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5月15日(日)に浅草寺伝法院で行われた
富士庵流同門茶会へ出かけました。昨年に続き、二回目です。
浅草雷門で待ち合わせ、総勢四名です。
五月晴れの清々しい気候でしたので、軽くてしゃっきりした大島紬を着ました。
他の方々は無地、小紋、洋服と、思い思いの装いです。
伝法院通りの黒門から入ると、
小堀遠州が作庭したという回遊式庭園があり、この庭も見所の一つです。
緑樹が美しい庭に面して今日の茶席の書院、大書院二席、天佑庵があります。
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第一書院席に入り、いきなり正客のご指名がありました。
どなたも正客が出来る方ばかりなのですが
「それでは順番にいたしましょう」と、素直に引き受けました。
「本日は誠におめでとうございます。
他流でございますので、どうぞご指導を宜しくお願いいたします」
席主は、昨年天佑庵席を持たれた、柔らかく気さくな先生で、ほっとしました。
「一葉観音(いちようかんのん)」が床に掛けられていました。
「東関東大震災のあとで、茶会をするにあたり
一葉観音の画像をお掛けしたいと思いました・・」と席主。
「一葉観音」は一葉の蓮華に乗った観音菩薩です。
その由来は、道元禅師が中国から帰国途中嵐に逢い、難破しそうになりました。
一心に念じたところ一葉観音が顕れ、荒海が凪いだという故事があるそうです。
旅の安全や水難守護を願う人々により今も深く信仰されています。
お話を伺いながら、今日のお席のテーマがよくわかりました。
花は、花筏、白紫蘭、紫鉄線が信楽の丸筒に生けられています。
香合は細かい細工のある白檀の蓋物で、中国製のお土産だとか。
お点前が始まりました。
お点前さんが茶道口に座り、敷居の上に扇子を置き、両膝の前に
手の指先をつき一礼しました。
二回目ですが、お辞儀、足の運び、帛紗捌き、茶筅通しなど、
富士庵流の所作が新鮮で見入りました。
お道具も素敵でした。
富士庵流お家元好みの無双棚に雲鶴青磁の水指です。
無双棚は黒と朱塗の無双(上下でリバーシブル?)になっていて、
弔事と慶事で使い分けられ、黒が表になっていました。
形も好いのですが、創意工夫に感心しました。
風炉先屏風も当代(五世)お家元好みで、桐地に富士山、松竹梅の透かしが
初風炉の清心の席を盛り立てています。
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「磯あそび」(うさぎ屋製)という菓子を頂戴し、
芳香園の薄茶「妙寿」を初めて喫みました。
香り佳し、程よい苦味よし、少々熱かったのでゆっくり頂きました。
席主とお点前さんが心配そうに見ていらっしゃったので
「香りも、苦味も程よくアクセントになっていて美味しゅうございます」
最初の客、最初のお点前でさぞやほっとしたことでしょう。
あとで、富士庵流では裏千家流の濃茶点前のように
「たいへん美味しく頂戴しています」
正客が服加減を述べることを知りました・・(身体が反応できて好かった!)。
主茶碗は貫入の美しい黒薩摩、替は鉄線絵の京焼でした。
七宝の蒔絵が細かく繊細な棗は、
「こんな時だからこそ、みんなで手を取り合う気持ちが
大切だと思い、七宝つなぎの棗にしました」 と席主。
そして茶杓は、富士庵流四世家元作の「和」でした。
初風炉の第一席で、和を大切にして前に進む勇気をいただきました。
(富士庵流茶会(2)へ)
富士庵流同門茶会へ出かけました。昨年に続き、二回目です。
浅草雷門で待ち合わせ、総勢四名です。
五月晴れの清々しい気候でしたので、軽くてしゃっきりした大島紬を着ました。
他の方々は無地、小紋、洋服と、思い思いの装いです。
伝法院通りの黒門から入ると、
小堀遠州が作庭したという回遊式庭園があり、この庭も見所の一つです。
緑樹が美しい庭に面して今日の茶席の書院、大書院二席、天佑庵があります。
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第一書院席に入り、いきなり正客のご指名がありました。
どなたも正客が出来る方ばかりなのですが
「それでは順番にいたしましょう」と、素直に引き受けました。
「本日は誠におめでとうございます。
他流でございますので、どうぞご指導を宜しくお願いいたします」
席主は、昨年天佑庵席を持たれた、柔らかく気さくな先生で、ほっとしました。
「一葉観音(いちようかんのん)」が床に掛けられていました。
「東関東大震災のあとで、茶会をするにあたり
一葉観音の画像をお掛けしたいと思いました・・」と席主。
「一葉観音」は一葉の蓮華に乗った観音菩薩です。
その由来は、道元禅師が中国から帰国途中嵐に逢い、難破しそうになりました。
一心に念じたところ一葉観音が顕れ、荒海が凪いだという故事があるそうです。
旅の安全や水難守護を願う人々により今も深く信仰されています。
お話を伺いながら、今日のお席のテーマがよくわかりました。
花は、花筏、白紫蘭、紫鉄線が信楽の丸筒に生けられています。
香合は細かい細工のある白檀の蓋物で、中国製のお土産だとか。
お点前が始まりました。
お点前さんが茶道口に座り、敷居の上に扇子を置き、両膝の前に
手の指先をつき一礼しました。
二回目ですが、お辞儀、足の運び、帛紗捌き、茶筅通しなど、
富士庵流の所作が新鮮で見入りました。
お道具も素敵でした。
富士庵流お家元好みの無双棚に雲鶴青磁の水指です。
無双棚は黒と朱塗の無双(上下でリバーシブル?)になっていて、
弔事と慶事で使い分けられ、黒が表になっていました。
形も好いのですが、創意工夫に感心しました。
風炉先屏風も当代(五世)お家元好みで、桐地に富士山、松竹梅の透かしが
初風炉の清心の席を盛り立てています。
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「磯あそび」(うさぎ屋製)という菓子を頂戴し、
芳香園の薄茶「妙寿」を初めて喫みました。
香り佳し、程よい苦味よし、少々熱かったのでゆっくり頂きました。
席主とお点前さんが心配そうに見ていらっしゃったので
「香りも、苦味も程よくアクセントになっていて美味しゅうございます」
最初の客、最初のお点前でさぞやほっとしたことでしょう。
あとで、富士庵流では裏千家流の濃茶点前のように
「たいへん美味しく頂戴しています」
正客が服加減を述べることを知りました・・(身体が反応できて好かった!)。
主茶碗は貫入の美しい黒薩摩、替は鉄線絵の京焼でした。
七宝の蒔絵が細かく繊細な棗は、
「こんな時だからこそ、みんなで手を取り合う気持ちが
大切だと思い、七宝つなぎの棗にしました」 と席主。
そして茶杓は、富士庵流四世家元作の「和」でした。
初風炉の第一席で、和を大切にして前に進む勇気をいただきました。
(富士庵流茶会(2)へ)
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