6日にSBS(9時55分~)放送予定の『しずおか吟醸物語』のお知らせを、関係者やお世話になっている知人友人に告知したところ、いろいろな反響が届きました。やっぱり外出予定の人が多いようで、「留守録セットしときました」というメールが続々。視聴率は期待薄かな(苦笑)。
ディレクターの井内さん(右)やオフィス・ゾラ静岡の成岡さん(左)はじめ編集スタッフは徹夜作業が続いています。
私はだいたい午後から夜にかけて、井内さんたちが仕上げた台本やテロップの監修と、ナレーション録音の立会いに参加するだけ。昨年夏のパイロット版や、一昨年春の『朝鮮通信使』の制作時に比べたら、かなり楽をさせてもらっていますが、肉体疲労とは違う気持ちの疲れというのか、自分が長い期間コツコツと取材してきた素材を、この世界を全く知らず現場取材もしていない第三者に委ねることへの不安からか、帰ってくるとドッと疲労感に襲われ、朝は4時5時に目が醒めてしまいます。麹造りで、自分がいかに手を尽くしても、すべては微生物の働きに委ねるしかない杜氏さんの心境に近いのかなぁと自分を慰めています…。
昨日(2日)は、井内さんが自宅のスタジオで細かな修正に専念するとのことで、他のスタッフは休み(といっても、他に抱えている仕事があるので、一般の人のような休みではありません)。
私は、雨天延期になっていた(社)静岡県ニュービジネス協議会の井川実験農場プロジェクト視察会に参加。井川・川根本町の休耕地を、農商工連携のニュービジネスで活性化させようという夢のプロジェクトの同行取材です。静岡新聞の記者も取材に来たので、近いうちに新聞紙面にも紹介されると思います。
絶好のお天気。南アルプスの眺望も楽しめる標高1000メートルの井川一体は、直射日光がキツく、顔や腕はUVケアしておいたのに、手の甲だけはむき出しだったので、あっという間に真っ赤・・・。5月の紫外線恐るべし!です。
たまった疲れのせいか、行きのバスの中で乗り物酔いになってしまいましたが、現地は空気もきれいで、桜がまだ残っているぐらいの涼しさ。視察の合間には参加者でバーベキューを楽しみ、野菜を切ったり火をおこしたりで、いい気分転換になりました。
今年初めてのスイカの味・・・絶品でした~!
SBS制作ルームの入口には、自社制作の番組名と視聴率の数字を書いた垂れ幕がズラリと貼られています。番組制作者にとって、自分たちの仕事の評価指数が、視聴率しかないというのはシビアな話です。視聴率がとれなくても優れたテレビ番組はたくさんあるはずだし、番組制作のプロたちは、視聴率に関係なく、自分のスキルと誇りをかけていいものを作ろうと努力しているはず。
映画のアカデミー賞は、興行収益の低い地味な作品でも評価の対象になって、業界の勢力図に左右されず(水面下ではいろいろあるのかもしれませんが)、まっとうに評価されているんじゃないかと思います。
私はテレビの世界は部外者でまったくの素人考えですが、テレビ番組の内容や制作者への評価も、数字やスポンサーの力に影響されることなく、客観的に評価されるシステムがあればいいなぁと心から願います。
今回の『しずおか吟醸物語』でも少し触れていますが、モノづくりの現場で、ベテランから若手へと職人の技能がきちんと継承され、質の良い作品を、何かの偶然ではなく、安定・継続的に生み出すことのできる環境を守るためにも、〈職人がまっとうに評価され、リスペクトされる〉社会になってほしい。まずメディアの世界が、自身でそれを率先行動してほしいと思います。
なんか、前もって視聴率がとれそうもない自信のなさを言い訳めいて吐露しちゃいましたが(苦笑)、今回の番組は『吟醸王国しずおか』の制作パートナーであるオフィス・ゾラ静岡さんが全力投球した、ローカル局では数少ない外部下請制作者発の画期的な企画番組です。数字はいいにこしたことはありませんから、ぜひぜひお知り合い等にも一声お声かけくださいね。