりとモノ言いに行き、計画を明かして協力しろよと言い含めたあと、状況だけ観て想像したレト―がコレなの?と指ジェスチャーでニヤニヤといじるのをめんどくさそうにしてみたり調子をあわせてみたり・・・の小芝居もさることながら、カリオストロの部屋に出没し、センターでルパンとカリオストロの会話が繰り広げられている間、上手の椅子で坐って脚を縮めて浮かし、小さくなって気配を消している五衛門のシルエットに「漫画読んで研究したんだろうなぁ・・」と。マンマ、でした。あと殺陣の後、剣を鞘に納めるところも一発でピシッと。「シャキ―ン!」の効果音と気持ちよく合わせていました。
■次元大介 :彩風 咲奈
で、お対の次元ですが。正直、雪組の中堅路線スター彩彩コンビよりもその下のれいこひとこに目が行っているわたくしですが、今回、彩彩いいじゃない!!と大いに見直しましたよ~。
だって・・・次元カッコいい!文句なしです。
翔君と真逆で、お顔は八重歯のもんちっちにしか見えないxxことの多い咲奈ちゃん。でもスタイル抜群、脚長で実力にもアナがない。(なんといっても93期の首席)。そんな咲奈ちゃんが帽子にお髭、咥え煙草の次元演じると・・・。
誰よりも漫画の次元そのもののそのシルエット!だけでなく、小芝居が素晴らしい。
五衛門の待機のポーズの間、次元はシンメの下手でドッカと椅子に坐り、後ろのテーブルからワインを見つけ、勝手にグラスに注いでグッと飲んでペッと吐きだす・・・。なぁんてことをしているんですよ~。
ルパンに続いて逃げる時、帽子を頭上で片手で押さえてちょっとピョンっとジャンプして掃ける感じとか、乱闘場面でカッコよく相手をのした後、何気に手が痛テ~的に片手を振ったり・・・。
寡黙な男ゆえセリフはごくごく少ないのですが、居方そのものが雄弁で、原作次元ファンのわたくしはもう、オペラで咲奈ちゃんカッコいい!と食いつきましたよ!
あと、裏切った不二子ちゃんが現代に戻ろうとするとちゃっかり仲間入りして、ルパンがしょうがないな~と受け入れると彩彩が2人して声を合わせて低く「やれやれ」というところもツボでした^^
■レト―・ド・ラ・ヴィレット(ジャンヌの愛人) :月城 かなと
金髪縦ロール、金色の宮廷服あるいはグレーの街着、で登場の舞台を彩るイケメン枠、時にテキパキ、時にボケて美味しく存在するレト―役。初見では、宙組のスマートな長身宮廷服の並びが残っていたので若干もったりとしてみえないでもなく・・・ですが、見慣れてくるとやっぱりキレイ。
アドリブ女王透水さらさ嬢の愛人として彼女に対しては頭が上がらない感、五衛門にはなぜか上から目線なのに追手に向けたつもりの銃がなくて焦るなどのヘタレキャラ設定もあり、という作り込み甲斐のある役どころ。・・・で、まじめなイメージのれいこちゃん(月城)ですが、この公演を通じてリラックスして芝居を楽しむことを会得したのでは?舞台にいる時間が長い設定がありがたかったです。(ファン)
■ロアン枢機卿(ストラスブールの大司教):蓮城 まこと
その世俗的すぎる性格と派手な女性関係でアントワネットにうとまれているも、本人は財務長官の座を狙ってなんとか王妃に取り入ろうと懸命・・・な国民には圧倒的な人気を誇る親しみやすいキャラクターの枢機卿。だまされて首飾りの代金(国家予算並み)を用立てるだけの財力もある割にとてもとても親しみやすい、というか全くのお色気お笑いキャラとして作り込んできました。
悪くて色っぽい役どころはキング(蓮城)の得意とするところですが、かなりノリノリでお笑いに特化しているところに好き嫌いが分かれるかも。わたくしは彼女の軽妙さと憎めない魅力を楽しみました^^
