新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

アメリカのインフレーションの状況の続編:

2022-06-22 07:32:10 | コラム
従業員の給与を上げる為に値上げ:

昨21日に紹介したアメリカの元の同僚の意見の中で、私が重要なことだと感じた事柄があった。それは、

「アメリカでホテルの部屋代が値上げされている一つの理由は、それによって収益を改善し給与を上げて、不足している従業員がより多く集まるようにしたいとの狙いがあるようだ。」

との記述である。私には「これこそが経営者のあるべき姿である」と見えたのだった。

我が国でも現在数多くの業種のメーカーが、高騰するコストの負担に耐えかねて10%かそれ以上の値上げを打ち出して、マスコミが何のかのと騒いでいる。だが、それらの値上げでも上昇したコストを補い切れておらず、収益の改善にまで至っていない模様で、給与の増額にまでは至っていない様子だ。

私が先日取り上げたアメリカのホテルの値上げは何と50%だった。その幅を私の同僚は上記のように解説してくれたのだ。私は我が国の経営者を屡々批判してきたが、このアメリカのホテルの一例を見ても、単純に二進法的に物事を考えるアメリカ人の方が、経営者のあるべき姿を示していると見えるのだ。

我が国の経営者たちが思い切った値上げに踏み切れない心情と、アメリカとの文化と市場の相違点は理解できないでもない。だが、彼らにはもう少しの決断力と割り切りを求めたくなる。別途採り上げようと考えているのだが、帝国データバンクの調査では「100円のコスト上昇が売価には44円しか反映できていない」のだとあった。経営者たちの奮起を促すのは見当違いになるのだろうか。



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