日本経済新聞紙の朝刊一面のコラム欄では、2013年3月23日から「働けない若者の危機 第5部世界も悩む その1」が始まり、3月27日の「同第5部世界も悩む その4」と4回シリーズで終わりました。
働けない若者、すなわち職につけない若者の問題が深刻です。その根幹は、先進国がたどり着いた高度な社会の病気です。「働けない若者の危機 第5部世界も悩む」の文章を基に少し考えてみました。
2013年3月23日に掲載された第5部のその1では、スペインの24歳の若い男性が半年間の求職活動では手応えがなく、スペイン語が通じるメキシコやアルゼンチンなどの中南米での求職情報をWebサイトで探し始めたとのエピソードから始まります。
スペインでは現在、若者の失業率が55%と、2人に1人以上が働けない深刻な状況になっていると伝えます。この結果、2012年1月からの9カ月間に、5万5000人の若者が外国での長期滞在を目的に、母国スペインを見限って出国したという事実を示します。
イタリアでも、若者の失業率が高いという弱みにつけ込んで、1カ月当たり数100ユーロ(100ユーロは約1万2000円)で働かせる「ヤミ労働市場」が問題になっていると伝えます。日本でいう“ブラック企業”のようなものでしょう。
欧州では、若者が高い失業率に悩む事態に陥り、若者の失業や不安定な職業に追いやられる若者を放置すれば、国は活力を失うと指摘します。これは欧州での話だけではなく、日本も将来、対岸の話ではなくなる可能性を指摘します。
3月24日に掲載された第5部のその2では、米国の若者の失業事情の話を展開します。米国コネチカット州のある会社に勤務する若い男性の話から始まります。地元の州立大学を卒業した若い男性は、1日当たり9時間の無給のインターン(就職体験活動)を続けます。交通費も支給されない悪条件に耐え、正社員採用の期待を胸に耐える日々です。
米国では15歳~24歳の失業率は16%と、全体平均の約2倍と高いそうです。若者が卒業直後に就職する“ファーストジョブ=最初の仕事”は仕事のやり方を覚える大事な最初の一歩です。米国では従来、その後は自分の適性を見極めて、転職を繰り返してキャリアの階段を上っていくのが企業人(ビジネスマン)にとって普通でした。ところが、最初の仕事に簡単に就けない現在の状況は、若者の出鼻をくじき、その後のキャリアの階段を上る人生設計を崩します。
就職できない大学での若者に「大学院に進んでキャリアの階段を上り出すことを選択しないのか」という質問をぶつけると、「大学院の授業料などを払うために、多額の多額ローンを借りると、この借金によって身動きがとれなくなる可能性が高い」と答える例を紹介しています。
実は、これに似たケースは、日本の大学院の博士課程まで奨学金でまかなうと、就職後にいきなり数百万円の借金を背負ってローン返済に追われる日本の博士号取得者が増えていることから、日本でも一部で問題視され初めています。
米国では「22-22-22」という言葉があるといいます。22歳の若者を年収2万2000ドル(約210万円)で、1日22時間働かせるという、まさに“ブラック企業”米国版の存在だそうです。
最初の就職に失敗すると、その後のキャリアの階段を上れないという米国の深刻な若者の就職問題は、米国だけの問題ではないと伝えます。日本でも、将来起こりえる事態と警告を鳴らします。
欧州各国では、若者の失業率が高いことから、深刻な暴動が時々起こります。米国ニューヨーク市のウォール街で深刻な占拠運動(Occupy Movement)も、米国での貧富の格差拡大と若者の深刻な失業率が動機です。
欧米という先進国で、若者の失業率が高まり、社会に不満を持つ若者が産まれ、かつ自分の人生を自分で決められないもどかしさに不満を持っています。
先進国で、不満を持つ若者が増え、お互いに助け合う社会システムが崩れ始めていれることは、人類にとって大きな悲劇です。そして、人類の繁栄を脅かす事態でもあると感じます。欧米で起こったことは、先進国の一角を担う日本でも起こりえます。長くなりましたので、この続きは明日にします。
