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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

ローザンヌ国際バレエコンクール

2008-04-28 05:04:37 | BALLET
毎年、スイスのローザンヌのボーリュー劇場で開催される若手バレエダンサーの登竜門、「ローザンヌ国際バレエコンクール」
2008年第36回ローザンヌ国際バレエコンクールの決勝が2月3日行われ、その結果だけは知っていたものの、YouTubeの小さな画像では味わえない部分を、昨日、4月27日(日)午後3時からの2時間、NHK教育で堪能することができました。



見所は東京都出身の高田茜 ( たかだあかね、17歳 ) さんの5位入賞の演技。今回はクラシックバリエーションとジョン・ノイマイヤー振り付け作品のコンテンポラリーの2演目で競われた決選でしたが、高田さんは「ジゼル」とショパンの「ノクターン」を選択。

自身も怪我で2年間バレエを続けることの危機を体験しているという高田さんにとって病弱な女の子ジゼルは感情移入しやすかったのか、とても繊細な演技。
「ノクターン」も同じく叙情的で繊細に演じて見事。
難を言えば、どちらも同じタイプの演技、同じタイプの表情しか見られなかったので、もっとダンサーとしての振り幅の広さをアピールするのなら、もっとガラリと雰囲気の違う演目を選択したほうが良かったのかも。
ただ、とても音楽性と感情表現が見事で美しい踊りは今後も楽しみ
高田さんは素晴らしいことに、劇場の審査で、観客賞も同時受賞。
どんなに上手でも観客の心を動かすことの出来ないダンサーはプロとして主役を踊ることは難しいので、この賞を得たということでも高田さんの資質の高さがわかります・・・。
もともとボリショイバレエスクールに1年半ほど留学されていたそうですが、この奨学金で、今度はロンドンのロイヤルでの研修を受けられるとか。
将来が楽しみです。

あと印象に残ったのは1位のスペインのアレックス・マルティネズさん。
伸びやかでしっかりとしたテクニック、抽象的な成熟した表現を求められるコンテンポラリーの「スプリング・アンド・フォール」では気負いのない滑らかで陰影に富む演技でナチュラル・ボーン・ダンサー・・・体が動きを知っている、音楽を表現できる自然と備わった感覚を持つダンサーとの印象を濃くしていました。
彼はまだ15歳。
とても才能のある人だと思います。

いつもは日・中・韓のアジア勢の女性が決選に多く残るのですが、今回は日本と韓国の女性が一人ずつ。
あとは目立ったのがブラジル勢。(6人?)
他はアメリカ、北欧、イギリス、ハンガリー、オーストラリアなど各大陸満遍なく(笑)
男女比のほうも、今年は22人の男子参加者のうち、11人が決勝に参加し、入賞者も7人のうち4人が男子だったそう。

バレエ界にもその時々のトレンドがコンクールに垣間見えて興味深いですね。
その中で、日本人の入賞がここ3年途切れていないということは素直に喜んでよいでしょう・・・

今回、コンテンポラリーが大御所のノイマイヤーの作品だったということで、彼の作品自体の素晴らしさも味わえましたし、同じ演目が続いて飽きてしまうこともなく(毎度おなじみの「ルーフ・トップ・アクション」とかではなく・笑)質の高い作品で競うことが出来たのは参加者にとっても良いことだったと思います・・・が過去のフリーやコンテンポラリーにおけるトンでも作品もあれはあれで楽しみな部分もあったのですが



宝塚 宙組公演 「Passion 愛の旅」

2008-04-24 21:55:39 | TAKARAZUKA
宝塚といえば、レビュー。
後半は2人の主役の個性をたくみに場面ごとに使い分けたゴージャスなレビュー。



轟さんが主題歌を歌い上げて幕開き。バックはエンビの男役。
宙は男役の平均身長が高く170cmでは小さいほうに入るくらいなので群舞に見ごたえあり。
続いて宙組の大和悠河や蘭寿とむ、北翔海莉が登場し、豪華に主役級が勢ぞろい。



このあとは、大和悠河を中心としたフレッシュだったり、明るく賑やかだったりするシーンと
轟悠を主役に据えたシックでミステリアスだったりエキゾチックだったりするシーンが交互に現れます。

