この日スペシャルであることを知らないで、そろそろ「きらっと生きる」が始まる
時間だなと思いTVのチャンネルをNHK教育に切り替えたら、なんといつもの
司会者でなく、「ともに生きる」の町永キャスターが出演してるし、同じ席には
見慣れぬ女性アナウンサー、そして「きらっと生きる」レギュラー出演している
牧口一二氏が居るではないですか!。
僕は一瞬、番組が変わったのだろうかと思っていたのだがスペシャル版だとい
うことが直ぐに判った。最初のテーマは法案可決が濃厚な障害者自立支援法
に付いて議論されていた。
そんでてっきり障害者自立支援法だけを取り上げるのかなと思い見ていくと、「こ
んな“介護者”が欲しい~障害者が語る理想の介護」をテーマとする介護全般に
付いて、障害者そして介護をする立場の人たちがスタジオ内で、それぞれの立
場から意見を出し合って議論するというものだった。
一言で感想を述べるなら予想以上に面白かった。
介護をする側には若い人が多く、同じ立場でも女性と男性とでも考え方に大き
な違いがあることを知った。例えば女性側に多く見受けられたのは、介護に対
しての疑問や悩みといった点が挙げられたが、男性側からは全
体として前向きな考えが多かったように受け止めた。
その中で女子大生からは介護した男性障害者から、頻繁にメールが届くように
なって困っている事例が紹介されていた。僕は正直この話を耳にしたとき笑っ
てしまったのだが、こういったことって別に障害者でなくっても在りがちな事では
ないかと思った。なんでもメールは自分自身で打てないらしく、そのメールは他
の介護者が介助のひとつとしてメールを打っていたことが妙に可笑しかった。
全くの余談だが、今回番組に出演していた女性介護者に、美人が多かったの
は嬉しかった。個人的には介護者としてだけではなく、友達としても障害者と接
してくれたらいいのになぁ。と、ついつい余計なことを考えてしまった。
個人的なことを言ったら、常日頃気軽に一緒に飯を食ったりいろんなことを話せ
る、異性の友達が欲しいと思っているもんで・・・。メールで話したって一緒に飯
食えんしな。
また「障害者の手足になる」といったテーマには、視聴者からもいろんな意見が
FAXで寄せられた。番組中だけでも800通くらいの意見が届いたらしいが、その
割にはほんの少ししか紹介されていなかったのがとても残念に思う。出来ること
ならホームページに掲載してくれたら、大変参考になると思うし、より多くの人た
ちも、考えてもらうキッカケが出来るので、その点をNHKには検討してもらいたい
と思う。
そして今回の番組で個人的に一番有意義だったのは、なんといっても1970年代
に、愛と正義を否定し過激と言われた障害者団体「青い芝の会」を創設した、何
十年かぶりに見た70歳を超えた横田氏の姿だった。白くなった彼の頭が歳月の
流れを感じるが、話しぶりなんかを見てると若いと思った。
僕は当時の福祉番組は殆ど見てないから、その頃、横田氏がどのようにTV業界
で取り上げられていたのか判らないけど、福祉や障害者とは全く無縁な雑誌が取
り上げていたほどだったから、社会では過激と言うよりは、奇妙な団体として目に
映っていたのではと察する。
しかし過激と言われたものの、何を持って過激と言われてきたのか、その点僕に
は理解しがたい。
なぜならこの団体を創設した理由と言うのは、番組でも紹介されていたように、介
護疲れで、もしかしたらいつか自分も実の親に殺されるのではないかと言う不安
から来ているのであって、障害者に限らず殺されるかもしれないとなったら、人な
ら誰しも何かしらの行動に出るのが自然なのではないか。
身内の介護と言うのは、身内だからこそ難しい問題を抱えている事も存在する。介
護の問題は障害者に限らず、超高齢化社会の日本全体の問題でもある。介護疲
れで身内を殺さなければならなかったり、自殺者が出る社会なら、この日本には福
祉が存在しないのと同じに等しい。
番組の最後に、14歳の女子中学生からのFAXが読まれていた。まさしく彼女の指
摘通りである。首相が外交に行けば、お金を気前よくあげることを約束し、満面の
笑顔で外国首脳と握手するシーンが映し出される。一方、国内では震災が多発し
財産そして命を奪われた人たちに、いったいどれだけの支援をしているのだろうか。
役所から何かしらの支援を受けようとすれば、異常とも言えるほどの木目細かい制
約があって、結局は本当に困っている人が何ら援助を受けられないでいる人が多く
存在する。実際役所に行っても一応お客様と呼ばれるが、現実は民間企業で言うと
ころの「お客様」には程遠いものがある。
NHKはせっかくこういった企画を設けたのなら、ぜひ役人と国会議員にも出席して欲
しかったと思う。なぜなら今回の障害者自立支援法案作り、そして最終的に法案が
可決成立するのは、当事者と言われる障害者が蚊帳の外的存在になり、役人と国
会議員らによって決定されるからである。
今回のように生死に関わると言っても過言でない法律に関しては、議論だけで無く何
かしらの行動が必要になるからだ。
さて今回の障害者自立支援法案作成に関わった、厚生労働省社会・援護局障害福
祉課そして国会議員の中で、いったい何人の人が今回の番組を見ていたのだろうか。
出来たらそういった人たちからの声を聞きたいものである。
しかし意見を言う人は居ないに等しいだろう。なぜなら見て見ぬふりをしていた方が、
立場上なにかと安全なのだから。