不二子ちゃんを壁ドンするところで、セットの書割がリアルに揺れていたのがMyツボです^^;
■マリー・ルゲイ(一座の主演女優):舞咲 りん
そのロアン様を陥れるカリオストロのたくらみに加担するのが 女優マリ―。ルパンと王妃マリ―の夜のお散歩で出会う大道芸での特設劇場で、マリ―・アントワネット風刺劇を毒々しく歌い踊る看板スター。この舞台での顔と夜の庭園で暗闇にまぎれてロアン枢機卿を罠にはめる偽りの王妃の顔、いずれも色濃く毒々しくコミカルでドスが効いていて、これぞヒメ(舞咲)という感じ。彼女は圧倒的な力量でやややりすぎに陥るきらいがあるスターですけど、キングともども、今回はアニメの世界ということで、そのカリカチュアライズされた持ち味が効果的に見えていたと思いますv
■ポリニャック公爵夫人(マリー・アントワネットの取り巻き) :早花 まこ
オレンジ色の艶やかなドレスでマリ―・ルイ―ズ星乃あんりちゃんとお対で登場・・なれど、あまりこの2人は仲が良くないみたい・・というのが史実に即したネタで、王妃の寝室を去るときに2人で陰険漫才?をするのが小さなツボ。
ポ「おいしいお菓子があるのよ、いただきましょう^^」マ「あら、まだ召しあがるんですか」とか「ほどほどになさったら」とか「太りますわよ」とか^^;
王妃に対してはため口でちょっとソプラノで作った声、が一見優しげで野心を秘めたポリニャック夫人らしく・・・。
早花嬢については月刊誌「歌劇」で彼女担当のコラムでの絶妙な筆のキレ味から文豪イメージが強く、何をしてもその一癖ある切れ者の素顔が見え隠れしてしまう気がしてしまうのがヅカファンあるある かも。
■マリー・ルイーズ(ランバル公妃): 星乃 あんり
ヒロイン候補として路線バリバリで使われたいた頃は見た目の可憐さに対して演技歌などのスキルの弱さが残念がられていた彼女。TOP娘役候補としての目が次世代に映った頃から色々と自由になって特に演技面でこんな一面が?!と面白いところがみえてきたあんりちゃん。姉さんキャラが良かった前回に続き、アントワネットの終生変らぬ忠実な侍女として、お仕事は粛々と(牢獄でも・・)こなしつつ、心底から忠実とは言えない仲間にピシャリと返す芯の強さも見せて、脇には勿体ない可愛らしさなれど、演技功者として味が出てきました。
■オランド長官(フランス国家警察本部の長官): 朝風 れい
冒頭で機動隊員を並べて銭形警部と対話するスーツ姿がカッコ良く、その後時代が変ってお出ましにならないのが残念・・と思っていたら、アントワネット処刑の場面の群衆に紛れていらしたりとか・・・
ついお姿を追ってしまう朝風先輩。元月組の越リュウ組長ポジ、色気のあるカッコ良い別格男役上級生、ですね。
こういう方が脇に配されているのが舞台を豊かにしてくれると実感します。
■ジョルジュ(近衛兵) : 真那 春人
むちゃくちゃ可愛い二個イチの2人、ジョルジュとアンリ。金髪のジョルジュはこちらです。
ふたり揃って銭形警部と出会ってから警部の片腕?部下?のように常につき従い、猪突猛進の警部に必死でついていこうとする姿がいじらしくも愛らしい・・・というところ、銭形夢乃さんのアドリブ?にいちいち豊かな表情で反応。
銭形マーチの冒頭、銀橋に向かう警部を見ながら本舞台下手で2人で行きつ戻りつする振りが抜群。
■アンリ(近衛兵) :帆風 成海
可愛い2人組その2。本当に、夢乃さんの一言一言に対応する表情と仕草を見ているだけで、本当にコノ人、芝居心があるなぁと実感できる、「出来る下級生」ポジでずっと期待されてきたホタテくんこと帆風さん。
この公演が退団公演と思うと一層惜しまれます。
それにしても、チーム銭形、3人中2人が退団公演って::