働けない若者、すなわち職につけない若者の問題が深刻です。その根幹は、先進国がたどり着いた高度な社会の病気です。「働けない若者の危機 第5部世界も悩む」の文章を基に少し考えてみました。
2013年3月23日に掲載された第5部のその1では、スペインの24歳の若い男性が半年間の求職活動では手応えがなく、スペイン語が通じるメキシコやアルゼンチンなどの中南米での求職情報をWebサイトで探し始めたとのエピソードから始まります。
スペインでは現在、若者の失業率が55%と、2人に1人以上が働けない深刻な状況になっていると伝えます。この結果、2012年1月からの9カ月間に、5万5000人の若者が外国での長期滞在を目的に、母国スペインを見限って出国したという事実を示します。
イタリアでも、若者の失業率が高いという弱みにつけ込んで、1カ月当たり数100ユーロ(100ユーロは約1万2000円)で働かせる「ヤミ労働市場」が問題になっていると伝えます。日本でいう“ブラック企業”のようなものでしょう。
欧州では、若者が高い失業率に悩む事態に陥り、若者の失業や不安定な職業に追いやられる若者を放置すれば、国は活力を失うと指摘します。これは欧州での話だけではなく、日本も将来、対岸の話ではなくなる可能性を指摘します。
3月24日に掲載された第5部のその2では、米国の若者の失業事情の話を展開します。米国コネチカット州のある会社に勤務する若い男性の話から始まります。地元の州立大学を卒業した若い男性は、1日当たり9時間の無給のインターン(就職体験活動)を続けます。交通費も支給されない悪条件に耐え、正社員採用の期待を胸に耐える日々です。
米国では15歳~24歳の失業率は16%と、全体平均の約2倍と高いそうです。若者が卒業直後に就職する“ファーストジョブ=最初の仕事”は仕事のやり方を覚える大事な最初の一歩です。米国では従来、その後は自分の適性を見極めて、転職を繰り返してキャリアの階段を上っていくのが企業人(ビジネスマン)にとって普通でした。ところが、最初の仕事に簡単に就けない現在の状況は、若者の出鼻をくじき、その後のキャリアの階段を上る人生設計を崩します。
就職できない大学での若者に「大学院に進んでキャリアの階段を上り出すことを選択しないのか」という質問をぶつけると、「大学院の授業料などを払うために、多額の多額ローンを借りると、この借金によって身動きがとれなくなる可能性が高い」と答える例を紹介しています。
実は、これに似たケースは、日本の大学院の博士課程まで奨学金でまかなうと、就職後にいきなり数百万円の借金を背負ってローン返済に追われる日本の博士号取得者が増えていることから、日本でも一部で問題視され初めています。
米国では「22-22-22」という言葉があるといいます。22歳の若者を年収2万2000ドル(約210万円)で、1日22時間働かせるという、まさに“ブラック企業”米国版の存在だそうです。
最初の就職に失敗すると、その後のキャリアの階段を上れないという米国の深刻な若者の就職問題は、米国だけの問題ではないと伝えます。日本でも、将来起こりえる事態と警告を鳴らします。
欧州各国では、若者の失業率が高いことから、深刻な暴動が時々起こります。米国ニューヨーク市のウォール街で深刻な占拠運動(Occupy Movement)も、米国での貧富の格差拡大と若者の深刻な失業率が動機です。
欧米という先進国で、若者の失業率が高まり、社会に不満を持つ若者が産まれ、かつ自分の人生を自分で決められないもどかしさに不満を持っています。
先進国で、不満を持つ若者が増え、お互いに助け合う社会システムが崩れ始めていれることは、人類にとって大きな悲劇です。そして、人類の繁栄を脅かす事態でもあると感じます。欧米で起こったことは、先進国の一角を担う日本でも起こりえます。長くなりましたので、この続きは明日にします。