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金沢では本場の加賀料理を食べてみたいと思いました。
「大友楼」へ予約の電話を入れると、
「5月3日の昼なら空いています」 という返事です。
すぐに会席料理を予約しました。 出かける三日前のことです。
尾山神社(前田利家と正室まつを祀る)を目指して行くと、
すぐにわかりました。
着物姿の仲居さんが玄関で私たちを待っていてくださって、
二階の座敷へ案内してくれました。
次の間付きの十畳余の座敷には、床の間、火頭窓のある書院、
中国の田植え風景を描いた金屏風、襖の取っ手、小さな喚証など、
どこを見ても素晴らしく、加賀の伝統的な文化を感じる設えでした。
天井に釣り釜を掛けるヒル釘があったので、仲居さんに伺うと、
旧藩時代には茶の湯の先生のお宅だったそうです。
この部屋でお稽古をしていて、一階には一井庵という茶室もあるそうです。
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早速に、料理が運ばれてきて、あれこれ仲居さんに
お尋ねしながら舌鼓を打ちました。
(1)そら豆の葛豆腐
(2)汁 筍真蒸 菜の花 舞茸 木の芽
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(3)刺身 鯛 さより 甘海老
(4)海老 どじょうの蒲焼 水蛸の梅肉あえ
鯖の押し寿司 そら豆 べろべろ(卵が入っている寒天)
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(5)サーモン照焼 蕗味噌 ハスのチップス
(6)鯛の唐蒸(からむし)
蘭学修行の藩士によって長崎から伝えられた南蛮料理です。
調理法は、そら豆(銀杏)、キクラゲ、昆布、人参、百合根、麻の実などと一緒に
煮た卯の花(おから)を鯛に詰めて蒸します。
「武家料理なので鯛は背開きにして卯の花を詰めます。
蒸している間に鯛の旨味がおからに凝縮されているので
鯛より卯の花の方が美味しいですよ。
婚礼の料理で、嫁方から久谷の大皿に蒸した鯛2匹を腹合わせに
飾って持ってくるのがしきたりになっていました」
食べてみたら、仲居さんのお勧めのおからが絶品でしたが、
鯛が大きく、卯の花もぎっしり詰められていて、食べきれません・・・。
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(7)じぶ 鴨 すだれ麩 椎茸 金時草(きんじそう・加賀野菜) 山葵
加賀料理の代表と思っていましたが、庶民のお惣菜だそうです。
煮物ですが「煮」と言わずに「ジブ」と呼び捨てにします。
四季を通じて楽しまれていて、味の無い青菜、旬の根菜、茸、すだれ麩を取り合わせ、
小麦粉をつけた肉(鴨、鳥、牡蠣など)を煮込んだ(ソース)で食べます。
味は関東で食べた治部煮と全くちがい、濃厚で甘い味でした。
加賀百万石といわれ裕福な人たちは、当時貴重だった砂糖を贅沢に使って
甘みを楽しんだとか。藩政当時のままの味付けだそうです。
仲居さんが面白いことを教えてくれました。
「青菜を上手に使ってとろみを残さずに食べ、菜を残してください。
武家料理ですので、
武士は名(菜)を残す・・と言って、このような食べ方をします」
輪島塗の器についても
「加賀の人たちは外見は質素に・・を心がけ、
中身は豪華にして楽しんでいました」
幕府に目をつけられないように苦労していたようですね。
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(8)酢物 蛍イカ みようが ウド きゅうり(太い・加賀野菜)
レモン 酢味噌
(9)焼おにぎりのおだく掛け 小あられ 香の物
(10)デザート 西瓜 バジル添え
大友楼で過ごした2時間余は加賀料理だけでなく
「加賀の歴史と文化をたっぷり味わう」時間となりました。
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(金沢・南砺の旅 前へ) (次へ)
追記)誤って未完のうちに投稿してしまい、ご迷惑をおかけしました。ご免なさい。
