ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

ソフトイーサ技術開発部の伊藤隆朗さんから「QUMA」技術開発について伺いました

2011年09月29日 | 汗をかく実務者
 筑波大学発ベンチャー企業のソフトイーサ(茨城県つくば市)の登大遊(のぼりだいゆう)代表取締役にお目にかかった話の続きです。

 2011年7月21日に、ソフトイーサをはじめとする3社は、初心者でもすぐに使える「パソコン向けの3次元入力デバイス技術(開発コード名『QUMA』)を開発中である」と発表しました。このQUMA(クーマ)を適用した最初の製品として「3D(3次元)モーションキャプシャー装置にするとの事業計画を立てている」といいます。

 3Dモーションキャプチャー装置とは、例えば人型の人形の手足を動かしてある姿勢を取ると、パソコン内の仮想空間に作成した“登場人物”が同じような姿勢を取ります。人型の人形を操作すると、登場人物がその通りに動くので、例えばアニメーションやCG(コンピューターグラフィックス)の動画が簡単に制作できるようになります。

 共同開発した3社とは、ソフトイーサと、制作ソフトウエア大手のセルシス(東京都新宿区)、電気通信大学発ベンチャー企業のビビアン(東京都調布市)です。また、一般社団法人の3Dデータを活用する会(3D・GAN)のメンバーもQUMA技術の開発に参画しているそうです。

 今回、3社が共同発表した動機は、3Dモーションキャプチャー装置の製品化にメドをつけたことから、同装置の利用の仕方を説明するビデオ(動画)を編集・制作し、その効果を公開するためでした。そのビデオを「YouTube」などの動画サイトなどで公開し、その装置の効果・性能などを公開するのが目的だったそうです。



 「YouTube」などの動画サイトに公開された同ビデオは相当数閲覧されたそうです。

 QUMA技術を開発している中核メンバーは、ソフトイーサ技術開発部の伊藤隆朗さん、ビビアンの久池井淳さんと栗川洋平さんの3人だそうです。今回は伊藤さんにQUMA技術についてお話を伺いました。



 伊藤さんは現在、ソフトイーサ技術開発部の社員ですが、同時に筑波大学大学院の学生として、研究もしているそうです。

 この3人は、経済産業省所管の独立行政法人情報処理推進機構(IPA」)が2002年度から始めた通称“未踏ユース”に選ばれていることが共通しています。未踏ユースは、30歳以下の若手の突出したIT開発者を育成する事業として実施された未踏ソフトウェア創造事業で、プロジェクトマネージャー(PM)の下で選ばれた若手が開発資金を受け取って開発目標を達成する委託開発事業だったそうです。
 
 伊藤さんは2006年度上期に、久池井さんは2007年度上期に、栗川さんは2006年度上期にそれぞれ選ばれていなす。この3人はお互いに「かなりできる若手IT開発者と認め合っている仲間」だそうです。「世の中でまだ実用化されていない、直感的、低価格、他用途向けの独創的な3次元入力デバイス技術の開発は面白くてたまらないので、全員が開発に夢中になった」そうです。この辺は、全世界のIT技術者に尊敬されたいという、UNIXのOS(基本ソフト)であるLinux(リナックス)開発の動機と同じです。

 当然、ソフトイーサの登さんも2003年度に未踏ユースに採択されています。筑波大1年生の時に、未踏ユースに採択されたことが大学発ベンチャー企業のソフトイーサ創業のきっかけになったのです。