杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

パイロット版映像試写がつなぐもの

2010-08-28 15:43:22 | 吟醸王国しずおか

Imgp2875  26日(木)・27日(金)と続けて、久しぶりに『吟醸王国しずおかパイロット版』試写&トークを行いました(写真は27日県弁護士会館会議室)。

 

 

 

 26日は静岡商工会議所清水事務所の異業種交流会8月定例会にお招きいただきました。会場は、私の脚本デビュー作『朝鮮通信使』の完成披露上映会が行われた思い出の清水テルサ。朝鮮通信使の時は大ホールで市長や全国朝鮮通信使連絡協議会の会員さんはじめ500人以上のオーディエンスを集めましたが、今回は小会議室で20人ちょっとの試写会らしい試写会。室内の写真を撮る時間がなくて申し訳ないんですが、こじんまりしていても映像設備は大変立派で、スクリーンも大きく、小グループでの映像観賞会に最適な会場でした。JR清水駅から歩いてすぐというのもいいですね。しずおか地酒研究会でもぜひ使ってみたいと思いました。

 

 今回の試写&トークは、以前、シズオカ文化クラブで杉錦さんと一緒に試写&トークを行った時、参加しておられた㈱フタバコーケンの中村彰男社長が、「自分が代表幹事を務める会でもぜひ」とお声かけくださったのがきっかけ。前回よりもスクリーンが大きくて見やすかったせいか、上映終了後は「大したものだ、このまんまでも作品になるじゃないか」と大きな拍手をくださったのでした。

 

 20人余りの参加者は全員男性で、職業はさまざまですが社長やオーナーさんクラスがほとんど。この日は納涼会を兼ねて清水テルサ8階のレストランでお酒と食事が用意されていたので、こちらがメインで、私のトークと試写は“前座”のようなものだと思っていました。それだけに、会場から大きな拍手をいただけたのが望外の喜びでした。・・・パイロット版の上映後に拍手をもらうってあまりないんですよね。ビデオが終わって部屋を明るくしても、シーンとしてて何の反応もないときって、どうやって話の口火を切ろうかビビってしまいます(苦笑)。

 このときの拍手が社交辞令ではなかったことは、後のレストランでの納涼会のとき実感しました。みなさん本当によく声をかけてくださり、ご自身の酒の思い出話やつまみのウンチクなど積極的に聞かせてくれました。日本酒を介して、その人の生活観や職業観、人とのコミュニケーションの持ち方などが垣間見え、異業種交流の場づくりに、映像が多少なりとも役に立ったのかなぁと嬉しくなりました。

 

 そして参加者の中から、「自分が関わる会でもぜひ上映を」とお声かけくださる方がまた一人。・・・酒造りを丁寧に解説したわけでもなく、特段、地酒の銘柄や静岡県のPRにもなっていない、淡々と作業風景をつないだだけの映像ですが、何かを感じて受けとめ、他につなげようとしてくださる方が着実にいるんですね。本当にありがたいです。

 

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 27日夜は、静岡県弁護士会館で、静岡市内で法律事務所を経営する弁護士と事務員の有志の方が集まった『静岡地酒の魅力にふれる会』にお招きいただきました。

 仕掛け人の市川勝美さん(静岡合同法律事務所)は、雑誌『SIZO;KA(しぞーか)』の地酒特集号で私の映画作りのことを知り、しずおか地酒研究会と吟醸王国しずおか映像製作委員会に入ってくださった方。法律事務所で事務の仕事をするかたわら、地元藤枝の銘酒にハマり、08年8月のパイロット版第1弾試写会には所属する事務所の弁護士の先生方を連れてこられるなど、ふだんから熱心に応援してくださっています。

 

 

 会では最初に市川さんが独自に作成したレジメで、日本酒の製造工程や特Imgp2873 定名称の説明などを、利き酒師や日本酒学講師顔負けの知識で丁寧に解説。続いて私が静岡の酒の状況レクチャーとパイロット版試写。休憩をはさんで市川さんがセレクトした静岡酵母の酒3銘柄11種類を試飲しました。

 

 

 自分はただ呼ばれて話をして映像を見てもらうだけだったので、気が楽といえば楽だったんですが、同じように静岡の酒に熱い思いを持つ一般の人が、これだけの勉強会を企画し、実行したということに深い感動を覚えました。

 

 蔵元もしくは酒販店や飲食店が顧客獲得のために開くのではなく、直接のメリットがない一般消費者が、業者の後ろ盾なく、しっかりと専門的なレクチャーをし、試飲タイムでは純米とアル添酒の違いや米の精米歩合の差などを解説する・・・大変な手間や準備がかかることだけに、それを市川さんがほとんど1人で企画・準備したというのは趣味や余暇のレベルを超えた本当の「思い」があってのことでしょう。そういう会に呼んでいただけたって大Imgp2877変光栄なことです。食品や飲料の分野で消費者がここまで熱くなれるものって日本酒だけかもしれないですよね・・・!。

 

 

 

 ちなみにこちらの試写の後は拍手はありませんでしたが(苦笑)、『すし市』での二次会では大いに盛り上がりました。弁護士だらけの飲み会って初めてだったけど(笑)、同世代の方や女性が多く、気負いなく飲ませていただきました。本当にありがとうございました&ごちそうさまでした!