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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宝塚花組「風の次朗吉 大江戸夜飛翔―Oh!Edo Night Show!」日本青年館

2015-01-27 06:32:12 | TAKARAZUKA
2015年1月26日(月)11:00公演
前楽を観て参りました。



1月4日から12日に梅田のシアタードラマシティで、
そして21日から26日まで日本青年館大ホールにて。

花組同時期上演の「アーネスト」は花組新TOPコンビお披露目作品とはいえ、所謂スターは主要4役だけ、であまたの花組の華たるスター軍団勢ぞろい&主演の北翔海莉さんが星組の次期TOPスターに決定という上昇気流のメンバーの割に小さなハコと短い公演期間・・・で、予想通りのチケット難で、今回観られたのは奇跡のような・・・・。

でも、多分スターさんのファンクラブの方々の熱いリピート観劇もあってか、前楽で初回観劇だったわたくしにもわかる、会場の前のめりの熱気、始まるや否や速攻で入る手拍子拍手。
熱い客席とそれに応える舞台の熱気が物凄いことに・・・。

演出の斎藤先生はショーの演出では大好きなアニメーションを背景に駆使したり、アニメチックなキャラクターを出して来たりの独特な持ち味で、けっして得意な演出家であるというイメージは持っていなかったのですが、今回のある種オタク的な作り込みが良い方に発揮された舞台を観て、この方、お芝居の演出の方が向いているのでは・・・?と^^
あまたの花組男役スターに、それぞれの持ち味にあった役どころを配し、美味しい見せ場や深め甲斐のあるキャラクター設定を与えているだけでなく、花組の誇る可愛子ちゃん揃いの娘役たちにも男役と同等の比重の意外性のある?役どころを振り、それにまた応えた花娘たちが隠れた才能や魅力を発揮する様が素晴らしい。
あと、下級生まで役を振っているので、多少ごちゃごちゃした仕上がりになってはいるのですが、役名をその生徒の愛称や芸名にちなんだものにしているので、個別認識がしやすい、というのもポイントで、芝居のセリフもその生徒の今の状況とダブるものがあったり・・と斎藤先生の愛情をひしひしと感じたのも宝塚ファンとしては嬉しかったですね。

もちろん、そんな事情をまったく御存じない方でも存分に楽しめる幕間まで席を立てない(笑)サービス精神旺盛な2時間半。大衆演劇としてのタカラヅカを鮮やかに見せた舞台でした。

また、東京宝塚劇場の休演日とあって、宙組生たちが観劇に訪れていたのも宙組ファンとしては嬉しいところ^^

■主演・・・(専科)北翔 海莉

OH! Edo Night Show
『風の次郎吉 ―大江戸夜飛翔―』

作・演出/齋藤 吉正

[解 説]
 江戸時代後期、金満商家や私腹を肥やす武家屋敷で窃盗を繰り返し、その金を貧しくも善良な町人たちに分け与えていた伝説の義賊、鼠小僧次郎吉。
 このあまりにも有名な時代劇のヒーローを巡る若き日の遠山金四郎との対峙と男同士の友情、また彼らを取り巻く恋模様も盛り込んだ、新時代の革新的日本物ミュージカルとしてお楽しみ頂く、“宝塚版鼠小僧”の登場です。

鳶の次郎吉実は鼠小僧: 北翔 海莉
遠山金四郎(景元): 瀬戸 かずや
手妻の幸(父の敵討のため諸国巡業中の美女): 仙名 彩世
目明しのあやめ(男勝り、次朗吉にぞっこん): 桜咲 彩花
*~*~*
次朗吉の父甚八: 夏美 よう
活動弁士/小松屋太兵衛(悪役): 紫峰 七海

奉行 石川一馬(花咲を身請けしようと企み小松屋と組む): 鳳 真由
人気花魁 花咲(実は次朗吉の初恋の人 かよ): 花野 じゅりあ
三郎太(無実の罪を着せられる花咲の恋人): 水美 舞斗
置屋の男衆 勇人(花咲の為に小松屋の下手人を務める): 柚香 光

