宙組公演も終盤となり、連日劇場通いです。
28日木曜日の夜公演、30日土曜日の11時公演、そして今日の千秋楽・・・という絶賛タカラヅカ週間の狭間に、これは外せない・・・といただいたお誘いに即・行きます!と良いお返事
神奈川県立音楽堂にて
2012年6月29日(金)
【マリオ・ブルネロ&ファジル・サイ デュオ・コンサート】
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821
ファジル・サイ:4つの都市―ピアノとチェロのためのソナタ(新作)
フランク:チェロ・ソナタ イ長調
ドビュッシー:チェロ・ソナタ
6月29日(金) 19時 00分 開演
初めて行くホールでしたので、6時に会社を出て7時に横浜の紅葉丘・・・大丈夫かしら、とヒヤヒヤしましたが、
横浜駅東口からタクシーで、なんとか2分前に着席!
やれば出来るのね・・・
1954年11月4日設立のホールだとか・・・
さすがに年月を経た感じはありましたが、ロビーも広々としていて、すり鉢状のホールの音響も良く、視界も広くて、快適でした。まぁ、お席がちょうど客席の中心部だったこともありますが・・・。
さて、まず第一部、シューベルトは、伸びやかで、メロディーの美しい流麗な作品。
ちなみにアルぺジョ―ネとは1823年ごろに流行った新しい楽器で、チェロのように立てて演奏するスタイルのギターっぽい6弦の楽器だったとか。
ブルネロは本領発揮で最初から曲の世界に遊ぶ余裕を感じましたが、ファジル・サイは、やはりというか、伴奏としての演奏はあまりお得意ではないのかも?
チェロメインで寄り添うような伴奏ピアノが、もともとの曲としての意図だとは思うのですが、やや主張してしまうのは彼の個性からして致し方のないことかもしれませんが^^;
2曲目は、ファジル・サイ自身の作曲作品。
プログラムを見ただけではわからない・・・と思っていましたら、ちゃんと、彼自身による、作品紹介のメッセージの印刷物が配布されていました。
>4つの都市―ピアノとチェロのためのソナタ Op.41
1.スィヴァス 2.ホパ 3.アンカラ 4.ボドルム
今回、私が作曲した「ピアノとチェロのためのソナタ」では、I: スィヴァス(Sivas)、II:ホパ(Hopa)、III: アンカラ(Ankara)、IV: ボドルム(Bodrum) といったトルコの4つの都市を取り上げています。
スィヴァスには中東特有の民謡があり、黒海の西に位置するホパはカルカス・ダンスで有名、アンカラは私自身が生まれた都市で思い入れが深く、ボドルムは夏のバケーションを楽しむ場所として有名なので、バーで楽しんでいるような雰囲気を出すためジャズ風に仕上げました。各都市にはそれぞれの気候、雰囲気、伝統があり、それら各地の民謡(Folklore)を各楽章に取り入れています。
皆様にはこのソナタを通して、まるでトルコを旅しているような雰囲気を味わっていただけたら幸いです。
ブルネロさんのエネルギッシュな演奏にもご期待下さい!
