(ストックホルムへ出かけ、お茶事に招かれたなんて・・・う~ん! 夢かしら?
)
「○(円相) 露」 紫野大慈院・戸田実山和尚筆
世界を巡回中の御軸です
(茶事中の写真がないので、瑞暉亭で写したものです)
(つづき)
「床にどんなお花がいけられているのかしら?」
花はクリーム色の夕菅(ユウスゲ)とかわいらしいピンクの花(名前が・・・?)が生けられ、御軸「○ 露」と諸飾りでした。
点前座は長板二ツ置、黒真塗長板に風炉と義山の平水指。
後座の席入をすると、水指前にエキゾチックな仕覆を着た茶入が荘られています。
夕菅(ユウスゲ) (季節の花300)
後座の濃茶はまるで昨日のことのように脳裏に鮮明です。
閑かに座して待っていると、
ご亭主Fさんが茶碗を運び出し、茶入と置き合せ、柄杓を蓋置に引いて総礼。
いつもの濃茶点前ですが、自分が一緒にお点前をしているような緊張感を覚えました。
それは、Fさんの緊張感が私たちに素直に伝わって来たからで、その緊張感がとても心地よく何よりのご馳走に思いました。
日頃の修練の様子が垣間みられる美しいお点前、練ってくださった濃茶の香りが空間を満たしていく幸せな時間・・・。
白楽茶碗に美しく映える翠の濃茶を美味しく頂戴しました。
濃茶は京極の昔、一保堂です。
クラッシックな義山平水指の塗蓋が開けられ、柄杓で水を汲まれる様子を拝見してハッとしました。
掬うと水面が優雅にゆらめき、カットガラスに反射して・・・麗しくも、今まで見たことのない一瞬でした。
黒真塗の長板、水指のカットガラス、光の加減、水指の水面が見られる席など、条件が揃わないと見れない光景です。・・・Fさまが水を掬われるのが待ち遠しく愉しみでした。
垂涎の義山平水指はパートナーの家にあったもので、代々大事に使われてきた器を義母上から譲り受けたそうです。
お道具組も素敵でした。
姉上のお茶の先生が所持していたというアンティークの大海茶入、深海に沈んでいくような青味がかった色合に魅せられます。
”素”を感じる白楽茶碗はストックホルム在住の女性陶芸家・藤井エミさん造、
銘「千代の友」という幼名由来の茶杓、輪島塗の薄器「飛花」など・・・。
Fさんが生きて来られた軌跡を感じながら、茶道具とのご縁のお話が愉しゅうございました。
くつろいで薄茶をいただいた後に、先ほどの床の御軸
「○(円相) 露」 紫野大慈院・戸田実山和尚筆のことを改めてお話し下さいました。
この御軸を掛けて茶会をする「軸リレー」が世界を巡回中で、ドイツでの茶会を経てスウェーデン・北暉庵へ巡って来たのでした。
偶然ですがそんな折に茶事へお招き頂いたのも素敵なお茶のご縁と感激し、全員で記念写真を撮りました。
次の「軸リレー」ですが、
「明日、瑞暉亭で行われる茶会で是非この御軸を掛けてほしい」とFさんからOさんへ託され、こちらも楽しみです。
明日、茶会が行われる「瑞暉亭」の扁額
Fさん、素晴らしいひと時といろいろなご縁を頂戴し、ありがとうございました!
日本へお帰りの時は、是非とも茶事にてお迎えしたく思っております。
また、お会いできる日を楽しみにお待ちしております・・・。
スウェーデンお茶の旅・・・あこがれのの瑞暉亭へつづく 北暉庵の茶事に招かれて(1)へ戻る トップへ