気に入ったのは「砂漠の薔薇」というアラビアンナイトの世界にストレンジャーが迷い込み。。。というパート。
ここで誘惑者となるオダリスクを踊るのが通常は男役らしい陽月華の代役の凪七瑠海。
ほっそりとしたしなやかな長い手足とうなじがバレリーナのルシア・ラカッラみたい。
男役としてはさほど長身ではない轟さんがリフトするのは微妙なバランスですが、とてもキレイで気に入りました。このまま娘役として踊ってくれればいいのに~。
夢から覚めた轟さんの手には枯れた薔薇が一輪・・・。
ちなみにこういういう幻想的なシーンが演出の酒井澄夫の持ち味だとか。。。



続く「カルナバル」は極彩色のブラジリアンダンス。
ゴクラクチョウのような難易度の高いカラフルな衣装も難なく着こなせるのが大和悠河の魅力というかアドヴァンテージ。
でもなぜかラスト近くの見せ場、シャンパンベージュのタキシードの轟さんと黒のシックなレースのロングドレスの悠河ちゃんが踊る「帰り来ぬ青春」での彼女は・・・。カ-ルの効いた金髪ショートボブの鬘がいけないのか、どこか不自然・・・。華奢な体型で可愛らしい顔立ちなのだからもっと娘役が似合いそうなものなのに・・・。疑問です(笑)



ラストのお約束、階級に比例した量の羽を背負って大階段からご挨拶のシーンではこのW主役をどう裁くかに注目していたのですが、とても自然に並び立ち、その分普段は小ぶりな羽を背負っている皆さんが片方の方に羽のストールをかけるにとどめるなど、舞台上の羽量(?)はたくみにコントロールされていました

美しいけど歌と踊りが今ひとつ。。。とされてきた大和悠河に、主役らしいゆったりとした感じが出てきたのと、脇を固める2、3番手のダンサー蘭寿とむには表現力が、歌い手北翔海莉には今までなかった華と余裕感が生まれてきたみたいで、男役に関していえば中々バランスのとれたいい組になってきたなぁというのが感想。
娘役で背が高く踊りの上手い陽月華ちゃんの復帰が待たれます


宝塚 宙組公演 「黎明の風」

2008-04-24 20:58:34 | TAKARAZUKA
すっかり更新をさぼっていました・・・
なので観たのは13日の日曜日、なのですが、今更の観劇記録です。

会社のヅカファンとそのお友達総勢6名での賑やかな鑑賞・・・。
宙組のTOP男役が大和悠河さんになってから、ここしばらく心が離れていた(?)宝塚に急遽リターンしてくれたファン歴最長(大地真央サン始まり)を誇るOさんにいつもお誘いいただいて・・・結構観ているかも?

今回は大和悠河ファンには残念なことらしいのですが、一年に一度、どこかの組に客演(勿論主役)するというMr.(?)Takarazuka,専科の轟悠さんとのW主役男役ということで、どんなバランスの舞台になるのかを楽しみにしていました



『黎明の風-侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦-』

戦後、マッカーサー率いるGHQの支配下に置かれた敗戦国日本で、唯一国際感覚を持った交渉人として、時の吉田茂内閣を影でサポートした白洲次郎が主役。
で、対するマッカーサーも、フィリピンなどアジアの駐屯地でもその土地の文化を尊重し、日本でも天皇の扱いに相応の尊厳を認めるなど、志の高い教養人としての資質を持った魅力的な人物として描かれます。
主役2人がその日米のカッコいい男たちを演じる・・・ということでなんとか華やかさが醸し出されるものの、いかにも、タカラヅカらしくない第二次世界停戦後の日本というテーマ。

石田昌也の脚本は、戦前戦中の流れも暗くなりすぎずに世相を伝え、観客の気をそらさない巧みな舞台づくり。
脇を支える、白洲次郎に心酔する辰美英次役の蘭寿とむがいつもの達者なダンサー振りを封印して誠実な軍人役をきっちりと演じていたり、吉田茂役の汝鳥伶がとても女性が演じているようには見えない(誉めてます)ゆったりと大きな人物像を自然に演じていてストレートプレイとして味わえる作品。
最後のサンフランシスコ講和会議で当時の白黒映像が流されたときに講和に調印する実在の人物たちと舞台上のタカラヅカ乙女たちにあまりGapを感じさせないでくれたのはこの方の功績でしょう。
惜しむらくは娘役TOPの陽月華ちゃんが稽古中の怪我で出演できず、次郎の妻、白洲正子を演じた和音美桜さんに陽月さんほどの華がなかったこと。白洲正子は彼女自身、一種のカリスマなので、妻役にとどまらない個性が欲しかったのですが・・・こればかりは仕方がありませんね。

