世界各国の首脳を集めて開かれた、ベルリンの壁崩壊から20年を
祝う式典は、地球上から境界線を取り払うことの必要性と重要性を、
改めて訴えかけるものとなった。
冷戦真っ只中の1960年代初めに建設された、ベルリンの壁はドイツ
のみならずヨーロッパ全体を分裂するものだった。
壁は約30年にわたってイデオロギー対立と、軍事対立のシンボルと
なった。
そして1989年その壁はソ連で勢いを増しつつあった改革に、後押しさ
れるように崩壊した。
ドイツ統一に向けた道は、この民主国家ロシアが推し進めた、世界に
開かれた外交戦略なくして実現することはなかっただろう。
かつて壁のあったブランデンブルクモンの側で開かれた祝賀行事では、
こうした点が強調された。
あれから20年が経った今、あのときロシアとドイツが、国際社会の支援
の下で相互理解と相互協力を基礎として、極めて複雑な問題を解決し
たことは明らかだ。
当時多くの人にとってヨーロッパと世界における、対立克服への道は開
かれているかのように思われた。
しかし残念ながらその期待は現実のものとはならなかった。各国が利益
を追求し、それぞれに善意が不足していたからだ。
1980年代末から1990年代の初頭にかけて、ソ連の最高指導者ゴルバチ
ョフ氏に、ヨーロッパの安全保障のバランスを保つことを明言していた西側
諸国は、その約束を守らなかった。
東西ドイツ統一後、NATOは統合拡大の路線を取り、軍事基地をロシア国
境に接近させた。
つまりこうした問題に直面したロシアはNATOに対抗し、NATOの行動に反
応していく必要に迫られた。
しかしこうしたNATOのやり方が、ヨーロッパ強いては世界全体の平和強化
を促進したのかどうか、公正な世界秩序の構築という問題、それは今も重
要な課題であり続けている。
ベルリンで行われた祝賀行事で、メドヴェージェフ大統領は次の様に発言し
ている。
「新たな多極世界への移行は、現在ヨーロッパそして世界の全ての国にと
って、極めて重要な問題となっている。統一の問題は全ての者にとって重要
だ。
何故なら世界は経済及び地域の最も深刻な脅威に、対抗し続けているから
だ。我々は力を合わせてテロや犯罪と闘っている。
これまで我々を分け隔てていた、あらゆる障壁を取り除くことが出来ると期待
している。
今、あなた方と共にこの重要な問題解決のために尽力し、我々の子孫に付
いて未来に付いて、一つのヨーロッパに付いて考えて行きたいと思う」
メドヴェージェフ大統領は、この様に強調した。
ベルリンの壁崩壊から20年、そこには歴史から引き出された教訓がある。
一つはヨーロッパ大陸における境界線は、全ての民族の安全を脅かすものだ
ということ。
そしてもう一つはロシアが提唱しているように、全ての国の利益を考慮した、
新たなヨーロッパ安全保障体制を築き上げる必要があるということだ。
11月10日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
祝う式典は、地球上から境界線を取り払うことの必要性と重要性を、
改めて訴えかけるものとなった。
冷戦真っ只中の1960年代初めに建設された、ベルリンの壁はドイツ
のみならずヨーロッパ全体を分裂するものだった。
壁は約30年にわたってイデオロギー対立と、軍事対立のシンボルと
なった。
そして1989年その壁はソ連で勢いを増しつつあった改革に、後押しさ
れるように崩壊した。
ドイツ統一に向けた道は、この民主国家ロシアが推し進めた、世界に
開かれた外交戦略なくして実現することはなかっただろう。
かつて壁のあったブランデンブルクモンの側で開かれた祝賀行事では、
こうした点が強調された。
あれから20年が経った今、あのときロシアとドイツが、国際社会の支援
の下で相互理解と相互協力を基礎として、極めて複雑な問題を解決し
たことは明らかだ。
当時多くの人にとってヨーロッパと世界における、対立克服への道は開
かれているかのように思われた。
しかし残念ながらその期待は現実のものとはならなかった。各国が利益
を追求し、それぞれに善意が不足していたからだ。
1980年代末から1990年代の初頭にかけて、ソ連の最高指導者ゴルバチ
ョフ氏に、ヨーロッパの安全保障のバランスを保つことを明言していた西側
諸国は、その約束を守らなかった。
東西ドイツ統一後、NATOは統合拡大の路線を取り、軍事基地をロシア国
境に接近させた。
つまりこうした問題に直面したロシアはNATOに対抗し、NATOの行動に反
応していく必要に迫られた。
しかしこうしたNATOのやり方が、ヨーロッパ強いては世界全体の平和強化
を促進したのかどうか、公正な世界秩序の構築という問題、それは今も重
要な課題であり続けている。
ベルリンで行われた祝賀行事で、メドヴェージェフ大統領は次の様に発言し
ている。
「新たな多極世界への移行は、現在ヨーロッパそして世界の全ての国にと
って、極めて重要な問題となっている。統一の問題は全ての者にとって重要
だ。
何故なら世界は経済及び地域の最も深刻な脅威に、対抗し続けているから
だ。我々は力を合わせてテロや犯罪と闘っている。
これまで我々を分け隔てていた、あらゆる障壁を取り除くことが出来ると期待
している。
今、あなた方と共にこの重要な問題解決のために尽力し、我々の子孫に付
いて未来に付いて、一つのヨーロッパに付いて考えて行きたいと思う」
メドヴェージェフ大統領は、この様に強調した。
ベルリンの壁崩壊から20年、そこには歴史から引き出された教訓がある。
一つはヨーロッパ大陸における境界線は、全ての民族の安全を脅かすものだ
ということ。
そしてもう一つはロシアが提唱しているように、全ての国の利益を考慮した、
新たなヨーロッパ安全保障体制を築き上げる必要があるということだ。
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11月10日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル