昨日(11月5日)から、『吟醸王国しずおか』公式サイトで、新しい連載がスタートしました。映画制作そっちのけで何やってるんだ!?とお叱りを受けそうですが、これも手弁当の映画づくりの産みの苦しみといいますか、これまで応援してくださった方々の思いを、新たな支援者獲得に向けた広報活動に使わせていただこうという苦肉の策です。
実際、映像製作委員会の会員さんには、それぞれに伝えたい静岡吟醸への熱い思いがあり、それが、その方の人となりや生き方に重なって見えてきます。私はいずれ、このサイトを、地酒を結び目にした地域と人の情報交差点みたいな場所に育てて行きたいと考えています。そのためにも、出来るだけ多くの方に“足あと”を付けていただきたいと思っています。
新しい連載は、『WEB酒場・しずおか吟醸伝』。WEB上の仮想酒場に、会員たちが集まって酒談議、人生談議に花を咲かせるというコンセプトの、会員リレーメッセージです。
1回目の語り部は、浜松市で大正時代から続く老舗割烹料理店『弁いち』の鈴木純一さん。弁いちさんのHPは、知る人ぞ知る情報の宝庫で、これも鈴木さんの幅広い人脈や経験や深い学識の賜物。お店には一度、取材にうかがったことがあるだけですが、厳しいデフレの時代にあって、浜松の市街地というこれまた厳しい“戦場”で、理想の酒と料理の在り方に妥協せず、本質をしっかり見据えて努力を惜しまないその姿勢に、心から尊敬申し上げておりました。今年6月にはお店をリニューアルされ、新たな一歩を踏み出されたばかりです。
鈴木さんには2年前に会員向け会報誌に応援メッセージをご寄稿いただきました。酒の級別制度や灘・伏見メーカー全盛期から北陸・東北の有名地酒メーカー、そして地元の酒、蔵元自醸酒へと、一人の料理人が日本酒と向き合い、長年積み重ねてきた“飲ませる苦労”を、簡易な言葉で伝えてくださいました。
今回の連載スタートにあたり、造り手と飲み手の大切な橋渡し役である売り手さんの陰の努力をまずはご紹介したいと思っていたので、鈴木さんにWEB上での再掲をお願いしました。
快諾のお返事に、「吟醸王国のHPのカメラマン成岡正之さんの連載を読んでいたら、アメリカ西海岸でドラマー修業をされていた話を見つけてビックリした。自分もその時期、西海岸で音楽をかじっていたんですよ。どこかですれ違っていたかも・・・」とあったので、こちらもビックリ!・・・酒にかかわっていると、ホント、こんなふうに面白い縁に出くわすんです。
読者のみなさんにも、吟醸伝の語り部たちの物語に、どこかで酒縁を感じていただけたなら幸いです。
吟醸王国しずおか公式サイト『WEB酒場・しずおか吟醸伝』は、毎週金曜日の更新。いろ~んな職業の方々が、ざっくばらんに静岡酒との縁について語ってくれます。ぜひお楽しみに!