また、いつもの泣き言だ。
おかしなことをして、トラブルを招くとそう言って嘆く。
悪いのはすべて周囲、
自分は被害者だということらしい。
たぶん、認知症なのだから、仕方ないのかもしれないが、
認知症の前に、親であり、人間であると見てしまうので、
対等な存在だと見てしまうので、腹がたつ。
人の気持ちを考えない人は、
年をとり、認知症になっても、
人の気持ちを考えない人である点は変わりない。
「自分のことだけだから」と母がぼやく。
好きにすれば、と言いながら、
母がおろおろするので、対処を考える。
関わりたくないと思いながら、
いろいろと対応をしては、裏切られる。
しかも、
これから悪化することはあっても、
良くなることは、考えられない。
子どもの頃、
母方の祖父の葬儀のときに、
「ぼける前に死んでくれて良かった」
そう言った父。
何一つしたわけではないのに、
そう言った言葉だけは、今も覚えている。
同じ言葉を贈ってあげましょうか。
いまさら、理解力も低下しているから、
意味もわからないんだろうな。
それでも、父の姿を見ていると、
その血をひいている自分の未来が怖くなる。
どちらにしても、
明るい思考にはなりそうもない。