「大友楼」へ予約の電話を入れると、
「5月3日の昼なら空いています」 という返事です。
すぐに会席料理を予約しました。 出かける三日前のことです。
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尾山神社(前田利家と正室まつを祀る)を目指して行くと、
すぐにわかりました。
着物姿の仲居さんが玄関で私たちを待っていてくださって、
二階の座敷へ案内してくれました。
次の間付きの十畳余の座敷には、床の間、火頭窓のある書院、
中国の田植え風景を描いた金屏風、襖の取っ手、小さな喚証など、
どこを見ても素晴らしく、加賀の伝統的な文化を感じる設えでした。
天井に釣り釜を掛けるヒル釘があったので、仲居さんに伺うと、
旧藩時代には茶の湯の先生のお宅だったそうです。
この部屋でお稽古をしていて、一階には一井庵という茶室もあるそうです。
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早速に、料理が運ばれてきて、あれこれ仲居さんに
お尋ねしながら舌鼓を打ちました。
(1)そら豆の葛豆腐
(2)汁 筍真蒸 菜の花 舞茸 木の芽
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(3)刺身 鯛 さより 甘海老
(4)海老 どじょうの蒲焼 水蛸の梅肉あえ
鯖の押し寿司 そら豆 べろべろ(卵が入っている寒天)
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(5)サーモン照焼 蕗味噌 ハスのチップス
(6)鯛の唐蒸(からむし)
蘭学修行の藩士によって長崎から伝えられた南蛮料理です。
調理法は、そら豆(銀杏)、キクラゲ、昆布、人参、百合根、麻の実などと一緒に
煮た卯の花(おから)を鯛に詰めて蒸します。
「武家料理なので鯛は背開きにして卯の花を詰めます。
蒸している間に鯛の旨味がおからに凝縮されているので
鯛より卯の花の方が美味しいですよ。
婚礼の料理で、嫁方から久谷の大皿に蒸した鯛2匹を腹合わせに
飾って持ってくるのがしきたりになっていました」
食べてみたら、仲居さんのお勧めのおからが絶品でしたが、
鯛が大きく、卯の花もぎっしり詰められていて、食べきれません・・・。
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(7)じぶ 鴨 すだれ麩 椎茸 金時草(きんじそう・加賀野菜) 山葵
加賀料理の代表と思っていましたが、庶民のお惣菜だそうです。
煮物ですが「煮」と言わずに「ジブ」と呼び捨てにします。
四季を通じて楽しまれていて、味の無い青菜、旬の根菜、茸、すだれ麩を取り合わせ、
小麦粉をつけた肉(鴨、鳥、牡蠣など)を煮込んだ(ソース)で食べます。
味は関東で食べた治部煮と全くちがい、濃厚で甘い味でした。
加賀百万石といわれ裕福な人たちは、当時貴重だった砂糖を贅沢に使って
甘みを楽しんだとか。藩政当時のままの味付けだそうです。
仲居さんが面白いことを教えてくれました。
「青菜を上手に使ってとろみを残さずに食べ、菜を残してください。
武家料理ですので、
武士は名(菜)を残す・・と言って、このような食べ方をします」
輪島塗の器についても
「加賀の人たちは外見は質素に・・を心がけ、
中身は豪華にして楽しんでいました」
幕府に目をつけられないように苦労していたようですね。
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(8)酢物 蛍イカ みようが ウド きゅうり(太い・加賀野菜)
レモン 酢味噌
(9)焼おにぎりのおだく掛け 小あられ 香の物
(10)デザート 西瓜 バジル添え
大友楼で過ごした2時間余は加賀料理だけでなく
「加賀の歴史と文化をたっぷり味わう」時間となりました。
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(金沢・南砺の旅 前へ) (次へ)
追記)誤って未完のうちに投稿してしまい、ご迷惑をおかけしました。ご免なさい。