男勝りの武家のお姫様 堀田けい: 華耀 きらり
その爺や 本田吾介: 神房 佳希

居酒屋かぐ庵の女将 いぶき: 梅咲 衣舞
次朗吉の仲間 三助(みやにぞっこん): 天真 みちる
かぐ庵のみや(鼠小僧にぞっこん): 華雅 りりか
湯女のきわ(お風呂大好き): 朝月 希和

佐久間光江門(あやめの上司): 冴月 瑠那
真吉(あやめの部下): 真輝 いづみ
正太(あやめの部下): 和海 しょう

三味線のお師匠さん 菊乃: 鞠花 ゆめ
医者 錦吾郎(次朗吉の友人): 綺城 ひか理

ここまでは個別認識できた人々。

他に・・
幸(少女)/桜 : 桜帆 ゆかり
よしの/花 :美花 梨乃
紗知 :紗愛 せいら
手妻の奈津 : 更紗 那知
手妻の波留 : 春妃 うらら
助左衛門 : 峰果 とわ
手妻の一八/長介 :飛龍 つかさ
次郎吉(少年) :澄月 菜音
吉次 :亜蓮 冬馬

印象に残った方々を個別に・・・

■鳶の次郎吉実は鼠小僧: 北翔 海莉
さすがに上手い!台詞回しも自在で、御本人が大衆演劇大好きとおっしゃるだけあって、江戸っ子のきっぷの良さも愛嬌も抜群。歌声の柔らかさ、感情の乗せ方が実に上手い。
一人(いや柚香光くんも入れて2人、かしら?)前髪アリの現代的なヘアスタイルでイケメンっぷりと若々しさをアピールされていてビジュアル的にも主役オーラあり。あとちょっと身体が絞れるとより宝塚らしさが出ると思うのですが^^;

■遠山金四郎(景元): 瀬戸 かずや
今回のお目当てその壱。
遠山の金さんの若き日・・という設定で、派手な着物を着て長髪を束ねた浪人姿のイイ男。いつでも娘たちが群がっているがやに下がるわけでもなく佇まいは凛としている男前・・というところがひたすらにカッコいい。
コノ人はちょっとアクのある表情や大きな手、まっすぐで長い手足がリアル男感がありながら、所作に宝塚の男役としてのキレ味があるところが魅力ですね。懐の大きな男の芝居が北翔さんとウマがあって互いに触発される男の友情・・につながるところがしっくりきます。
事件解決後、心を定めて奉行になる、というその後・・片肌脱いだら桜吹雪の紅色の着物、という演出があって嬉しかったです^^

■手妻の幸(父の敵討のため諸国巡業中の美女): 仙名 彩世
実質ヒロイン。とうとうと口上を述べながら手品(手妻)を披露するガマの油売り。美人で口も達者なら三味線の腕も確か。女鼠小僧としても暗躍するが、殺陣もカッコよくこなせて歌声は柔らかなソプラノで絶品。
お芝居も良く、遂に見つけた父のかたきが余命いくばくもない次朗吉の養父とわかり、憎しみと事情がわかり次朗吉の命乞いを受けての身を切られるような葛藤の末の号泣には不意打ちをくらって両目で泣いてしまいました;;
いえ、、いつもは心動かされてもしっかり観たい!という気持ちが先だって、片目で涙を流すと言う特技を持っているものですから・・・^^;
着物の着こなしも粋で色っぽく、蘭ハナ政権下、新公主役の機会が与えられなかったのが返す返すも惜しまれる逸材。94期生にはそういう人が多いような・・・。

■目明しのあやめ(男勝り、次朗吉にぞっこん): 桜咲 彩花
かわいいべーちゃんの魅力炸裂。
とことん鈍い次朗吉に体当たりで好き好きオーラを出して言葉でも態度でも示しているのに・・・。
部下たちには頼れる姐さんで、鼠小僧をつかまえてやる!と仕事熱心。
いつの間にか丁々発止のやり取りが夫婦喧嘩と見えるほど近くにいるようになった幸が気になって仕方がないのに・・のいじらしい娘心を見せるのが本当に上手くて可愛い。
最後、しっとりと梅の季節に江戸を後にする幸が娘らしい桜色の着物姿のあやめの背中を押して・・の場面、幸の想いやりも胸にしみますが、芝居見物に出も行くか?と思いがけない次朗吉の言葉に飛び跳ねるように「うん!」と答えるあやめの可愛らしさときたら・・・

