ロシアはアメリカ議会上院による、新戦略兵器削減条約の批准を歓迎している。大統領府の発表によるとメドヴェージェフ大統領は、アメリカによる批准承認の動きに満足の意を表明し、ロシア議会も同様に、この問題を検討することを期待すると述べている。
アメリカ議会上院は22日夜、新戦略兵器削減条約・新STARTに付いて、賛成71、反対26の賛成多数で批准を承認した。
直前までアメリカにおける条約批准に関しては、大きな懸念がもたれていた。上院の共和党リーダーであるマッコーネル議員と、その右腕であるカイル議員は、新START批准に反対する意向を明らかにしていたからだ。
また批准承認反対の動きには、次期大統領候補とも目される有力議員も数名加わっていた。
そのようなアメリカでの批准反対の動きに対して、ロシア側は大幅な修正案については再度の交渉を要するものだと警告していた。
今回の新STARTの批准承認は、歴史的なものとも評価することができるだろう。アメリカのオバマ大統領は今回のような大規模な兵器削減は、最近20年間で最大のものだと指摘している。
また国連の潘基文事務総長はアメリカの新START批准承認によって、困難を乗り越えて確立されつつある核軍縮の傾向が、今後とも続くことへの期待を表明した。
ロシアの外交防衛政策評議会のメンバーであるルキヤノフ氏は、新STARTが完全に対等なものであることを指摘している。
「私は今回の合意が、お互いに譲れないところは残しながらも、目指すところのものを達成したという意味で、理想的な妥協であったと考えている。
査察のあり方、方法が変更になったことや、防衛システムと攻撃システムの間の関係が指摘されたことなどは、ロシア側の成果であったと思う。
一方でロシアが主張していた対ミサイル防衛に関する条項は盛り込まれなかったが、双方が納得できる妥協がなされたと思う」
キヤノフ氏は、このように話している。
新STARTによるとロシアとアメリカ両国が7年以内に、大陸間弾道ミサイルをはじめ、潜水艦発射の弾道ミサイルおよび、戦略爆撃機などの運搬手段の配備数を700基以下に、戦略核弾頭の数を1550発に削減することを定めている。また運搬手段の保有数を800基以下にすることも定めており、相互の核兵器査察に付いても取り決められている。
新STARTは当初、第一次戦略兵器削減条約が失効する、2009年12月5日までの締結が目指されていたが、交渉は遅れ結果的に2010年4月にロシアとアメリカの両首脳の間での調印が行われた。その時点で露米の両首相は、両国での批准手続きが同時進行的に行われることを確認していた。
ロシア議会ではすでに、新START批准に関する委員会が、今年夏の時点で批准承認を行うように提言を行っており、アメリカが批准承認をすることを待っている状態だった。
アメリカ議会上院では、新START批准に付いての決議のなかで、アメリカの対ミサイル防衛システムには影響を与えないものとする修正が行われている。
ロシア大統領府のチマコワ報道官によると、ロシア議会ではアメリカ側が加えた修正を充分に審議した上で、批准承認を行うことになるとしている。
12月23日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
アメリカ議会上院は22日夜、新戦略兵器削減条約・新STARTに付いて、賛成71、反対26の賛成多数で批准を承認した。
直前までアメリカにおける条約批准に関しては、大きな懸念がもたれていた。上院の共和党リーダーであるマッコーネル議員と、その右腕であるカイル議員は、新START批准に反対する意向を明らかにしていたからだ。
また批准承認反対の動きには、次期大統領候補とも目される有力議員も数名加わっていた。
そのようなアメリカでの批准反対の動きに対して、ロシア側は大幅な修正案については再度の交渉を要するものだと警告していた。
今回の新STARTの批准承認は、歴史的なものとも評価することができるだろう。アメリカのオバマ大統領は今回のような大規模な兵器削減は、最近20年間で最大のものだと指摘している。
また国連の潘基文事務総長はアメリカの新START批准承認によって、困難を乗り越えて確立されつつある核軍縮の傾向が、今後とも続くことへの期待を表明した。
ロシアの外交防衛政策評議会のメンバーであるルキヤノフ氏は、新STARTが完全に対等なものであることを指摘している。
「私は今回の合意が、お互いに譲れないところは残しながらも、目指すところのものを達成したという意味で、理想的な妥協であったと考えている。
査察のあり方、方法が変更になったことや、防衛システムと攻撃システムの間の関係が指摘されたことなどは、ロシア側の成果であったと思う。
一方でロシアが主張していた対ミサイル防衛に関する条項は盛り込まれなかったが、双方が納得できる妥協がなされたと思う」
キヤノフ氏は、このように話している。
新STARTによるとロシアとアメリカ両国が7年以内に、大陸間弾道ミサイルをはじめ、潜水艦発射の弾道ミサイルおよび、戦略爆撃機などの運搬手段の配備数を700基以下に、戦略核弾頭の数を1550発に削減することを定めている。また運搬手段の保有数を800基以下にすることも定めており、相互の核兵器査察に付いても取り決められている。
新STARTは当初、第一次戦略兵器削減条約が失効する、2009年12月5日までの締結が目指されていたが、交渉は遅れ結果的に2010年4月にロシアとアメリカの両首脳の間での調印が行われた。その時点で露米の両首相は、両国での批准手続きが同時進行的に行われることを確認していた。
ロシア議会ではすでに、新START批准に関する委員会が、今年夏の時点で批准承認を行うように提言を行っており、アメリカが批准承認をすることを待っている状態だった。
アメリカ議会上院では、新START批准に付いての決議のなかで、アメリカの対ミサイル防衛システムには影響を与えないものとする修正が行われている。
ロシア大統領府のチマコワ報道官によると、ロシア議会ではアメリカ側が加えた修正を充分に審議した上で、批准承認を行うことになるとしている。
12月23日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル