新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「二度あることは三度」あらしめたのは誰だ

2021-11-09 08:35:14 | コラム
マスコミの過剰報道だと思う:

先頃の京王電車内の殺人未遂と放火事件は、容疑者(と言わねばならないようだ)の異様な服装と犯行後に座って煙草を吸っていた画面の所為もあって、各テレビ局はこれでもかと言わんばかりに繰り返して流していた。私は確かに報道する価値があるだろう事件だったとは思うが、あれほど執拗に繰り返して流せば、模倣犯が出てくる危険性が高まらないかと、寧ろそっちの方を心配していた。

現に15年6月の東海道新幹線内での大事件になった殺人と放火があったので、京王電車内ではこの事件を真似たと容疑者が言っていたではないか。即ち、この有様では「二度あることは三度ある」となりかねないと危惧したのだった。それが、昨日の九州新幹線の中における「三度目」になってしまったのだった。

マスメディアはそれこそ二度も発生した事件には、カタカナ語にすれば「ニュースバリューあり」と判断して詳細に(私は遺憾ながら「執拗に」と解釈しているが)報じたために、模倣しようとした者が出たのだと考えている。

私はマスコミが強調すべきだったことは、あのような事件を起こせば厳しい刑事罰以外に、民事訴訟を被害者である鉄道会社が起こせば莫大な損害補償の判決が出ることをも併せて報道して警告すべきだったと言いたいのだ。そこまでの配慮が彼らに欠けていた点は非難されて然るべきではないか。私は批判もしておく。

矢張り「ニュースバリュー」というカタカナ語の表現にも触れておこうと思う。私は「一目見て」と言うよりも自分で採り上げてみて、如何にも英語っぽい表現からして、これは英語ではないだろうと感じた。そこで暫く考えて見ると“newsworthy”という単語を思い出した。この“~worthy”の“worthy”は「価値がある」か「値する」という意味で「注目すべき」を“noteworthy”というように使われている。そこで正確を期して検索してみると、“newsworthy”で良いようで、Oxfordにもその意味で出ていた。でも、カタカナ語は上手く創ってあるものだとあらためて感心した。



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