■次朗吉の父甚八: 夏美 よう
夏美さん、本当に女性ですか?
失礼ながらもう、江戸時代の職人にしか見えません・・・。昔すねに傷持つ身ながらも、養子の次朗吉の幸せを願ってやまない、ゆえに口うるさくなってしまっての親子喧嘩。切ないですね。
江戸ものには欠かせない千両役者です。

■活動弁士/小松屋太兵衛(悪役): 紫峰 七海
弁士のセリフ回しもさることならが、「おぬしも悪よのう・・」「甘いものがお好きかと・・」のまんじゅうの下の小判など、お約束の悪役場面を余裕綽々、楽しげに演じる紫峰さん。悪役専科として、各組にご出張願いたいほどに上手いです。この方、宙組TOPスター凰稀かなめ氏のご同期なんですよね。
まだまだご活躍いただきたいです。

■奉行 石川一馬(花咲を身請けしようと企み小松屋と組む): 鳳 真由
まよちゃん・・・。とても演技派なのに男役としてはどうかな?と思わせるほどの可愛らしいお顔立ちでここまで憎々しい悪役になれるとは・・!
役者、じゃのう・・とうなってしまいました。
小判を広げて目を細めるところ、花咲の肩を抱き寄せてワルイ顔をするところなど、「愛と革命の日々」で桜一花ちゃんにかばわれる年下の恋人役をやっていた人とは思えません!

■人気花魁 花咲(実は次朗吉の初恋の人 かよ): 花野 じゅりあ
長く怪我から復帰のリハビリ期間、お顔を観ることができなかったじゅりあちゃん。
独特のゴージャス感のある美貌の娘役さんで、今回の花魁姿も綺麗でした。
しかし、このお役って・・・。主役の北翔さんの初恋の人で、下級生95期若手二枚目スター筆頭の柚香・水美2人から愛され、鳳くんからも狙われてって・・・娘役として美味しすぎませんか??(笑)

■三郎太(無実の罪を着せられる花咲の恋人): 水美 舞斗
中高できれいな卵型のお顔なので青天がお似合い。人気呉服店橋本屋の若き番頭見習いで、実直な人柄。花魁花咲とは相思相愛。身請けの金をためるため酒もやらずに仕事に精出す好青年・・が罠に嵌められお白州で拷問を受ける。
ガタイが良くてシャープなお顔立ちもあって男らしい役が続いたあとに、エリザでまさかのマデレ―ネというお色気担当女役のあと、耐えるマイティ、という新たなオプションが。
バウ主演も果たした同期スターの柚香光くんに差をつけられている感もありますが、他組も含めての95期スターというくくりで均すともっと役づきを上げても良いポテンシャルを持っているのでは?と思えるヒト故、こうして役柄を広げられるお役は貴重。同期の柚香くんから(役名で言って^^;)罵られて足蹴にされる場面では心痛みましたが、最後花咲を身請け出来て2人で寄り添う場面もあり、その苦難を乗り越えての優しく穏やかな微笑みに癒されました。

■置屋の男衆 勇人(花咲の為に小松屋の下手人を務める): 柚香 光
今回のお目当てその弐。
パンフレットの舞台スチールを青天水美氏と並べてみると、柚香くんのシャープで個性的な美貌は和物では悪役にハマるなと。
歌舞伎で言うと海老蔵ですね^^
お歌ガンバレなビジュアルと華>実力 なところも海老蔵(贔屓なのになんてことを!^^;)。
役どころは切なくも美味しい設定。
同じころに廓勤めを始め、何かと励まし合ってきた花咲に想いを寄せ、彼女に恋人が出来た後も守ってやれるのは俺だけだと思い込んでいる若者。その想いを小松屋利用されライバル橋本屋の主人を手に掛ける下手人に。
苦界の若者らしい突っ張りと暴走に一縷の悲しみが見える・・・はずの役ですが、彼はどこまでも強気で俺様モード全開。役者魂<スターオーラで魅せてましたね。
ラスト近くで仙名さん=女鼠小僧との派手な立ち回りで仁王立ちになり、お御脚・・というか内腿まで露にされるファンサービスは一体・・・。斎藤クン狙いおったな、と^^;
課題はあれども、やはりスターだなと確信したことでした。
お歌と台詞の発声はどこかでしっかり鍛錬できる機会があるとよいのですが。そこが鍛えられるととても大きなスターになれそうな気がします。

