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吉田山(左京区)にて
灑雪庵・名残りの茶会が10月31日(金)と11月1日(土)に無事終了しました。
2年半続けてきた灑雪庵での茶事もこの茶会が最終でした。
・・・なんか、卒業式が終わったような気分でほっとし、ぼんやりしています。
でも、どんな茶会を? と案じている方のためにも思い出すままに書いておきます。
よろしかったら、お付き合いください。
名残りの茶会なので、菓子茶事の形式でゆっくりおもてなししたいと思いました。
当初の「吸物と八寸」の予定が、13時待合集合なので「おしのぎ」を・・と変り、
「松花堂弁当、汁椀、一献、煮物碗(土瓶蒸し)」をお出しすることになりました。
それで、お昼は食べずにいらしてください・・・とご案内しました。
10月31日のお客さまは「暁庵の茶事クロスロード」の愛読者の、
山口県柳井市のOさま、京都市のIさま、埼玉県新座市のWさま、西宮市のSさま、
全員初対面でした。
さぞや、申込みに勇気が要ったのでは?とお尋ねすると、
「前回、申し損ねたので、この機を逃がしては・・・とすぐに申込みました」
と思いがけない答えです。伺っただけで感激し胸が熱くなりました(アリガトウ!)。
そして皆さま、お見合いの様に初対面にときめき、すぐに打ち解けてくださったのです。
お互いを知る者同士の茶事も深い味わいがありますが、
初めてのお客さまとの茶事もまた新鮮で、新しいご縁を結ぶ喜びがありました。
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待合には紅葉画賛で「舞秋風」、矢野一甫和尚筆を掛けました。
準教授拝受の折、お祝いにN先生から贈られた思い出のお軸です。
京都でも楓や銀杏が色づき始めました。錦秋の到来を待ちわびて・・・。
31日はハローウイン、それでカボチャの火入、煙草盆は溜塗の菓子盆です。
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本席の床は「心静寿年長」、西垣宗興和尚筆です。
心穏やかに、次々と生じる困難に立ち向かい乗り越えて、
その年が寿年であるように、その寿年が長く続くようにありたい・・と。
ご挨拶の時、お正客のOさまから
「美味しい白湯を頂戴しました。どちらのお水でしょうか?」
白湯の水についてのお尋ねは初めてでした。嬉しく思いながら
「鴨川近くの松井酒造の仕込み水をいつも頂いています。
自転車で10分くらいでしょうか」
自己紹介を兼ねたご挨拶が終わり、香盆を持ち出しました。
香を焚き、全員でまわして、身心を浄め、心を一つにする
・・そんなお話をし、Oさまの焚かれた香を聞きました。
奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の
声聞くときぞ秋は哀しき よみびとしらず
優しい香は伽羅、上記の歌より香銘「小牡鹿(さおしか)」です。
香盆を床に飾り、遅めの昼食(前述)をお出ししました。
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灑雪庵・名残りの茶会-2へつづく
灑雪庵・名残りの茶会が10月31日(金)と11月1日(土)に無事終了しました。
2年半続けてきた灑雪庵での茶事もこの茶会が最終でした。
・・・なんか、卒業式が終わったような気分でほっとし、ぼんやりしています。
でも、どんな茶会を? と案じている方のためにも思い出すままに書いておきます。
よろしかったら、お付き合いください。
名残りの茶会なので、菓子茶事の形式でゆっくりおもてなししたいと思いました。
当初の「吸物と八寸」の予定が、13時待合集合なので「おしのぎ」を・・と変り、
「松花堂弁当、汁椀、一献、煮物碗(土瓶蒸し)」をお出しすることになりました。
それで、お昼は食べずにいらしてください・・・とご案内しました。
10月31日のお客さまは「暁庵の茶事クロスロード」の愛読者の、
山口県柳井市のOさま、京都市のIさま、埼玉県新座市のWさま、西宮市のSさま、
全員初対面でした。
さぞや、申込みに勇気が要ったのでは?とお尋ねすると、
「前回、申し損ねたので、この機を逃がしては・・・とすぐに申込みました」
と思いがけない答えです。伺っただけで感激し胸が熱くなりました(アリガトウ!)。
そして皆さま、お見合いの様に初対面にときめき、すぐに打ち解けてくださったのです。
お互いを知る者同士の茶事も深い味わいがありますが、
初めてのお客さまとの茶事もまた新鮮で、新しいご縁を結ぶ喜びがありました。
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待合には紅葉画賛で「舞秋風」、矢野一甫和尚筆を掛けました。
準教授拝受の折、お祝いにN先生から贈られた思い出のお軸です。
京都でも楓や銀杏が色づき始めました。錦秋の到来を待ちわびて・・・。
31日はハローウイン、それでカボチャの火入、煙草盆は溜塗の菓子盆です。
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本席の床は「心静寿年長」、西垣宗興和尚筆です。
心穏やかに、次々と生じる困難に立ち向かい乗り越えて、
その年が寿年であるように、その寿年が長く続くようにありたい・・と。
ご挨拶の時、お正客のOさまから
「美味しい白湯を頂戴しました。どちらのお水でしょうか?」
白湯の水についてのお尋ねは初めてでした。嬉しく思いながら
「鴨川近くの松井酒造の仕込み水をいつも頂いています。
自転車で10分くらいでしょうか」
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自己紹介を兼ねたご挨拶が終わり、香盆を持ち出しました。
香を焚き、全員でまわして、身心を浄め、心を一つにする
・・そんなお話をし、Oさまの焚かれた香を聞きました。
奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の
声聞くときぞ秋は哀しき よみびとしらず
優しい香は伽羅、上記の歌より香銘「小牡鹿(さおしか)」です。
香盆を床に飾り、遅めの昼食(前述)をお出ししました。
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灑雪庵・名残りの茶会-2へつづく