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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

「らくや」のイベント

2007-01-29 01:29:58 | きもの
27日の土曜日、会社帰りに立ち寄った、麻布のきものやさん「らくや」さんのイベントです。



30日まで、銀座のかねまつホールにて。
時間は11時から8時、最終日は5時までです。

石田節子さんの着物、と言えば、シックでおとなしめの色合いの紬のワントーンコーディネート。
着付けはゆったり、都会で現代の女性が気負わず着られる着物、というコンセプトがイメージでしたので、アンティークの豪華な振袖中心の今回の展示には、驚きました。


豪華な婚礼衣装に振袖、着付けも着物を重ねにしたり、半襟も帯地かと見まごう程のボリュームある金糸の豪奢なものなどが使われて、見ごたえあり。
ほとんどが、石田さんのコレクションのアンティークもの。写真をUPしたお着物は、30万ほどで、レンタルに出されているお品だそうです。
わたくしが気になったのは、紫の付け下げを重ねにしたもの。裾模様が、ターコイズからグリーンの棕櫚の葉と南国の花で、華やか。重ねにしているので裾が翻ってもまた裾模様が・・・というのは着て実際に動いている女性を見てみたいものだと思わせる着こなしでした。この着物に合わせた半襟も、大変にボリュームのある豪華な刺繍で、襟元と裾にポイントのある技あり着物で素敵でした。

展示場の半分はこのような、石田さんってもともとは目黒の池田さんにいらしたのね、という出自を思い起こさせるアンティークの世界。
残り半分は「移動らくや」、という平素麻布のらくやさんで扱っていらっしゃるお品プラス、お付き合いのある問屋さんから出品された反物や小物の展示販売会場。
もともと、らくやさんは反物については通常の呉服屋さんの1~2割抑えた価格設定をされているので、今回も比較的リーズナブルな反物がたくさん。明るいトーンの色目で単衣の無地紬を今年は・・と思っていたので、いくつかチェックしていましたら、販売員の方が、単衣ならこちらがお奨めですよ、と見せてくださったのが、伊那紬。
30cmほどが一パターンで、ブルーの濃淡の横縞が10cmほど、残りの20cmほどは淡い生成り地に淡いモスグリーンで小さな格子柄が。遠めに見ると白地にブルーの濃淡の横段のお着物として、かなり大胆な意匠です。
肩にかけていただくととても顔映りが良く、実際に巻き巻きしていただくと更に素敵!
無地・・・と思っていたのですが、こんな大きな縞柄もまたお着物ならでは、で良いものだなぁと思ったことでした。
あわせる帯も意外と選ばない。芥子・茶系の枡倉さんの帯も合いますし、ハンナリとした淡い芥子に昭和レトロな花柄も素敵。石田さんからのお奨めです、と渡されたのは、深い紺色の結城の帯で、お太鼓と前帯のあたりには織の格子の交点にポチッと入ったロイヤルブルーが水玉模様のような、粋な帯。
これにクリームイエローの帯締めと帯揚げで・・・とコーディネートしていただくと本当に爽やかでキッパリとした強さのある着姿。お値段が反物で30万強、帯は35万くらいでしたでしょうか。


ちょっと違いますが、右の真ん中の反物がイメージとしては近いでしょうか・・・。

もう一つ惹かれたのは、プレタがあると伺ったのですが・・・とお聞きして、見せていただいたコーナーにあった仮仕立てのお着物。雑誌で掲載されたとかで大変お買い得だそう。こっくりとしたピンク色に葡萄酒色で片端5cmほどに色が入った反物を追っかけで仕立てたもの。つまり、右袖は手元に、左袖は肩口にラインが入り、後はセンター、、前は上前にそのラインが来る、かなり大胆な意匠です。
当然染めてから織るわけで、こういう反物は見た目シンプルですが、その手間と緻密さを思うと。。。
ともに身長がある人のほうが似合うタイプで、大変惹かれました。
こちらは10万弱だったかな?プラスお仕立て代でお願いできるそうです。

一月は帯買いに走った割には、実際に着物を着る機会(というか気力?)がなかったのですが、来月は頑張らねば、と意欲が湧いて参りました・・・


ローラン・イレール アデュー公演!

