風邪を引いてからかれこれ10日以上経つのに、なかなか完治しません。人と話すと咳がひどくなるので困ってしまいます。この間、FM-Hiで『かみかわ陽子ラジオシェイク』の収録があって、ティッシュ片手にひどい声で・・・。昨日(17日)のオンエアをお聴きになったみなさま、ホントのお耳汚しになってしまって本当にスミマセンでした。
昨日の放送では、映画『マーガレット・サッチャー~鉄の女の涙』のことを紹介しました(トーク内容はこちらを)。メリル・ストリープのなりきりぶり、さすがアカデミー主演女優賞でしたね。
私はメリル・ストリープ出演作では、ごく普通の主婦が純愛に揺れる『恋に落ちて』や『マディソン郡の橋』のセンシティブな演技が好きで、サッチャーさんや、『プラダを着た悪魔』の鬼編集長のような“なりきりキャラ”は、どうも不自然に見えて仕方なかったのですが、陽子さんとのトークを通じて、実在の、伝説的な人物を演じるプロの役者としての矜持というのか、役柄に自分自身を投入させる俳優という職業の高潔さを感じました。・・・しかもサッチャーさん、まだご存命なんですよね。
『かみかわ陽子ラジオシェイク』は4月から月2回の放送になって、前回は犯罪被害者等支援法、今回はIPU(世界列国議会連盟)、次回は海洋法と大陸棚・海洋利権等など、テーマがだんだんハードになってきて、台本作りもどんどん難しくなっているんですが、愉しいのは、毎回一曲、テーマに合いそうな音楽を選ぶこと。今回は、サッチャーさんのことと、子どもの権利を守るIPU世界女性会議の活動を取り上げたので、女性を勇気づけるような歌がいいなあと思い、ホイットニー・ヒューストンの『Greatest love of all』をチョイスしました。ホイットニーの歌の中では昔から一番好きで、改めて歌詞をチェックしてみたら、トーク内容にぴったりでした。
誰もがヒーローを求めている
尊敬する人を必要としている
だが私の要求を満たした人はいなかった
寂しいことだが、あてになるのは自分だけだと気づいた
子どもたちは私たちの未来
正しく教え、彼らに導いてもらおう
彼らのうちにある美点を残さず引き出し
生きる励みに誇りをうえつけよう
たとえ失敗しようと成功しようと、
自分の信じるままに生きたい
私から何を奪おうと、尊厳だけは奪えない
こんな素晴らしい歌を歌ったホイットニーなのに、哀しい最期でした。・・・でも遺した作品は本当に素晴らしい。昔から好きだった歌を、自分が制作に関わった番組のテーマにジャストフィットし、公共の電波に乗せて発信できるなんて、とても幸せです。
歳をとってきて、観る映画、聴く音楽がだんだん保守的になってしまっているけど、こういう仕事をたまにすると、感性のアンテナを鈍らせてはいけないなと痛感しますね。・・・とりあえず最近はテレビよりもラジオを聴くようにしています。