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1月9日、釜師・長野新さんの初釜へお招きいただきました。
釜嫁こと、茶友の長野珠己さんからお電話を頂いたのは11月の関西旅行中でした。
「来春の初釜の一日を私たち夫婦でやらして頂くことになりました。
京都へ行く前に、是非初釜へいらしてください」
釜師・長野家の初釜(2010年1月)に伺った時から、
いつか長野新夫妻の初釜が行われ、その席へ招かれることを夢見ていました。
その夢が現実になったのです。
喜び勇んで・・・と言いたいところですが、正客・・・でした。
お酒の強い席主夫妻に対してお酒が飲めない正客なんて・・・
と役不足を自覚しながら、その日を迎えました。
せめて連客様(総勢11名)の名前と特徴だけでも覚えよう・・・
紹介文とにらめっこしながら桶川駅まで電車に揺られて行きました。
長野家の待合で皆さまと顔を合わせ、お話しすると、
次客のYさんはじめ7名の方が真ML茶の湯コミュニティ-の会員
であることがわかり、少し安心しました。
ヨットマンS氏、茶席がはじめてという彫金家K氏と友人S氏など
多彩なお客様の顔ぶれで、どんなことになるやら・・・ワクワクしてきました。
「楽しいお席にしたいのでご協力を宜しくお願いいたします」
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(待合)
席入すると、床にユーモラスな絵が描かれた軸がかかっています。
お福百態図(?)とでも名付けたいような、たくさんのお福さんが登場し、
江戸末期の年中行事や暮らしぶりが漫画チックに生き生きと画かれていて、
思わず「長野家のお福さん」の珠己さんが頭をよぎります。
大きな晩白柚(ばんぺいゆ)の正月飾りが設えてありました。
晩白柚は熊本県八代産で、ミカン科でザボンの仲間だとか。
初めて拝見する豪快な晩白柚に思わずお釜の形を当てはめていました・・・。
さて、いよいよお釜登場です。
前礼の手紙にも
「初釜にどのようなお釜が掛けられるのか、今から楽しみで、
あれこれ想像しております」
縮緬肌の古典的な天命かしら?
斬新な面取り釜かしら?
それとも・・・?
その釜は、優しい形を持ち、温かなぬくもりを感じる釜でした。
梅が飛び、胴には蔓のような文様の帯が入り、全体を引締めています。
鐶付は松ぼっくりでした。
「使い込んでいるみたいだけれど古いお釜かしら?」と思いました。
あとで伺うと、長野新造の「鶴首釜」。
すっきりしたつまみは、古典的な雰囲気を持つ釜と対比して
現代的にシンプルなつまみにしたそうです。
「古いお釜のように見えました」
と思った通りに言うと、ご亭主はとても嬉しそうでした。
和づく釜は使うことによって錆が生まれ、釜肌を包み込み、
落ち着いた好い味わいになっていくそうですが、
「釜を育てる」のは手間暇がかかり、とても大変なのです。
きっとせっせと使い込んで釜を育てていることでしょう。
新・釜師長野家の初釜 (2)へつづく
釜嫁こと、茶友の長野珠己さんからお電話を頂いたのは11月の関西旅行中でした。
「来春の初釜の一日を私たち夫婦でやらして頂くことになりました。
京都へ行く前に、是非初釜へいらしてください」
釜師・長野家の初釜(2010年1月)に伺った時から、
いつか長野新夫妻の初釜が行われ、その席へ招かれることを夢見ていました。
その夢が現実になったのです。
喜び勇んで・・・と言いたいところですが、正客・・・でした。
お酒の強い席主夫妻に対してお酒が飲めない正客なんて・・・
と役不足を自覚しながら、その日を迎えました。
せめて連客様(総勢11名)の名前と特徴だけでも覚えよう・・・
紹介文とにらめっこしながら桶川駅まで電車に揺られて行きました。
長野家の待合で皆さまと顔を合わせ、お話しすると、
次客のYさんはじめ7名の方が真ML茶の湯コミュニティ-の会員
であることがわかり、少し安心しました。
ヨットマンS氏、茶席がはじめてという彫金家K氏と友人S氏など
多彩なお客様の顔ぶれで、どんなことになるやら・・・ワクワクしてきました。
「楽しいお席にしたいのでご協力を宜しくお願いいたします」
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(待合)
席入すると、床にユーモラスな絵が描かれた軸がかかっています。
お福百態図(?)とでも名付けたいような、たくさんのお福さんが登場し、
江戸末期の年中行事や暮らしぶりが漫画チックに生き生きと画かれていて、
思わず「長野家のお福さん」の珠己さんが頭をよぎります。
大きな晩白柚(ばんぺいゆ)の正月飾りが設えてありました。
晩白柚は熊本県八代産で、ミカン科でザボンの仲間だとか。
初めて拝見する豪快な晩白柚に思わずお釜の形を当てはめていました・・・。
さて、いよいよお釜登場です。
前礼の手紙にも
「初釜にどのようなお釜が掛けられるのか、今から楽しみで、
あれこれ想像しております」
縮緬肌の古典的な天命かしら?
斬新な面取り釜かしら?
それとも・・・?
その釜は、優しい形を持ち、温かなぬくもりを感じる釜でした。
梅が飛び、胴には蔓のような文様の帯が入り、全体を引締めています。
鐶付は松ぼっくりでした。
「使い込んでいるみたいだけれど古いお釜かしら?」と思いました。
あとで伺うと、長野新造の「鶴首釜」。
すっきりしたつまみは、古典的な雰囲気を持つ釜と対比して
現代的にシンプルなつまみにしたそうです。
「古いお釜のように見えました」
と思った通りに言うと、ご亭主はとても嬉しそうでした。
和づく釜は使うことによって錆が生まれ、釜肌を包み込み、
落ち着いた好い味わいになっていくそうですが、
「釜を育てる」のは手間暇がかかり、とても大変なのです。
きっとせっせと使い込んで釜を育てていることでしょう。
新・釜師長野家の初釜 (2)へつづく
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