■男勝りの武家のお姫様 堀田けい: 華耀 きらり
柚香光くん主演のバウ作品「ノクターン」では男達をはべらす小悪魔的な美少女を演じていたおかたとは思えない・・・男勝りの姫君。思いこみが激しく、猪突猛進タイプで、次朗吉と幸の口喧嘩を新婚夫婦のじゃれあいと思いこみ結婚祝いを送りつけたり、金さんとすれ違いざまに切れた草履の鼻緒をその場でスマ―トにすげ変えてもらった瞬間恋に落ち、突如それまでの男装をかなぐり捨てて花嫁修業にいそしむとか とにかく行動派。
ラストの立ち回りでは愛しい金さんを守るは妻の勤め!と男勝り時代に培った武芸の腕を発揮せんと立ち回り・・
・・・後日談でそののち本当に遠山の金さんの妻に収まったとのナレーションにざわめく客席(笑)
いやいや、その行動力と色男にうっとりとしなだれかかるだけでなく、守って見せる!との気概を見せる女性はなかなかいないもの。新鮮だったのでしょうね^^
きらり嬢は脚の上げ方、台詞回しなどひとつひとつの動作が迷惑だけれど憎めないお嬢様の天然キャラを好演。
こんなコメディエンヌとは~!上級生娘役で美女ポジでいつも演じてらしたときには見せないお顔がなんとも魅力的でした。
のろのろ書いているこの記事なので、この公演後の大劇場次作「カリスタ」の集合日に退団発表。新たな魅力にこれからが楽しみ!と思った矢先にxxx。でも御本人はやりきったお気持ちなのかもしれませんね。

■その爺や 本田吾介: 神房 佳希
暴走する姫君につき従い、時にいさめ、時にともに暴走?する忠実なる爺やを好演。
彼女も集合日で退団発表。あぁ、堀田家の姫と爺やが同時にいなくなる・・・と感慨深かったです。
味のある演技をする方でした。

■居酒屋かぐ庵の女将 いぶき: 梅咲 衣舞
とっても美人なのにニックネームは「イブ氏」。娘役道を追求するプロフェッショナル集団花娘の中にあって、そのハンサムで男勝りなキャラクターで知られる彼女、なかなか娘むすめした役が主流の宝塚の中ではぴったりした役がつきにくいのかな?という印象がありましたが、今回はまさに宛書き。
皆のオアシス、江戸っ子のたまり場居酒屋かぐ庵で、かわい子ちゃんたちを束ね、お客をいなし、時には一緒になってミーハーに大騒ぎ。イイ男には甘いきっぷのよい女将を好演。
お風呂好きのきわが由美かおるさんよろしくお風呂とともに登場し、三助としてしのびこむ鼠小僧次朗吉との掛け合い場面で、隣のお風呂にいて、うっかり現れた次朗吉に「見たわね!」というのですが、その後の一言が毎回アドリブらしく・・・。わたくしが見た前楽では「どうだった?(にっこり)」でした(笑)

■次朗吉の仲間 三助(みやにぞっこん): 天真 みちる
コノ人、某TV番組でタンバリン芸人としての隠し芸を披露した際、SMAPメンバーに本当にタカラジェンヌですか?と言われた芸風の幅広さと達者さを全国NETでアピールしたお方なのですが、今回も実に良い味を・・・。
かぐ庵の看板娘みやにぞっこんなのですが、なぜか根拠なく相思相愛だと思い込んでいてポジティブに求愛を繰りかえすも、みやは会ったこともないお江戸のヒーロー鼠小僧しか眼中になく・・・。
で、思いついたのがニセ鼠小僧になること!コスプレで登場したらなんと本物の鼠小僧の足手まといになることに・・。なのですが、なぜかラストはあなたが鼠小僧だったなんて!と勘違いのみやちゃんと夫婦になれてデレデレ。
濃いキャラ満載の本作品でやりすぎになることなく、伸び伸びと役として息づく芸達者なたそ(天真)の本領発揮。
本当に上手い人です。ひとことひとことで客席が笑いの渦に!