を受けてか、芝居・ショーともに残されるまなはるくんの決意と言いますか全身全霊こめてます感が素晴らしいと思った今公演、でした。
■マクシミリアン・ロベスピエール(フランス革命の指導者):香綾 しずる
「前田慶次」でのくぐつの長、「パルムの僧院」では大人の恋を演じる貴族と大人の男役としてその演技力で芝居を締めるがおりさん(香稜)。今回は生真面目なロベスピエールですが、最後、ルパンに追い詰められて、撃たれたか!と思わせて銃口からは花が・・というシーンで必ず一言アドリブで落ちをつける担当として、当意即妙の才を発揮されていました。
■ミラボー(革命家) :煌羽 レオ
しどころのない、といえばない役ですが、頭の形が良く、中高の舞台映えする容姿で、ロベスピエール付きの2個イチの一角を。王妃処刑のときの判決を読み上げるセリフ声がしっかりしてきたなと。
■バルナーヴ(政治家):永久輝 せあ
ひとこちゃん(永久輝)は新公初主演を控えて、本公演ではさりげなく舞台にいて早霧さんを観られるポジにいましたね。牢獄の王妃を変装したルパンが訪ねる場面の警備兵にもなっていて、配慮されているなと思いました。
革命軍3人組の中ではシルバーの宮廷服を着ての登場場面が綺麗でしたね。彼女は高身長ではありませんが、頭身バランスが良くてスラリとしているのでコスチュームも着映えします。
■ セラフィーナ(カリオストロ伯爵の助手):有沙 瞳
「前田慶次」の新公で正統派ヒロインを演じた後、「伯爵令嬢」で路線娘役がこの役って?!と心配された悪役アンナを母を慕う一面を前面に出して観客の共感を誘う巧みな役作りで、演技派としての評価も確立した観のある有紗瞳ちゃん。今回はカリオストロの恋人で、えせ巫女を表情豊かにチャーミングに演じていますね。中高で作りの大きなお顔ですが、ちょっと瞼が重いかな?でも表情が豊かでそれを感じさせない舞台姿で、お歌も上手なのでこれからも期待したい娘役さんです。
■ジャンヌ・ド・ラ・モット伯爵夫人(首飾り事件の首謀者) :透水 さらさ
美声で演技もアドリブも安定感漂うさらさちゃん。ブルボン家に反感を持つ敵役的な悪女ジャンヌ役ですが、美形でちょっとおとぼけなレト―を従えてご機嫌麗しくゆったりと年上美女を演じています^^。革命がはじまると早々に王様一家の救出を申し出るなど良いヒトなジャンヌでした。
■シャルル・ベーマー(宝石商) :透真 かずき
運動会で俊足ぶりを披露したできる子りーしゃ(透真)。今回はデキル子ペア?で、おかまさんな宝石商をあすくんとユーモアたっぷりに演じています。 ね~え、というオネエっぽい言い方が叶姉妹のお姉さま的で、研究したのかしら?。この人たちも毎回アドリブで登場。ある回ではセーヌ川に身投げするしか・・のくだりで人魚姫のように・・と笑いを取り、なおかつ床の上でのたうちまわって陸に揚げられた魚のジェスチャーも・・・@@
さすが身体能力の高いジェンヌ・・と変なところで感心させられました^^;
■ポール・パッサンジュ(宝石商): 久城 あす
デキル子ペアその2。
2人ともフリフリの宮廷服に鬘にたくさん小さなリボンをつけたり、お化粧もピンク多目でラブリーなおかまちゃん仕様。脚をちょっと内またにしてモジモジさせたり、芸が細かいところが流石あすくん。美声なので、歌の場面が欲しかった・・・。
カリオストロ伯爵のもとに集う人々が相談者(久城)も協力者(透水、月城、有紗)もそして伯爵本人(望海)も歌ウマ美声揃いなのに、なぜか歌うのはルパンファミリー・・・というのがなんとも勿体ない!
とはいえ、雪組の実力・演技力・アドリブ力が実感でき、なおかつ楽しい良作でした!ルパン万歳