大変久しぶりになりましたが、少し余裕ができましたので、ブログを更新します。
MARUHAの現状は、超多忙の一言。
兎に角、遠方からのエンジンを含めて特殊な依頼が続いております。
開発も忙しく、また通販部門も年々増加の一途。
お待たせしている業務を片づけるのがまず第一。 悠長にブログを書いている時間が惜しいのです。
とは言え、当社の最近の流れや、新製品など気にされているユーザー様もいらっしゃる事でしょうから、なるべく時間を作って更新したいとは思っているのです。
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さて、ネタは山ほどありますが、今日は原点回帰のMAHLEピストンについて。
まずこのピストンを見てください。
MAHLEに特注しているBP用のMARUHAオリジナルピストンです。
先日、数万キロ走行後にOHの機会がありましたので、エンジンから取り出したところを撮影です。
注目は、サイドスカートのグラファルコート。
黒いコーティングです。
摩滅せずに、しっかりと残っていることがわかります。また、その表面に入った傷の程度に注目です。
僅かに縦傷は当然ありますが、ほとんど入っていないことが分かります。
過去にも何度も当社の組んだエンジンの再OHをしておりますが、その時に丁寧に確認しながら製品の安定性を噛みしめております。
ピストンアクションが理想的である証拠になります。
ピストンプロフィールがとても良いことも当然です。楕円・樽型の緻密な設計と加工精度の高さが一段と光ります。
これだけ使い込んでも、ピストンの摩耗が本当に少ない。
トップのデザインも圧縮確保、バルブリセスのコンパクト化。全体の軽量化。
そして、エアフローの流れを意識した、完爆(燃焼)の状態。
IN/EX側のデッキが綺麗な燃焼を物語るカーボンの適度な付着。
たった一言で表現すれば、”見ごと”なのです。
海外でも、国内でも、競合ピストンはいくつもあります。
しかし、MAHLEは別格です。
フェラーリ・ポルシェ・ランボルギーニ、ほか高級欧州車はMAHLEが純正採用されています。
F1のピストンもMAHLEです。
国産の高性能エンジンも今やMAHLE製です。
バックグランドは申し分がありません。 しかしそれに加えて、どれほど綿密に設計されているか、はブログではお伝えし切れないレベル。
例えば、BP用のピストン。
どの角度から、どの位のバルブ径で、どの程度の深さまで入り込むのか?
それは、カムの設計も含めて、入念にデーターを取らなくてはなりません。
これが出来ていないと、余分に深く、中央が尖がったアグリーなヘッドヘビーのピストンが出来てしまいます。
何故綺麗なデザインにならないのか? なぜならば、”丸投げ” 製造だからです。
もちろん、エンジンは掛かることでしょう。普通に走りもします。パワーも排気量が上がれば出やすくなります。
しかし、それでは一歩も二歩も足りないのです。
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昨年は、フォーミュラの方々に使って頂きました。
K20のホンダエンジンとトップスピードでわずかに数キロ足りないらしい、しかしMAHLE製ピストンの性能を高く評価頂きました。
こうしたプロフェッショナル達から認められることが本当に嬉しく思います。
ちょうど良い画像が撮れましたので、少しですがブログで紹介してみました。
ご参考ください。