2007-01-21 21:35:37 | BALLET
知る人ぞ知る、パリ、オペラ座バレエ団のエトワールにして、ルグリとともに、ルドルフ・ヌレエフの薫陶を受けた最後の世代を代表するダンサー、ローラン・イレール。


ギエムと踊るイレールです。

実はわたくしの中でNO.1のFavorite Dancerだったりするのですが、その彼の引退公演がOpera座公式サイトで 正式に発表されました。

ADIEUX DE LAURENT HILAIRE A LA SCENE

Monsieur Laurent Hilaire, danseur Etoile, fera ses adieux officiels à la scène, le mercredi 14 février 2007 à 19h30 au Palais Garnier.
A cette occasion, Laurent Hilaire dansera le rôle d’Apollon dans Apollon musagète de George Balanchine, avec notamment Agnès Letestu dans le rôle de Terpsichore.
Le programme se poursuivra par O zlozony / O composite de Trisha Brown, The Vertiginous Thrill of Exactitude de William Forsythe et Agon de George Balanchine. (en savoir plus sur le spectacle de ballet Balanchine/Brown/Forsythe >>>)

La soirée se terminera exceptionnellement par le ballet Le Chant du Compagnon errant de Maurice Béjart dont Laurent Hilaire fut l’un des interprètes privilégiés.
Créé en 1971 par Rudolf Noureev et Paolo Bortoluzzi, ce ballet avait été dansé, à la demande de Brigitte Lefèvre, par Laurent Hilaire et Manuel Legris lors de la soirée en hommage à Rudolf Noureev au Palais Garnier en janvier 2003. Ces deux danseurs Etoiles l’interpréteront à nouveau lors de la soirée du 14 février.

バランシンの「アポロ」とベジャールの「さすらう若者の歌」が、お別れの演目。
アポロはともかく、「さすらう・・」はルグリとのデュオで相手にとって不足なし!
前回(2004夏)のルグリのグループ来日公演のときの、感動的なパフォ-マンスが目に浮びます。
このときは、もう一演目、「ル・パルク」をオレリー・デュポンと踊ってこれもまた涙なしには思い起こすことの出来ない素晴らしさで・・・。

オレリーと踊るイレール。

2日続けて観にいったのですが、2日目にはわたくしの手に花束が・・・。五反田では初めて、デマチをして すでに花束に埋もれていたローランの手に押し付けたものです
その後、新国立の「マノン」は父上の危篤でキャンセル、「バレエの美神」ガラは体調不良でキャンセル、と振られっぱなし。2006年春のオペラ座公演のときはメートル・ド・バレエとして客席にいらっしゃるのをお見かけして、次の来日予定を伺ったところもう、日本で踊ることはないでしょうね、と言われてSHOCK!後はParisに行くしか・・・と覚悟はしていたのですが。

実は2006年12月の「ジゼル」に一日だけキャスティングされており、これがアデュー公演なのであろうと一度は言われていたのですが、直前になってキャンセル。
12月は仕事の都合上、どうしてもParisに行くことは叶わなかったのですが。

12月の公演がキャンセルになった時点で、もう、引退そのものが先送りになったかのような気になっていたわたくし、思いのほか、今回のNewsには衝撃を受けました・・・。
しばらくボーっとしてしまって。
いや、ボーっとしている場合ではありません!2月14日は万難を排して渡仏せねば・・・と、このNewsを目にしてからもう何をするにも上の空で、気もそぞろ。
・・・我ながら大変な舞い上がり方でございます。

さて、無事にParis行き&イレールお見送りは成功するのでしょうか・・・



ルグリ先生のスーパーバレエレッスン

2007-01-16 00:23:33 | BALLET
日曜日の朝、ふとNHK教育をつけて、これは一体・・・?!と釘付けになる人続出!