■かぐ庵のみや(鼠小僧にぞっこん): 華雅 りりか
そんな三助にはもったいない?美少女、華雅りりかちゃん。お江戸のヒーローを想ってうっとり、イイ男金さん登場時には店中のおなご衆がこぞってキャーキャー言うミーハーで明るい少女を好演。
星組では音波みのりちゃんとバウヒロインを分け合ったりして路線娘役候補でしたが、花に来てからは百花繚乱の花娘たちに溶け込み、ハーモニーで良いお仕事をされていますね。

■湯女のきわ(お風呂大好き): 朝月 希和
看板娘たちその3.お風呂好き設定で、時代劇には欠かせない?お姉さんの入浴シーンで、木製のお風呂(焚口があるので、お風呂の位置がとても高い)が舞台袖からずいずいと登場して・・・とアクセント的に使われていました^^

■佐久間光江門(あやめの上司): 冴月 瑠那
あの明日海さん似の美形のるなちゃんが中間管理職?に。
上からはハッパをかけられ、下から突き上げられる辛い立場で板挟み。最後、お手柄後のかぐ庵で皆におごっちゃうよ、の場面、言いながらそんな豪放磊落な台詞を言う自分に照れるというかびくびくしながら言っちゃった、的な塩梅が上手かったです。

■真吉(あやめの部下): 真輝 いづみ
■正太(あやめの部下): 和海 しょう
このお二人、サイズ感がディズニー映画の小動物ペアのようでなんとも可愛らしい。(あやめ姐さんがふくよかだから・・・ゴホンゴホン) 声の良い方たちなので、台詞が生き生きとしていました。

■三味線のお師匠さん 菊乃: 鞠花 ゆめ
芸事には厳しいけれども、堂々とエコひいきをする様子に可笑しみのあるお師匠さん。
三味線、花組のお稽古場メンバーよく頑張りましたね!

■医者 錦吾郎(次朗吉の友人): 綺城 ひか理
小顔長身、台詞声も良い若手。目立っていました。この方、音校時代の文化祭でも主役をやっていらっしゃるのですね。お芝居のヒト認定なのでしょうか。
若くてすっきりしているのにやたらとスケベ医者呼ばわりされているのが若干違和感。
親に反発して素直になれない次朗吉に甚八の病が重いことを告げる場面の想いやり真摯な様子も良く、あやきさんとお呼びするのね、とおとめでチェックして認識しました^^

花組、アーネストと次朗吉、両チームとも良い実績を残しての次回作は新作「カリスタの海に抱かれて」大劇場公演と夏の台湾「ベルばら」公演ですね。制作発表の柚香光ちゃんのオスカル姿が凛々しくて、これを生で観るために梅芸のチケット争奪戦に参加を決意しました











宝塚花組「アーネスト・イン・ラブ」 有楽町国際フォーラムホールC

2015-01-21 08:54:55 | TAKARAZUKA
花組が二手に分かれて2015年の公演をスタートしました。
3代のTOPスターの相手役を務めた蘭乃はなさん退団後、100周年後半からの花組を率いる若きTOPスター89期の明日海りおと、宙組で手堅く新人公演の大作のヒロインでキャリアを積んできた96期の花乃まりあの新・TOPコンビのお披露目公演、それがこちら、「アーネスト・イン・ラブ」



■主演・・・明日海 りお、花乃 まりあ

ミュージカル
『Ernest in Love』

Book and Lyrics by     Music by
ANNE CROSWELL     LEE POCKRISS
原作/オスカー・ワイルド 脚本・作詞/アン・クロズウエル 作曲/リー・ポクリス
日本語脚本・歌詞、演出/木村 信司  翻訳/青鹿 宏二
“ERNEST IN LOVE is presented through special arrangement with Music Theatre International (MTI).
All authorized performance materials are also supplied by MTI.
421 West 54th Street, New York, New York 10019 USA
Phone: 212-541-4684 Fax: 212-397-4684 www.mtishows.com”

[解 説]
 オスカー・ワイルドの喜劇『まじめが肝心』を原作に、アン・クロズウエルが脚本・作詞を、リー・ポクリスが作曲を手掛け1960年にオフ・ブロードウエイで上演された、陽気でお洒落なミュージカル。
 宝塚歌劇では2005年に梅田芸術劇場メインホール、および日生劇場で上演されて以来、久々の再演となります。花組新トップコンビ明日海りお・花乃まりあのお披露目公演です。