時間だなと思いTVのチャンネルをNHK教育に切り替えたら、なんといつもの
司会者でなく、「ともに生きる」の町永キャスターが出演してるし、同じ席には
見慣れぬ女性アナウンサー、そして「きらっと生きる」レギュラー出演している
牧口一二氏が居るではないですか!。
僕は一瞬、番組が変わったのだろうかと思っていたのだがスペシャル版だとい
うことが直ぐに判った。最初のテーマは法案可決が濃厚な障害者自立支援法
に付いて議論されていた。
そんでてっきり障害者自立支援法だけを取り上げるのかなと思い見ていくと、「こ
んな“介護者”が欲しい~障害者が語る理想の介護」をテーマとする介護全般に
付いて、障害者そして介護をする立場の人たちがスタジオ内で、それぞれの立
場から意見を出し合って議論するというものだった。
一言で感想を述べるなら予想以上に面白かった。
介護をする側には若い人が多く、同じ立場でも女性と男性とでも考え方に大き
な違いがあることを知った。例えば女性側に多く見受けられたのは、介護に対
しての疑問や悩みといった点が挙げられたが、男性側からは全
体として前向きな考えが多かったように受け止めた。
その中で女子大生からは介護した男性障害者から、頻繁にメールが届くように
なって困っている事例が紹介されていた。僕は正直この話を耳にしたとき笑っ
てしまったのだが、こういったことって別に障害者でなくっても在りがちな事では
ないかと思った。なんでもメールは自分自身で打てないらしく、そのメールは他
の介護者が介助のひとつとしてメールを打っていたことが妙に可笑しかった。
全くの余談だが、今回番組に出演していた女性介護者に、美人が多かったの
は嬉しかった。個人的には介護者としてだけではなく、友達としても障害者と接
してくれたらいいのになぁ。と、ついつい余計なことを考えてしまった。
個人的なことを言ったら、常日頃気軽に一緒に飯を食ったりいろんなことを話せ
る、異性の友達が欲しいと思っているもんで・・・。メールで話したって一緒に飯
食えんしな。
また「障害者の手足になる」といったテーマには、視聴者からもいろんな意見が
FAXで寄せられた。番組中だけでも800通くらいの意見が届いたらしいが、その
割にはほんの少ししか紹介されていなかったのがとても残念に思う。出来ること
ならホームページに掲載してくれたら、大変参考になると思うし、より多くの人た
ちも、考えてもらうキッカケが出来るので、その点をNHKには検討してもらいたい
と思う。
そして今回の番組で個人的に一番有意義だったのは、なんといっても1970年代
に、愛と正義を否定し過激と言われた障害者団体「青い芝の会」を創設した、何
十年かぶりに見た70歳を超えた横田氏の姿だった。白くなった彼の頭が歳月の
流れを感じるが、話しぶりなんかを見てると若いと思った。
僕は当時の福祉番組は殆ど見てないから、その頃、横田氏がどのようにTV業界
で取り上げられていたのか判らないけど、福祉や障害者とは全く無縁な雑誌が取
り上げていたほどだったから、社会では過激と言うよりは、奇妙な団体として目に
映っていたのではと察する。
しかし過激と言われたものの、何を持って過激と言われてきたのか、その点僕に
は理解しがたい。
なぜならこの団体を創設した理由と言うのは、番組でも紹介されていたように、介
護疲れで、もしかしたらいつか自分も実の親に殺されるのではないかと言う不安
から来ているのであって、障害者に限らず殺されるかもしれないとなったら、人な
ら誰しも何かしらの行動に出るのが自然なのではないか。
身内の介護と言うのは、身内だからこそ難しい問題を抱えている事も存在する。介
護の問題は障害者に限らず、超高齢化社会の日本全体の問題でもある。介護疲
れで身内を殺さなければならなかったり、自殺者が出る社会なら、この日本には福
祉が存在しないのと同じに等しい。
番組の最後に、14歳の女子中学生からのFAXが読まれていた。まさしく彼女の指
摘通りである。首相が外交に行けば、お金を気前よくあげることを約束し、満面の
笑顔で外国首脳と握手するシーンが映し出される。一方、国内では震災が多発し
財産そして命を奪われた人たちに、いったいどれだけの支援をしているのだろうか。
役所から何かしらの支援を受けようとすれば、異常とも言えるほどの木目細かい制
約があって、結局は本当に困っている人が何ら援助を受けられないでいる人が多く
存在する。実際役所に行っても一応お客様と呼ばれるが、現実は民間企業で言うと
ころの「お客様」には程遠いものがある。
NHKはせっかくこういった企画を設けたのなら、ぜひ役人と国会議員にも出席して欲
しかったと思う。なぜなら今回の障害者自立支援法案作り、そして最終的に法案が
可決成立するのは、当事者と言われる障害者が蚊帳の外的存在になり、役人と国
会議員らによって決定されるからである。
今回のように生死に関わると言っても過言でない法律に関しては、議論だけで無く何
かしらの行動が必要になるからだ。
さて今回の障害者自立支援法案作成に関わった、厚生労働省社会・援護局障害福
祉課そして国会議員の中で、いったい何人の人が今回の番組を見ていたのだろうか。
出来たらそういった人たちからの声を聞きたいものである。
しかし意見を言う人は居ないに等しいだろう。なぜなら見て見ぬふりをしていた方が、
立場上なにかと安全なのだから。
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