問題ではないかと思う点を取り上げよう:
今朝ほどの「トランプ批判論」は説明不足だったし、論旨が不明瞭だったことを反省した次第。改めて後難を恐れずに論じてみようと思う。既に何度か表現したことは「トランプ大統領の“MAGA”と“アメリカ第一主義”がどのように具体化され、アメリカのみならず全世界でどのような結果を与えるかをジッと見守っていこう」なのである。
私がドナルド・トランプ氏について最も疑問だと思っている点を幾つか挙げてみれば、物事を誤って理解していること、誤った認識をしていること、虚言壁と思わせる発言が多いこと、側近からの進言を聞き入れないと報じられていること等である。
関税の誤解:
大統領就任の第一期(2017~2021年)から私には最も危ういと思わせられた誤った理解が「関税とはアメリカ向けに輸出する業者あるいは国が負担するものである」となっていたこと。しかも、その誤った理解を何度も大統領としての公式の場で語っていたのだった。
トランプ氏が大統領就任以前に従事していた仕事柄から考えれば、貿易関連の事情に疎かったとは想像できる。だが、基本的な認識不足には驚く前に「アメリカ合衆国の大統領が、このような基本的な知識不足でよいのか」と不安感を抱かされた。トランプ氏が大統領として貿易赤字から脱却したいとの政策を打ち出すのは尤もで理解できるが、基本を誤解しているのは宜しくないと思っている。
現在の2期目でも記者会見の席で、カナダとメキシコからの輸入に25%の関税を賦課することを明言され「彼らはアメリカに負うところが大きい。故に彼らが必ず払うと確信している」と補足した。「払うのはアメリカの輸入者」である。また、別の機会には、トヨタに向けて「払うのが嫌だったら、アメリカに来て生産せよ」とまで言っておられた。“tariff man”と自称される基本が間違っているのだ。
誤った認識:
これも貿易赤字の関連の一例だが、トランプ大統領は「日本が自動車を何百万台もアメリカに輸出しているから、赤字の原因にしている」と何度も強調された。だが、トヨタを筆頭に日本のメーカーはアメリカ側の強い要望に従って、現地生産の台数の方が輸出よりも遥かに大きいことを認識していなかった。その頃でも輸出は150万台、現地生産は580万台だったのにも拘らず。
何もかも承知の上で「知らんふり」なのか:
私は未だにトランプ大統領がその国際交渉を有利に運ぶ武器としてのdealを活用するために、「知っていても知らんふりなのか」と何度も考えてみた。だが、トヨタに向かってのあの言い方では知らんふりではなく「矢張り関税を誤解しておられるのだ」という結論にしようと考えた。
虚言:
先ごろの「ウクライナが開戦した」とか「ヴォロデイミル・ゼレンスキー大統領の支持率は4%」と言うような発言は、ゼレンスキー氏が言うようにロシア側から吹き込まれた誤認識」であったとしても、側近にでも誰にでも確かめれば誤りであると判明したはずではなかったかと考えた。最早「天井天下唯我独尊」に近い状態に入られたかのようだから、側近の進言は受け付けられないとの報道もあった。
余談であるが:
先ほど例の如くにジムで拾い読みした反トランプ派のNew York Timesには、フランク・ケンドール元国防省国防次官がトランプ大統領を“rogue president”と呼んで、その陸幕僚長等に対する人事を不当であると詰っていた。“rogue”は1994年1月にクリントン大統領がイラク、イラン、北朝鮮、リビア、シリア等をrogue nationと呼び、マスコミは「ならず者国家」と訳した。
ブッシュ大統領も使ったが、その時の訳語は「悪の枢軸」だった。“rogue”はジーニアス英和には「腕白者、悪魔、悪漢、ごろつき、不正直者」などと出ている。ケンドール氏も署名入りの記事で、思い切った言葉を使ったものだと思って読んだ次第。
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