歌の多い、コミカルで軽快なミュージカル作品。
観劇後 明るく楽しい気分で帰路につくことのできる、新春らしく、また若々しいTOPのお披露目公演らしい演目です。
初演と再演がそれぞれ、
アーネスト、グウェンドレン、アルジャーノン、セシリィの順に
1)2005年月組・・・瀬奈じゅん、彩乃かなみ、霧矢大夢、城咲あい
2)2005年花組・・・樹里咲穂、遠野あすか、蘭寿とむ、桜一花
といずれも歌うまだったり芸達者だったりと、ハマり役だっただけに初演ファンの期待値は高く、色々と辛口な予測もあったようですが、わたくし、今回が初見で、作品と役者のバランスで観たところ、とても今回の花組メンバーに合っていて楽しめた舞台でした^^

ストーリーはオスカ―・ワイルド原作だけあって設定や歌詞のそこここに風刺や諧謔的なユーモアが漂っていて実に楽しい。19世紀末ロンドンの、厳格な社交界と、そこでどこかのんびりと優雅に構える貴族の若者の生態が明るいムードで描き出されていて、宝塚作品としては主要な役が2カップルの4人の他には狂言回し的な執事、牧師、家庭教師の3人くらいしかいないので、あまたなスターの居場所がない感じがしますが、、今回はスター格をことごとく同時期上演の「風の次郎吉」に充てることで、バランスのとれた舞台となっています。

ロンドン在住貴族の青年アルジャーノンは、架空の友人バンバリーが田舎で闘病生活をおくっているというストーリーをこしらえて、厄介事を回避するとともに友人想いの人物という評判を得るちゃっかり者。
その友人ジャックは亡くなった資産家の養子ゆえ財産を管理し、孫娘の後見人として謹厳実直に暮らす
カントリーの暮らしから逃げ出すために架空の弟アーネストをこしらえ、彼の不始末を収束するためにしばしばロンドンを訪れなくてはならないと真逆の設定で同様に息抜きをしている似たもの同士。
ジャックをアーネストと信じていたアルジャーノンがその孫娘セシリィからの贈り物のシガレットケースに彫られた文字からその事実を知り、セシリィに興味を感じて、田舎の家を訪問。
叔父の不良の弟アーネストに娘らしい興味と憧れを持っていたセシリィのもとにアーネストを名乗ったアルジャーノンが現れ、ふたりは恋に落ちます。
一方、ロンドンで出会った、アルジャーノンの従妹であるグウェンドレンと婚約したジャックは、彼女が偽名のアーネストという名に執着していることを知り、一度亡くなったことにして、その弟の名を継ぐために洗礼を受け直すという作戦を考え実行・・・しようと田舎に戻るとそこにはアーネストを名乗るアルジャーノンが!
グウェンドレンとセシリィが初対面で、お互いに「アーネスト」と婚約していると主張して険悪になったり、ハンドバッグに入れられ手荷物預かり所で発見されたジャックの出自に難色を示すグウェンドレンの母親ブラックネル夫人を説得するうちに意外な事実が発覚し・・・で大団円!

■アーネスト(ジャック):明日海りお
みりおくんの生真面目でありながらゆるっと可愛らしい面がいい感じに役の個性とマッチ。
歌えて若々しくて。
調子の良い友人や思いこみの激しい恋人に振りまわされて右往左往する様子が微笑ましくて、先の大劇場での黄泉の帝王トート閣下と同じヒトとは思えません