知る人は11月からテキストを購入して12月から4ヶ月の至福の時間に思いを馳せ、知らなかった人もその教師の真摯な教え方、生徒役のダンサーの未熟さがあるもののサラブレッド揃いの生まれ持っての典雅な美しさに魅了されいつしか惹きこまれていく・・・。

はい、始まって一ヶ月たちましたが、期待を遥に上回る出来映え、担当のNHKの職員にお礼のお歳暮を送ろうかとわたくし真剣に年末に悩んだ(笑)ものですが、ただいま絶好調の、NHK教育TVが贈る映像の宝石、「スーパーバレエレッスン」。講師は、パリ・オペラ座バレエ団の厳しい階級社会の頂点に立つ主役級ダンサー”エトワール”の中でも、その踊りの抜きん出たテクニック、端正さ、エレガントなサポート、作品に対する深い洞察力、で、別格とされるマニュエル・ルグリがそのキャリアの頂点に立つ今、持てるもの全てを惜しみなく与えるスリリングなレッスンが毎週火曜日の午後7:25から7:50の25分間、繰り広げられています。(日曜日の朝7:40から8:05に再放送あり)


ルグリ先生

オペラ座バレエ学校時代のルグリ先生

生徒役は、パリ・オペラ座バレエ団現役ダンサー。カドリーユかコリフェと言われる、群舞中心に踊っている階級に属している若手の中でも期待のダンサーが選りすぐられて。
コールド・バレエといえども、家族の体型から本人の骨格まで厳しく選別されてきたバレエ・エリートたち。未だ舞台ではその機会を与えられてはいないけれども虎視眈々といつかは・・・と 狙っている大きな役のグラン・パ・ド・ドゥ(主役の男女の見せ場の踊り)やソロのヴァリアシオンを、憧れのエトワール、ルグリの直接指導でそのスピリットを教わるわけなので、俄然熱が入るというもの。
レッスンを受ける場所も、彼らがリハーサルルームとして使っている、オペラ座内の「リファールの間」。伝説的なコレオグラファーの名を冠したア-ル・デコ様式の部屋もテレビカメラが入ったのは今回が初めてだとか。
番組の最後に、階級が上のソリストクラスであるスジェやプルミエール・ダンスーズ、あるいはエトワールが衣装を身に着けて模範演技を見せてくれるのも嬉しい。

勿論、指導をしながら男女、それぞれの踊りを踊ってみせるルグリの動きを追うだけでもタメ息ものなのですけれども・・・

取り上げられている作品も、12月前半はロマンティック・バレエの代表作である「ジゼル」の2幕の幻想的なシーン。後半から1月前半はテクニックと華やかさを誇示するこれぞザ・クラシック・バレエの「眠りの森の美女」の第3幕のグラン・パ・ド・ドゥ。
1月後半から2月頭にかけては「ロミオとジュリエット」の出会いから愛を確かめ合う非常にエモーショナルな演技を求められるバルコニー・シーン。
2月第2週はモダン・クラシックの巨匠、”バレエの哲学者”モーリス・ベジャールの作品「アレポ」。
2月後半は20世紀を代表する振付家の1人、”バレエの詩人”イリ・キリアンの「優しい嘘」。
3月第1週は”バレエの小説家”ジョン・ノイマイヤーの「スプリング・アンド・フォール」。
第2週はクラシックの男性舞踊手の代表的なソロ・ヴァリアシオンである、「眠りの森の美女」の青い鳥のヴァリアシオン。
そして「ラ・シルフィード」のジェームスのヴァリ。
最後の週はウルトラ・モダン、ウィリアム・フォーサイスの「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」

古典から現代作品まで、今のオペラ座バレエ団のレパートリーを万遍なく見せてくれる、と、同時に質の高い訴求力のある作品で、バレエというパフォーミング・アートの魅力を端的な形で紹介してくれるラインナップ。とりわけ、クラシックの基礎が身体に叩き込まれたダンサーによるモダン作品の美しさ・先鋭性は他のバレエ団とは一味違うエスプリを持ったオペラ座の持つ独特の魅力が発散されていて要注目!!