ファジル・サイ(ピアニスト・作曲家)
ということで・・・^^
わたくし自身、行ったことのあるトルコの都市は、この中ではアンカラのみ。
あとはイスタンブールとかカッパドキアとか・・・
アンカラは華やかな歴史・文化・貿易の都市イスタンブールと比べると地味な内陸の都市、という印象でしたが、この作品のなかでは一番シャープで現代音楽的な作りになっていて面白かったです。
間、休憩を挟んでの第2部
フランクのチェロ・ソナタはもともとバイオリンソナタとして書かれたものだとか。
「循環形式」と言われる、主題の変奏、少しずつ転調しながら繰り返されるフレーズが心地よい陶酔感を生み出す・・・という作品で、フランクをあまり聞いたことのないわたくしには新鮮。
ただ・・ここでも、ファジル・サイが準備不足だったのか、楽譜を観ながらの演奏で、ミスタッチも多く、ちょっと流麗さに欠ける感じが、彼の個性と言えばそうなのですけど、ちょっと曲とは合わなかったかな?と思いました。
4楽章のチェロとピアノの掛け合いのような場面になると、ようやく温まってきたのか、優しい主題ののメロディーが対話のように進行していく中で熱を帯びてくる感じはこのデュオならではの感覚で、最後拍手が多かったのは第4楽章の出来が良かったからだと思っています^^;
演奏会の後、ヴァイオリンと伴奏ピアノでの、同曲を聴いてみたのですが、え、これってこんなに華麗でドラマチックな曲だったの!?と驚き(笑)
そう、同じ曲でも印象がそれぞれのアーティストによって異なる、これこそが生演奏を観賞する醍醐味なのですから。良いのです^^
ドビュッシーのチェロ・ソナタ
これが、この公演の白眉
今年はドビュッシー生誕150年ということで、演奏会でとりあげられることが増えているような・・・。
ドビュッシー(1862-1918)は好きな作曲家なので、嬉しいことです。
この作品は、最晩年に講想されていた室内楽シリーズ6作の第一作目(3作目で中断)
3楽章で15分程度の短い作品ながら、ドビュッシーならではの幻想的な曲調、チェロのピチカート奏法など、様々なテクニックを織り込んでの見せ場も多く、第3楽章でのピアノとチェロの掛け合いが活き活きとしていて、息の合った2人の自由な演奏が活かされた名演でした。
ほぼ満席の会場も大きな拍手を送り、満足。
アンコールを3曲拍手に応えて演奏してくださいましたが、気にいったのは2曲目のJAZZっぽいもの。
最初と最後は大人しめのしっとりとした小品で。
本プログラムの最後のドビュッシーが本当に素晴らしかったので、本当は上書きされずに、その余韻を持ちかえりたいくらいだったのですが・・・まあ、贅沢な文句ですね^^;
終演は予定より30分ほど遅れて、9時15分頃でした。
28日木曜日の夜公演、30日土曜日の11時公演、そして今日の千秋楽・・・という絶賛タカラヅカ週間の狭間に、これは外せない・・・といただいたお誘いに即・行きます!と良いお返事
神奈川県立音楽堂にて
2012年6月29日(金)
【マリオ・ブルネロ&ファジル・サイ デュオ・コンサート】
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821
ファジル・サイ:4つの都市―ピアノとチェロのためのソナタ(新作)
フランク:チェロ・ソナタ イ長調
ドビュッシー:チェロ・ソナタ
6月29日(金) 19時 00分 開演
初めて行くホールでしたので、6時に会社を出て7時に横浜の紅葉丘・・・大丈夫かしら、とヒヤヒヤしましたが、
横浜駅東口からタクシーで、なんとか2分前に着席!
やれば出来るのね・・・
1954年11月4日設立のホールだとか・・・
さすがに年月を経た感じはありましたが、ロビーも広々としていて、すり鉢状のホールの音響も良く、視界も広くて、快適でした。まぁ、お席がちょうど客席の中心部だったこともありますが・・・。
さて、まず第一部、シューベルトは、伸びやかで、メロディーの美しい流麗な作品。
ちなみにアルぺジョ―ネとは1823年ごろに流行った新しい楽器で、チェロのように立てて演奏するスタイルのギターっぽい6弦の楽器だったとか。
ブルネロは本領発揮で最初から曲の世界に遊ぶ余裕を感じましたが、ファジル・サイは、やはりというか、伴奏としての演奏はあまりお得意ではないのかも?