わたくし自身はW男役のそれぞれの個性(悠河ちゃんはアメリカ人役に違和感がありませんね!)を堪能しました!
ストーリーも東京ローズやブギなど当時の世相を映す場面を上手に取り入れて説得力があり、楽しめたのですが、このしっかりとしたストーリ-構成がコアなタカラヅカファンには、繰り返しの鑑賞に向かない・・・とやや不評だったりするのがまた面白く思われたことでした。


目白散策・桜の会 ③

2008-04-08 03:15:44 | きもの
椿山荘から門を出ると、神田川沿いにまるで歌舞伎の書割のような見事な桜が・・・



夕暮れ時ではありましたが、淡い光の中で白く薄桃色の雲のような満開の桜が連なり枝を重ねる様は水辺に映って本当に美しいものでした・・・。

庭園散策で乾いた喉を潤しましょうかとアフタヌーンティーへと隣接のフォ-シーズンズホテルのロビーに向かいましたが、なんと1時間待ち!
もう夕方ですし、と急遽方針を変更、メインバーで、この時期限定の桜をテーマにしたオリジナルカクテルで締めることに・・・。



落ち着いた雰囲気でゆったりと楽しかった一日を振り返ることが出来てよろしゅうございました



わたくしがいただいたのはシャンパンベースの”枝垂桜”。
飴細工の滝のような装飾が華やかです。

美しいお花と和服美人に囲まれて至福のお時間でした
皆様、またよろしくお願い致します


目白散策・桜の会 ②

2008-04-07 05:04:32 | きもの
Luncoさんの後は、レストラン風見鶏のある通りを下落合方面に下って大きなケヤキの木のある手前を右折した住宅街の中の一軒で和の空間として営業している「花想容」さんでお茶。
可愛らしい和服の若いお嬢さんたちがサーブしてくださるお茶とケーキを、中庭に面したソファのあるスペースでいただく時間は、個人宅で過ごしているよう・・・。
お部屋の壁に沿って、桜の柄が染め抜かれた縮緬のショールや、草木染の結城の反物や帯、万華鏡のような小物などが展示販売されていて、ちょっと不思議な、でも落ち着ける空間でした



お茶をするわたくしたち。
左からシックな薄いグレーの久米島紬にとても可愛らしいピンクの桜帯に黄色の帯締めが効いているどなさん、明るい紺地に大きなパステル花柄小紋に、chaiさんの爽やかなブルーが効いたアイボリーの帯を角だしに・・というリラックスモードのmiwaさん
わたくし。そして、ロベルタのチェーン柄のような網代柄の白地の小紋に渋さと華やぎを併せ持った袋帯のようなアンティークの桜帯の宮本さん
このお写真ではわかりづらいのですが、とても丁寧な桜柄の刺繍の施されたシックな半襟が繊細な大人っぽさのあるコーディネートの隠し味になっていました。

すっかりまったりしてしまううちに陽が陰り始め、あわててTAXIで椿山荘へ。



桜が満開の土曜日とあって、結婚式とお花見客で大賑わいのこちらも、この時間帯ですとちょっと落ち着いた風情に・・・。広い日本庭園を散策しつつ、ちょっとした旅行気分で撮影タイムです



桜をバックに・・・。
わたくしは地色の桜色より少しだけ濃いピンクの濃淡で水彩画のように描かれたポピーの花帯をブルーの万筋にあわせ、帯揚げは京紫、帯締めは紫とピンクの縞のもので淡いトーンを少し引き締め、半襟は濃い目の薄紫に同系色~ピンクで桜の刺繍の半襟。
長羽織は昨年秋に、目黒の池田さんで購入の池田さんオリジナルの正絹プレタ。
淡いシャーベットオレンジが叩き染のような地模様でベースになった上に、短冊状に小花柄の入ったもので、春らしくまとめてみました。