New Year Concert

2007-01-04 23:34:38 | MUSIC
遅ればせながら・・・
明けましておめでとうございます!
今年も宜しくお願い致します。

お正月は音楽三昧、と決め込み、1日は毎年楽しみにしているウィーンフィルのNewYearコンサート、3日はいつもはあまり・・・なのですが、今年はフィオレンツァ・コッソットがゲストと聞き、興味を惹かれたNHKホールでのNewYearOperaコンサートをTVで鑑賞。

2005年は小澤征二、2006年はマリス・ヤンソンス、そして2007年はズービン・メータと指揮者も豪華。ヨハン・シュトラウスのワルツを中心に、ウィーンフィルならではの瀟洒な音を聞かせてくれるこのコンサート。見所はスター指揮者の個性溢れる(同時に極めてウィーン的な)選曲の妙。楽友協会大ホールを彩る毎年テーマを持って趣向の凝らされたフラワーアレンジメント。そして、ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」のバックに流れるシェーンブルン宮殿の広間で繰り広げられる華麗なバレエダンサーによるワルツ。



ABTのプリンシパルでもあるウラジーミル・マラ-ホフがウィーン国立バレエ団芸術監督だったときは豪華なダンサーを毎年楽しみにしていたもの・・・。彼自身が踊ることもあれば、ホセ・カレーニョなどABTのスターダンサーが(多分マラーホフの口利きだな、と思いながら観たものです)登場してドッキリすることも・・・。
今年は、オードリー・ヘプバーン似の清楚な美貌に信じられないほど細長い手足と小さな顔でなんとも流麗なラインを描くルシア・ラカッラと公私共にパートナーであるシリル・ピエ-ルがゲスト。
ブルーのドレスを翻すラカッラと、タキシードが金髪に映えて素敵なシリルが宮殿を舞う姿は優雅そのもの。



曲目の中で興味深かったのは、J・シュトラウスⅠの「エルンストに捧ぐ」。
バイオリンのヴィルトーゾ、エルンストへのオマージュ、ということで、ウィーン・フィルの腕自慢たちが次々にパートをカデンツァで演奏。ちょっとジャズのインプロビゼーションのような楽しさが溢れる曲で、素晴らしい演奏をしたプレイヤーにはマエストロ・メータが歩み寄って握手をしたり、和気藹々として実に楽しい演目でした。

3日のオペラコンサートの白眉は・・・。
コッソットは当たり役、「トロバトーレ」の怨嗟に燃えるアズチェーナのアリアを歌って圧巻。
声も、ですが、ドラマチックな表情やゼスチャーなども段違いの存在感。恨みの募る伯爵の子を見て火にくべた、と混濁した意識の中で思ったが、ふと意識が戻ってみると伯爵の子がそばにいて、火にくべたのはわが子!という瞬間のコッソットの顔の恐ろしさたるや・・・。

良かったです。

後は、トリを務めた、ドイツを中心にヨーロッパで活躍、バイロイト音楽祭の常連、ワーグナーものには欠かせない存在の藤村実穂子さん。わたくしの中では、新国立TOKYOリングのフリッカが見事だった、というイメージの彼女。
カルメンのハバネラを艶のある声で歌います。
ちょっとお顔もアグネス・バルツァっぽい?(バルツァ好き)
美声の日本人歌手が次々と有名なアリアを歌い上げる中でもこのお2人は別格!でした。

影響されて、中々日常時間をとって弾くことのないピアノを叩いて遊んでいるうちに終わった(?)お正月休み、でございました