チェロメインで寄り添うような伴奏ピアノが、もともとの曲としての意図だとは思うのですが、やや主張してしまうのは彼の個性からして致し方のないことかもしれませんが^^;
2曲目は、ファジル・サイ自身の作曲作品。
プログラムを見ただけではわからない・・・と思っていましたら、ちゃんと、彼自身による、作品紹介のメッセージの印刷物が配布されていました。
>4つの都市―ピアノとチェロのためのソナタ Op.41
1.スィヴァス 2.ホパ 3.アンカラ 4.ボドルム
今回、私が作曲した「ピアノとチェロのためのソナタ」では、I: スィヴァス(Sivas)、II:ホパ(Hopa)、III: アンカラ(Ankara)、IV: ボドルム(Bodrum) といったトルコの4つの都市を取り上げています。
スィヴァスには中東特有の民謡があり、黒海の西に位置するホパはカルカス・ダンスで有名、アンカラは私自身が生まれた都市で思い入れが深く、ボドルムは夏のバケーションを楽しむ場所として有名なので、バーで楽しんでいるような雰囲気を出すためジャズ風に仕上げました。各都市にはそれぞれの気候、雰囲気、伝統があり、それら各地の民謡(Folklore)を各楽章に取り入れています。
皆様にはこのソナタを通して、まるでトルコを旅しているような雰囲気を味わっていただけたら幸いです。
ブルネロさんのエネルギッシュな演奏にもご期待下さい!
ファジル・サイ(ピアニスト・作曲家)
ということで・・・^^
わたくし自身、行ったことのあるトルコの都市は、この中ではアンカラのみ。
あとはイスタンブールとかカッパドキアとか・・・
アンカラは華やかな歴史・文化・貿易の都市イスタンブールと比べると地味な内陸の都市、という印象でしたが、この作品のなかでは一番シャープで現代音楽的な作りになっていて面白かったです。
間、休憩を挟んでの第2部
フランクのチェロ・ソナタはもともとバイオリンソナタとして書かれたものだとか。
「循環形式」と言われる、主題の変奏、少しずつ転調しながら繰り返されるフレーズが心地よい陶酔感を生み出す・・・という作品で、フランクをあまり聞いたことのないわたくしには新鮮。
ただ・・ここでも、ファジル・サイが準備不足だったのか、楽譜を観ながらの演奏で、ミスタッチも多く、ちょっと流麗さに欠ける感じが、彼の個性と言えばそうなのですけど、ちょっと曲とは合わなかったかな?と思いました。
4楽章のチェロとピアノの掛け合いのような場面になると、ようやく温まってきたのか、優しい主題ののメロディーが対話のように進行していく中で熱を帯びてくる感じはこのデュオならではの感覚で、最後拍手が多かったのは第4楽章の出来が良かったからだと思っています^^;
演奏会の後、ヴァイオリンと伴奏ピアノでの、同曲を聴いてみたのですが、え、これってこんなに華麗でドラマチックな曲だったの!?と驚き(笑)
そう、同じ曲でも印象がそれぞれのアーティストによって異なる、これこそが生演奏を観賞する醍醐味なのですから。良いのです^^
ドビュッシーのチェロ・ソナタ
これが、この公演の白眉
今年はドビュッシー生誕150年ということで、演奏会でとりあげられることが増えているような・・・。
ドビュッシー(1862-1918)は好きな作曲家なので、嬉しいことです。
この作品は、最晩年に講想されていた室内楽シリーズ6作の第一作目(3作目で中断)
3楽章で15分程度の短い作品ながら、ドビュッシーならではの幻想的な曲調、チェロのピチカート奏法など、様々なテクニックを織り込んでの見せ場も多く、第3楽章でのピアノとチェロの掛け合いが活き活きとしていて、息の合った2人の自由な演奏が活かされた名演でした。
ほぼ満席の会場も大きな拍手を送り、満足。
アンコールを3曲拍手に応えて演奏してくださいましたが、気にいったのは2曲目のJAZZっぽいもの。
最初と最後は大人しめのしっとりとした小品で。
本プログラムの最後のドビュッシーが本当に素晴らしかったので、本当は上書きされずに、その余韻を持ちかえりたいくらいだったのですが・・・まあ、贅沢な文句ですね^^;
終演は予定より30分ほど遅れて、9時15分頃でした。