■グウェンドレン;花乃まりあ
どんな役でもそつなく、及第点で落ち着いて出来るコ、というイメージのかのちゃん。
とてつもなく合わないxxxということがない一方で、素晴らしい!これぞ当たり役!という強い印象も残してこなかったかのちゃんが個性豊かなカワイ子ちゃん揃いの花組で満を持してのTOP就任で、これからどう自分の個性を打ち出してくるのか、興味駸々。
お歌はやや低めの声で、高音を出そうとすると喉発声になってしまって響きが固いので、どうなのかな・・と思っていましたが、お姉さん格のグウェンドレンとということもあって、お歌はOKだったかと。演技も、初日の頃は固かったという感想も聴きましたが、楽前日の観劇では、こなれたコメディエンヌっぷりを見せてくれてなかなかチャーミングでした。
ただ、素顔化粧のお写真ですとふわっとした可愛らしい美人さんなのに、舞台メイクをするとシャープな顎の線が目立ってきつく見えてしまうのは、肌の質感がもとはパウダリーでふわっとしているのが、平面的になってしまうからなのか・・・と観察。みりおちゃんがベースメイクに時間をかけて、ポイントメイクはサッと仕上げるというのをどこかで読んだことがあるので、ご指導が入ると良いなと今後に期待。
多分、ヒールのブーツ着用のみりおちゃんと、フラットシューズのかのちゃんが並んで、あまり身長差がないので、デュエットダンスの時には相当膝を折っていらっしゃいますね。
大男揃いの宙組から比較的小柄な男役の多い花組への異動で、かなりダイエット頑張った!と思うかのちゃんですが、ヒールの低い靴のせいであまりスタイルが良く見えないのが気の毒ではあります。

■アルジャーノン: 芹香斗亜
ききちゃん(芹香)のルドルフを観ていないのですが、観た友人が、華があって皇太子!という気品もあってとても良かった!と力説していた通り、とても貴族のボンボン、という暢気な鷹揚さと上品さ、ちょっとちゃっかりしているけれども憎めない個性が出ていて確かに魅力的。
観ているうちに、この役を星組時代の凰稀かなめさんが演じたら・・・と想像し始めたらとまらなくなってしまって(笑)
柚希礼音さんがアーネスト、夢咲ねねちゃんがグウェンドレン、白華れみちゃんがセシリィ?まぁぴったり!
宙組への組替がなかったり、あってももっと遅ければ、メイちゃんの執事の裏辺りで出来たのでは・・・とまで妄想してしまいました。

■セシリィ: 城妃美伶
「小さな」セシリィ、星組時代は、星男としては小柄な礼真琴くんの相手役として新公・バウのヒロインを務めていた彼女、お顔は丸く四角くて小顔ではないけれど、丁度良いサイズ感で大柄なイメージはなかったのですが、花娘ファンからごつい大きいと言われている花乃さんよりも身長が高くてびっくり。
(ヒールの高さの問題かもしれませんが・・)
ききちゃんが長身小顔な男役さんなので、並びはどうかな?と思いましたが、丸顔ですがパーツが大きくて華やかなみれいちゃん。表情が豊かで無邪気な可愛さが出ていて、問題なく可愛いセシリィに見えました。
ジュリエットでも 難役「かもめ」の二―ナでも的確な演技をみせていましたが、今回も 夢見る夢子で思いこみの激しいちょっとヘンテコだけれども可愛いセシリィになりきっていましたね。
難しいナンバーも持ち前の綺麗なソプラノで、この学年にしては上出来かと。

■ブラックネル夫人: 悠真倫
専科のまりんさんが女役で怪演。
男役が演じる女役ならではのドスのきいた(笑)迫力が出ていて良かったです。
まりんさんは2005年の花組では牧師のチャジュブルを演じていらしたのですね^^

■レイン: 高翔みずき
前半、狂言回し的な執事役。
押しかける債権者たちに貴族が借金をするから経済が回っていると説き、(このとき「さーっぱりわかんねえ!」と合いの手を入れるタバコやの舞月なぎさくんがツボ)お茶をふるまって煙に巻く上品な執事。
色々と風刺が効いている部分を担当していらっしゃいます。
2005年花組公演でも同じ役を演じてらしたそう。

■チャジュブル: 夕霧らい
ちょっと一癖も二癖もある牧師様。
その怪しいところが良く出ていました^^安定感抜群。

■ミス・プリズム: 芽吹幸奈
セシリィの家庭教師。牧師様に想いを寄せる家庭教師は、昔ロマンス小説を上中下と書き起こした過去を持つばかりでなく、その小説をXXを間違えて・・・
のキーパーソン。
芽吹さんといえば、蘭寿さんの退団公演「ラスト・タイク―ン」でイメージの中の「ストーブの女」や、あきらくん(瀬戸かずや)と並んでみりおちゃん率いる社長秘書軍団でヒッチコックヒロインさながらのプラチナブロンドの夜会巻きで上品な大人の女役がハマる歌の上手なステキな上級生娘役さんとして注目している方。
このナンバーの多いミュージカル作品の振り分けに彼女の名前を見つけてワクワクしていたのですが、本領発揮はラストのデュエットダンスシーン。
二組のカップルが踊る綺麗な正統派のフィナーレなのですが、そのカゲソロが芽吹さんの美声で、クラシカルな夢の世界を最後にしっかりと描き出してくれました

