新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

北村英治と小曽根真を聴いた

2024-03-17 07:12:18 | コラム
TBS BS の「Sound Inn S」を聴いて:

16日の夜に懐かしき北村英治と小曽根真を聴かせて(見せて)貰った。小曽根真の番組なのだが、私は懐かしき北村英治(94歳)のクラリネットの音色と、確りした立ち姿を観て楽しんでいた。若き日の北村英治のクラリネットを聴いて楽しんでいたのは大学生の頃だったから、何と70年以上も前のことになる。昨夜の出演で3歳年上だったとは初めて知った。

何しろ、本気でジャズを聴くようになった切掛けがクラリネットのBenny Goodmanだったので、その頃からクラリネットに惹かれていた。北村英治、鈴木敏夫、藤家虹二などの演奏を楽しみに聴いていた。北村英治のCDは持っているが、まさかテレビのその姿と音を聞けるとは、言うなれば感激だった。

94歳の北村英治が小曽根真トリオに加わっての元気なジャズの演奏(曲目はMoon glowだった)も良かった。だが、私に見えて喜ばされた物があった。彼が締めていたアメリカ縞のネクタイだった。確かCountess Maraのあの独特のCMのロゴがネクタイの下の方に見えた。未だにあのブランドのネクタイを持っておられたのかと驚かされた。

CMは私がアメリカのネクタイの中で最も気に入っていて、沢山持っていたブランドである。バイヤスも正確に取れていたし、きつく締めても皺にならず、長年の使用に耐えてくれていたネクタイだったが、確か廃業したと聞いていた。そのCMを未だに締めていてくれたのかと感慨に耽っていた。

主役だった小曽根真の話を戻そう。彼を生で聞いたのは一度しかなかった。それも、今を去ること30数年前に、我がアパートに敷地内にあったシェイクスピア劇場のGlobe座に新進気鋭のピアニスト・小曽根真が出演した時のことだった。その彼が62歳になってテレビに登場していたという事は、あの頃は未だ二十歳台の若手だったことになる。軽妙な語り口でMCも自分でやっていたし、音色も綺麗で楽しませて貰えた。

その小曽根真が貫禄もたっぷりで、若手のドラマーとベイシストとの音合わせ中に助言をしていたのも「流石」だなと思って聞いていた。昨夜初めて彼がアメリカのバークリー音楽大学(Berklee College of Music)のジャズと作曲科を首席で卒業したと知った。

単なる回顧談になってしまったかの感があるが、COVIDの流行の為に夜間の外出などとんでもない三病息災の高齢者としては、昨夜のようなジャズの生演奏が聴ける番組は大変有り難いのだ。しかも昔懐かしき北村英治や、30数年前に演奏に接していた小曽根真を聞けたのだから、30分間充分に楽しませて貰えたのだった。