とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

『朝日ぎらい』を読みました1

2019-05-26 15:25:54 | 読書
 橘玲氏の『朝日嫌い』という本を読んだ。これまで何となく釈然としなかった点がうまく説明されている、まさに「目からうろこ」の本である。朝日新聞の胡散臭さと同時に、右傾化する世界の理由、安倍政権の胡散臭さ、そしてトランプ政権や、イギリスのEU離脱、中国の躍進、一方ではAI問題などなどさまざまな要素が見事に説明されている。必読の本である。

 現在再読中であるが、せっかく読んだものを自分の中で消化したいので、まとめておきたい。「とにかく書いておく」精神である。

 現在世界は「AI(人工知能)やICT(情報通信技術)などテクノロジーの急速な進歩を背景に、①知識不足社会科、②グローバル化、③リベラル化が相互に関連しあって大きく変容してる」。従来の仕事はAIなどに奪われてしまうので、社会は大きく変化しはじめ、このままでは生き残れない世の中になったのである。この大きな流れの中で安倍政権はリベラルな政策に舵を切っている。安倍政権というよりも「自民党をぶっ壊す」と言っていた小泉政権からの自民党の大きな流れといっていい。旧態依然とした保護主義的な政策から、グルーバルな競争社会への移行を目指している。

(もちろんたくさんの問題はそれにともなっておこっている。たとえば私がよく批判しているように、教育改革などが企業の利益誘導につながっている。あるいは経済においては格差が広がる一方である。しかし大きな流れとしてそうしなければ日本という国が生きていけないという考え方は理解できる。)

 従来リベラル政党というのは、保守派に対して改革を提唱する政党であった。しかし現在日本では、かつてリベラルと言われていた政党が保守化している。これは自民党への対抗軸の設定のためという部分もある。また弱者救済という意味もある。野党は改革についていけない弱者を救うために大きな変化を望まない政策を支持し、既得権を守ろうとしているのである。逆に自民党が改革を推し進めようとしている。逆転現象がおこっているのである。

 これを後押ししているのは若い世代である。若い世代の人たちはこのままでは自分が年配のインテリ層に搾取される構図のままになるので、改革を期待する。一方かつて保守派を攻撃していたリベラル派は、自分たちの生活を守る方向に舵をきってしまい、改革に対して抵抗をしめすようになる。民主党政権の支持がなくなったのはそのためである。

 アメリカでトランプ政権の支持が意外にも高いのは、低所得の白人層の支持があるからである。かつて偉そうにしていた白人が外国人労働者に仕事を奪われ、さらに国の経済が国際競争に敗れ、いまや社会の底辺の存在になってしまった。そんな白人労働者の支持が強いからトランプは意外にも高い支持を受けている。
イギリスのEU離脱も同じような傾向である。EUにより外国人労働者が増え、従来のイギリス国民が不遇な思いを味わっているという意識が強くなってきた。だから、かつてのイギリスを取り戻したいという幻想を抱くため保護主義的な政策を要求してるのである。

 その意味では安倍政権とトランプ政権はまったく別方向を向いていることがわかる。ここに安倍政権のからくりがある。

 つづく。
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