贔屓の退団公演が東京宝塚劇場で絶賛上演中ゆえ、どうするか迷った花組2作品でしたが、やはり一度観ておいて良かったです。



ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート 2015

2015-01-13 06:08:34 | MUSIC
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
思えば2014年は、宝塚100周年記念Yearで贔屓スターがTOPスターとして活躍した年でもあり、かなり観賞記録の比重が宝塚に偏った(笑)年となりました。

今年は2月15日でその贔屓が退団となり、夏にはバレフェスがあることを思いますと、バレエを多く観る年になるのかも・・・?

さて、年頭の記事は恒例のウィーンフィルのNewYearConcertの記録です。



注目のマエストロは5度目の協演、ウィーンフィルとゆかりの深い、インド出身の世界のマエストロ、ズ―ビン・メータ。
2014年、NHKホールの東京バレエ団とベジャールバレエ団の「第九」でイスラエル・フィルを振る姿をお見掛けしたばかり。
ウィーンフィルとは阿吽の呼吸でリラックスした演奏。
演目の選びも、シュトラウスファミリー4人をまんべんなく網羅し、非常にオーソドックスな印象の今年のコンサートであったかと。

今年のウィーンでは、ウィーン大学創立650年にはじまり、エドゥアルト・シュトラウス生誕180年、リンングシュトラーセ(環状道路)建設150年というテーマもあり、とりわけウィーン大学創立650年記念は、恒例のバレエシーンで存分に取り上げられていました。

(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)ズービン・メータ
第1部
フランツ・フォン・スッペ;序曲「ウィーンの朝、昼、晩」
ヨハン・シュトラウス2世;ワルツ「東洋の物語」op.444
ヨーゼフ・シュトラウス;ポルカ・フランセーズ「ウィーンの生活」op.218
エドゥアルト・シュトラウス;ポルカ・シュネル「人が笑い生きるところ」op.108
ヨーゼフ・シュトラウス;ワルツ「オーストリアの村つばめ」op.164
ヨハン・シュトラウス2世;ポルカ・シュネル「ドナウの岸辺から」op.356

第2部
ヨハン・シュトラウス2世;常動曲op.257
ヨハン・シュトラウス2世;ワルツ「加速度」op.234
ヨハン・シュトラウス2世;ポルカ「電磁気」op.110
エドゥアルト・シュトラウス;ポルカ・シュネル「蒸気を立てろ!」op.70
ヨハン・シュトラウス2世;ワルツ「エルベ河にて」op.477
ハンス・クリスチャン・ロンビ;シャンパン・ギャロップop. 14
ヨハン・シュトラウス2世;ポルカ・フランセーズ「学生ポルカ」op.263
ヨハン・シュトラウス1世;自由行進曲op.226
ヨハン・シュトラウス2世;アンネン・ポルカop.117
ヨハン・シュトラウス2世;ワルツ「酒、女、歌」op.333
エドゥアルト・シュトラウス;ポルカ・シュネル「粋に」op.221

アンコール
ヨハン・シュトラウス2世;ワルツ「美しき青きドナウ」op.314
ヨハン・シュトラウス1世;ラデツキー行進曲 op.228

「ラデツキー行進曲(ヨハン・シュトラウス(父))」「学生ポルカ」や「酒、女、歌」ではウィーン大学のキャンパスが舞台となったバレエが。Davide Bombanaueによる振り付けと、ウィーンに拠点を置くメゾンELFENKLEIDとPETAR PETROVの衣装。
女性のスカートがロングのタコ足ドレスで新鮮でしたね。
かなりふまじめな(笑)学生さんたち、でした。



そしてもうひとつの注目ポイントはウィーン楽友協会黄金のホールを彩る30000本のフラワーアレンジメント。
今年は楽しさと喜びをテーマに、ローズピンク、イエロー、オレンジで花火のように飾り付けたとか。