5月6日放送の『しずおか吟醸物語』をご覧になった方々から、さまざまな感想をいただきました。番組制作者にとっては、「観たよ」のひと言だけでも大変な励みになるのに、時間をつかってわざわざ感想を書いて寄せてくださるというのは無上の喜びです。
ご自分のブログ等でいろいろ書いてくださった方もいらっしゃると思います。ご連絡くださった方のブログは拝見しています。本当にありがとうございます。今回は、私や成岡さんのもとへ直接メールをくださった方の感想をご紹介しますね。
◆しずおか吟醸物語~世界に誇る美酒の醸し手たち~見ました。色々な感想を持ちました…。
一番は、「さすがだなぁ」と感銘を受けました。
正直、静岡でしっかりと取材をして作り込んだ映像作品は作れないのでは…と、僕自身は、最近思いはじめていましたが全く違う!と反省させられました。
「お酒」という、言わば特殊とも捉えられるテーマですが映像とナレーションや構成で、とても視聴者に伝わりやすい番組になっていたと思います。(以前のプレ作品の時とは見違える様でした)
物作りの、創り手の姿勢を、改めて、考えさせられました。番組や映像を作る、創り手も同じなんだなぁっと。(映像クリエーター)
◆テレビ版は録画してしっかり拝見させていただきました!皆さん、かっこよかったです!!
ブログやメール等で宣伝させていただいたところ、学生の間でも、「勉強になるしとてもいい番組!」と好評をいただきました。映像の力ってやっぱりすごいですね!!!(大学生)
◆静岡型の酒造りや思想についてとても分かりやすく、実際、番組を見た当店のお客様からも、「静岡の地酒ってすごいんだね♪」と言う感想も頂戴しました。
磯自慢、喜久酔、初亀など…一部の酒屋さんにしか入ってこないお酒であるのがなんとも切ないところですが、でもこのような映像が配信されて老いも若きも男も女も、県内の地酒に興味を持って頂けることがなによりかと感じております。
なお番組にて、始まって15秒ほどのところで私の利き酒姿が映っていたのはおもしろかったです(笑)。それに、始まって35秒ほどのところでインタビューを受けていた方は当店のお得意様でして、すごく喜んでおられましたよ。ありがとうございました。(酒販店)
◆自分が知っている人たちばかりで、優越感に浸りながら拝見しました。 編集もなかなか良く出来ていました。
ただ、全部を出そうとして、若干苦しい感じもしましたが、良い場面を切り取ったものだと感心してみていました。
流石にお酒造りの流れのポイントを鈴木流に上手く捉えているなあと思いました。
この地域の酒蔵は、少なくとも続いていくと確信しました。
これからまだ続く撮影と編集にエールを送ります。(印刷・出版)
◆青島酒造の皆さんの酒造りに取り組む姿勢、多田さんの技、杉井さんの人柄など短い時間では伝えきれないものが1時間で伝わってきました。
特に、青島孝さんの無駄をそぎ落とした姿勢はインパクトがあったのではないでしょうか?
ただ、一つ意見であったのは初心者にも分かりやすく、この人のココがこんなに凄い!!という強調をもっとしてもいいのでは?ここを見てくださいというふりがあってから見せても効果的ではないか・・という意見もありました。
ニュースなどでは酒造りの一部分しか伝わらないので、これが映画になったらもっとストーリー性を持って酒造りの真髄を見ることができるのではないでしょうか?公開楽しみにしています。(SBS局員)
◆醸し人の情熱が生み出す地酒をめぐる人間ドキュメンタリー。青島さんが中心でしたが、蔵ごとにそれぞれ人間ドラマがあり、とても見ごたえがありました。
一緒に番組を見ていた知人が映画作りを応援したいと申しております。どのようにすればよいでしょうか。(Webクリエーター)
↑のメッセージの最後の一言がイチバン嬉しいですね(笑)!!
また喜久醉、磯自慢、初亀を扱っていない酒販店さんからの「このような映像が配信されて県内の地酒に興味を持っていただけることが何よりです」というメッセージ、すごく励みになりました。…取引先が限定されている銘柄に絞って取り上げることを、不満に思う酒屋さんや飲食店さんも多いだろうと想像するからです。
2年前、『吟醸王国しずおか』の企画書とシナリオを関係者にプレゼンしたとき、「各蔵を平等に扱ったほうが多方面から協力が得られやすい」「そういうものは酒造組合や小売組合が販促用に作ればいい、鈴木が創りたいのは映像作品だろう」等など、喧々諤々議論しました。
シナリオ作りの相談をした山本起也監督には、「もっと登場人物を絞れ」と何度も書き直しを指示されました。…出会った蔵元すべてに魅力があり、思い入れもある自分にとっては、とても辛い選択で、シナリオが途中で進まず、ウツ状態になったこともあります。
実際の映像を撮る成岡正之さんは、ハリウッドで撮影技術を磨いたプロ中のプロですが、酒の予備知識のない人。そういう人が、現場でカメラを向け、被写体として惹きつけられる相手ならば、映像作品のキャラクターとして説得力があるはず…と割り切ったことで、やっとスランプを抜けられました。重荷を半分、成岡さんに託したわけです。
ただ、資金的に十分めどが立っていない映画づくりに、映像制作会社の経営者でもある成岡さんが時間を割くことには、多くのハードルがあったと思います。奥さんの奈保子さんはじめ、社員の皆さんの理解や協力がなければ実現できなかったでしょう。上記の映像クリエーターの方が「静岡でしっかり取材して作り込んだ作品は無理だと思っていた」というのが実情です。
テレビという無料配信の視聴者には、そんな内輪の苦労など関係ありません。流れてしまった映像がすべて。…多くの蔵元が、酒を生み出すまでに乗り超えなければならない多くのハードルを必死に乗り越え、消費者の手元に届けたとしても、消費者には関係ありません。呑んでうまいかまずいか、だけ。わざわざ蔵元へ「美味しかった」と電話やメールをする人は稀でしょう。…でもその一言でいろんな苦労が報われるんだと聞きます。今の私や成岡さんと同じです。
この作品は、制作側が被写体側の仕事を疑似体験するような、不思議なプロジェクトです。そのことを伝えるだけの力が、もう少しあったら…と今は、反省しています。
『しずおか吟醸物語』への感想やご意見、まだまだお待ちしています。