京都市上京区にある同志社大学の今出川キャンパスで開催された第8回産学連携実務者ネットワーキング(UNITT2011)を拝聴しました。
日本のイノベーション創出のカギを握る産学連携の担当者の“勉強会”のようなシンポジウムです。
オープニングでは、日本を再生するためには「『強い社会保障、強い家庭の財政、強い経済・企業財政』の実現なくしては、日本は沈没してしまう」という現状分析から始まりました。日本が強い社会保障を実現するには、行政の負担金を毎年増やす必要があります。ところが、リーマンショック後は企業収益が悪化し、税収が大幅に落ち込み、弱い経済に陥っているために、政府にはその余裕がありません。企業業績が伸びないために、給料が増えず、個人・家庭の財政も悪化し、子供への教育投資が維持できなくなり、次世代の人材育成に赤信号が点(とも)っています。
こうした悪状況を打開するには、政府(行政)は科学技術振興投資を増やし、個人や企業などがイノベーションを起こし、企業などが新規事業を起こして企業業績を高めることが必要です。このためには、持続可能なイノベーション振興投資が必要になります。持続可能なイノベーションが起こると、個人・家庭の教育投資費用がまかなえるようになり、優れた次世代人材の育成が可能になり、こうした人材が科学技術を発展させ、イノベーションのタネが増え、イノベーション創成の機会が増えるというシナリオです。
そのイノベーション創成の一端を担うのが、大学・公的研究機関の優れた研究成果です。この研究成果を基にした技術シーズ・知的財産(特許など)を企業に技術移転し、新規事業を起こすというシナリオになります。大学などからの技術移転を担当し、知的財産の有効活用を担うのが産学連携実務者です。大学の知的財産本部(名称はさまざま)やTLO(技術移転機関)などに所属している方々です。
米国の先輩格に当たるAUTMの前会長も招待され、米国の産学連携の成功の秘密を解説し、日本の産学連携事情にコメントをしました。

ある大学の知的財産本部(実際の名称は異なります)の担当者の方は「少子化による大学の学生数の減少、大学数自身の減少が始まった現在、大学が生き残るには何を“売り物”にしていくのか、学生、社会、国のそれぞれに対して、大学は何をアピールしていくのか」を真剣に考えましょうと訴えます。
そして「革新的な研究成果を産むために、産学連携担当者は研究に刺激を与える」「社会に有益な学生を育てるために、インターンシップなどの機会を増やし、教育を活性化する」「日本でイノベーション創出を増やすために、事業創出を積極的に行う」「持続的な発展を目指すために、リスクマネージメントを実施する」などを訴えました。どれもかなり重要なことで、なかなか実行できない課題です。「大学経営では、ぜい肉をそぎ落とし、筋肉質の組織を目指そう」と、企業と同じような目標を抱えようと、訴えます。
日本の大学経営の環境が厳しくなる一方の現在、大学が生き残りを図る中で、「産学官連携と技術移転の重要さを、産学連携担当者は社会に対して、学内に対してアピールし続けよう」と鼓舞します。難問ですが、日本の課題解決には不可欠なことです。
日本のイノベーション創出のカギを握る産学連携の担当者の“勉強会”のようなシンポジウムです。

オープニングでは、日本を再生するためには「『強い社会保障、強い家庭の財政、強い経済・企業財政』の実現なくしては、日本は沈没してしまう」という現状分析から始まりました。日本が強い社会保障を実現するには、行政の負担金を毎年増やす必要があります。ところが、リーマンショック後は企業収益が悪化し、税収が大幅に落ち込み、弱い経済に陥っているために、政府にはその余裕がありません。企業業績が伸びないために、給料が増えず、個人・家庭の財政も悪化し、子供への教育投資が維持できなくなり、次世代の人材育成に赤信号が点(とも)っています。
こうした悪状況を打開するには、政府(行政)は科学技術振興投資を増やし、個人や企業などがイノベーションを起こし、企業などが新規事業を起こして企業業績を高めることが必要です。このためには、持続可能なイノベーション振興投資が必要になります。持続可能なイノベーションが起こると、個人・家庭の教育投資費用がまかなえるようになり、優れた次世代人材の育成が可能になり、こうした人材が科学技術を発展させ、イノベーションのタネが増え、イノベーション創成の機会が増えるというシナリオです。
そのイノベーション創成の一端を担うのが、大学・公的研究機関の優れた研究成果です。この研究成果を基にした技術シーズ・知的財産(特許など)を企業に技術移転し、新規事業を起こすというシナリオになります。大学などからの技術移転を担当し、知的財産の有効活用を担うのが産学連携実務者です。大学の知的財産本部(名称はさまざま)やTLO(技術移転機関)などに所属している方々です。
米国の先輩格に当たるAUTMの前会長も招待され、米国の産学連携の成功の秘密を解説し、日本の産学連携事情にコメントをしました。

ある大学の知的財産本部(実際の名称は異なります)の担当者の方は「少子化による大学の学生数の減少、大学数自身の減少が始まった現在、大学が生き残るには何を“売り物”にしていくのか、学生、社会、国のそれぞれに対して、大学は何をアピールしていくのか」を真剣に考えましょうと訴えます。
そして「革新的な研究成果を産むために、産学連携担当者は研究に刺激を与える」「社会に有益な学生を育てるために、インターンシップなどの機会を増やし、教育を活性化する」「日本でイノベーション創出を増やすために、事業創出を積極的に行う」「持続的な発展を目指すために、リスクマネージメントを実施する」などを訴えました。どれもかなり重要なことで、なかなか実行できない課題です。「大学経営では、ぜい肉をそぎ落とし、筋肉質の組織を目指そう」と、企業と同じような目標を抱えようと、訴えます。
日本の大学経営の環境が厳しくなる一方の現在、大学が生き残りを図る中で、「産学官連携と技術移転の重要さを、産学連携担当者は社会に対して、学内に対してアピールし続けよう」と鼓舞します。難問ですが、日本の課題解決には不可欠なことです。