辻井伸行君が弾く英雄ポロネースの「魂の響き」:
ここ数日の事で、YouTubeで偶然に引き当てた辻井伸行君が弾く「魂の響き」とつけられたショパンの英雄ポロネースを、毎日のように聴いている。この曲は「自分の葬式の時にかけて欲しい」と言った事があるほど好きなので、辻井君の素晴らしい演奏は何度聴いても飽きない。
辻井伸行君は目が不自由なピアニストである事は、彼が子供の頃に将来は名ピアニストになるだろうと期待されて登場した頃から聴いている。その頃は未だ素質で弾いているだけの少年で、この英雄ポロネースで聴かせてくれているような「魂が籠もった」かのような演奏をするまで名手の域には至っていなかった。その頃のCDも持っている。
だが、今回聴いた35歳になっていた頃の辻井君はその技術(技巧)も凄味を持つようになっていたし、「物凄い」と形容したくなるほどの気迫がこもっていた。今日までにルビンシュタインや反田恭平君の英雄ポロネースも聴いてきたが、この辻井君が醸し出しているような「英雄」を感じさせてくれる演奏ではなかった。因みに、この画面にはフジテレビのロゴマークが見える。
このコメント欄に「ピアノの音が惜しい」というのがあった。何回か聴いているうちに、私の耳にも確かに音質が良くないのか、録音に問題があったのか不明だが、高音が割れているように聞こえた。まさか、あのような演奏会でスタインウェイ&サンズのピアノの調律が狂っているとは思えないので、録音のせいだとしておこうかと思っている。
YouTubeには他に辻井伸行君のモーツアルトのトルコマーチの素晴らしい演奏が出てくるが、私には他に興味を感じた事があった。それは、この画面の奥に辻井君の演奏振りに見入っている(魅入られている)バイオリニスト、即ちオーケストラの楽団員までが何とも言えない表情で聴き入っている様子が、とても印象的だった点なのである。
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